JPS6326488Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、建築物の側壁部、天井部及び床部に
装填される無機繊維系断熱材に関するものであ
る。

建築物の側壁部等には、外界の熱（暑い場合及
び寒い場合を含む）が側壁部等を通して室内に伝
達することを抑えるために、断熱材を装填するこ
とが行なわれている。断熱材としては、無機繊維
系のものが、薄くてしかも軽い等の理由により好
適に利用されている。ここに無機繊維系断熱材と
は、ごく細いガラス又は石綿短繊維を交錯させ、
結合剤（熱硬化性樹脂）を加えてフエルト状にし
たものである。

断熱材としてはロールタイプのもの、パツドタ
イプのもの及びボードタイプのもの等があるが、
何れのタイプのものにおいても、生産性、価格等
を考慮して幅及び長さが所定値に定められた数種
類の規格品が汎用されている。然しながら、建築
物の隣り合う柱間の距離は一定しておらず（同じ
建築物においても異なる建築物においても）、予
め用意された規格品の幅、長さが常に建築物の柱
同士間に適合するとは限らない。即ち、第１図に
示すように、一側面に防湿紙１２が貼り付けられ
た断熱材１０を隣り合う柱１１と間柱１６との間
に装填する場合、断熱材１０の長さよりも柱１４
と間柱１６との間隔の方が小さければ、断熱材１
２全体が板厚方向に彎曲する。その結果、断熱材
１０の内部にすきまができ、空気対流が発生す
る。その結果、室内外の熱交換がなされて、断熱
効果が損なわれるのである。

本考案は、上記事情を背景にして、規格品であ
りながら、柱同士間の距離の変動に拘らず良好に
装填される無機繊維系断熱材を提供することを目
的としてなされたものである。

以下、本考案の実施例を第２図〜第４図に基づ
き説明する。第２図に示すように、偏平な矩形状
を有する無機繊維系断熱材２０の一側面には防湿
紙２２がその全面にわたつて貼り付けられてい
る。防湿紙２２の両端縁２４，２６は断熱材２０
の端面から突出して、断熱材２０を後述する柱及
び間柱に取り付けるための取付部を形成してい
る。上記防湿紙２２上には、断熱材２０の一方の
端部（第２図中右端部）から若干中央寄りに後退
した部分に別の防湿紙２８が貼り付けられてお
り、その自由端は前記防湿紙２２の端縁２６とほ
ぼ一略している。

本実施例において、第３図に示すように断熱材
２０をその長さと間隔の等しい間柱３０と間柱３
２との間に装填する場合には、防湿紙２２の一方
の端縁２４を間柱３０に取り付けるとともに、他
方の端縁２６及び防湿紙２８の自由端を間柱３２
に取り付ける。

これに対して、第４図に示すように断熱材２０
をその長さよりも間隔の小さい柱３４と間柱３６
との間に装填する場合には、断熱材２０の防湿紙
２８を貼り付けた側の端部及び防湿紙２６を所定
長さ分だけ略直角に屈曲させ、防湿紙２８を間柱
３６に取り付けることにより断熱材２０を柱３４
と間柱３６との間に装填する。このようにすれ
ば、柱と間柱との間隔の変動に関係なく、同一規
格の断熱材２０を使用できるので、断熱構造を構
成するためのコストが大幅に低減されることにな
る。

なお、本考案は上記実施例に限定されるもので
はなく、その趣旨を損ねない範囲において適宜変
更が可能である。例えば、防湿紙２８を貼り付け
る位置は必要に応じて断熱材２０の端部側又は中
央寄りに変更することができるし、また防湿紙２
８と同様の防湿紙を断熱材２０の反対側（第２図
中左側）にも貼り付けることもできる。

なお、無機繊維系断熱材は上記断熱性の他にも
吸音性、弾力性等を備えており、人間が不快に感
じる500〜5000サイクルの騒音を吸収するととも
に、作業中につぶれたり、強い衝撃や振動にも十
分に耐える。

以上述べたきたように、本考案によれば、同一
規格の無機繊維系断熱材を、間隔の異なる柱同士
間に装填することができ、準備する規格品の種類
が少なくて済むので、断熱材の製造に要する手
間、時間が低減されて、そのコストが安価となる
効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の断熱材の取付状態を示す正面図
である。第２図は本考案の一実施例を示す正面
図、第３図及び第４図は上記実施例の取付状態を
示す断面図である。 主要部分の符号の説明、２０……断熱材、２
２，２８……防湿紙、３０，３２，３４，３６…
…柱。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 建築物において側壁部、天井部又は床部等に装
   填される無機繊維系断熱材にして、 所定の長さ及び幅を有し、一側面に第１の防湿
   紙が貼り付けられ、その両端部は断熱材の端部か
   ら突出されるとともに、該第１の防湿紙上の端部
   から中央に寄つた部分には、第２の防湿紙の一端
   縁が貼り付けられ、該第２の防湿紙は第１の防湿
   紙の端部と重なるようにされていることを特徴と
   する建築物用無機繊維系断熱材。