JPS63310981A - 水性錆止め剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な水性錆止め剤に関するものであり、詳し
くは安定な乳化糸を形成し、金属に対して優れた錆止め
効果を示す水性錆止め剤に関するものである。

〔従来の技術〕

水性の錆止め剤として、これまでに数多くのものが報告
されている。それらは大別して、クロム酸塩、亜硝酸塩
、りん酸塩などの無機系錆止め剤と、各種アミン類、カ
ルボン酸塩（特公昭５７−５９３０９号公報）、カルボ
ン酸アミド（特開昭６０−１１６７９１号公報）などの
有機系錆止め剤に分類できる。

無機系錆止め剤は一般に安全性および環境保護の観点か
らその使用は好ましくない。たとえば、クロム酸は毒性
が強（、亜硝酸塩はニトロソアミン生成の危険性があり
、リン酸塩は河川・湖沼の富栄養化などの問題点がある
。また、有機系錆止め剤は水に溶解しにくいため、無機
系のものに比べその錆止め効果が劣る。有機系錆止め剤
のなかで良好な錆止め効果を示すものとしてはアミン類
があげられるが、これらは悪臭があるといった問題点を
有している。

〔発明が解決しようとする問題点〕

錆止め剤として要求される性能の第一に、錆止め効果が
あげられるが、多様化して、より厳しい条件下で使用さ
れる工業用錆止め剤では、前述の如き問題を有する従来
の製品ではどうしても満足できず、さらに優れた性能を
有するものが強く求められている。

本発明は、安全性、環境保護の観点から問題がなく、し
かも錆止め効果に優れていてかつ悪臭のない有機系錆止
め剤を提供することを目的としている。

Ｃ問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究し
た結果、有機系錆止め剤として特定の脂肪酸面けんを用
いることにより、無機系錆止め剤の如き安全性や環境保
護の面での問題がないうえに、錆止め効果にすぐれてか
つ悪臭のない水性錆止め剤が得られるものであることを
見い出し、本発明を完成するに至った。

すなわち、本発明は、ヒドロキシアリール脂肪酸とアル
カリ金属との石けんを含有することを特徴とする水性錆
止め剤に係るものである。

本発明において用いるヒドロキシアリール脂肪酸は、分
子内にフェノール性のヒドロキシル基を含有するアリー
ル脂肪酸である。このような脂肪酸の中でも、本発明の
目的を達成するうえで、っぎの一般式； （式中Ｒ，は炭素数１〜１９の直鎖アルキル基、Ｒ２は
炭素数１〜１９の直鎖アルキレン基で、Ｒ１とＲ２の炭
素数の和は１０〜２０であり、Ｒ３およびＲ４は水素原
子、ヒドロキシル基、炭素数１〜９のアルキル基または
アルコキシル基のいずれかである） で表されるヒドロキシアリール脂肪酸が、特に適してい
る。

このヒドロキシアリール脂肪酸の具体的な例としては、
ヒドロキシフェニルミリスチン酸、ヒドロキシフェニル
パルミチン酸、ヒドロキシフェニルステアリン酸、ヒド
ロキシフェニルオレイン酸、ヒドロキシフェニルベヘン
酸、ジヒドロキシフェニルミリスチン酸、ジヒドロキシ
フェニルパルミチン酸、ジヒドロキシフェニルステアリ
ン酸、ジヒドロキシフェニルベヘン酸、トリヒドロキシ
フェニルパルミチン酸、トリヒドロキシフェニルステア
リン酸、ヒドロキシメチルフェニルステアリン酸、ヒド
ロキシノニルフェニルパルミチン酸、ヒドロキシジメチ
ルフェニルステアリン酸、ヒドロキシメトキシフェニル
ステアリン酸、ヒドロキシメトキシフェニルベヘン酸な
どがあげられる。

本発明において用いるアルカリ金属としては、リチウム
、ナトリウム、カリウムなどがあげられる。特に、ナト
リウムおよびカリウムを用いた石けんはその乳化状態が
極めて安定でありかつ錆止め効果に優れているので好ま
しい。本発明においては、このようなアルカリ金属を用
いているため、つまりアミン等の有臭成分が存在しない
ため、無臭の錆止め剤を得ることができる。

ヒドロキシアリール脂肪酸とアルカリ金属とからなる石
けんは、通常の中和反応と同様の反応を行うことによっ
て得ることができる。ヒドロキシアリール脂肪酸とアル
カリ金属との反応モル比は特に規定するものではない。

未反応のヒドロキシアリール脂肪酸が存在しても、それ
が錆止め効果を有するので、得られる石けんの性能に悪
影響を及ぼさないが、乳化安定性からアルカリ金属はカ
ルボキシル基に対して０．７当量以上が好ましい。

本発明の石けんは、これ単独で錆止め剤として使用でき
るだけでな（、他の従来から知られている錆止め剤と併
用することができる。これら使用法において、本発明の
石けんの使用量は、水性液に対し０．０５〜５重量％と
なるようにするのが好ましい。０，０５重量％より低い
と錆止め効果が劣り、また５重量％より高くても錆止め
効果はそれ以上に増大せず、経済的ではない。

本発明の石けんは、ヒドロキシアリール脂肪酸として前
記式にて表されるような長鎖脂肪酸を選択することによ
り、錆止め効果とともに潤滑性を有するので、水系の潤
滑油に添加してその効果を十分に生かすことができる。

すなわち、本発明の錆止め剤は、切削油剤、研削油剤、
塑性加工油剤（圧延、引抜きなど）などの水性金属加工
油剤に添加して使用するのに通している。さらに、本発
明の上記石けんは、長鎖脂肪酸石けんの一種として洗浄
作用を有するので、クーリングタワーやうジエターなど
の水系で冷却を行う装置の錆止めおよび金属部分の汚れ
防止に効果がある。

〔発明の効果〕

本発明の石けんを用いることにより、金属の錆の発生を
防止できるだけでな（、安全性・環境保護の観点から問
題がなく、かつ悪臭のない錆止め剤を得ることができる
。このため、本発明の石けんを含有する水性錆止め剤は
、金属に関する幅広い分野において用いることができ、
とりわけ水性金属加工油および水系の冷却装置に利用す
るのに好適である。

〔実施例〕

つぎに、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する
。なお、以下の実施例で使用した記号ａ〜ｅで表される
ヒドロキシアリール脂肪酸はつぎの第１表に示す原料成
分（脂肪酸およびアリール化合物）を用いて特開昭６２
−１００４０号公報に開示される方法に準じて合成した
もので、その酸価および水酸基価は第１表に示されると
おりである。

実施例 つぎの第２表に示すヒドロキシアリール脂肪酸（記号ａ
　−ｅ　）とアルカリ金属との組み合わせにより、これ
ら原料を下記の中和反応法にしたがって反応させ、試料
番号１〜１７からなる２０重量％の石けん水溶液を得、
これらをそのまま本発明に係る水性錆止め剤とした。

く中和反応法〉 １．０００ｍｊ！四つ目フラスコにヒドロキシアリール
脂肪酸と水とを所定量大れたのち、５０℃に加熱した。

ついで、ヒドロキシアリール脂肪酸の酸価に対して水酸
化アルカリ金属の水溶液（２０重量％）を計算量撹拌し
ながら滴下し、さらに３０分間撹拌することにより、ヒ
ドロキシアリール脂肪酸のアルカリ金属石けんの２０重
量％水溶液を得た。

上記の実施例に係る各水性錆止め剤につき、その乳化性
および錆止め効果を下記の要領で調べた。

その結果を、比較品として従来公知の錆止め剤を用いた
場合およびこのような錆止め剤を全く用いないブランク
の場合（試料番号１８〜２３）の結果とともに、第２表
に示す。

〈乳化性試験〉 潤滑油抗乳化性試験法（ＪＩＳＫ２５２０）に準じて行
った。すなわち、試料容器に水と所定量の水性錆止め剤
とを入れて全量を８０ｍｌにし、５４±１℃の恒温槽中
に置いて恒温にしたのち、試料かきまぜ機を毎分１．５
００±１５回転で５分間作動させて乳化した。得られた
乳化液を２０℃の恒温室に静置して一週間後の乳化状態
を観察して、つぎの基準で評価した。

優　：半透明で良好な乳化状態 良　：不透明で良好な乳化状態 不良ニ一部分離が認められる状態 透明：透明均一な水溶液 〈錆止め効果試験〉 試験片として冷間圧延鋼板５ＰＣＣ−Ｂ　（Ｊ　ＩＳ　
　Ｇ　　３１４１）を用いて行った。まず、供試物質を
所定の濃度の水溶液とし、その水溶液中に試験片全体を
浸漬し、その後試験片の上部半分を空気中に引き上げて
、錆の発生状況を２０℃において経時的に観察した。な
お、錆の発生の仕方は、初期に空気中の液面近くに認め
られ、経時的に空気中部分に拡がり、その後水中部分に
発生する。

評価方法として、試験片の全体の面積に対する錆の面積
に応じてつぎの基準を用いて評価した。

Ａ：請が認められない。

Ｂ：錆の面積比率が１０％未満 Ｃ：錆の面積比率が１０％から３０％未満Ｄ：りの面積
比率が３０％から５０％未満Ｅ：錆の面積比率が５０％
以上 上記第２表の結果から明らかなように、本発明のヒドロ
キシアリール脂肪酸とアルカリ金属とからなる石けんは
、安定な乳化状態を形成し、有機系錆止め剤として優れ
た錆止め効果を示すものであることが判る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）ヒドロキシアリール脂肪酸とアルカリ金属との石
   けんを含有することを特徴とする水性錆止め剤。