JPS6333595B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ガス供給，点火，火力調節及び消火
動作を一個のつまみを操作することにより各々制
御し得るようにしたガスバルブに関するものであ
る。

従来、ガス器具などの操作用つまみでは押し回
し式が多く採用されており、点火する際には必ら
ず全開位置までつまみを回動させた後、つまみを
閉方向に戻しながらガス量を調節していた。従つ
て、鍋が小さい場合には点火時に炎が鍋の周囲か
ら飛び出て危険であると同時に熱量が無駄であ
り、又、とろ火に設定する時急激に消火方向につ
まみを回すととろ火位置を越えて消火するという
不都合があつた。

本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、点
火は操作ボタンのプル動作、消火は操作ボタンの
プツシユ動作、火力調節は操作ボタンの回動動作
により行なわれ、操作ボタンを例えば反時計方向
一杯に回動させた場合に“とろ火状態”、時計方
向一杯に回動させた場合に“最大火力状態”が設
定されるようにしたものである。

以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図乃至第３図は本発明の一実施例を示すガ
スバルブの水平断面図であつて、それぞれ「閉
成」、点火，「開成」状態を示している。第４図は
上記第１図におけるＰ―P′部断面図である。

図において、１はガス供給通路Ａ，メインガス
通路Ｂ及びパイロツトガス通路Ｃを有するバルブ
本体であり、先端部においてビス（図示せず）に
より固定されてなるスイツチ取付板２に圧電装置
などの点火部（図示せず）を作動させるマイクロ
スイツチ３が固定されている。４は上記バルブ本
体１の中心部に内設されてなるスピンドルであり
上記マイクロスイツチ３側の先端部にはスイツチ
押し金具５が形成され、前方部には点火及び消火
の動作をさせる操作ボタン６が取着されている。
７は上記操作ボタン６と同軸状に形成されてなる
火力調節用のつまみであつて、上記スピンドル４
の略外周に配置されてなる弁本体８の前方部に螺
合されている。９は上記スイツチ取付板２によつ
て保持されているＯリング、１０は上記バルブ本
体１の溝に装設されてなるＯリング、１１は上記
弁本体８に係止されてなるＥリング、１２は上記
ガス供給通路Ａと上記弁本体８の内部ガス通路１
３とを連通する開口であり、この内部ガス通路１
３の中心部には上記スピンドル４が貫通してお
り、後方部は内壁がテーパー状に形成されてい
る。そして上記スピンドル４に装着されてなるＯ
リング１４により、上記内部ガス通路１３と上記
パイロツトガス通路Ｃとの連通を遮断させてい
る。１５は上記内部ガス通路１３の内壁面に固定
されてなるリング状をしたＯリング取付金具であ
つて、このＯリング取付金具１５と上記スピンド
ル４のＯリング１４前方に形成される段部４′と
の間にはスプリング１６が取付けられており、上
記パイロツトガス通路Ｃを遮断するように付勢さ
れている。１７は上記Ｏリング取付金具１５に装
着してなるＯリングである。１８及び１９はスプ
リング２０によつて上記バルブ本体１の内壁に圧
接されてなる調節補助弁及び調節弁であり、この
調節弁１９は上記弁本体８と同時に回転するよう
に取付けられている。２１は上記調節補助弁１８
に穿設されてなる円形の開口であり、第４図に示
す実施例では、３種類のガスが使用できるように
120度間隔に３個の開口を設けている。２２，２
３及び２４は上記調節弁１９に穿設されてなるガ
ス供給口であり、この調節弁１９の回動により、
上記開口２１と連通する連通面積を調節すること
によりガス供給量を調節している。即ち、火力調
節用つまみ７を反時計方向一杯に回動したときに
“とろ火状態”時計方向一杯に回動したときに、
“最大火力状態”となるようになつている。２５
は上記弁本体８の鍔部８′の後部に嵌合されてな
る全閉弁であり、第１図に示すように、バルブの
閉成状態ではスプリング２６によつて上記調節弁
１９に圧接するようになつている。２７は上記バ
ルブ本体１にパツキン２８を介して取付けられて
いる蓋材であり、２７′はＯリングである。２９
はこの蓋材２７の複数箇所に形成される凹部に収
納されてなるボール押しスプリングであり、先端
部のボール３０によつて上記弁本体８の外周壁を
圧接して弁本体８を押圧固定しており、押圧固定
力は上記スプリング１６及び２６の弾性力よりも
大なるものである。３１は上記蓋材２７に取付け
られてなるボール押えであり、３２は上記弁本体
８に嵌合してなるストツパー金具であつて、上記
ボール押え３１の突出部（当り）３１′によつて
弁本体８の回転角度を規制している。３３は上記
ストツパー金具３２が弁本体８から外れないよう
に固定するストツパー固定金具である。３４は操
作ボタン６を手前（前方）側に引く（プルする）
ときに上記ストツパー金具３２の移動距離を規制
するカバーである。

上記操作ボタン６と火力調節用つまみ７との関
係を第５図乃至第７図に基づき更に詳しく説明す
る。第５図は操作ボタン部の上面図、第６図は操
作ボタン部の水平断面図、第７図は第６図のＱ―
Q′断面図である。

弁本体８に螺合される火力調節用つまみ７の前
部には手前側が開放した略小判状の凹部７ａが設
けられ、該凹部７ａに嵌合する凸部６ａが操作ボ
タン６の後端部に設けられている。７ｂは上記凹
部７ａの開放面を覆うべく火力調節用つまみ７の
前面にネジ７ｃで取着されるカバーであり、操作
ボタン６の凸部６ａを貫通させる貫通孔が穿設さ
れている。

操作ボタン６と火力調節用つまみ７の組立て
は、弁本体８に火力調節用つまみ７を螺合して装
着し、カバー７ｂの上記貫通孔に操作ボタン６の
凸部６ａを貫通させ、該凸部６ａを火力調節用つ
まみ７の凹部７ａに嵌挿させると共にスピンドル
４に取着し、カバー７ｂを火力調節用つまみ７の
前面にネジ７ｃで取着して完了する。尚カバー７
ｂは貫通孔から操作ボタン６の凸部６ａが抜けな
いように略90゜回転させて取着されている。

次に以上の構成からなるガスバルブの動作につ
いて説明する。

まず、第１図においてガスはガス供給通路Ａか
ら流入してバルブ本体１内及び開口１２より弁本
体８内に流入しているが、スプリング１６の付勢
力によつてＯリング１４によりスピンドル４と弁
本体８内との隙間が全くなくなり、ガス供給通路
Ａとパイロツトガス通路Ｃとは完全に遮断されて
いる。同時に調節補助弁１８及び調節弁１９に全
閉弁２５及び弁本体８の鍔部８′がスプリング２
６によつて密着状態に圧接しているので、メイン
ガス通路Ｂとガス供給通路Ａとは完全に遮断され
ている。

次に、操作ボタン６を手前（前方）側に引くと
まずスピンドル４がスプリング１６に抗して移動
し、第２図に示すように上記スピンドル４と弁本
体８内との間に隙間が生じ、上記ガス供給通路Ａ
から流入するガスは開口１２及び内部ガス通路１
３を介してガス通路Ｃに供給される。同時にスピ
ンドル４のスイツチ押し金具５がマイクロスイツ
チ３の接点動作片３′を押圧して圧電装置などの
点火部（図示せず）が作動を始め、パイロツトガ
スが着火する。

そして、さらに上記操作ボタン６を手前側に引
くと、火力調節用つまみ７に操作ボタン６が当接
して火力調節用つまみ７も同じ方向に引張られ
る。従つて、上記火力調節用つまみ７と螺合して
いる弁本体８も手前側に移動して第２図に示した
状態となる。すると全閉弁２５が調節弁１９から
離れることにより、ガス通路Ａから供給されてい
るガスは上記調節弁１９のガス供給口２２，２
３，２４のうちのいずれかと開口２１とを介して
前記メインガス通路Ｂに流出するのでパイロツト
ガス燃焼からの引火により瞬時に着火して定常燃
焼に移行する。

又、この操作ボタン６の引張り動作を解除して
そのまま手を離すと、火力調節用つまみ７は上記
ボール押しスプリング２９による押圧固定力がス
プリング２６の付勢力よりも強いので、第２図に
示したように、調節弁１９から全閉弁２５が離脱
した状態を維持するのであるが、スピンドル４は
スプリング１６の付勢力により元の状態、つまり
Ｏリング１４によつてパイロツトガス通路Ｃと弁
本体８の内部ガス通路１３とを遮断する状態に復
帰するので、パイロツトガス通路Ｃへのガス供給
がストツプしメインガス通路Ｂのみにガスが供給
される。と同時にマイクロスイツチ３が第１図の
ように反転して圧電装置などの点火部を作動停止
させる。そして、操作ボタン６を反時計方向一杯
に回動させると“とろ火状態”、時計方向一杯に
回動させると“最大火力状態”となり、操作ボタ
ン６の回動度合いにより火力調節が行なわれる。

次に消火する場合であるが、第３図に示す状態
において操作ボタン６をボール押しスプリング２
９の付勢力に抗してプツシユすると、スピンドル
４のＯリング１４と弁本体８とが当接して弁本体
８が押し上げられて全閉弁２５が調節弁１９と密
接するので、ガス供給通路Ｂはガス供給通路Ａか
ら遮断され瞬時にして消火させることができる。

又、上記ガス供給口２２，２３及び２４はそれ
ぞれ異なる種類のガスに対応できる形状に穿設さ
れており、操作ボタン６もしくは火力調節用つま
み７を手前側に強く引張つて約120゜回転させると
調節弁１９も約120゜回転してガス供給口を例えば
２２から２３に切換えることができるので、異な
つたガスに対しても使用可能である。

以上に説明したように、本発明のガスバルブは
操作ボタンの回動による火力調節位置に関係なく
プル動作で点火，プツシユ動作で消火が行なえる
ため、点火が意識的かつ瞬時に、消火が極めて瞬
時に行なわれるものとなる。

又、操作ボタンを例えば反時計方向一杯に回動
させるだけで“とろ火状態”に設定することがで
き、更には“とろ火状態”及び任意の火力状態に
て点火および消火をすることができるので、“と
ろ火状態”の使用頻度や点火及び消火の操作頻度
の高い場合に利用価値の大なるものである。

更に又、一連の操作を一個の操作ボタンにて行
なうことができるので誤操作を惹起することがな
く、省スペース及びコストダウンが計れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のガスバルブの一実施例の閉成
状態を示す水平断面図、第２図は本発明のガスバ
ルブの一実施例の点火状態を示す水平断面図、第
３図は本発明のガスバルブの一実施例の開成状態
を示す水平断面図、第４図は第１図のＰ―P′矢視
図、第５図は本発明のガスバルブの操作ボタン部
上面図、第６図は本発明のガスバルブの操作ボタ
ン部水平断面図、第７図は第６図のＱ―Q′断面
図である。 ３……マイクロスイツチ（点火用スイツチ）、
６……操作ボタン、８……弁本体、｛１８……調
節補助弁、１９……調節弁｝火力調節手段、｛１
９……調節弁、２５……全閉弁｝ガス供給制御手
段。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 操作ボタンのプル動作により〓ON〓する点
   火用スイツチと、上記操作ボタンのプル・プツシ
   ユ動作による全閉弁の開・閉にてガスの供給・遮
   断を行なうガス供給制御手段と、上記操作ボタン
   の回動動作による調節弁のガス供給量調節にて火
   力を〓とろ火状態〓乃至〓最大火力状態〓に調節
   する火力調節手段とを具備したガスバルブ。