JPS6327314B2 - - Google Patents

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JPS6327314B2
JPS6327314B2 JP13123983A JP13123983A JPS6327314B2 JP S6327314 B2 JPS6327314 B2 JP S6327314B2 JP 13123983 A JP13123983 A JP 13123983A JP 13123983 A JP13123983 A JP 13123983A JP S6327314 B2 JPS6327314 B2 JP S6327314B2
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JP
Japan
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burner
composition
combustion
present
titanium oxide
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JP13123983A
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JPS6021884A (ja
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Atsushi Nishino
Kunio Kimura
Yasuhiro Takeuchi
Koji Ishihara
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Priority to GB08404094A priority patent/GB2135766B/en
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、ガス、石油燃焼器に使用され、燃焼
の促進あるいは、赤外放射加熱を行うためのバー
ナに関する。 従来例の構成とその問題点 従来、ガスバーナに用いられているものにセラ
ミツク質の組成物がある。このセラミツク質は、
主にシヤモツトで、Al2O3−SiO2系よりなつてお
り、製造法としては、成形後、1000℃以上の高温
で焼結している。強度を増加するためには、より
高温で焼成することが望ましいが、多孔性がなく
なり、空気との混合が充分ではなくなる。そのた
めに、強度をある程度犠牲にしても、発泡剤を添
加したり、燃成温度を低くするなどの多孔質化が
行われている。したがつて、これら従来のセラミ
ツク組成物は、熱による脆化、または破損はまぬ
がれ得ないものである。さらに、シヤモツト自身
に化学的結合力がないため、ハニカム構造にして
も、透過孔間の肉厚を1mm以下のように薄くでき
ず、開孔率も40%以下であつた。そのため、セラ
ミツク自体の熱容量が大きく、着火後、赤熱する
まで長時間を要し、また充分に赤熱しないなどの
欠点を有していた。 こうした実情から様々な改良が試みられ、強度
を増大するために、シリカ−アルミナ繊維を添加
したものや、赤熱を増強するためにセラミツクの
表面形状をピラミツド型にしたものや、円すい型
にしたものが見受けられる。 しかし、この様な改良にもかかわらず、従来の
バーナ用組成物では、前述のような欠点を克服す
ることはできなかつた。 そこで、本発明者らは、バーナ用組成物として
アルミン酸石灰、シリカ化合物、酸化チタンより
なる無焼結のバーナを提案した(特願昭58−
24990)。このバーナ用組成物は確かに従来の欠点
を改善するものであるが、肉厚を薄く形成するた
め、表面の機械的強度が充分でないなどの欠点を
有していた。 発明の目的 本発明は、以上のような従来の欠点を解消し、
非焼結式で容易に製造することができるととも
に、燃焼時の有害ガスの発生が少なく、赤外線放
射効果が大きく、しかも強度の大なるバーナを提
供することを目的とする。 発明の構成 本発明のバーナは、結合剤としてのアルミン酸
石灰と、シリカ化合物、必要に応じて酸化チタン
を含む組成物よりなる成形体の表面に耐熱性無機
物よりなる表面硬化処理層を施したことを特徴と
する。 実施例の説明 以下、本発明の構成要素を順を追つて詳述す
る。アルミン酸石灰は、別名アルミナセメントと
も呼ばれ、通常のポルトランドセメントに比較
し、耐熱性が高く、1000℃でも安定である。この
アルミナセメントを結合剤として用いる最大の特
徴は、非焼結で成形体を得ることが可能な点であ
る。非焼結で成形されたアルミナセメントは、
BET比表面積が大きく、40m2/g程度あり、バ
ーナ用として燃料と空気の混合には、この多孔質
の大きさは望ましいものである。アルミナセメン
トを触媒の観点からみると、固体塩基触媒に属
し、特徴として炭素数の多い炭化水素を比較的炭
素数の少ない炭化水素にする作用、すなわちクラ
ツキング用触媒として働くことである。これは、
燃料をできるだけ燃焼しやすい状態にする作用で
あり、本発明のバーナを用いた場合、従来品に比
較し、排ガス中の有害成分が少ない理由の一つに
なつている。 本発明で用いられるアルミン酸石灰には、不純
物として酸化鉄が含まれる。この酸化鉄は、触媒
作用としての効果を有する。すなわち、石油を燃
料として用いた場合、消火後、未燃焼ガスとして
排出されるが、本発明ではバーナ部を構成する材
料が触媒効果を有しているため、消火後でさえも
蓄積された熱で、この未燃焼ガスを酸化し、浄化
することが可能である。 以上、述べた様に、アルミン酸石灰は、分解触
媒と酸化触媒の両方の効果を有し、これが燃焼排
ガス特性を良好な状態にしている理由である。一
例として、CO/CO2値は、JIS規格(0.02以下で
あること)の1/10〜1/100である。また低温触媒
燃焼が可能となり、NOxも従来のバーナの1/10
〜1/100になる。 次にシリカ化合物について述べる。 このシリカ化合物とは、SiO2を成分とした耐
熱性基骨材が含まれる。アルミン酸石灰は、単独
でも成形体を構成することが可能であるが、シリ
カ化合物と共存させることにより、機械的強度、
耐熱性、耐スポーリング性を向上させることが可
能である。したがつて、本発明でシリカ化合物は
バーナ用として長時間高温にさらされるために必
須成分である。 次に酸化チタンであるが、酸化チタンは、上述
したアルミナセメントの耐熱性を向上させるこ
と、クラツキング触媒能を助長すること、赤外線
の放射効率に優れること、バーナの比表面積を拡
大し、耐熱性を向上させることなどの理由で必要
に応じて用いられる。アルミナセメントは耐熱性
に優れるものの、やはり長時間の使用では、シン
タリングが起こり、比表面積は減少する。これに
対し酸化チタンは、融点が1800℃以上であるため
バーナの使用温度条件下では安定である。この酸
化チタンがアルミナセメント粒子間に介在するた
め、アルミナセメント自身のシンタリングも抑制
され、全体として耐熱性が向上し、長時間の使用
でも比表面積の大きな低下は認められない。酸化
チタンのさらに大きな特徴は、放射率が優れるの
で燃焼によつて生じた熱を放射熱に変換する程度
が大きいことである。 次に、アルミン酸石灰とシリカ化合物、酸化チ
タン各々の材料について詳述する。 本発明のバーナを構成する結合剤は、アルミナ
セメントで代表されるアルミン酸石灰であり、ポ
ルトランドセメントとは区別される。アルミナセ
メントは一般的にmAl2O3・nCaOで表され、ポ
ルトランドセメントは、m′SiO2・n′CaOで表さ
れる。ポルトランドセメントは、需要量も多く、
安価であるが300℃程度以上の温度に耐えられず
耐熱性、耐スポーリング性、硬化速度が遅いとい
う欠点を有し、さらには硫酸イオンに侵食されや
すい。それに対し、アルミナセメントは、300℃
以上の温度に耐え、硬化速度も速く、触媒製造の
観点から好ましいセメントといえる。 アルミナセメントの組成は、前記のとおりで、
石灰分が40重量%以上になると、機械的強度は大
きくなるが、耐熱性が小さくなるとともに、不純
物として混入している重金属酸化物と高温で反応
し、たとえば1000℃程度以上で鉄酸化物が
CaFe2O4等を生成し、バーナの熱破壊を招く。一
方石灰分が少ないと耐熱性は向上するが、機械的
強度が低下するとともに、成形時の養生時間が長
くなり、生産性も悪くなる。またアルミナ分が35
重量%以下になると、耐熱性は低下する。一方、
アルミナ分が多くなると、耐熱性は向上する。
800℃程度以上の温度に耐えうるようにするには
高アルミナセメントを用いるのがよい。 混入する酸化鉄分は20重量%以上になると、加
熱時の機械的強度が低下し、耐熱性は低下するほ
かバーナが着色し始め、美的観点からも好ましく
ない。この酸化鉄は300℃程度以上の温度で、ガ
ス浄化、例えば一酸化炭素を浄化する触媒能を有
する。このような助触媒的効果を発揮させるには
酸化鉄を2重量%以上含有することが好ましい。 アルミナセメントの好ましい組成は、石灰分15
〜40重量%、特に30〜40重量%、アルミナ分35〜
80重量%、特に40〜60重量%、酸化鉄分0.3〜20
重量%、特に2〜10重量%である。 次に酸化チタンであるが、本発明では酸化チタ
ンを含んだ複合酸化物をも意味する。 酸化チタンには、Ti2O、TiO、Ti2O3、Ti3O5
TiO2が存在するが、通常安定に存在するのは
TiO2である。TiO2にはアナターゼ、イタチタン
石、ルチルの結晶変態が存在する。これらの三変
態は全て天然に産出し、また人工的にも製造でき
る。この中で、ルチル型は高温でも安定で、アナ
ターゼ型のルチル型への転移が起こる温度は700
℃付近である。本発明ではこれらのどのTiO2
使用可能であるが、特に熱安定性の優れたルチル
型が好ましい。 酸化チタンの複合酸化物には、TiO2−Al2O3
TiO2−ZrO2、TiO2−SiO2、TiO2−MgO、TiO2
−Bi2O3、TiO2−CdO、TiO2−SnO2などがあり、
これらはいずれも使用できる。 TiO2のルチル型は結晶構造が正方晶系で、融
点が1855℃である。そして天然に産出するTiO2
は約10m2/gの比表面積を有する。比表面積は、
それ程大きくはないが、融点が1855℃と高いため
通常の使用ではシンタリングによる表面積の減少
や、アルミン酸石灰の粒子成長が抑制されている
ものと思われる。 本発明における酸化チタンの含有量は3重量%
以上が望ましく、3重量%より低い場合は、酸化
チタンの添加効果は余り期待できない。逆に40重
量%を超えると、アルミン酸石灰の量が少なくな
り、結合力が弱く、使用に耐え得ない。この酸化
チタンはアルミン酸石灰と一緒に成形に足るだけ
の水を加えて混合し、任意の形状に成形後、養生
して固化させる。 次にシリカ化合物について説明する。 このシリカ化合物とは、単独のSiO2ばかりで
はなく、SiO2を一成分として含む化合物も含ま
れる。SiO2は天然にケイ砂、ケイ石粉として存
在するが、これらの他、人工的に作られた微粉末
の溶融シリカでもよい。さらに、種々のシリカ化
合物、例えば、ケイ酸塩化合物が含まれる。ケイ
酸塩化合物としては、ケイ酸マグネシウム、ケイ
酸カルシウムなどがある。その他、シリカを一成
分として含む鉱物、例えばシヤモツト、粘土、ロ
ウ石、ムライト、シリマナイトなども含まれる。
これらSiO2化合物は、アルミン酸石灰と共存さ
せた場合、化学的結合力によつて結合され、アル
ミン酸石灰単独よりも強度的に増大する。 本発明では、必須成分としてアルミン酸石灰、
シリカ化合物から構成される他、酸化チタンを含
む場合、40重量%以下で用いることができる。さ
らに、必要に応じて、上述した成分の他に、耐熱
性、耐熱衝撃性を向上させる目的で、種々の無機
化合物繊維、例えば耐アルカリガラス繊維、シリ
カ−アルミナ繊維、アスベスト、アルミナ繊維な
どを添加することは任意である。 さらに、成形助剤として、種々の添加剤を添加
することは任意である。一例として、カルボキシ
メチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニ
ルアルコール、グリセリン、各種アルコール、ベ
ントナイトなどの粘土鉱物などが含まれる。 次に、上述したバーナ用組成物の表面に施す表
面硬化処理層について説明する。 この表面硬化処理層とは、上述した組成よりな
るバーナ用組成物の表面の表面硬度の向上、表面
粉塵の落下防止、さらには赤外線放射特性の向上
のために設けられた被覆層を意味する。この硬化
処理層は、バーナ用組成物の全面を被覆すること
も考えられるが、全面を被覆した場合、本発明の
バーナ用組成物の特徴が充分発揮されないので、
部分的に被覆することが望ましい。すなわち、燃
料供給側とは反対の表面に被覆するか、あるい
は、全体に島状に分布させる。このように被覆さ
せた表面硬化処理層は、バーナ用組成物の本来の
特性を発揮し、しかも上述したような問題点の克
服や、性能改善が期待できる。 まず、本発明の表面硬化処理の代表例であるプ
ラズマ溶射法によつて形成される無機物について
述べる。 プラズマ溶射とは、5000〜20000℃中のプラズ
マ炎中にセラミツクを投入し、溶融によつて素材
にセラミツク層を設けるものである。溶射方法と
しては、他にアーク溶射、炎溶射などがあるが、
本発明の目的を果たすためにはプラズマ溶射が好
ましく、その理由として、素材と溶射粉末との結
合力が強いことが挙げられる。 プラズマ溶射時の条件は、アルゴンガス、アル
ゴン−水素ガス、またはアルゴン−ヘリウムガス
系が好ましく、特にアルゴン−ヘリウムガス系が
よい。また溶射条件は、二次側出力条件が直流
30V以上、電流600A以上が望ましい。 次に溶射材について述べる。本発明に用いられ
るセラミツク溶射材料としては、放射率の大なる
ものから選ばれる。本発明における溶射材は、
Al2O3、TiO2、SiO2、ZrO2、MgO、NiO、CaO、
Cr2O3などの群から選択される金属酸化物および
それらの混合酸化物、または複合酸化物が有効で
ある。複合酸化物の代表例としては、MgAl2O4
MgZrO3、CaZrO3などがある。これらの溶射材
の粒径は10〜100μm程度が望ましい。 次に塗布法または浸漬法によつて形成される無
機物であるが、この方法の代表的なものとして
は、ガラス質がある。ガラスは微粉砕し、種々の
ミル添加物を含んだスリツプとしてバーナ組成物
に塗布または浸漬によつて被覆し、所定の温度で
焼成する。ガラス質を用いる場合の留意点として
は、バーナ用組成物の熱膨張係数と同程度の値の
ものを選択することが重要である。また、ガラス
質とは、焼成以前ではガラス質で焼成中もしくは
焼成後に結晶析出する、いわゆる結晶化ガラスも
含まれる。また、ガラス質の形成法として、金属
アルコキシド溶液を用いることも可能である。金
属アルコキシド溶液とは、アルコキシド基に陽イ
オンが結合したもので、Si(OC2H54、Ti
(OC3H74、Ge(OC2H54、Zr(OC3H74などがあ
る。これは、加水分解により金属と酸素がつなが
つたゾルを作り、さらに重合を進めゲル化させ
る。この段階で、バーナ用組成物に被覆し500℃
付近まで加熱することにより脱水させるとガラス
質を得ることができる。 次に、耐熱無機塗料であるが、これには、水ガ
ラス系とリン酸系がある。水ガラス系は、水ガラ
スと、アルミナなどの耐熱性無機物を混合したも
ので、必要に応じ顔料が添加される。 リン酸系は、一般式MO・xP2O5・yH2O(ただ
しMはAl、Mg、Ca、Fe、Cu、Ba、Ti、Mn、
Znからなる群より選択される少なくとも1種)
で表わされるものである。これらのリン酸系化合
物は、加熱により高分子の縮合リン酸塩となり、
高温に加熱することにより種々に結晶化し硬化す
る。例えば500℃では、第一リン酸アルミニウム
の場合、Al2O3・3P2O5となり、1000℃以上では、
Al2O3・P2O5となる。 次に、より簡便に本発明の目的を満足する無機
物の形成法であるコロイダルシリカ、コロイダル
アルミナについて述べる。 コロイダルシリカは、負に帯電した無定形シリ
カ粒子が水中に分散してコロイド状をなしてお
り、粒子の表面には−SiOH基および−OH-イオ
ンが存在し、アルカリイオンにより電気二重層が
形成され、粒子間の反発により安定化されたもの
である。この溶液が本発明のバーナ用組成物に付
着すると、粒子の電荷バランスがくずれて、粒子
同志が接合すると増粘、ゲル化、凝集等が起こ
り、SiO2あるいはAl2O3が形成される。このコロ
イダルシリカ、コロイダルアルミナの特徴は、組
成物の全面に被覆しても、塗膜が島状となり、組
成物の本来の特徴を活かしたまま塗膜が形成でき
る点にある。 以上、述べた様に、本発明の表面硬化処理層
は、種々の方法によつて形成することが可能であ
る。いずれの方法によつても、表面硬化処理層
は、バーナ組成物本来の特徴を損なうことなく被
覆することが重要で、塗膜が緻密で均一な場合に
は、一表面にのみ形成し、塗膜が島状で生成する
場合でも、全面に薄く形成する必要がある。 さて、本発明は以上述べた様な成分より構成さ
れる訳であるが、次に、これらの成分を用いてバ
ーナを構成する場合の条件について述べる。 まず、本発明の成分の特徴として、非焼結で成
形体を製造可能なことから、精度よくハニカム状
成形体を作成できる点にある。従来、精度の良好
なハニカム構造体としてはアルミナ、コージエラ
イトなどがあるが、これらはいずれも焼結型で比
表面積も小さく、価格も高い。これに対し、本発
明の組成物は、非焼結であるにもかかわらず、強
度、硬度に優れるため、肉厚の薄いハニカム構造
体を構成することが可能である。このため、ハニ
カムを一体と見なした場合の見掛けの表面積に対
し、実に10倍以上の表面積を得ることができる。 バーナ用組成物として、表面積が大きいこと
は、以下の理由によつて有益である。すなわち、
燃焼部の表面積が少ないと、燃焼は局部的に集中
し、その点で高温となり、NOxの発生量は多く
なる。NOxの発生は燃焼温度と関連し、1100℃
以上になると発生量も大になる。これに対し、燃
焼部の面積が大きいと、燃焼は拡散され、温度も
低くなる。したがつて、本発明では燃焼温度を
900℃以下に抑えることが可能で、NOxの発生
も、従来のバーナ用組成物に対し1/10〜1/100に
することが可能である。通常燃焼用バーナとして
は、NOxの発生とCO、未燃焼炭化水素の発生は、
相反する関係にあり、NOxの発生を抑制すると、
COなどは増える傾向にある。ところが、本発明
のバーナ用組成物は、先にも述べたように、クラ
ツキング触媒作用があるため、低温でもCO、未
燃焼炭化水素を発生させることなく、燃焼させる
ことが可能である。さらに、酸素との混合がしや
すい様に、本発明のバーナ用組成物のBET表面
積は40m2/g以上と大きく、多孔質である。この
ため、空気不足によつて生じる炎の立ち上りがな
く、燃焼はバーナ組成物の表面で行われる、いわ
ゆる表面燃焼となり、熱が有効にバーナ用組成物
で放射熱に変換される。 上述した理由により、本発明の組成物を用いた
バーナは、以下のような条件を満たすことが好ま
しい。 まず、第一は、ハニカム型構造を有し、透過孔
間の隔壁の肉厚を1mm以下とすることである。こ
こにハニカム型構造とは、透過孔の形状がハニカ
ム、すなわち六角形の形状に限定するものではな
く、四角形、円形なども含まれる。透過孔間の隔
壁の肉厚を1mm以下とする理由は、それ以上であ
ると見掛けの幾何学的表面積を向上させることが
困難であること、表面燃焼が期待できないことな
どによる。さらに好ましくは、0.4〜0.8mm程度が
良い。0.4mm以下であると、強度的に弱くなる。 透過孔の開孔率は、成形体の見掛けの横断面面
積の50〜82%の範囲が適当である。50%以下で
は、従来のバーナ組成物と同様に表面燃焼が期待
できなく局部的に温度が上昇し、NOxの発生が
大となる。82%以上の開孔率は、本発明の組成で
あつても肉厚が薄くなりすぎ、強度的に問題であ
る。 次に成形体のBET比表面積であるが、この
BET比表面積は、BET法により測定された
(77KでのN2の吸着量より算出された面積)面積
で形状の幾何学的な意味での表面積とは異なる。
本発明では、このBET比表面積の値が5m2/g
以上であることが好ましい。本発明では、アルミ
ン酸石灰、シリカ化合物、酸化チタンなどの配合
比によつて、種々の比表面の成形体を得ることが
可能であるが、最低でも5m2/gの比表面を有し
ない場合は、本発明の目的は上述した理由によ
り、充分発揮できない。 以上が本発明の構成要素であり、本発明によつ
てもたらされる効果を以下に列挙する。 (1) CO、未燃焼炭化水素の低減−燃焼の際バー
ナ用組成物が大きな比表面を有しているため、
空気の有効な供給源となる。またアルミン酸石
灰が分解触媒、酸化鉄が酸化触媒として作用す
る。 (2) NOxの低減−燃焼表面積が大きいので、バ
ーナで表面燃焼が生じ、燃焼温度が低い。 (3) 放射熱の向上−放射率の優れた酸化チタンの
添加効果とハニカム構造の肉厚、開孔率の向上
により熱容量が低下する。 (4) 消火後の酸化触媒効果−特に燃料として石油
を用いた場合、効果を発揮し、アルミナセメン
トに含まれる酸化鉄が有効である。 (5) バーナ部での表面燃焼−アルミン酸石灰が分
解触媒として作用し、燃料を燃焼しやすい低炭
素数の炭化水素にするため、炎の立ち上りがな
くバーナ表面で燃焼し、有効な放射熱への変換
を行う。 (6) バーナの単位面積当りの発熱量の拡大−従来
は16〜24Kcal/cm2であるのに対し、本発明で
は7〜40Kcal/cm2と燃焼範囲が拡大される。 (7) 機械的強度、耐熱性の向上−従来は、結合力
がシンタリングにのみ頼つていたが、本発明で
は、化学的結合力で結合されている。 (8) 低価格−素材がアルミナセメントで、しかも
非焼結で成形可能なため、低価格である。 (9) 特に、硬度、粉塵の落下防止が要求される表
面に、表面硬化処理が施されているため、長期
にわたり、安定な燃焼状態を維持できる。 本発明は、上述した様に従来に比較し数々の優
れた特徴を有し、ガス燃焼機器のみならず、石油
燃焼機器用のバーナ、ポーターブル触媒ヘヤーカ
ーラ用熱源バーナとしても用いることが可能であ
る。 実施例 1 第1表に示す組成の原料を混練し、押し出し成
型機でハニカム構造体を作成した。
【表】 このハニカム構造体の一表面にプラズマ溶射に
よりAl2O3を溶射した。ハニカム構造体の大きさ
は4.5×9.5cm、厚さ1cmであり、厚さ方向に1.4mm
角の正方形の透過孔を有し、孔間を仕切る隔壁の
肉厚は0.5mm、開孔率は72%、比表面積は40m2
gである。 この試料2枚を、燃料を石油にしたバーナ部に
設置し、排ガス特性を調べた。燃焼器は
2000Kcal/台に調整し、排ガスはバーナ部より
20cm離れたところで測定した。 その結果、CO/CO2の値は0.00038で、NOx
(NO+NO2)は0.035ppmであつた。なお、連続
して3000時間燃焼後もバーナに亀裂、クラツクは
生じなかつた。 実施例 2 第2表に示す組成の原料を用いて実施例1と同
様のハニカム構造体を作成した。
【表】 このハニカム構造体に対し、第3表に示したス
リツプを用いて、一表面にスプレー法により塗布
し、乾燥後850℃で5分間焼成しガラス質を形成
した。
【表】 このハニカム構造体を用いて実施例1と同様に
して排ガス特性を調べたところ、CO/CO2は、
0.0004、NOxは0.1ppmであつた。 実施例 3 実施例2と同様の組成物で孔間の隔壁の肉厚が
0.4mm、開孔率が82%のハニカム構造体を作成し
た。このハニカム構造体で、開孔率と排ガス特性
の関係を把握するため、無機質セラミツクで、開
孔率が48%、50%、70%になる様に透過孔をふさ
いだ試料を作成し、排ガス特性を調べた。その結
果50%、70%、82%の開孔率のものではCO/
CO2は0.0002〜0.0008であつたが、48%のものは
0.008で、他に比べ著しくCO濃度が増加した。し
たがつて開孔率は50〜82%が最適である。 実施例 4 実施例1において、ケイ石粉と酸化チタンの総
量を40重量部とし、酸化チタンの割合を、2、
3、10、30、40、42重量部と変化させてハニカム
構造体を作成した。表面硬化処理は実施例1と同
様とした。これらの試料を実施例1と同様の燃焼
器に設置して、組成物の赤熱輝度を観察したとこ
ろ、酸化チタンの添加割合が増大するにつれ、輝
度の上昇が認められた。3000時間経過後、組成物
の状態を観察したところ、酸化チタンが42重量部
の試料は、亀裂が入り、しかももろかつた。した
がつて酸化チタンの添加量は、成形体の固形分に
対し、40重量%を超えないことが好ましい。 実施例 5 実施例1の試料を1200℃で焼成し、比表面積が
2.5、4.6、5.1、11m2/gの試料を作成した。これ
らの試料をバーナとして用い燃焼状態を観察した
ところ、比表面積2.5、4.6m2/gのものは、炎の
立ち上りが認められ、CO/CO2の値も比表面積
5.1、11m2/gのものに比較し、2〜4倍の濃度
であつた。したがつて、本発明のバーナ用組成物
の比表面積は5m2/g以上あることが望ましい。 実施例 6 第4表に示す組成の原料を混練し、押し出し成
型機でハニカム構造体を作成した。
【表】 このハニカム構造体をコロイドシリカ溶液に浸
漬し、乾燥後500℃で30分焼成した。 製造されたハニカム構造体の大きさは4.5×9.5
cm、厚さ1cmであり、厚さ方向に1.5mm角の正方
形の透過孔を有し、孔間を仕切る隔壁の肉厚は
0.5mm、開孔率74%、比表面積は24m2/gである。 この試料2枚を、燃料を石油にしたバーナ部に
設置し、排ガス特性を調べた。燃焼器は
2000Kcal/台に調整し、排ガスはバーナ部より
20cm離れたところで測定した。 その結果、CO/CO2の値は0.002でNOx(NO+
NO2)は0.04ppmであつた。 なお、連続して3000時間燃焼後もバーナに亀
裂、クラツクは生じなかつた。ただ単位時間当た
りの成形速度は実施例1のものが約30%スピード
アツプが可能で、実施例6のバーナ成形体は成形
スピードを遅くするとチタン酸化物がなくても充
分実用可能なものが得られた。また排ガス特性は
酸化チタンが含有されていないので若干浄化特性
が劣ることが判明した。 実施例 7 ハニカム構造体の組成は実施例6と同一とし、
表面硬化処理を、水ガラス−アルミナを含んだ無
機塗料で、構造体の一表面をスプレーによつて塗
布し、乾燥後300℃で30分間焼成した。このハニ
カム構造体について実施例6と同様の試験をした
ところ、CO/CO2は0.004で、NOx(NO+NO2
は0.06ppmであつた。 実施例 8 実施例7において、表面硬化処理を第一リン酸
アルミニウム系耐熱無機塗料を用いて形成した。
焼成は500℃で30分間行なつた。 このハニカム構造体を実施例7と同様の評価を
行なつたところ、CO/CO2は0.005でNOx
0.008ppmであつた。なお、連続して3000時間燃
焼後もバーナに亀裂、クラツク、粉塵は生じなか
つた。 実施例 9 実施例7において表面硬化処理をエチルシリケ
ート(Si(OC2H54)を用いて行なつた。 溶液の組成は、エチルシリケート25g、
C2H5OHが37.5g、H2Oが23.5g、HClが0.3gで
ある。 この溶液を実施例7と同様にして塗布を行ない
500℃で30分間焼成し、ガラス質を得た。 評価は実施例7と同様にして行なつた結果、
CO/CO2は0.004、NOxは0.006ppmであつた。な
お、連続して3000時間燃焼後もバーナに亀裂、ク
ラツク、粉塵は生じなかつた。 発明の効果 以上のように、本発明によれば、製造が容易で
燃焼時の有害ガスの発生が少なく、赤外放射効率
が大きく、しかも長期にわたり、表面硬度が高く
粉塵の発生のないバーナを得ることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 石灰分が15〜40重量%、アルミナ分が35〜80
    重量%、酸化鉄分が0.3〜20重量%のアルミン酸
    石灰と、シリカ化合物を含む組成物よりなる成形
    体の表面に無機質硬化処理層を形成してなるバー
    ナ。 2 前記組成物が酸化チタンを含む特許請求の範
    囲第1項記載のバーナ。 3 前記硬化処理層がプラズマ溶射層で形成され
    た特許請求の範囲第1項記載のバーナ。 4 前記硬化処理層が、ガラス質である特許請求
    の範囲第1項記載のバーナ。 5 前記硬化処理層がシリカまたはアルミナより
    形成された特許請求の範囲第1項記載のバーナ。 6 前記硬化処理層が水ガラスを含む耐熱塗料よ
    り形成された特許請求の範囲第1項記載のバー
    ナ。 7 前記硬化処理層がリン酸系耐熱塗料で形成さ
    れた特許請求の範囲第1項記載のバーナ。
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