JPS6338145Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はテイルトキヤブ車両においてキヤブを
傾斜位置で支持するステー装置に関するものであ
る。

〔従来技術〕

テイルトキヤブ車両では、キヤブの前部下端は
シヤシフレームに対し回動可能に軸支せしめられ
ており、キヤブの下面とシヤシフレームとの間に
はキヤブを傾斜位置で保持するためのステー装置
が設けられている。従来のステー装置としては、
直線状態でロツクされる折りたたみ式支持棒によ
るものがほとんどである。

ところで、キヤブのテイルト角は通常の点検整
備等では45度程度で良いが、重故障の修理では50
度程度までオーバテイルトさせる。この場合、上
記従来装置では支持棒を軸着するピンの位置を変
更する必要があり、この作業はキヤブをホイスト
で吊つたり、あるいは狭いキヤブ内で作業する必
要がある等煩わしい。

〔考案の目的〕

本考案は上記従来の問題点に鑑み、テイルトキ
ヤブのテイルト角を容易に２段階に変更可能なス
テー装置を提供することを目的とする。

〔考案の構成〕

しかして、本考案のステー装置は、装置を２重
パイプで構成してその上端をキヤブの下面に軸着
するとともにその下端をシヤシフレームに軸着支
持せしめ、上記２重パイプの大径パイプには上端
部に外部よりパイプ内に向けて出退可能でスプリ
ングによりパイプ内へ突出するように付勢せしめ
た一対のロツク片を上下位置に所定間隔で設け、
一方上記大径パイプ内に伸縮自在に嵌挿した小径
パイプの下端部には上記ロツク片が嵌入係合する
抜き穴を設け、上記ロツク片のうち上方に位置す
るものには内端部の上面に小径パイプの抜き穴縁
が当接摺動して該ロツク片を外方へ後退せしめる
ための傾斜面が形成してある。

〔実施例 １〕 以下、図示の実施例により本考案を説明する。

第１図に示すテイルトキヤブ車両において、キ
ヤブ１はその前部下端においてシヤシフレーム２
に枢着支持せしめてあり、前方へ傾動可能であ
る。キヤブ１の傾動操作および傾動位置での保持
は、シヤシフレーム２とキヤブ１の下面との間に
設けたステー装置Ｓによりなされる。ステー装置
Ｓは大径パイプ３とこの中に伸縮自在に嵌挿した
小径パイプ４によ構成され、大径パイプ３の下端
をシヤシフレーム２に、小径パイプ４の上端をキ
ヤブ１の下面にそれぞれ軸着してある。

第２図には第１図のＡ部詳細を示す。第２図１
において、大径パイプ３の上端部に設けたブラケ
ツト５内にはコイルバネ６が配してあり、該コイ
ルバネ６にはロツク部材７がパイプ３方向に付勢
支持せしめられている。

ロツク部材７は一端をパイプ３に平行な把持部
７１となし、他端はパイプ３に向けてわん曲した
ロツク片７２としてある。把持部７１には上記ロ
ツク片７２と所定の間隔をおいて同じくパイプ３
に向けて矩形のロツク片７３が設けてある。

そして、上記各ロツク片７２，７３はパイプ３
に形成した抜き穴３１，３２によりそれぞれパイ
プ３内に突出し得る。なお、ロツク片７２はパイ
プ３内に突出する先端上面７２ａを傾斜面として
ある。

一方、小径パイプ４の下端部には、パイプ４の
下端より上記ロツク片７２，７３の間隔に等しい
上方位置に、ロツク片７２，７３を嵌入係合せし
める抜き穴４１が形成してある。

キヤブ１を前方へ傾動せしめるとパイプ４は上
方へ移動し（第２図１の矢印）、通常の整備に必
要な傾斜位置に達するとロツク片７３がバネ６の
ばね力により抜き穴４１に嵌入係合して（第２図
２）この位置でキヤブ１は保持される。

さて、重故障の修理を行なう場合には、把持部
７１を持ち上げて一担ロツク片７３を引き出し、
さらにキヤブ１を傾動せしめると、今度は同じく
バネ６のばね力によつてロツク片７２が抜き穴４
１に嵌入せしめられる。（第２図３）この状態で
はキヤブ１の重心は傾動をさらに付勢する位置に
移行し、ロツク片７２の下面が抜き穴４１縁に当
接することによりキヤブ１はオーバテイルト位置
に保持される。

この状態で、キヤブ１に戻り方向の力が加わつ
た場合には小径パイプ４の下端がロツク片７３の
上面に当接することによりキヤブ１の変位が阻止
される。

キヤブ１を原位置へ戻す場合には、把持部７１
を持ち上げてロツク片７３を引き出す。キヤブ１
を戻し方向に回動せしめると、パイプ４は下方
（第２図４の矢印）への移動を開始し、途中傾斜
面をなすロツク片７２の上面７２ａに当接摺動し
てこれを外方へ後退せしめる。このようにして、
キヤブ１を原位置へ戻す。

〔実施例 ２〕 第３図は本考案の他の実施例を示し、ロツク部
材７は別個のロツク片７２，７３となして、それ
ぞれコイルバネ６１，６２により付勢せしめてあ
る。そして、小径パイプ４の上端には、抜き穴４
１の上方にロツク片７２，７３の間隔と等間隔で
さらに抜き穴４２が形成してある。本構造によつ
ても上記実施例と同様な効果があり、しかも重故
障時のオーバテイルト位置ではロツク片７２が抜
き穴４２に、ロツク片７３が抜き穴４１にそれぞ
れ嵌入係合して、キヤブ１の保持がより確実とな
る。

〔考案の効果〕

以上の如く、本考案のステー装置は、ステー装
置を伸縮自在な２重パイプとなし、大径パイプの
上端部には上下２ケ所にパイプ内へ突出すべく付
勢せしめたロツク片を設けるとともに、小径パイ
プの下端部には上記ロツク片を嵌入係合せしめる
抜き穴を設ける構造として、テイルトキヤブのテ
イルト角をワンタツチで簡単に２段階調整可能と
したものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のステー装置を有するテイルト
キヤブの側面図、第２図は本考案の一実施例にお
けるステー装置の伸縮作動状態を示す図で、第１
図のＡ部に相当する要部断面図、第３図は本考案
の他の実施例を示すステー装置の要部断面図であ
る。 １……テイルトキヤブ、３……大径パイプ、４
……小径パイプ、４１，４２……抜き穴、６，６
１，６２……スプリング、７２，７３……ロツク
片、７２ａ……傾斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キヤブの前部下端をシヤシフレームに枢着して
   前方へ傾動可能としたテイルトキヤブ車両におい
   て、小径パイプを大径パイプ内に伸縮自在に嵌挿
   した２重パイプの上端をキヤブの下面に軸着する
   とともに２重パイプの下端をシヤシフレームに軸
   着支持せしめ、大径パイプには上端部に外部より
   パイプ内に向けて出退可能でスプリングによりパ
   イプ内へ突出するように付勢せしめられた一対の
   ロツク片を上下位置に所定間隔で設け、一方小径
   パイプには下端部に上記ロツク片が嵌入係合する
   抜き穴を設け、上記ロツク片のうち上方に位置す
   るものは内端部の上面に小径パイプの抜き穴縁が
   当接摺動して該ロツク片を外方へ後退せしめるた
   めの傾斜面を設けたことを特徴とするテイルトキ
   ヤブ車両のステー装置。