JPS6348996B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、概して抄紙機に関し、特に抄紙機の
乾燥部に関し、さらに紙ウエブが関連する支持バ
ンドまたはベルトにより関連する乾燥シリンダま
たはローラ装置に向つて、これに対してそしてこ
れから離れて運搬されるときに、走行する紙ウエ
ブの安定性及び接触を高めるためにこの種乾燥部
で使用される装置に関する。

抄紙機の乾燥部において、水分を含む紙ウエブ
が、段状に配設され且つ一つの段のシリンダまた
はドラムが他の段のシリンダまたはドラムに関し
て互い違いになるようにずらして配設された乾燥
シリンダまたはドラムを包むような曲がりくねつ
た通路に沿つて導かれることは公知である。この
種乾燥部においては、複数のこのような乾燥シリ
ンダまたはドラムが、段（または列）が各々異な
る高さに配設されているような段状に配設される
ことは珍しいことではない。

一般に、この種乾燥部の始めにおいて、乾燥シ
リンダまたはドラム上の迂回する支持バンドまた
はベルトが備えられている。一般に、該支持バン
ドまたはベルトは、通常綿から作られたフエルト
製かプラスチツクまたはワイヤー製の多孔質で通
気性のエンドレス支持バンドまたはベルトもしく
は織物ベルトであつてもよい。この種乾燥部にお
いては非常にしばしば、例えば下方に在る段の乾
燥シリンダは実際上その外周面に対して直接的に
走行する支持バンドまたはベルトを有し、該支持
バンドまたはベルトにより運搬される湿つた紙ウ
エブは実際には半径方向外側に而も該支持バンド
またはベルトの半径方向に最も外側の表面にあ
る。これに対して、例えば上方に在る段の乾燥シ
リンダは実際上その外周面に対して直接的に走行
し且つ乾燥されるべき紙ウエブの半径方向外側に
直接的にそして該ウエブの接している支持バンド
またはベルトによりそれに対して効果的に走行し
ながら保持される紙ウエブを有している。

支持バンドは、その時には僅かな強度しか有し
ていない湿つた紙ウエブと共に、乾燥部の最初の
領域を通過し、その際支持バンドは紙ウエブを支
持し特に自由なそうでなければ支持されない区間
において紙ウエブを支持し、または一対の連続す
る乾燥シリンダまたはドラムの間を通過する。既
に指摘したように、仮に比較的上方の段の乾燥シ
リンダ、ここでは簡単に外側シリンダとして参照
される、の場合には、支持バンドまたはベルト
は、効果的に走行しながら、紙ウエブを関連する
乾燥シリンダの外側の乾燥面に対して直接的に保
持し、これに対して仮に比較的下方の段の乾燥シ
リンダ、ここでは簡単に内側シリンダとして参照
される、の場合には、走行する支持バンドまたは
ベルトは実際には関連する乾燥シリンダの外面に
接しており且つ乾燥シリンダの外面と紙ウエブの
間に在る。

例えば850ｍ／分以上の表面速度のような特に
高い作動速度を有する抄紙機においては、乾燥部
内で紙ウエブを案内することに因難が生じる。実
際、紙ウエブが外側乾燥シリンダの表面から離れ
るときに紙ウエブが支持バンドまたはベルトから
浮き上がつてしまうことがわかつた。その結果と
して紙ウエブと走行する支持バンドまたはベルト
との間に吸い込まれた空気がしばしば、その望ま
しい通常の進路への紙ウエブのさらなる移動また
は誘導において該紙ウエブと支持バンドまたはベ
ルトとの間の接触を妨げてしまう。これはまた紙
ウエブ縁部の振動、振動むら及び垂れ下がりによ
つて例示された紙ウエブの不安定な走行を生ぜし
める。紙ウエブが一般に次の内側乾燥シリンダへ
走行するときに、空気が紙ウエブと走行する支持
バンドとの間に押し込まれる。その結果、紙ウエ
ブがこのような内側乾燥シリンダの周りを通過す
るときに、紙ウエブと支持バンドとの間に押し込
まれた空気が該紙ウエブを支持バンドから浮き上
がつた状態にするので、紙ウエブの誘導または運
搬はこの領域において不安定になる。このような
紙ウエブの望ましくない行動は、紙質の相当な低
下及び乾燥部へのそしてその中での進行中の紙の
裂断の危険の増大を生ぜしめる。

例えば（特許協力条約のもとでの）国際公開第
WO 81／01428号により示されているような従来
技術は、外側乾燥シリンダの出口三角部（三角形
空間）と内側乾燥シリンダの入口三角形部との間
で支持バンドに沿つて平坦な壁により延びている
空気ガイド吸引ボツクスまたは装置１３（第６
図）を使用している。吸引ボツクス１３の第二
の壁が内側乾燥シリンダの自由面に沿つて延びて
いる。これらの壁の流入側の縁部にそして入口三
角部内に、ガイドボツクス１３は空気払拭部材
を備えている。この部材は支持バンド及びシリン
ダ表面において該ボツクスの二つの壁により画成
されたギヤツプ内への空気の侵入を大いに抑制す
るように企図されている。またボツクス１３に
吸引源または真空源１５が作用的に連結されてお
り、該吸引源または真空源は、支持バンド１２に
沿つて延びているボツクス壁の流入側縁部でも乾
燥シリンダと関連せしめられた壁の三角部側縁部
でも開口と連通している。このように、従来技術
は、空気払拭部材があつても支持バンドまたはベ
ルトによりそしてシリンダ表面により各々ギヤツ
プ内に持ち込まれた空気を引くことを企図してい
る。さらに、支持バンドに対して向けられた追加
の空気払拭部材により流入及び三角部側に画成さ
れている支持バンドに沿つて延びているギヤツプ
は、端部で入口三角部に向つて排出する通路を通
つて乾燥部内の大気と連通している。このような
従来技術装置においては、紙ウエブが二つの連続
する乾燥シリンダの間の領域において支持バンド
またはベルトに粘着することが望まれる。しかし
ながら、このような従来技術による装置は十分で
はないことがわかつた。例えば、従来技術構造に
おいて空気が支持バンド側のギヤツプからボツク
スの狭い通路を通つて非常に少ない不十分な量ま
たは率ではあるが流出することがわかつた。さら
に、このような従来技術構造特に空気または吸引
ボツクスは、乾燥用空気と共に引き込まれるゴミ
粒子及び繊維がすぐにボツクス１３の吸引また
は真空開口そして／またはその流路を塞ぎまたは
妨げる危険が在るので、作動上安全ではない。

ドイツ公開明細書第3148578号により示されて
いる従来技術は、その第６図及び第８図に示され
ているように、噴射空気の使用により入口三角部
の領域における紙ウエブの協働する支持バンドま
たはベルトからの浮き上がりが有望に克服され且
つ排除されるべきである空気ガイドボツクスを使
用している。このために、前記ドイツ公開明細書
第3148578号により開示された装置の一形態にお
いては、空気ガイドボツクスは入口三角形部の直
前に配設されており、噴射空気は支持バンドの走
行方向に対して反対方向に且つ隣接する乾燥シリ
ンダの回転方向に対して反対方向に噴出されまた
は向けられる。前記ドイツ公開明細書第3148578
号の他の形態または実施例においては、噴射空気
は支持バンドでのみ使用されていて、空気払拭部
材は関連する乾燥シリンダの自由面に対して向け
られている。噴射空気及び空気噴射部材は各々同
じ目的即ち支持バンド及び／または乾燥シリンダ
により持ち込まれる空気境界層を払拭し且つこの
空気が入口三角部に侵入しないようにするという
目的を有している。しかしながら、試験及び経験
は、前記ドイツ公開明細書第3148578号を実現す
る構造が受け入れられないものであることを示し
た。例えば、紙ウエブは支持バンドに粘着する
が、これはバンド側の噴射空気の噴出に沿つて狭
く限定された領域でのみ起こることがわかつた。
空気ガイドボツクスがあるにもかかわらず入口三
角部に入つた空気は、支持ベルトまたはバンドか
らの紙ウエブの浮き上がりを生ぜしめる。さら
に、支持バンドの表面は噴射空気流に対して相当
な抵抗を示すので、相対的に非常に高率の噴射空
気が必要とされるが、これは本質的に且つ当然に
望ましいものではない。しかしながら、さらなる
欠点として、このような高率の空気噴射は、しば
しば乾燥部の熱バランスに望ましくない影響を及
ぼす。

ここで開示され且つ説明される本発明は、主と
して従来技術の前述したそして他の関連する付随
の問題を解決するためになされたものである。

本発明によれば、紙ウエブが支持バンドと共に
乾燥シリンダ上を迂回し、二つの連続するシリン
ダの間で乾燥部を横切つて延びており且つ該支持
バンドに沿つて該支持バンドと乾燥シリンダとの
間の入口三角部内に延びている空気ガイドボツク
スが、該ボツクスの横断面で見たときに支持バン
ドに沿つてそして入口三角部内に延びている第一
の壁と、該第一の壁と該支持バンドとの間に残つ
ているギヤツプと、該第一の壁の流入側の縁部に
配設されていて且つ該支持バンドに対して作用す
る空気払拭装置と、乾燥シリンダの円筒面の一部
に実質的に並置された第二の壁とを含んでいて、
該第二の壁が該入口三角部内で該第一の壁と共に
作用的に収束し且つ該第二の壁と該円筒面との間
にギヤツプを作成しており、該第二の壁が空気の
通路のための開口と、関連せしめられた噴射空気
供給源とを備えていて、該開口が該乾燥シリンダ
の回転方向と反対方向に該第二の壁と該円筒面の
間の前記ギヤツプ内に噴射空気を給配するために
有効である、抄紙機の乾燥部のための空気ガイド
ボツクスが提供される。

本発明の種々の一般的及び特別の目的、利点及
び局面が、添付の図面に関連して以下の詳細な説
明を参照すれば明らかになるであろう。

図面において、明瞭にするために幾つかの詳細
及び／または要素が一つまたはそれ以上の図から
省略されている。

第１図において、五つの乾燥シリンダ１０，１
１，１２，１３及び１４は乾燥部の一つの乾燥群
を構成している。追加の乾燥シリンダ１５も図示
されており、これは次の乾燥群に属する乾燥シリ
ンダを示すものである。

例として、乾燥シリンダ１０，１２及び１４が
比較的上方の段または列に配設されており、乾燥
シリンダ１１，１３及び１５が比較的下方の段ま
たは列に配設されている。乾燥されるべき紙ウエ
ブ１６は概して乾燥シリンダ上を迂回しながら矢
印１７の方向に走行する。その際、紙ウエブ１６
は第一の乾燥群（シリンダ１０，１１，１２，１
３及び１４）内でエンドレスの通気性支持バンド
またはベルト１８により連続的に随行される。第
１図に示されているような支持バンド１８の通路
が閉じたまたはエンドレスのループであると見な
されるならば、乾燥シリンダ１０，１２及び１４
はこのような支持バンド１８のループの外側に在
り外方の、外部のまたは外側の乾燥シリンダであ
ると考えられることが明らかになる。同様に下方
の段の乾燥シリンダ１１及び１３はこのような支
持バンド１８のループの内側に在り、内方の、内
部のまたは内側の乾燥シリンダであると考えられ
ることが明らかになる。このために、上方のシリ
ンダ１０，１２及び１４の領域において、紙ウエ
ブは順にシリンダ１０，１２及び１４の円筒面の
一部の支持バンド１８の間に含まれる（挾まれ
る）ようにして走行しまたは通過する。これに対
して、下方の段のシリンダ１１及び１３の領域に
おいては、紙ウエブ１６は、その位置でシリンダ
１１及び１３の円筒面の一部に直接的に接してい
る支持バンド１８の半径方向外側でこれに接する
ように、通過する。例えばシリンダ１０から１
１、１１から１２、１２から１３及び１３から１
４の間の如きシリンダの間の自由なまたは支持さ
れない部分では、紙ウエブ１６の支持バンドまた
はベルト１８により案内される。自由なまたは直
接の紙の引張りはシリンダ１４及び１５の間で初
めて現われる。シリンダ１５により形式的に示さ
れたシリンダの次の乾燥群において各シリンダ段
または列は符号１９で示されているようにその独
自の支持バンドを有している。

上方の乾燥シリンダ１０または１２から各々１
１または１３の如き下方の乾燥シリンダへの紙ウ
エブ１６と支持バンド１８との共通の通路に沿つ
て、各々一つの空気ガイドボツクス２０が備えら
れ且つ支持バンド１８の側に在るように位置せし
められている。このような空気ガイドボツクスの
各々は好ましくは堅く且つ紙ウエブ１６の幅に等
しいか、それより僅かに短い長さを有している。
さらに、このような空気ガイドボツクスの各々
は、乾燥部の紙ウエブ１６及び支持バンド１８の
通路を横切つて延びているように位置している。

第２図に例示的に示されているように、本発明
の好ましい実施例においては、空気ガイドボツク
ス２０は実質的にすべての側面が閉じており且つ
支持バンド１８の並置部分から隔置されているが
ほゞそれに沿つて延びているように位置している
第一の壁２１を含んでいる。該第一の壁２１及び
支持バンド１８との間の間隔は三角部または三角
形空間２２に向つて進むに従つて発散するギヤツ
プ２３を画成している。即ち、三角部の端部にお
ける壁２１と支持バンド１８との間の距離は好ま
しくは壁２１の入口または供給側の縁部２４にお
ける壁２１と支持バンド１８との間の距離より長
い。図示の如く、好ましい実施例においては、壁
２１の最も奥の端部は三角部２２内に延びてい
る。

空気払拭部材２５が該第一の壁２１の供給側の
縁部２４に在り支持バンド１８の向つて延びてい
るように適当にそれに固着されている。例えばフ
エルト片またはブラシ状部材から構成され得る空
気払拭部材２５は、該ボツクス２０の上流または
入口端と支持バンド１８の並置部分との間の空間
を効果的に閉じるように延びており、それによつ
て移動する支持ベルト１８により持ち込まれる空
気境界層または薄膜をこの位置で払拭するのに役
立つ。噴射空気式スクレーパが支持バンド１８に
対して向けられてもよい。

該空気ガイドボツクス２０は好ましくは、乾燥
シリンダ１１の円筒面の並置部分から隔置されて
いて且つそれ自体と該並置部分との間にギヤツプ
２７を形成する第二の壁２６を含んでいる。該第
二の壁２６は前記第一の壁２１と共に入口三角部
２２内に収束している。ボツクス２０の三角部側
において、空気ガイドボツクス２０は、第一の壁
２１の延長部として役立ち且つ収束する壁２１及
び２６の接合点を越えて延びている突出している
フランジ状または鼻形部材２８を備えている。

好ましい実施例において、第二の壁２６は空気
通路のために貫通して形成されたスリツト状開口
２９を有している。開口２９はボツクス２０の長
手方向に延びている。この場合、長手方向という
のは第２図で紙面に対して横向きである。所望で
あれば、開口または通路２９は、非常に長い空気
ガイドボツクス２０の場合に該開口または通路２
９の両側に在る第二の壁２６の部分の安定性を保
証するために、相互に隔置された複数のウエブに
より橋渡しされていてもよい。第２図において認
められ得るように、好ましい実施例においては、
開口２９の流れの軸は、実質的にそこからの流れ
が三角部２２から離れる方向に向けられるように
壁２６に対して鋭角で延びている。

空気ガイドボツクス２０は、好ましくはほゞ対
向する端面または壁を備えており、その一方は全
体が閉じており、他方は（図示しない）噴射空気
源に作用的に連結された入口開口または通路３０
を備えていてもよい。

導風装置３１が空気ガイドボツクス２０の内部
に取り付けられていて且つ入口３０から開口２９
への噴射空気の流路内に在るように空気入口３０
と開口２９との間に位置している。該導風装置３
１は、ボツクス２０の全長に亘つて延びており、
第二の壁２６と共に、スリツト状開口２９へ段々
狭くなるノズル状断面の空間３２を画成してい
る。

さらに、好ましい実施例においては、流路３３
が、支持バンド１８側のギヤツプ２３をシリンダ
側のギヤツプ２７と作用的に且つ流通可能に相互
連結するために備えられている。入口３０からス
リツト状開口２９への噴射空気の流れを抑制しま
たは不当に限定することのないように、流路３３
は好ましくは軸方向に相互に隔置された複数の通
路または管３４から形成または構成されているの
で、このような間隔は実際には該複数の管３４を
空気ガイドボツクス２０の長手方向に隔置せしめ
る。好ましい実施例においては、支持バンド１８
に最も近い流路３３の端部は第一の壁２１の三分
割したほゞ中央部分に位置していて、矢印３５で
示されているように乾燥シリンダ１１の進行方向
に沿つて見たとき乾燥シリンダ１１に最も近い流
路３３の端部はスリツト状開口または通路２９の
すぐ前方にまたは手前に在る。

さらに、好ましい実施例においては、第二の壁
２６は、ほゞ開口２９と流路３３のギヤツプ２７
側との間の領域または位置で段３６の形態で凹陥
部が設けられているので、逆流方向にギヤツプ２
７は急に断面積を拡大する。また、空気ガイドボ
ツクス２０は、内側のまたは三角部端部の側に図
示しない方法で、支持バンド１８に向けて第一の
壁２１に沿つて入口三角部２２内に延びているフ
エルトの空気障壁部材またはブラシ片を備えてい
てもよい。同様に、第二の壁２６が乾燥シリンダ
１１の表面に向けられたこの種空気障壁部材を備
えていてもよい。

スリツト状開口２９への途中で、空気ガイドボ
ツクス２０内を流れる噴射空気は、第一の壁２１
の内部と導風装置３１との間に効果的に画成され
た絞りギヤツプまたは空間３７として参照され得
るところを通過する。このように噴射空気を「絞
る」ことの効果は、この空気の圧力を空気ガイド
ボツクス２０の全長に亘つて少なくともより一層
一様にまたは均一に分配せしめる。ノズル状空間
３２内において、噴射空気は乾燥シリンダ１１
（または１３）の進行方向（矢印３５）と反対方
向に高速度でギヤツプ２７に入るように加速を受
ける。シリンダ側のギヤツプ２７を通る流路中
で、噴射空気は乾燥シリンダにより持ち込まれた
空気境界層を分離してその入口三角部２２への侵
入を阻止する。第一の壁２１の流入側の縁部２４
にある空気払拭装置２５は、そうでなければ入口
三角部２２へ向つて且つその中へ流れる傾向にあ
る支持バンド１８上の空気境界層の大部分を偏向
させる。前述したギヤツプ２３の発散は、支持バ
ンド１８及び紙ウエブ１６の進行中にこのギヤツ
プ２３内に真空を発生せしめる。この発生した真
空は、紙ウエブ１６を支持バンド１８に対して十
分に接触させて保持するのに役立つ。さらに、開
口または通路２９からギヤツプ２７内へ流出する
噴射空気の供給は、反対側のギヤツプ２３へも影
響を及ぼす。即ち、この噴射空気はスリツト状開
口２９を通つて噴出せしめられ且つ流路３３のシ
リンダ側の端部を通過するので、この流路３３の
シリンダ側の端部に吸引効果が生ぜしめられ、こ
の効果は流路３３の上流でギヤツプ２３内ある空
気の少なくとも大部分を噴射空気により通路２９
から一掃されるように流路３３を通つてギヤツプ
２７内へ流す。さらに、排出通路２９からの噴射
空気の流れの方向は、通路２９から入口三角部２
２内へ延びている領域においてギヤツプ２７内に
減圧または不完全な真空を発生せしめる。この結
果、流路３３の支持バンド側の端部の下流でキヤ
ツプ２３内に在るような空気及び三角部２２内に
在る空気は、噴射空気によりそこから外側へ一掃
されるように第２図に矢印で示された如くギヤツ
プ２７を通つて流される。

以上の説明で明らかな如く、本発明は、効果的
に連続する紙ウエブ１６及び連続する支持バンド
１８が関連した入口三角部に実際に入つて例えば
シリンダ１１の如き関連したシリンダの周りを通
過しそれに接触するまで、紙ウエブ１６を支持バ
ンド１８に対して固く保持するために有効であ
る、装置特に空気ガイドボツクスを提供する。さ
らに、本発明の空気ガイドボツクス２０は、従来
技術と比較して特に小量の噴射空気要求量を有し
ており、すべての実用目的に対してほこりに強
く、ほこりまたは異物粒子の蓄積のために作動不
能になることから効果的に免れている。

従来技術のドイツ公開明細書第3148578号に対
して、本発明の装置においては、噴射空気はシリ
ンダ側のギヤツプ２７のみに向けられており、こ
れは、乾燥シリンダの滑らかな表面が噴射空気の
流れに対して僅かな抵抗しか示さず、従つて乾燥
シリンダ表面から空気境界層を払拭するために比
較的僅かな噴射空気しか要しないから、明らかな
利点である。支持バンド１８に関連せしめられた
空気払拭部材２５の払拭効果及び支持バンド１８
側で入口三角部内に侵入した空気への噴射空気流
の噴射効果により、そこに（ギヤツプ２３内に）
真空が発生せしめられ、これは、この特別の臨界
領域において紙ウエブ１６を支持バンド１８に対
して固く保持する。

紙ウエブ１６の支持バンド１８によるこれとの
十分に接触した運搬は、本発明の装置により、バ
ンド１８の進行方向に発散するバンド側のギヤツ
プ２３を有することによりさらに改良される。
（装置２５による）支持バンド上の空気境界層の
払拭はギヤツプ２３内に真空を発生せしめ、こう
して発生せしめられた真空は、ギヤツプ２３の断
面積が（バンドの進行方向に）大きくなるにつれ
てその大きさが増大し、それによつて紙ウエブ１
６及び支持バンド１８を通つてギヤツプ２３内へ
入る空気流の傾向を少なくとも増大せしめる。こ
れは当然紙ウエブ１６の支持バンド１８とのまた
は支持バンド上へのより改良された接触をもたら
す。

本発明の装置は、さらにバンド側のギヤツプ２
３からシリンダ側のギヤツプ２７へ空気を運ぶた
めに役立つ流路３３を有することにより、従来技
術である国際公開WO 81／01428号に改良を加え
ている。この効果は本質的には、本発明において
高速度でギヤツプ２７を流れる噴射空気が流路３
３に吸引効果を及ぼしてバンド側のギヤツプ２３
から流路３３内への空気の噴出を生ぜしめるとい
う事実に帰因している。前述の如く、好ましい実
施例においては、流路３３の排出端部は、排出ス
リツトまたは開口２９の横断の前に関連した乾燥
シリンダの並置部分により横切られるように位置
している。

さらに、本発明の好ましい形態においては、流
路３３を通る噴射空気の噴出効果は、第二の壁２
６が開口２９と流路３３の排出端または流出端の
間で符号３６で示されたように凹陥部を設けられ
ていることによつて、高められる。これは、避け
られないならば二つの空気流即ち噴射空気及び流
路３３からギヤツプ２７内への空気の流れ抵抗を
少なくとも最小にする層流を構成する。

空気ガイドボツクス２０の全長に亘つて少なく
ともほゞ一様な圧力分布を達成するために、背圧
体または導風装置３１が噴射空気の流路内にそし
て該噴射空気の入口と排出開口２９との間に位置
している。このような導風装置３１の他の特徴
は、切換を行ないまたは混合してスリツト状開口
２９へ導くノズル状の断面の空間を画成するため
に例えば壁２１と協働するように配置され且つ構
成されていることである。

支持バンド１８に対して向けられていて且つそ
の進行方向に三角部の先端に延びている（装置２
５の如き）空気障壁部材を備えることによりさら
に他の利点が得られ得ることが企図されており、
この障壁部材は好ましくは空気ガイドボツクス２
０の長手方向に隔置された端部まで延びていて且
つそれを含んでいる。このように、側方からバン
ド側のギヤツプ２３内及び入口三角部２２内への
空気の導入は殆ど抑制される。もちろん、空気ガ
イドボツクス２０が乾燥部内で他の協働する要素
に関して適当に固定されていることは明らかであ
る。

本発明のたゞ一つの好ましい実施例と選ばれた
変形例が開示され且つ説明されているが、本発明
の他の実施例及び変形例が特許請求の範囲内で可
能であることは明白である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による空気ガイドボツクスを有
する乾燥部を備えた抄紙機の乾燥部の一部を示す
概略図、第２図は第１図の空気ガイドボツクスの
拡大断面図である。 １０，１１，１２，１３，１４，１５……乾燥
シリンダ、１６……紙ウエブ、１７，３５……進
行方向、１８，１９……支持バンド、２０……空
気ガイドボツクス、２１……第一の壁、２２……
入口三角部、２３，２７……ギヤツプ、２４……
縁部、２５……空気払拭部材、２６……第二の
壁、２８……フランジ状部材、２９……スリツト
状開口、３０……入口、３１……導風装置、３
２，３７……空間、３３……流路、３４……管、
３６……段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 乾燥されるべき紙ウエブが支持バンドと共に
   乾燥シリンダ上を迂回するような抄紙機の乾燥部
   のための空気ガイドボツクスにおいて、 該空気ガイドボツクスが二つの連続する乾燥シ
   リンダの間で乾燥部の通路を横切つて長手方向に
   延びていて且つ支持バンドに沿つて該支持バンド
   と乾燥シリンダによりその間に形成された入口三
   角部内へ延びており、該空気ガイドボツクスが、
   該支持バンドに沿つて該入口三角部内へ延びてい
   て且つ該支持バンドから隔置されていてその間に
   第一のギヤツプを画成する第一の壁と、該支持バ
   ンドが該第一の壁を過ぎて該入口三角部に向つて
   動くときに支持バンドにより連ばれる空気を有効
   に払拭するために該支持バンドに対して機能的に
   作用するための空気払拭装置と、該乾燥シリンダ
   の円筒面の一部に並置されていて且つ該円筒面か
   ら隔置されていてその間に第二のギヤツプを画成
   しており而も該第一の壁と共に該入口三角部の領
   域において収束している第二の壁と、関連せしめ
   られた噴射空気供給源に作用的に連結するために
   該第二の壁に形成されていて且つ該乾燥シリンダ
   の進行方向と反対方向の流れ方向を有するように
   噴射空気を該第二のギヤツプ内に給配するために
   有効である開口とを含んでいることを特徴とす
   る、抄紙機の乾燥部のための空気ガイドボツク
   ス。 ２ 第一のギヤツプと第二のギヤツプとの間の流
   通を行うために有効な流路を含んでいることを特
   徴とする、特許請求の範囲１に記載の空気ガイド
   ボツクス。 ３ 流路が第一のギヤツプと連通している入口と
   第二のギヤツプと連通している出口とを含んでお
   り、該出口が乾燥シリンダによりその回転中に該
   乾燥シリンダの同じ部分が開口を横切る前に効果
   的に横切られるように位置していることを特徴と
   する、特許請求の範囲２に記載の空気ガイドボツ
   クス。 ４ 第二の壁に形成されていて且つ開口と流路の
   出口との間に位置するように形成されている凹陥
   部を含んでいることを特徴とする、特許請求の範
   囲３に記載の空気ガイドボツクス。 ５ 空気ガイドボツクスの内側に備えられていて
   且つ噴射空気の流路内で関連する噴射空気供給源
   と開口との間に在るように位置している導風装置
   を含んでいることを特徴とする、特許請求の範囲
   １に記載の空気ガイドボツクス。 ６ 開口がスリツト状開口から成り、導風装置が
   ノズル状断面の空間を画成するように第二の壁に
   結合しており、該ノズル状空間が該スリツト状開
   口と連通していることを特徴とする、特許請求の
   範囲５に記載の空気ガイドボツクス。 ７ 支持バンドに対して作用的に向けられていて
   且つ該支持バンドの進行方向に入口三角部内に延
   びている側方の空気障壁装置を含んでいることを
   特徴とする、特許請求の範囲１に記載の空気ガイ
   ドボツクス。