JPS6330244B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はスタツカクレーンの伸縮式フオークに
よる荷役に関するものである。

従来、長尺の鋼材を伸縮式フオーク上に載せて
取り扱う棚積用スタツカクレーンにおいては、入
庫用台車等より棚積用スタツカクレーンのフオー
クですくい上げた鋼材をそのまま倉庫側ラツクに
積み降ししていた。鋼材が斜めに姿勢がずれてく
ずれたり偏心したりした状態で倉庫側ラツクに積
み降しすると、この積み降し状態の鋼材を逆に倉
庫側ラツクからフオークですくい上げて出庫用台
車や加工工場へ積み替える時に、フオーク上へ鋼
材がうまく架載できなかつたり、フオーク上へ密
に鋼材を架載できなくなる等の荷の受け渡し作業
が困難となる欠点を生じる。この欠点を解消する
ために別に鋼材をそろえる機構を備えたフオーク
が考えられるが、その構造が非常に複雑になる欠
点を生ずる。

また、荷を倉庫内のラツクへ収納する場合、こ
の荷が多くのラインを経由して収納される故に、
荷の受け渡し時に荷姿がくずれ、特にその荷幅が
広がつたりする。特に、荷がパイプの場合、パイ
プのころがりまたは曲りにより、荷幅の広がりが
顕著である。広がつたままの荷幅でラツクへスタ
ツカクレーンから荷を受け渡しする場合には、ラ
ツクの荷受け幅、即ちラツクの突き出し長さを大
きく設定せざるを得ない。このため、ラツクを備
える倉庫が大形となる欠点がある。特にパイプが
ラツクへ斜めに収納されると、その端がスタツカ
クレーンの移動空間に突き出て危険である。この
危険を防ぐために移動空間を拡大すれば、さらに
倉庫は大形となる欠点が顕著となる。

本発明は上述の各欠点を解決することを目的と
するもので、以下に本発明の実施例を第１図から
第６図までの各図に基づいて説明する。

第１図から第６図までの各図に示した本実施例
では、フオーク１０上にすくい上げた長尺なパイ
プ７を倉庫内のラツク２０上に積み降す場合、第
１段階として、フオーク１０をラツク２０よりも
上の空間へ高速でフオーク１０を伸長させラツク
２０上の積み降し箇所上までパイプ７を移動させ
る。第２段階としててラツク２０の基本方向へ低
速にてフオークを伸長させてラツク２０の根本に
設けたストツパー２１にパイプ７を当てがう。こ
の状態でフオーク１０をさらに伸長させてパイプ
７を前述の当てがい点を支点にフオーク１０の伸
長力でラツク２０の根本方向へずり動かしてパイ
プ７をラツク２０と直交させてそろえる。第３段
階としてフオーク１０を降下させてパイプ７をラ
ツク２０上に移載してフオーク１０を縮めて積み
降し作業を終える。

以上の段階の各作用を成す荷役装置は次のよう
な構造を備える。

即ち、倉庫内の床面に敷設したレール上を走行
装置６によつて走行移動するスタツカクレーン１
は倒れないように倉庫天井のレールに案内ホイー
ル等を介して支えられている。このスタツカクレ
ーン１には巻上装置４によつて駆動される巻上ド
ラム３が取り付けられており、この巻上ドラム３
から発するワイヤロープ５によつて昇降体２と、
この昇降体２に一体的に取り付けた運転室８とが
吊り下げられている。この昇降体２には２組の伸
縮式のフオーク１０が適当な間隔をおいて取り付
けられており、回転駆動される巻上ドラム３によ
るワイヤロープ５の操作によつてフオーク１０は
運転室８と共に昇降体２と一体に上下移動し、且
つ走行装置６により水平移動する。これら各移動
により立体的に配置された任意のラツク２０へフ
オーク１０を移動させることができる。このフオ
ーク１０は、第２図や第３図の２点鎖線や第４図
の如く、昇降体２からラツク２０側へパイプ７を
乗せたまま突き出すことができる。この突き出し
はすでに多用されている伸縮機構を備えた伸縮式
フオークを使用することにより可能である。この
フオーク１０の伸縮駆動力は第２図の如く、昇降
体２に取り付けられた電動機１１と低速高トルク
特性を設定したギヤーモータ１２とから得ること
ができる。電動機１１はその反負荷側の回転軸に
制動装置１５が取り付けられ、一方負荷の回転軸
は昇降体２上の減速機１３に連なる。ギヤーモー
タ１２の回転軸はクラツチ１４を介して減速機１
３内で電動機１１と間接的に連結されている。こ
の減速機１３の出力は長軸１６を介してフオーク
１０の伸縮機構に伝えられ、フオーク１０を伸縮
する。このフオーク１０はその荷架載領域の両端
におのおのパイプ７のころがり落ちを防ぐストツ
パ１８，１９が立設され、しかも第３図、第４図
の如く、フオーク１０はラツク２０よりも後方へ
充分伸長するストロークを設定してある。

一方、フオーク１０からパイプ７を受ける上下
複数段のラツク２０は、第３図、第４図の如く、
スタツカクレーン側へ突き出たストツパ２１の先
端面からさらにスタツカクレーン側へ荷受領域長
さ分だけ突き出ている。そのラツク２０は先端に
ストツパ２２が取り付けられ、パイプ７がラツク
２０の先端からころがり落ちないようになされて
いる。

このような構成において、フオーク１０ですく
い上げたパイプ７をラツク２０へ整然と移載する
には、まずスタツカクレーンの走行移動と昇降体
２の上下移動により立体的に配置された各ラツク
内移載を所望するラツク２０方向へへフオーク１
０を移動させ、ラツク２０の荷架載面よりも若干
パイプ７の下面が上位置になるように止め、しか
る後フオーク１０を電動機１１の駆動力により伸
長させてストツパー２１の側方空間へ突き出し、
パイプ７がストツパー２１の端面に近づいたら制
動装置１５にて減速させてゆつくりとストツパー
２１の端面にパイプ７を当てがう。次にクラツチ
１４を連結してギヤーモータ１２を駆動し、同時
に電動機１１への給電を止める。このようにする
とフオーク１０は低速かつ高トルクにてさらにス
トツパー２１の側方空間を伸長してゆく。このた
めストツパー２１の端面に接したパイプ７はその
接点を支点としてフオーク１０を介して受ける高
トルクにて押される。したがつて第３図の実線で
示した斜め姿勢のパイプ７は２点鎖線の如くラツ
ク２０に直交する姿勢に調整され次のもう１本の
パイプ７を架載する面を提供する。このもう１本
のパイプ７はそのパイプ７とフオーク１０との摩
擦によりフオーク１０の荷架載面をすべることな
くある程度ストツパー２１側へ押し込まれるが、
ついにはフオーク１０のストツパー１９に当てが
われて押し込まれ先のパイプ７と同一姿勢、即ち
ラツク２０と直交する姿勢に調整される。この調
整の間、パイプ７を押しつぶさぬように制動機１
５を使用してその制動力を電動機１１とクラツチ
１４を介してギヤーモータ１２に伝えてフオーク
の伸長速度や停止位置を慎重に制御して行なう。
このように一個の制動機１５を電動機１１とギヤ
ーモータ１２との制御用に共用させている。

以上の姿勢調整を終えたならば昇降体２を降下
させてパイプ７をラツク２０に移載しパイプ７の
積み降しを終る。しかる後はクラツチ１４を切
り、電動機１１にて高速でフオーク１０を縮め、
荷役サイクルを良好にしている。

このように、ラツク２０上にパイプ７を整理し
て架載することによりラツク２０へのパイプ７の
収納効率を高めひいては短かいラツクへ多くのパ
イプ７を収納できる。さらにパイプ７を出庫させ
る際にもラツク２０からフオーク１０で効率良く
すくい上げ、出庫用台車へパイプ７を整然と移し
かえることができる。

本実施例では低速高トルク型のモータを追加す
ることにより昇降方向の寸法をコンパクトにまと
めて荷の吊り上げ揚程を拡大できる。その理由
は、１台の電動機で高トルク低速運転と低トルク
高速運転とを切換えて行なうには電動機の特性上
非常に大きな電動機でなければ行なえず、その分
高さ寸法が大きくなつて荷の吊り上げ揚程を損う
からである。

さらに、パイプ７をラツク２０へ整然と架載す
ることにより、従来よりもラツク２０の突き出し
長さを短くできることを利用して、第５図の如
く、スタツカクレーン１の移動用の走行レール２
３の両側に、第６図で示すようなラツク２０の支
柱２４を走行レール２３に沿つて立設すれば、ラ
ツク２０の突き出し長さが短い分だけラツク倉庫
を小形にできる。このラツク２０の支柱２４は、
第５図、第６図の如くスタツカクレーン１の移動
空間方向へ突き出した複数段のラツク２０を支え
るもので、ラツク２０の付根上には押し込まれる
パイプ７を傷付けないように当てがうストツパー
２１が設けられている。このラツク２０に対して
作業するスタツカクレーン１のフオーク１０に
は、押し込み用のストツパー１９を備える。スト
ツパー１８は、スタツカクレーン１の移動空間を
はさんで反対側のラツクに対する作業の時に、ス
トツパー１９と同様に押し込み用として使用され
る。

具体的に、ラツク２０の突き出し長さは、フオ
ーク１０の停止精度やラツク２０の製作精度等を
考慮した場合、１ラツクにつき16％程度も短くす
ることができる。したがつて多数のラツク２０を
配置せねばならないラツク式倉庫においては、そ
の倉庫を小形にできる。

さらに、ラツク２０の突き出し長さが短いこと
によつて、具体的に次のような利点を得られる。

ラツク２０にパイプ等の荷を乗せた時に生ずる
モーメントを小さくでき、ラツク２０自体の高さ
方向の寸法を小さくして、高さ方向の収納スペー
スを多く得られる。ラツク２０に加わるモーメン
トが小さいということは、ラツク２０の必要強度
も小さくて良い。このため、支柱２４やこの支柱
２４を立設する基礎の強度等も小さくてすむ。し
たがつて倉庫全体を経済的に建設することができ
る。

以上のごとく、本発明はスタツカクレーンのフ
オーク上の荷をラツク側に押しつけてフオーク上
の荷をずらして整理し、整理した荷をラツク側に
渡すことができるので、荷の整理が複雑なフオー
ク構造を採用すること無く達成できる効果と、整
理した荷を受け渡すので確実であるし、荷の収納
スペースを小形にできる効果がある。また、フオ
ーク上の荷をずらすときにはフオークをそれまで
の伸長速度よりも低速で伸長させるので、より速
くかつ確実に移載を行うことができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるスタツカクレーンの全体
図、第２図は第１図中に示した昇降体の上面図、
第３図は第１図に示したスタツカクレーンによる
荷降し作業中におけるフオークとラツクとの位置
関係を示す図、第４図はフオークを伸長した状態
における第３図のＡ−Ａ矢視図、第５図は本発明
を採用したラツク式倉庫を一部断面で示した庫内
上面図、第６図は第５図で示したラツクを備えた
支柱とフオークとの関連性を一部断面で示した斜
視図である。 １……スタツカクレーン、２……昇降体、３…
…巻上ドラム、５……ワイヤロープ、６……走行
装置、７……パイプ、８……運転室、１０……フ
オーク、１１……電動機、１２……ギヤーモー
タ、１３……減速機、１４……クラツチ、１５…
…制動装置、１６……長軸、１８，１９，２１…
…ストツパー、２０……ラツク、２３……走行レ
ール、２４……支柱。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 荷を載せたフオークを伸長させることによつ
   てラツクの上方に位置させ、次に前記フオークを
   降下させることによつて、前記荷を前記フオーク
   から前記ラツクへ移載するスタツカクレーンの荷
   役方法において、 前記フオークを前記ラツクの側に伸長させて該
   ラツクの上方に位置させた後、該フオークをこれ
   までの速度よりも低速でさらに伸長させることに
   より、該ラツクに設けた載荷面よりも上方の位置
   のストツパーに前記フオークの載荷面の荷を押し
   当て、これによつて前記ストツパーへの前記荷の
   当てがい点を支点にして前記荷を移動させ、次に
   前記フオークを降下させて前記荷を前記ラツクへ
   移載することを特徴とするスタツカクレーンの荷
   役方法。 ２ 駆動装置でフオークの伸縮機構を駆動するス
   タツカクレーンと、前記スタツカクレーンの走行
   路沿いに設置されて前記フオークから荷を受ける
   ラツクと、前記フオークの荷架載領域の両端にそ
   れぞれ設けたストツパーと、前記ラツクの荷受領
   域の根本側に設けたストツパーとを備える装置に
   おいて、前記フオークの伸縮ストローク長さを、
   前記フオークの突端側のストツパーが前記ラツク
   の根本側のストツパーを超える長さに設定し、前
   記駆動装置は、前記伸縮機構へ動力伝達自在に接
   続した高速型電動機と低速高トルク型電動機とを
   駆動源として備え、すくなくとも低速高トルク型
   電動機と前記伸縮機構との動力伝達途中にクラツ
   チを設けたことを特徴としたスタツカクレーンの
   荷役装置。 ３ 特許請求の範囲の第２項において、両電動機
   の内、一方の電動機に制動装置を備えたことを特
   徴とするスタツカークレーンの荷役装置。