JPS635819Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、米や麦等の穀粒やその他の粒体を
大粒の整粒と小粒及び屑粒の雑粒とに選別する縦
型粒体選別機に関する。

縦型粒体選別機は、円筒状選別筒とこの選別筒
に収嵌した揚穀螺旋とを互いに同心して回転する
如く共に殻体内に立設した構造をしていて、粒体
を揚穀螺旋の螺旋翼で上昇させながら選別筒の周
壁内面に遠心力を利用して押し付け、この周壁に
穿接した選別孔から雑粒を殻体内に漏れ出させて
選別するものである。このようにして選別筒の選
別孔から漏れ出した雑粒は、殻体内を供給域と選
別域に仕切る仕切板上に落下し、回転選別筒側に
取着の掻送具により該仕切板上の集穀通路から雑
粒取出口へ移送されて殻体外へ取り出されるので
あるが、仕切板と選別筒の外周壁との間には、選
別筒の回転を許容するための間隙が形成されてい
るため、仕切板上へ落下した雑粒が該間隙から内
部に入り込むことがあり、選別筒の回転に支障を
与える。この対策として、該間隙を塞ぐシール材
を設けることが考えられるが、選別筒は選別する
粒体の種類によつて選別孔の径の違う別の選別筒
と交換することがあり、その交換時に該シール材
が選別筒を差し込む邪魔となつたり、該シール材
が選別筒の回転の支障となることがある。

このため、この考案では、次の如く構成した。
すなわち、円筒状選別筒５とこの選別筒５に収嵌
した揚穀螺旋１０とを互いに同心して回転する如
く殻体１内に立設した縦型粒体選別機において、
選別筒５周囲の殻体１内を殻体１に取着され内周
端に環状の立上り壁８を有する仕切板４によつて
供給域２と選別域３に仕切ると共に、該仕切板４
上を選別筒５側に取着される掻送具１５の通過す
る集穀通路３４となし、更に、該仕切板４の立上
り壁８を選別筒５外周に取着する環状の周庇６内
方に該周庇６下面及び内周面と一定の間隔を有し
て位置させ、該立上り壁８の上部には周庇６の下
面と近接する環状弾性体７を取着してなる縦型粒
体選別機の構成とする。

この考案は、前述の技術構成によつて、以下の
如き作用効果を奏する。即ち、選別筒５の選別孔
から漏出した穀粒は、周庇６面で案内されて仕切
板４上に落下し、選別筒５側に取着される掻送具
１５により該仕切板４上に形成される集穀通路３
４内を掻送られて雑粒取出口から殻体外へ排出さ
れる。

この選別過程にあつて、集穀通路３４に落入す
る雑粒は、高速回転する掻送具１５によつて移送
される際跳ね飛ばされ、固定の仕切板４と回転す
る選別筒５との間隔部に侵入しようとするが、該
仕切板４内周端の環状の立上り壁８と、該立上り
壁８上部に取着され周庇６下面に近接する環状弾
性体７によつて確実に阻止される。

又、雑粒の大部分は、下方に位置し鉄板等で強
固に構成される立上り壁８によつて阻止され、上
方に飛散される一部の雑粒のみを環状弾性体７に
よつて阻止するので、該環状弾性体７を柔軟な弾
性材で形成可能であり、周庇６下面に摺接させて
も選別筒５の回転の支障となることがない。

更に、環状弾性体７を固定の仕切板４側に設け
たものであるから、選別孔の径の異なる選別筒５
との交換に際しても該環状弾性体７を付替える必
要がなく、又、該環状弾性体７の存在により仕切
板４の立上り壁８を周庇６内方に該周庇６下面及
び内周面と一定の間隔を有して位置させることが
でき、選別筒５の交換作業が容易に行えるもので
ある。

次に、この考案をその実施例を示す図面に基づ
いて説明する。

縦型粒体選別機の全体構造は、第１図に示す如
き構造である。すなわち、固定した受粒筒９と、
この上部にあつて回転自在にした円筒状選別筒５
と、これら受粒筒９と選別筒５とを貫通して回転
する揚穀螺旋１０とを、殻体１に内蔵した構造を
している。

受粒筒９は、殻体１の底部に設けた基盤１１上
に固定して設けた円筒状の筒で、周壁に開口部１
２を設け、この開口部１２に殻体１の外方から粒
体を供給する供給シユート１３を連通する。

選別筒５は、前記受粒筒９の内径と略同一内径
を有する有蓋の円筒体で、外周壁の上下に周庇
６，６を取り付け、この上下周庇６，６間の周壁
に多数の選別孔を穿設する。上側の周庇６の上方
周壁には、大きく開口した放出窓１４を開設す
る。また、上下の周庇６，６には、周方向等間隙
でそれぞれ４枚の掻送具１５，１５……を着脱自
在に取り付ける。

揚穀螺旋９は、比較的大径の円筒に螺旋翼１６
を固着したもので、受粒筒９に供給された粒体を
遠心力を付与しながら上昇搬送する。この螺旋翼
１６は、選別筒５の選別孔穿設範囲に対応する位
置では外方に向う下り勾配に傾斜させ、その他の
部分では外方に向つて略水平にしている。

殻体１の内部には、選別筒５の選別孔穿設範囲
の上下端に略対応する位置に仕切板４，４を設
け、下から供給域２、選別域３、整粒取出域１７
に仕切つてある。

また、この仕切板４，４の内周端には選別筒５
を囲む環状の立上り壁８を形成すると共に、この
立上り壁８を選別筒５外周に取着する環状の周庇
６内方に該周庇６下面及び内周面と一定の間隔を
有して位置させ、又、該立上り壁８の上部には周
庇６の下面と近接しゴム板や繊維質の板体等から
なる環状弾性体７を貼着してある。

なお、この環状弾性体７は、第３図の如く立上
り壁８上部の内側に貼着してもよい。

基盤１１の下部には、ギヤボツクス１８を取り
付け、このギヤボツクス１８から基盤１１上へ回
転盤１９と駆動軸２０とを突出させる。この回転
盤１９と駆動軸２０とは互いに逆回転するように
したもので、回転盤１９に揚穀螺旋１０を載置係
止し、駆動軸２０に揚穀螺旋１０内を貫通した延
長軸２１を継手２２で連結する。延長軸２１の上
部は、揚穀螺旋１０の上端に設けた軸受２３を回
転自在に貫通し、選別筒５の嵌合部２４に回転力
を伝動すべく嵌合し、さらに軸端を殻体１の上部
に設けた天蓋２５を貫通して軸支する。

選別筒５は、嵌合部２４を揚穀螺旋体１０の軸
受２３上に載置して支持し、下端外周壁に受粒筒
９上に軸支したローラ２６を接触させて横振れし
ないようにしている。従つて、この選別筒５は天
蓋２５を取り除いて上方へ引き抜くことによつて
殻体１外へ取り出せるのである。なお、この際
に、下部の周庇６に取り付けた掻送具１５は取り
外しておく。

２７はモーターで、このモーター２７の出力軸
に固着したプーリ２８とギヤボツクス１８の入力
軸に固着したプーリ２９との間にベルト３０を張
架して動力伝動をしている。

３１は、供給域２と選別域３とを仕切る仕切板
４上に落下して掻送具１５で掻き送られる雑粒を
殻体１外へ取り出す雑粒取出口であり、３２は、
選別筒５の選別孔から漏出せず揚穀螺旋１０で送
り上げられ、放出窓から整粒取出域１７と選別域
３とを仕切る仕切板４上の集穀通路３４へ放出さ
れ掻送具１５によつて送り出される整粒を貯留す
るタンクである。

供給シユート１３から受粒筒９内へ供給された
被選別粒体は、揚穀螺旋１０の回転によつて遠心
力を付与されると共に次第に上方へ揚粒され、選
別筒５の選別孔穿設範囲で大粒の整粒と、小粒や
屑粒等の雑粒とに選別される。選別筒５の選別孔
から漏れ出した雑粒は、既述のとおり雑粒取出口
３１から殻体１外へ取り出され、整粒のみがタン
ク３２内へ貯留される。このタンク３２内へ溜る
整粒は、下方の排出口に設けたシヤツター３３を
適宜に開いて取り出し袋詰する。

【図面の簡単な説明】

図は、この考案の実施例を示すものであつて、
第１図は全体を断面にした正面図であり、第２図
は一部の拡大断面正面図、第３図は別実施例を示
す一部拡大断面正面図である。 １……殻体、２……供給域、３……選別域、４
……仕切板、５……選別筒、６……周庇、７……
環状弾性体、８……立上り壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒状選別筒５とこの選別筒５に収嵌した揚穀
   螺旋１０とを互いに同心して回転する如く殻体１
   内に立設した縦型粒体選別機において、選別筒５
   周囲の殻体１内を殻体１に取着され内周端に環状
   の立上り壁８を有する仕切板４によつて供給域２
   と選別域３に仕切ると共に、該仕切板４上を選別
   筒５側に取着される掻送具１５の通過する集穀通
   路３４となし、更に、該仕切板４の立上り壁８を
   選別筒５外周に取着する環状の周庇６内方に該周
   庇６下面及び内周面と一定の間隔を有して位置さ
   せ、該立上り壁８の上部には周庇６の下面と近接
   する環状弾性体７を取着してなる縦型粒体選別
   機。