JPS6338003Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は上部駆動式垂直圧延機に関し、垂直圧
延ロールスタンドの一対のスピンドルを交換する
際の作業を容易にし、作業性の向上を図ることを
目的とする。

上部駆動式の垂直圧延機は、一対の垂直ロール
を有する垂直ロールスタンドの上方にピニオンス
タンドを配置し、このピニオンスタンドによりス
ピンドルを介して垂直ロールを駆動するようにし
ているので、スピンドルを交換する際等のメンテ
ナンスが困難であつた。即ち、垂直ロールスタン
ドの上方にはピニオンスタンドがあり、これは一
般にフレームに固定状態であるため、スピンドル
を交換する際に、ピニオンスタンドが障害となつ
てスピンドルを上方に抜き取ることができず、従
つて、従来はパスライン位置でスピンドルを分解
して取外さなければならず、作業が煩雑であり困
難であつた。またパスライン上の限られたスペー
スでスピンドルを交換する作業は、安全性の点で
も問題があつた。

本考案は、このような従来の問題点を解消する
ことを目的として提供されたものであり、その特
徴とするところは、一対の垂直ロールを有する垂
直ロールスタンドと、該垂直ロールスタンドの上
方に配置されたピニオンスタンドとを備え、該ピ
ニオンスタンドにより着脱自在なスピンドルを介
して垂直ロールを駆動するようにした上部駆動式
垂直圧延機において、前記垂直ロールスタンドを
パスラインと直交する横方向に移動自在に設け、
前記スピンドルを回転自在に支持するスピンドル
フレームを台車に昇降自在に設け、該台車を前記
横方向に移動自在に設けた点にある。

以下、図示の実施例について本考案を詳述する
と、第１図及び第２図において、１は被圧延材
で、パスライン２に沿つて移動する。３は垂直ロ
ールスタンドで、左右一対の垂直ロール４を有
し、その各垂直ロール４は上下一対の軸受ボツク
ス５，６を介して上下の支持フレーム７，８によ
り回転自在に支持されている。なお一対の垂直ロ
ール４は油圧モータ９によりウオームギヤーボツ
クス１０，１１内のウオームギヤー機構を介して
間隔調整可能である。垂直ロールスタンド３の下
部側の支持フレーム８には前後左右に車輪１２が
設けられ、この車輪１２はパスライン２に対して
直交する横方向に敷設された床の案内レール１３
上を転動自在である。１４は垂直ロールスタンド
３を横方向に移動させるための油圧シリンダで、
床側にブラケツト１５等を介して取付けられてお
り、そのピストンロツド１６は支持フレーム８に
連結されている。従つて、垂直ロールスタンド３
は油圧シリンダ１４の伸縮により案内レール１３
に沿つて横方向に移動自在である。なお垂直ロー
ルスタンド３は図外のロツク装置によりパスライ
ン２上で固定可能である。１７は垂直ロールスタ
ンド３の上方に配置されたピニオンスタンドで、
一対の駆動軸１８を有し、かつ垂直フレーム１９
により支持されている。ピニオンスタンド１７の
駆動軸１８はスピンドル２０を介して垂直ロール
４に連結され、図外のモータからピニオンスタン
ド１７によりスピンドル２０を介して垂直ロール
４を駆動するように構成されている。スピンドル
２０は上下にユニバーサルジヨイント２１，２２
を備えたテレスコピツクス型であつて、その下端
側は垂直ロール４上端の連結部に上方から着脱自
在に嵌合し連結されている。２３は一対のスピン
ドル２０を取囲むように設けられたスピンドルフ
レームで、スピンドル２０の下端部側に形成され
た周溝２４に回転自在に係合する係合体２５を有
し、分解時に係合体２５を介してスピンドル２０
を支持するように構成されている。スピンドルフ
レーム２３はその上方の台車２６に案内ロツド２
７と油圧シリンダ２８とにより昇降自在に装着さ
れている。台車２６はスピンドル２０を取囲む枠
状であつて、前後左右に夫々車輪２９を有し、そ
の車輪２９は床側の案内レール１３と同方向とな
るように垂直フレーム１９に取付けられた一対の
案内レール３０に嵌合し案内されており、従つ
て、台車２６も垂直ロールスタンド３と同様に横
方向に移動自在である。

次に上記構成の垂直圧延機におけるスピンドル
分解時の作業法について説明する。先ず最初に組
替用レール３１を垂直フレーム１９に取り付けた
後、各スピンドル２０の上部側のユニバーサルジ
ヨイント２１を分解して、ピニオンスタンド１７
の駆動軸１８とスピンドル２０とを分離する。す
るとスピンドル２０は下部側のユニバーサルジヨ
イント２２を支点として倒れるので、これを取囲
む台車２６側に適宜倒した状態にしておく。次に
垂直ロールスタンド３のロツクを解除した後、油
圧シリンダ１４を伸長させ、案内レール１３に沿
つて垂直ロールスタンド３をパスライン２に対し
て直交する横方向へと移動させる。この時、垂直
ロール４にスピンドル２０が連結状態にあるの
で、台車２６が案内レール３０に沿つて垂直ロー
ルスタンド３と共に移動する。このようにしてス
ピンドル２０がピニオンスタンド１７の下方から
離れるまで垂直ロールスタンド３が移動すると、
油圧シリンダ１４の伸長動作を停止し、次に油圧
シリンダ２８を収縮させてスピンドルフレーム２
３を上昇させる。スピンドルフレーム２３が上昇
すると、係合体２５がスピンドル２０の周溝２４
に係合しているため、スピンドル２０が上昇し、
その下端が垂直ロール４から離脱する。従つて、
垂直ロールスタンド３からスピンドル２０を上方
に分離して抜取ることができ、スピンドル２０を
交換する際の作業を容易に行なうことができる。
また、この作業はパスライン２から横方向に外れ
た位置で行なえるので、作業空間が広くなり、作
業の安全性の点でも有利である。

組立時には逆の順序で行なえば良い。

なお、分解時の作業順序は上記の場合に限られ
るものではなく、例えばスピンドル２０の収縮代
が十分ある場合には、垂直ロールスタンド３を移
動させる前に、スピンドル２０を垂直ロール４か
ら分離し、クレーン等で台車２６を案内レール３
０及び組替レール３１に沿つて移動させた後、ス
ピンドル２０を交換しても良い。

本考案によれば、垂直ロールスタンドをパスラ
インと直交する横方向に移動自在に設けているの
で、パスラインから外れた位置でスピンドルの交
換等を行なうことができ、作業が容易かつ安全で
ある。またスピンドルをスピンドルフレームによ
り昇降自在とし、このスピンドルフレームを台車
によつて垂直ロールスタンドと同様に横方向に移
動させるようにしているので、上方にピニオンス
タンドがあるにも拘らず、スピンドルを簡単に取
外すことができ、前記効果と相俟つて作業性が著
しく向上する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は断面
正面図、第２図は一部破断側面図である。 ２……パスライン、３……垂直ロールスタン
ド、４……垂直ロール、１３，３０……案内レー
ル、１４，２８……油圧シリンダ、１７……ピニ
オンスタンド、２０……スピンドル、２３……ス
ピンドルフレーム、２６……台車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対の垂直ロールを有する垂直ロールスタンド
   と、該垂直ロールスタンドの上方に配置されたピ
   ニオンスタンドとを備え、該ピニオンスタンドに
   より着脱自在なスピンドルを介して垂直ロールを
   駆動するようにした上部駆動式垂直圧延機におい
   て、前記垂直ロールスタンドをパスラインと直交
   する横方向に移動自在に設け、前記スピンドルを
   回転自在に支持するスピンドルフレームを台車に
   昇降自在に設け、該台車を前記横方向に移動自在
   に設けたことを特徴とする上部駆動式垂直圧延
   機。