JPS633027B2 - - Google Patents
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- JPS633027B2 JPS633027B2 JP2557984A JP2557984A JPS633027B2 JP S633027 B2 JPS633027 B2 JP S633027B2 JP 2557984 A JP2557984 A JP 2557984A JP 2557984 A JP2557984 A JP 2557984A JP S633027 B2 JPS633027 B2 JP S633027B2
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Description
本発明は耐食性に優れためつき被膜を与えるめ
つき後処理方法に関する。 従来より、耐食めつき方法として、二層もしく
は三層の多層ニツケルめつき法、無機粉体を分散
させたニツケルめつき被膜上にクロムめつきを施
すマイクロポーラスクロムめつき法など、種々の
方法が提案され、実際に採用されている。しか
し、これらの耐食めつき方法によつても、その効
果を発揮させるためにはある程度のめつき膜厚が
必要で、めつき膜厚が薄い場合にはその部分の耐
食性が悪いという問題がある。 例えば、図面に示すような中空円錘台状部1、
第一大径リング部2、小径リング部3、第二大径
リング部4、六角筒状部5、及び小径短軸円柱部
6が順次一体に連設された形状の部品を電気めつ
きした場合、電気が流れにくく、また表面状態が
粗雑な凹状部乃至は段部、この部品の場合には小
径リング部3外周面、及び特にその両大径リング
部2,4と接する両周縁部3a,3a更には小径
短軸円柱部6の六角筒状部5と接する周縁部6a
におけるめつき膜厚が薄くなり、これらの部分の
耐食性が非常に悪く、容易に錆が生じる。 上述したような凹部や段部(小径リング部外周
面や上記周縁部)におけるめつき膜厚の薄さは電
気めつきのいわば宿命であり、めつきを十分な時
間施してもこれらの部分の耐食性を向上させるこ
とはかなり困難である。 このため、めつき後にめつきされた部品に対し
防錆油を塗布して錆の発生を防止することが行な
われているが、防錆油を塗布するとベたつきが生
じ、取扱い性が悪くなると共に、油膜の影響でめ
つき外観を損なう場合もある。 本発明者らは、上記事情に鑑み、めつき耐食性
を向上させることについて種々検討を行つた結
果、めつき後、めつきした部品を防錆油で処理す
る前に70℃以上の温度で湯洗処理してめつき部品
の表面温度を上げておくこと、防錆油を25℃以下
の低温に保持しておくこと、そして湯洗処理によ
つて表面温度を上げためつき部品をこの25℃以下
の低温に保持した防錆油で処理した場合には、防
錆油処理後直ちに油膜除去処理を行なつても非常
に優れた耐食性を有し、例えば後述する実施例で
示したように、図面に示す如き部品にめつきを施
した後、上記の処理を行なつたものはキヤス試験
を80時間行つた後においてもレイテイングナンバ
ー9以上の耐食性を有することを知見し、本発明
をなすに至つたものである。 従つて、本発明は所用の部品をめつきした後、
これを70℃以上の温度で湯洗処理し、次いで25℃
以下に保持した防錆油で処理した後、直ちに油膜
除去処理を行ない、最後に乾燥することを特徴と
するめつき後処理方法を提供するものであり、本
発明によれば耐食性に優れためつき被膜を与える
ことができ、しかも油膜除去処理によつて防錆油
の油膜が除去され、油膜がほとんどないかあつて
も極めて薄いので、めつき部品にべたつきが実質
的になく、外観を損なうこともないものである
上、本発明方法はめつき自動ラインに容易に組み
込むこともでき、簡単に実施し得るものである。 以下、本発明につき更に詳しく説明する。 本発明に係るめつき後処理方法は、所用部品を
めつきした後に施すものであるが、ここでめつき
の種類はその目的等に応じて適宜選択され、また
めつき膜厚も適宜選定される。例えば、銅−ニツ
ケル−クロムめつき被膜形成後、或いはニツケル
−クロムめつき被膜形成後に本発明後処理を施す
ことができるが、耐食めつき被膜を形成する場合
にはニツケルめつき被膜として半光沢ニツケル−
光沢ニツケルの2層ニツケルめつき被膜、半光沢
ニツケル−硫黄高濃度含有ニツケル−光沢ニツケ
ルの3層ニツケルめつき被膜、更には光沢ニツケ
ルめつき被膜や上記の2層もしくは3層ニツケル
めつき被膜上に更に硫酸バリウム等の無機粉体そ
の他の水不溶性粉体が分散共析したニツケルめつ
き被膜を形成したものなどが好ましく、特に最上
層をクロムめつき被膜とし、その下側層に上記の
水不溶性粉体が分散共析したニツケルめつき被膜
を形成したものに対し本発明後処理を施す場合に
は非常に耐食性の優れた被膜が得られる。この場
合、クロムめつきや水不溶性粉体分散共析ニツケ
ルめつき被膜の膜厚は通常のめつき膜厚と同じで
よく、例えばクロムめつき被膜は0.1〜2μ、水不
溶性粉体分散共析ニツケルめつき被膜は0.3〜2μ
程度の膜厚とすることができる。なお、本発明後
処理法は上記のめつき被膜に限られず、他の電気
めつき被膜や場合により無電解めつき被膜を形成
したものに対しても好適に採用される。また、め
つき被膜が形成される素材は、スチール等の金属
素材のほか、プラスチツク等の非導電性素材を金
属化したものが挙げられる。 本発明後処理方法は、所用の部品をめつきした
後、まず湯洗処理を施し、めつき部品の表面温度
を上げる。この場合、湯洗温度は70℃以上、好ま
しくは80℃以上とするものであり、温度が低すぎ
る場合には耐食性向上効果が発揮されない。ま
た、処理時間は20秒以上、より好ましくは30〜60
秒とすることが好適であり、時間が短かすぎると
めつき部品が充分加温されないまま終るので望ま
しくない。なお、湯洗処理はめつき部品を湯の中
に浸漬する方法が最適であるが、スプレー湯洗等
の方法も採用でき、要はめつき部品の少なくとも
表面を湯洗温度もしくはその近くまで加温し得れ
ばよい。 上記湯洗処理により加温されためつき部品に
は、それが冷却される前に、25℃以下の温度に保
持された防錆油による処理を施す。即ち、本発明
においては、加温しためつき部品を防錆油で急冷
しつつ防錆油処理を行なうことを特徴するもの
で、これにより防錆油処理後に直ちに油膜除去処
理を行なつても高い耐食性を有するめつき被膜を
初めて形成することができたものである。このよ
うな高い耐食性を与える理由としては、上記の処
理によりめつきピンホール等に防錆油が確実に入
り込むこと、また水不溶性粉体分散共析めつき被
膜を形成した場合には防錆油が水不溶性粉体に浸
み込むことなどの理由が考えられるが、必ずしも
明確ではなく、いずれにしても室温もしくは40〜
50℃程度の加温下にあるめつき部品を25℃以下の
防錆油で処理したり、或いは加温した防錆油を用
いて加温下にあるめつき部品を処理しても、その
後直ちに油膜除去処理を行なう場合には耐食性を
十分向上させることができず、本発明の目的を達
成することができないのに対し、上述したように
加温しためつき部品を防錆油で急冷処理する場合
には高い耐食効果を与えるものである。 ここで、防錆油処理は上述したように25℃以下
に保持した防錆油を用いるものであるが、より好
ましくは15℃以下に防錆油を保持する。この場
合、防錆油としては軽油、灯油等の石油系基油、
その他の溶剤にカルボン酸系、スルホン酸系、塩
基性窒素化合物系、エステル系等の防錆添加剤を
添加し、更に必要により界面活性剤などを添加し
た市販の防錆油、特に水置換性を有する溶剤希釈
系のものが好適に使用される。なお、防錆油は低
粘度であることが好ましく、このため必要により
溶剤で希釈して用いることができる。 防錆油処理の時間は必ずしも制限されないが、
10秒以上、より好ましくは20〜60秒程度が好適で
あり、また処理方法としては防錆油をめつき部品
にスプレーする等の方法も採用し得るが、めつき
部品を防錆油中に浸漬する浸漬法が最適である。 本発明においては、防錆油処理後、直ちに油膜
除去処理を行なう。これにより、処理後のめつき
部品のべたつきが非常に少なくなり、まためつき
外観を損なうことがなくなると共に、このような
油膜除去処理を行なつても本発明によれば十分に
高い耐食性を保持しているものである。 油膜除去処理剤としては、油膜を除去可能なも
のであればよく、例えばアルカリ性洗浄剤、高級
アルコール系界面活性剤等の界面活性剤を溶解し
た溶液などが使用され得る。また、油膜除去処理
の温度は特に制限されず、通常室温でよく、更に
処理時間も制限はなく、通常20〜60秒程度の時間
が採用される。油膜除去処理方法としては、浸漬
法等によつてもよいが、最も好ましくはスプレー
法である。ここで、この油膜除去処理において
は、油膜を完全に除去するよりも、油膜除去処理
条件を適宜選定していわば油膜を一皮残した如き
状態に除去するようにすることが好ましい。 油膜除去処理後は、処理した部品を必要により
水洗もしくは湯洗し、乾燥するものである。 上述した後処理方法によれば、高い耐食性を有
する被膜が形成される上、めつき部品のべたつき
がほとんどなく、外観も良好なものであると共
に、本発明方法はめつき自動ラインに簡単に組み
入れて実施することができるものである。 以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的
に説明する。 実施例 図面に示す部品(スチール製)を下記工程にお
いてめつきし、後処理した。 工 程 1 脱脂 2 水洗 3 酸洗 4 水洗 5 半光沢ニツケルめつき 硫黄フリーニツケルめつき被膜の形成 平均膜厚約18μ 6 ニツケルストライクめつき 硫黄高濃度含有ニツケルめつき被膜の形成 平均膜厚約2μ 7 光沢ニツケルめつき 硫黄含有光沢ニツケルめつき被膜の形成 平均膜厚約10μ 8 耐食ニツケルめつき 無機粉体分散共析ニツケルめつき被膜の形
成 平均膜厚約0.8μ 9 水洗 10 クロムめつき クロムめつき被膜の形成 平均膜厚約0.8μ 11 水洗 12 湯洗 温度80℃以上 時間 50秒 13 防錆油処理 キザイ(株)製防錆油BSA−061使用 温度 25℃以下 時間 50秒 浸漬処理 14 油膜除去処理 ヘンケル白水(株)製酸中和処理剤P3 T−
320使用 温度 常温 時間 50秒 スプレー処理(シヤワー噴射) 15 湯洗 16 乾燥(自動乾燥機) 上記工程で得られためつき部品の耐食性につ
き、キヤス試験により調べた。また、比較のた
め、防錆油処理をおこなわないめつき部品、更に
は湯洗、防錆油処理の条件を変えて処理を行なつ
ためつき部品の耐食性を同様にして調べた。結果
を第1表に示す。
つき後処理方法に関する。 従来より、耐食めつき方法として、二層もしく
は三層の多層ニツケルめつき法、無機粉体を分散
させたニツケルめつき被膜上にクロムめつきを施
すマイクロポーラスクロムめつき法など、種々の
方法が提案され、実際に採用されている。しか
し、これらの耐食めつき方法によつても、その効
果を発揮させるためにはある程度のめつき膜厚が
必要で、めつき膜厚が薄い場合にはその部分の耐
食性が悪いという問題がある。 例えば、図面に示すような中空円錘台状部1、
第一大径リング部2、小径リング部3、第二大径
リング部4、六角筒状部5、及び小径短軸円柱部
6が順次一体に連設された形状の部品を電気めつ
きした場合、電気が流れにくく、また表面状態が
粗雑な凹状部乃至は段部、この部品の場合には小
径リング部3外周面、及び特にその両大径リング
部2,4と接する両周縁部3a,3a更には小径
短軸円柱部6の六角筒状部5と接する周縁部6a
におけるめつき膜厚が薄くなり、これらの部分の
耐食性が非常に悪く、容易に錆が生じる。 上述したような凹部や段部(小径リング部外周
面や上記周縁部)におけるめつき膜厚の薄さは電
気めつきのいわば宿命であり、めつきを十分な時
間施してもこれらの部分の耐食性を向上させるこ
とはかなり困難である。 このため、めつき後にめつきされた部品に対し
防錆油を塗布して錆の発生を防止することが行な
われているが、防錆油を塗布するとベたつきが生
じ、取扱い性が悪くなると共に、油膜の影響でめ
つき外観を損なう場合もある。 本発明者らは、上記事情に鑑み、めつき耐食性
を向上させることについて種々検討を行つた結
果、めつき後、めつきした部品を防錆油で処理す
る前に70℃以上の温度で湯洗処理してめつき部品
の表面温度を上げておくこと、防錆油を25℃以下
の低温に保持しておくこと、そして湯洗処理によ
つて表面温度を上げためつき部品をこの25℃以下
の低温に保持した防錆油で処理した場合には、防
錆油処理後直ちに油膜除去処理を行なつても非常
に優れた耐食性を有し、例えば後述する実施例で
示したように、図面に示す如き部品にめつきを施
した後、上記の処理を行なつたものはキヤス試験
を80時間行つた後においてもレイテイングナンバ
ー9以上の耐食性を有することを知見し、本発明
をなすに至つたものである。 従つて、本発明は所用の部品をめつきした後、
これを70℃以上の温度で湯洗処理し、次いで25℃
以下に保持した防錆油で処理した後、直ちに油膜
除去処理を行ない、最後に乾燥することを特徴と
するめつき後処理方法を提供するものであり、本
発明によれば耐食性に優れためつき被膜を与える
ことができ、しかも油膜除去処理によつて防錆油
の油膜が除去され、油膜がほとんどないかあつて
も極めて薄いので、めつき部品にべたつきが実質
的になく、外観を損なうこともないものである
上、本発明方法はめつき自動ラインに容易に組み
込むこともでき、簡単に実施し得るものである。 以下、本発明につき更に詳しく説明する。 本発明に係るめつき後処理方法は、所用部品を
めつきした後に施すものであるが、ここでめつき
の種類はその目的等に応じて適宜選択され、また
めつき膜厚も適宜選定される。例えば、銅−ニツ
ケル−クロムめつき被膜形成後、或いはニツケル
−クロムめつき被膜形成後に本発明後処理を施す
ことができるが、耐食めつき被膜を形成する場合
にはニツケルめつき被膜として半光沢ニツケル−
光沢ニツケルの2層ニツケルめつき被膜、半光沢
ニツケル−硫黄高濃度含有ニツケル−光沢ニツケ
ルの3層ニツケルめつき被膜、更には光沢ニツケ
ルめつき被膜や上記の2層もしくは3層ニツケル
めつき被膜上に更に硫酸バリウム等の無機粉体そ
の他の水不溶性粉体が分散共析したニツケルめつ
き被膜を形成したものなどが好ましく、特に最上
層をクロムめつき被膜とし、その下側層に上記の
水不溶性粉体が分散共析したニツケルめつき被膜
を形成したものに対し本発明後処理を施す場合に
は非常に耐食性の優れた被膜が得られる。この場
合、クロムめつきや水不溶性粉体分散共析ニツケ
ルめつき被膜の膜厚は通常のめつき膜厚と同じで
よく、例えばクロムめつき被膜は0.1〜2μ、水不
溶性粉体分散共析ニツケルめつき被膜は0.3〜2μ
程度の膜厚とすることができる。なお、本発明後
処理法は上記のめつき被膜に限られず、他の電気
めつき被膜や場合により無電解めつき被膜を形成
したものに対しても好適に採用される。また、め
つき被膜が形成される素材は、スチール等の金属
素材のほか、プラスチツク等の非導電性素材を金
属化したものが挙げられる。 本発明後処理方法は、所用の部品をめつきした
後、まず湯洗処理を施し、めつき部品の表面温度
を上げる。この場合、湯洗温度は70℃以上、好ま
しくは80℃以上とするものであり、温度が低すぎ
る場合には耐食性向上効果が発揮されない。ま
た、処理時間は20秒以上、より好ましくは30〜60
秒とすることが好適であり、時間が短かすぎると
めつき部品が充分加温されないまま終るので望ま
しくない。なお、湯洗処理はめつき部品を湯の中
に浸漬する方法が最適であるが、スプレー湯洗等
の方法も採用でき、要はめつき部品の少なくとも
表面を湯洗温度もしくはその近くまで加温し得れ
ばよい。 上記湯洗処理により加温されためつき部品に
は、それが冷却される前に、25℃以下の温度に保
持された防錆油による処理を施す。即ち、本発明
においては、加温しためつき部品を防錆油で急冷
しつつ防錆油処理を行なうことを特徴するもの
で、これにより防錆油処理後に直ちに油膜除去処
理を行なつても高い耐食性を有するめつき被膜を
初めて形成することができたものである。このよ
うな高い耐食性を与える理由としては、上記の処
理によりめつきピンホール等に防錆油が確実に入
り込むこと、また水不溶性粉体分散共析めつき被
膜を形成した場合には防錆油が水不溶性粉体に浸
み込むことなどの理由が考えられるが、必ずしも
明確ではなく、いずれにしても室温もしくは40〜
50℃程度の加温下にあるめつき部品を25℃以下の
防錆油で処理したり、或いは加温した防錆油を用
いて加温下にあるめつき部品を処理しても、その
後直ちに油膜除去処理を行なう場合には耐食性を
十分向上させることができず、本発明の目的を達
成することができないのに対し、上述したように
加温しためつき部品を防錆油で急冷処理する場合
には高い耐食効果を与えるものである。 ここで、防錆油処理は上述したように25℃以下
に保持した防錆油を用いるものであるが、より好
ましくは15℃以下に防錆油を保持する。この場
合、防錆油としては軽油、灯油等の石油系基油、
その他の溶剤にカルボン酸系、スルホン酸系、塩
基性窒素化合物系、エステル系等の防錆添加剤を
添加し、更に必要により界面活性剤などを添加し
た市販の防錆油、特に水置換性を有する溶剤希釈
系のものが好適に使用される。なお、防錆油は低
粘度であることが好ましく、このため必要により
溶剤で希釈して用いることができる。 防錆油処理の時間は必ずしも制限されないが、
10秒以上、より好ましくは20〜60秒程度が好適で
あり、また処理方法としては防錆油をめつき部品
にスプレーする等の方法も採用し得るが、めつき
部品を防錆油中に浸漬する浸漬法が最適である。 本発明においては、防錆油処理後、直ちに油膜
除去処理を行なう。これにより、処理後のめつき
部品のべたつきが非常に少なくなり、まためつき
外観を損なうことがなくなると共に、このような
油膜除去処理を行なつても本発明によれば十分に
高い耐食性を保持しているものである。 油膜除去処理剤としては、油膜を除去可能なも
のであればよく、例えばアルカリ性洗浄剤、高級
アルコール系界面活性剤等の界面活性剤を溶解し
た溶液などが使用され得る。また、油膜除去処理
の温度は特に制限されず、通常室温でよく、更に
処理時間も制限はなく、通常20〜60秒程度の時間
が採用される。油膜除去処理方法としては、浸漬
法等によつてもよいが、最も好ましくはスプレー
法である。ここで、この油膜除去処理において
は、油膜を完全に除去するよりも、油膜除去処理
条件を適宜選定していわば油膜を一皮残した如き
状態に除去するようにすることが好ましい。 油膜除去処理後は、処理した部品を必要により
水洗もしくは湯洗し、乾燥するものである。 上述した後処理方法によれば、高い耐食性を有
する被膜が形成される上、めつき部品のべたつき
がほとんどなく、外観も良好なものであると共
に、本発明方法はめつき自動ラインに簡単に組み
入れて実施することができるものである。 以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的
に説明する。 実施例 図面に示す部品(スチール製)を下記工程にお
いてめつきし、後処理した。 工 程 1 脱脂 2 水洗 3 酸洗 4 水洗 5 半光沢ニツケルめつき 硫黄フリーニツケルめつき被膜の形成 平均膜厚約18μ 6 ニツケルストライクめつき 硫黄高濃度含有ニツケルめつき被膜の形成 平均膜厚約2μ 7 光沢ニツケルめつき 硫黄含有光沢ニツケルめつき被膜の形成 平均膜厚約10μ 8 耐食ニツケルめつき 無機粉体分散共析ニツケルめつき被膜の形
成 平均膜厚約0.8μ 9 水洗 10 クロムめつき クロムめつき被膜の形成 平均膜厚約0.8μ 11 水洗 12 湯洗 温度80℃以上 時間 50秒 13 防錆油処理 キザイ(株)製防錆油BSA−061使用 温度 25℃以下 時間 50秒 浸漬処理 14 油膜除去処理 ヘンケル白水(株)製酸中和処理剤P3 T−
320使用 温度 常温 時間 50秒 スプレー処理(シヤワー噴射) 15 湯洗 16 乾燥(自動乾燥機) 上記工程で得られためつき部品の耐食性につ
き、キヤス試験により調べた。また、比較のた
め、防錆油処理をおこなわないめつき部品、更に
は湯洗、防錆油処理の条件を変えて処理を行なつ
ためつき部品の耐食性を同様にして調べた。結果
を第1表に示す。
【表】
第1表の結果より、高温で湯洗したものを防錆
油で急冷処理したものは、その後油膜除去処理を
行なつても非常に高い耐食性を有していることが
知見された。 なお、防錆油処理後、油膜除去処理を行なわな
かつたものはべたつきが多く、かつ厚い油膜の存
在で外観を損なうものであつたが、油膜除去処理
を行なつたものはべたつきが少なく、外観も良好
なものであつた。
油で急冷処理したものは、その後油膜除去処理を
行なつても非常に高い耐食性を有していることが
知見された。 なお、防錆油処理後、油膜除去処理を行なわな
かつたものはべたつきが多く、かつ厚い油膜の存
在で外観を損なうものであつたが、油膜除去処理
を行なつたものはべたつきが少なく、外観も良好
なものであつた。
図面は本発明後処理を適明した部品の一例を示
す側面図である。
す側面図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 所用の部品にめつき被膜を形成した後、これ
を70℃以上の温度で湯洗処理し、次いで25℃以下
に保持した防錆油で処理した後、直ちに油膜除去
処理を行い、最後に乾燥することを特徴とするめ
つき後処理方法。 2 所用の部品に形成するめつき被膜が最上層と
してクロムめつき被膜、その下側層として水不溶
性粉体が分散共析されたニツケルめつき被膜が形
成されたものである特許請求の範囲第1項記載の
めつき後処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2557984A JPS60169590A (ja) | 1984-02-14 | 1984-02-14 | めつき後処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2557984A JPS60169590A (ja) | 1984-02-14 | 1984-02-14 | めつき後処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60169590A JPS60169590A (ja) | 1985-09-03 |
JPS633027B2 true JPS633027B2 (ja) | 1988-01-21 |
Family
ID=12169827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2557984A Granted JPS60169590A (ja) | 1984-02-14 | 1984-02-14 | めつき後処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60169590A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002019313A1 (fr) * | 2001-03-05 | 2002-03-07 | Gotoh Gut Co., Ltd. | Enrouleur de cordes pour un instrument a cordes |
WO2002073590A1 (fr) * | 2001-03-05 | 2002-09-19 | Gotoh Gut Co., Ltd. | Composants metalliques pour instrument a cordes |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5294732B2 (ja) * | 2008-06-30 | 2013-09-18 | 木田精工株式会社 | 袋状ワークの表面処理ライン及び表面処理方法 |
-
1984
- 1984-02-14 JP JP2557984A patent/JPS60169590A/ja active Granted
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002019313A1 (fr) * | 2001-03-05 | 2002-03-07 | Gotoh Gut Co., Ltd. | Enrouleur de cordes pour un instrument a cordes |
WO2002073590A1 (fr) * | 2001-03-05 | 2002-09-19 | Gotoh Gut Co., Ltd. | Composants metalliques pour instrument a cordes |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60169590A (ja) | 1985-09-03 |
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