JPS633862Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、座席、特に自動車の後席に着座し
た乗員が前席に足をもたれかけることを可能とし
た座席に関する。

従来のかかる座席としては、実開昭50−150923
号に開示したものがある。

しかしながら、そこに開示した座席にあつては
前席のシートバツクより補助背凭部を後方に回動
し、補助背凭部に設けられていたシートバツクの
開口に後席乗員が足を伸ばして挿入する機構とな
つていたため、後席乗員は補助背凭部を後方に倒
すときに、一旦足を開いたり、両足を同時に左右
いずれかに移動させて、補助背凭部が膝に当たら
ないようにしなければならず、機能的でないとい
う問題があつた。

すなわち、足を開くことは女性乗員には不向き
であるし、足を左右いずれかに同時に移動させる
ことは体格の太めの乗員には、スペースが狭いだ
けに窮屈で容易でないという問題があつた。

この考案は、このような従来の問題点に着目し
てなされたもので、シートバツクを前倒し可能と
し、シートバツクをシートバツクフレームに対し
て抜ける方向に摺動、係止自在とした座席に構成
して、シートクツシヨンに直接足を乗せられるよ
うに構成することにより、上記問題点を解決する
ことを目的とする。

以下、この考案を図面に基づいて説明する。

第１図乃至第６図は、この考案の一実施例を示
す図である。

まず構成を説明すると、図中１は、前部の座席
で、シートクツシヨン２とシートバツク３とより
なり、シートバツク３はリクライニング装置４を
介してシートクツシヨン２に対して前後回転自在
に支持されたバツクフレーム５と、該バツクフレ
ーム５に対して抜ける方向に摺動、係止自在に支
持された緩衝体６とよりなる。

前記緩衝体６は、バツクフレーム５の段部５ａ
に乗るよう逆Ｕ字状に切欠かれた部分７ａを有す
るパツド７と、該パツド７を覆う表皮材８とより
なり、該パツド７にはバツクフレーム５のスライ
ド部５ｂを、緩衝体６自体が摺動自在となるよう
第１可動プレート９と第２可動プレート１０とが
緩衝体６の移動量分だけ離間されて夫々固着され
この両プレート９，１０は夫々スライド部５ｂに
懸架され、且つ巻装されている。

前記リフライニング装置４は、シートクツシヨ
ン２にボルト４２で固設されたベースプレート４
１と、シートバツク３のバツクフレーム５にボル
ト４４で固設された可動アーム４３と、前記ベー
スプレート４１の上端部、および可動アーム４３
の下端部とを回転、係止自在に連結したリクライ
ニングデバイス４５と、該デバイス４５を前部の
座席（前席）１の乗員が操作してシートバツク３
を任意の位置に回転、係止制御を可能とした操作
レバー４６と、後部の座席（後席）１７の乗員が
押すことにより、リクライニングデバイス４５に
組込まれたスプリング（図示省略）によりシート
バツク３を前倒・係止制御を可能としたペダル４
７とよりなる。

１１はバツクフレーム５の両側に切り起こされ
て形成されたフツクで、スプリング１２が弾性的
に懸架されている。

１３は第１可動プレート９を下側から支え、且
つ第２可動プレート１０の移動量分だけ離間した
位置のスライド部５ｂに突設されたストツパーピ
ンである。

１４は該ストツパーピン１３に第２可動プレー
ト１０が干渉するまで緩衝体６が移動できるよう
パツト７に形成された切欠きである。１５はシー
トクツシヨン２を支持するスライド装置、１６は
該スライド装置を支持するフロアパネルである。

尚、ペダル４７と操作レバー４６とは、一方を
操作しても、他方が作動しない所謂相互空振り機
構であつても、また、一方を操作すると、他方も
作動する所謂、連動機構であつてもよい。

次に作用を説明する。

後席１７の乗員１８が前席１のペダル４７を踏
むと、リクライニング装置４を介してシートバツ
ク３が前倒する。ペダル４７への付勢力を解除す
ると、リクライニング装置４は公知の手段により
ロツクし、前倒したシートバツク３の位置を保
つ。

次に、シートバツク３の緩衝体６の底部６ａ
（第６図）を押すと、第２可動プレート１０がス
トツパーピン１３に干渉するまで、第１，２可動
プレート９，１０がバツクフレーム５のスライド
部５ｂを抜ける方向、即ちシートバツク３前倒状
態では前方に摺動し、緩衝体６を前方に運ぶこと
になる。すると、前席１のシートクツシヨン２の
座面２ａがシートバツク３から露出することにな
り後席１７乗員１８の足１９を該座面２ａに伸ば
すことができる。

シートバツク３について、ストツパーピン１３
と第１可動プレート９とが干渉した位置、および
該ピン１３と第２可動プレート１０とが干渉した
位置夫々で、緩衝体６の摺動を止めるストツパー
装置を別に設ければ更によい。

以上説明したように、この考案によれば、その
構成をシートバツクの緩衝体をバツクフレームに
対して抜ける方向に摺動、係止自在に支持される
座席構造としたため、後席乗員が前席シートクツ
シヨンの座面に直接足を乗せることができ、しか
も足を開いたり、足を左右いずれかの方向に移動
させる必要がなくなり、リラツクスしたい乗員に
とつて好ましい座席とすることができるという効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係る座席の側面
説明図、第２図は第１図の−線断面説明図、
第３図はパツド７の斜視説明図、第４図は第３図
の矢視説明図、第５図は第２図の−線断面
説明図、第６図は第１図の前部座席１のシートバ
ツク３の前倒させた作動説明図である。 １……座席、２……シートクツシヨン、３……
シートバツク、４……リクライニング装置、５…
…バツクフレーム、６……緩衝体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨンとシートバツクとよりなる座
   席において、前記シートバツクは、シートクツシ
   ヨンに対して回転自在に支持されたバツクフレー
   ムと、該バツクフレームに対して抜ける方向に摺
   動、係止自在に支持された緩衝体とより構成され
   たことを特徴とする座席。