JPS6332821Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は建物外周部の下部構造に関するもの
である。

一般に、耐力壁パネルを、その下枠下端面から
突設した脚金具を利用して、直接布基礎へ設置し
ようとすると、耐力壁パネル下枠と布基礎天端間
に空間が形成されるため、その空間をモルタルで
閉塞する作業が極めて困難であるという問題を有
していた。

したがつて、この考案の目的は、施工の容易な
建物外周部の下部構造を提供することである。

この考案の一実施例を第１図ないし第６図を用
いて説明する。すなわち、この建物外周部の下部
構造は、耐力壁パネル１を脚金具２を介して布基
礎３に固定し、耐力壁パネル１と布基礎３間に生
じた空間部にモルタル下地材４を取付金具５を介
し嵌着して、その屋外側へモルタル層６を積層し
たものである。

詳説すると、布基礎３は、コンクリート製本体
７の上面をモルタル８でならして形成し、天端に
は、アンカーボルト９を植設する。

耐力壁パネル１は、木製下枠１０の下部に筒状
金属製下枠１１を固着し、それらの両面に表面板
１２を貼着し、金属製下枠１１の下端面に一対の
脚金具２を突設する。この脚金具２は、Ｉ形部材
１３の下端面にエンドプレート１４を溶接して構
成する。

モルタル下地材４は、パンチング穴１５を設け
た帯状金属板を幅方向へ屈曲して形成し、その上
部Ｌ形片１６には、脚金具２のＩ形部材１３の各
フランジ１３ａが嵌合可能な切欠スリツト１７を
形成する。

取付金具５は、略コ字形片でその室内側側片５
ａを屋外側側片５ｂよりも短く設定するととも
に、屋外側側片５ｂの長さをＩ形部材１３の幅寸
法の略半分に設定し、その屋外側側片５ｂの先端
部から屋外側へ係合爪５ｃを突設する。

施行手順はつぎのとおりである。

(1) アンカーボルト９を植設した布基礎３を施工
する。

(2) 耐力壁パネル１を布基礎３へ取付ける。すな
わち、脚金具２のエンドプレート１４を布基礎
３の天端に載置し、第２図に示すように、アン
カーボルト９をエンドプレート１４のボルト挿
通穴（図示省略）に通してワツシヤ１６を介し
ナツト１７を締結する。

(3) 一対の取付金具５，５を、第２図に示すよう
にＩ形部材１３の両側に外嵌して、それらの係
合爪５ｃ，５ｃを相互に突合せ配置する。

(4) モルタル下地材４を、第３図に示すように、
耐力壁パネル１の金属製下枠１１と布基礎３の
天端間へ差込む。この場合、切欠スリツト１７
にＩ形部材１３の両フランジ１３ａを嵌入する
とともに、第４図に示すようにパンチング穴１
５に係合爪５ｃを貫通させる。

(5) 第５図に示すように、係合爪５ｃをモルタル
下地材４の屋外面へ折返すことにより、モルタ
ル下地材４を取付金具５，５を介して脚金具２
へ固定する。

(6) 第６図に示すように、モルタル下地材４の屋
外面に沿つて、金属製下枠１１の下端面から布
基礎３の屋外面にかけてモルタルを塗り上げる
ことにより、モルタル層６を形成する。

なお、第１図において、１８は柱であり、布
基礎３のアンカーボルトに固定した取付金具
（図示省略）へボルト１９により固定する。

このように構成した結果、モルタル下地材４を
用いることにより、モルタル層６を耐力壁パネル
１の金属製下枠１１と布基礎３の天端間に簡単に
形成することができ、またモルタル下地材４の取
付けも、一対の取付金具５，５を脚金具２の両側
に外嵌しした後、係合爪５ｃ，５ｃをパンチング
穴１５に通してモルタル下地材４の屋外面へ折返
すだけで、極めて簡単に行なえる。しかも、輸送
時にはモルタル下地材４と取付金具５を分離して
輸送できるため、運搬効率にも優れる。

以上のように、この考案の建物外周部の下部構
造は、天端にアンカーボルトを植設した布基礎
と、下枠上端面に突設した脚金具を前記布基礎天
端に載置してアンカーボルトへ固定した耐力壁パ
ネルと、前記脚金具の屋外側において布基礎天端
と耐力壁パネル下枠下端面間に嵌合配置するとと
もに脚金具対応領域へ爪挿通穴を穿孔したモルタ
ル下地材と、前記脚金具の両側部をそれぞれ抱持
してそれぞれの屋外側側片先端部から屋外側へ突
設した係合爪を前記爪挿通穴に貫通して前記モル
タル下地材の屋外面へ折返し係着した一対の略コ
字形下地材取付金具と、前記モルタル下地材の屋
外面に沿つて前記耐力壁パネル下枠下端面から布
基礎屋外面にかけて積層したモルタル層とを備え
ているため、容易に施工できるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の施工途中を示す
分解斜視図、第２図は取付金具を脚金具に抱持さ
せた斜視図、第３図はモルタル下地材を耐力壁パ
ネルと布基礎間へ差し込んだ斜視図、第４図はそ
の要部拡大斜視図、第５図はその係合爪を折返し
た斜視図、第６図は施工後の断面図である。 １……耐力壁パネル、２……脚金具、３……布
基礎、４……モルタル下地材、５……取付金具、
５ｂ……屋外側側片、５ｃ……係合爪、６……モ
ルタル層、９……アンカーボルト、１１……下
枠、１５……パンチング穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天端にアンカーボルトを植設した布基礎と、下
   枠下端面に突設した脚金具を前記布基礎天端に載
   置してアンカーボルトへ固定した耐力壁パネル
   と、前記脚金具の屋外側において布基礎天端と耐
   力壁パネル下枠下端面間に嵌合配置するとともに
   脚金具対応領域へ爪挿通穴を穿孔したモルタル下
   地材と、前記脚金具の両側部にそれぞれ抱持して
   それぞれの屋外側側片先端部から屋外側へ突設し
   た係合爪を前記爪挿通穴に貫通して前記モルタル
   下地材の屋外面へ折返し係着した一対の略コ字形
   下地材取付金具と、前記モルタル下地材の屋外面
   に沿つて前記耐力壁パネル下枠下端面から布基礎
   屋外面にかけて積層したモルタル層とを備えた建
   物外周部の下部構造。