JPS63235648A - エンジンの断熱ピストン構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はエンジンの断熱ピストン構造に係り、詳しくは
、クエンチゾーンを減少させて燃焼性を向上させるとと
もに、断熱効果を向上させてピストンリングの熱疲労を
低減させるようにしたエンジンの断熱ピストン構造に関
する。

〔従来技術〕

エンジンの燃焼室を形成するシリンダヘッドやピストン
の一部にセラミック材を用いることにより、冷却を必要
としない熱効率の高いエンジンを提供しようとする試み
がなされつつあり、従来から多数の提案がなされている
。ちなみに、実開昭６１−１２９５５号公報には、リン
グ溝がピストン頂部から受ける熱負荷を軽減できるよう
に、クラウン部をセラミック材で形成したピストンが記
載されている。これは、金属材よりなるピストン本体の
燃焼室側端面に、リング溝を有する周壁部とセラミツク
材からなるクラウン部を結合する柱との間を区画する深
い環状溝を形成したものである。このような構造により
、クラウン部からピストン本体を経てリング溝へ伝達さ
れる伝熱径路を長（して伝熱量を抑えるようにしている
。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところが、上記従来例のような構造では、クラウン部が
比較的に大きなものとなる。そのため、アッパーリング
からピストン頂部までのクエンチゾーンが増大して熱損
失が増大し、燃焼性の低下を来すという難点がある。ま
た、クラウン部の重量が大となり、ピストン重量の軽量
化に寄与しえない。さらに、良好な断熱効果を得るため
には、クラウン部に形成される断熱空間のシール性が充
分でなければならないが、熱膨張率の異なるクラウン部
とピストン本体間の合わせ面に、温度の変動によっても
充分゛なシール性が確葆されるような配慮は特になされ
ていない。

本発明は、このような事情を考慮してなされ、クエンチ
ゾーンを減少させて燃焼性を向上させるとともに、断熱
効果を向上させてピストンリングの熱疲労を低減させる
ようにしたエンジンの断熱ピストン構造を提供すること
を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の手段は、燃焼凹部を有するピストンのクラウン
部がセラミック材により形成される一方、シールリング
溝を含むピストン本体が金属材により形成され、上記ク
ラウン部とピストン本体の中央部に内側合わせ面部が形
成されるとともに、周部に外側合わせ面部が形成され、
上記側合わせ面部間に断熱空間が形成され、中央位置で
固定部材により上記クラウン部とピストン本体とが固定
されているエンジンの断熱ピストンにあって、上記クラ
ウン部に断熱空間を燃焼凹部に沿って形成し、前記外側
合わせ面部を、内側合わせ面部よりも上方に位置させ、
上記外側合わせ面部におけるクラウン部とピストン本体
とに、隙間を有して相互に係合する係止部をそれぞれ形
成し、上記隙間にシール材を介在させたことである。

〔作　　　用〕

燃焼凹部を有するセラミック材よりなるクラウン部と、
シールリング溝を含む金属材よりなるピストン本体の、
中央部に内側合わせ面部が、周部に外側合わせ面部がそ
れぞれ形成されている。そして、上記クラウン部とピス
トン本体とが、内側合わせ面部において、固定部材によ
り固定されて上記側合わせ面部間に断熱空間が形成され
る。

上記クラウン部に、断熱空間が燃焼凹部に沿って形成さ
れ、前記外側合わせ面部が、内側合わせ面部よりも上方
に位置されている。そのため、アッパーリングが比較的
に上方に配置され、クエンチゾーンが減少されて熱損失
が低減される。そして、上記外側合わせ面部におけるク
ラウン部とピストン本体とにそれぞれ形成される係止部
間の隙間に介在されたシール材によって、熱膨張率の差
による高温時の膨張差が吸収され、良好なシール性が維
持される。そのため、前記内側合わせ面部と外側合わせ
面部との間に形成される前記の断熱空間による断熱効果
が向上される。

〔発明の効果〕・ 本発明のエンジンの断熱ピストン構造は、クラウン部に
断熱空間を燃焼凹部に沿って形成し、ピストンの周部に
形成される外側合わせ面部を、中央部に形成される内側
合わせ面部よりも上方に位置し、上記外側合わせ面部に
おけるクラウン部とピストン本体とに、隙間を有して相
互に係合する係止部をそれぞれ形成し、上記隙間にシー
ル材を介在させたので、クエンチゾーンが減少し、燃焼
性が向上されるとともに、良好な断熱効果を有するＩｆ
ｒ熱空間によりピストンリングの熱疲労が軽減されて耐
久性が向上する。

〔実　施　例〕

以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。

本例に示すエンジンの断熱ピストン構造は、主として、
直噴式のディーゼルエンジンに採用され、燃焼性の向上
を図るとともに、耐熱耐久性を良好なものとして、冷却
水をさほど要することなくエンジンを稼働することがで
きるようにしたもので、以下のように構成される。

第１図に示すように、燃焼四部１を有するピストン２の
クラウン部３をセラミック材により形成する一方、シー
ルリング溝４を含むピストン本体５を金属材で形成して
いる。そして、上記両者３および５の中央部に内側合わ
せ面部６が形成されるとともに、周部に外側合わせ面部
７が形成され、上記側合わせ面部６および７間に断熱空
間８が形成され、中央位置で固定部材９により上記クラ
ウン部３とピストン本体５とが固定されている。

上記断熱空間８はクラウン部３に形成された燃焼凹部１
の周りに円環状に形成され、固定部材９が位置する中央
部に形成される内側合わせ面部６よりもピストン２の周
部に形成される外側合わせ面部７を上方に位置させてい
る。そして、上記の外側合わせ面部７におけるクラウン
部３とピストン本体５とに、隙間１０を有して相互に係
合する係止部１１および１２がそれぞれ形成され、その
隙間１０にシール材１３が介装されている。

クラウン部３は、爆発燃焼時の熱負荷に充分耐えられよ
うに、耐熱性の良好なセラミック材によって形成される
。その頂部１４には、上記した燃焼凹部１が略円筒凹陥
状に設けられ、シリンダへラド１５との間で燃焼室が形
成される。この燃焼凹部１の中央部には軸方向に貫通す
るボルト孔１６が穿設され、燃焼凹部ｌの裏側下面部は
アルミ合金で形成されるピストン本体５との内側合わせ
面部６とされる。そして、固定部材９であるボルトより
も熱膨張率の大きい金属材よりなる間装部材１７を介し
てクラウン部３とピストン本体５とが上記ボルト９によ
り締結固定される。なお、図中、１８はワッシャー、１
９はナツトである。

一方、上記の燃焼凹部１を囲むような円環状の前記断熱
空間８の上半部をクラウン部３内部に形成すべく、クラ
ウン部３の下部から立ち上がるような円環状の凹状部２
０が設けられる。断熱空間８の下半部は、上記の凹状部
２０に対向してピストン本体５側に設けられる断熱用の
コーティングが施されたすり林状の凹状部２１によって
形成される。

ピストン２の周部に形成される外側合わせ面部７におけ
るクラウン部３外周下端には、前記係止部１１が外側を
凸状とした段状に形成される一方、この係止部１１と所
定の隙間１０を有して係合する係止部１２がピストン本
体５の周上端部に内側を凸状とした段状に形成される。

この隙間１０には、シール材１３としての金属性のシー
ルリングが介装されて上記断熱空間８がシールされるよ
うになっている。そして、ピストン本体５の上部外周に
は、シールリング溝４が刻設され、下半部にはスカート
２５が一体に形成される。そして、スカート２５の内側
に図示しないピストンピンを支持するピン孔２６を有す
る厚肉のボス部２７が一体に形成される。なお、図中、
２８はシリンダライナー、２９はピストンリングである
。

このようなエンジンの断熱ピストン構造にあっては、燃
焼凹部１とシリンダヘッド１５間に形成される燃焼室で
の爆発燃焼時の熱負荷を直接受けるクラウン部３は、耐
熱性の良好なセラミック材で形成されているため、ピス
トン頂部１４の耐熱耐久性が良好となる。

そして、外側合わせ面部７が内側合わせ面部６よりも上
方に位置しているので、ピストン本体５に形成される最
上段のシールリング溝４が比較的に上方に設けられる。

そのため、ピストン２頂部との間に形成されるクエンチ
ゾーンが縮小されて熱損失が低減され、燃焼性の向上が
図られる。また、外側合わせ面部７を内側合わせ面部６
よりも上方に位置させ、断熱空間８を燃焼凹部１を取り
囲むように配置していることから、クラウン部３の軸方
向の長さを比較的に短くすることができる。

そのため、クラウン部３の重量を軽減でき、ピストン２
の軽量化を図ることもできる。

さらに、クラウン部３内に燃焼凹部１を取り囲むように
形成される断熱空間８における内側合わせ面部６にあっ
ては、高温時に、ボルト９よりも熱膨張率の大きい間装
部材１７の軸方向の伸びにより、ボルト９によるクラウ
ン部３とピストン本体５の締結力がより強固なものとさ
れ、内側合わせ面部６におけるシール性が強化される。

一方、外側合わせ面部７では、クラウン部３よりも熱膨
張率の大きいピストン本体５の係止部１２がクラウン部
３の係止部１１よりも大きく外方に迫り出し、両係止部
１１および１２間の隙間１０が狭くされる。そうすると
、その隙間１０に介装されたシールリング１３が圧縮さ
れて係止部１１および係止部１２の側面とより強く密着
し、外側合わせ面部７におけるシールがより確実なもの
とされる。

このように、両合わせ面部６および７における高温時の
良好なシール性によって、熱発生の主要期間、すなわち
、上死点から３０〜４０度クランク軸が回動した時点辺
りにおいて、断熱空間８による断熱効果がより一層有効
確実なものとされる。この断熱効果により、ピストン２
内に冷却用として供給されるオイルの劣化が抑制される
とともに、断熱空間８の外側に配設されるピストンリン
グの冷却が効果的になされて熱負荷を軽減させ、その耐
久性が向上される。なお、図示しないが、断熱空間８内
の空気の流動を制止して断熱効果をより一層向上させる
ために、断熱空間８内に耐熱性の断熱材を充填してもよ
い。

このように、本例のエンジンの断熱ピストン構造にあっ
ては、クエンチゾーンの縮小化により熱効率が高くなり
、エンジンの燃焼性の向上が図られる。そして、良好な
耐熱性を得るために採用されたセラミック材よりなるク
ラウン部３の断熱性が、シール性の良好な断熱空間８に
より補強されているので、オイルの劣化やピストンリン
グ２９の熱疲労が軽減され耐久性が向上される。したが
って、前記したピストン頂部１４の良好な耐熱耐久性と
相まって、冷却水をさほど要することな（エンジンを稼
働させることができる。

第２図は、異なる実施例を示し、外側合わせ面部７にお
ける段状の係止部１１および１２に代えて、やや口拡が
りに形成された凹状の係止部３１と、これと所定の隙間
３２を内方に介して係合するやや先細に形成された凸状
の係止部３３とを設けたものである。このようにすると
、高温時における合わせ面部７におけるシール性は、凸
状の係止部３３の外方への迫り出しによって、凹状の係
止部３１の内側面との圧接度がより一層強まり、その部
分でのシールがより一層強力になされ、シールリング１
３のみによることなく、シール性が確保される。したが
って、シールリング１３の耐久性が向上される。

第３図は、別の実施例を示し、ピストン本体５とボルト
９に螺合されたナツト１９との間に配設されるワッシャ
ー１８に代えてスプリングワッシャー３４を採用したも
のである。このようにすると、ボルト９の温度が浮動す
るような始動直後などにおいても、スプリングワッシャ
ー３４の付勢力によってピストン本体５がクラウン部３
に対して確実に密着結合されるため、断熱空間８のシー
ル性がより一層安定に確保される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のエンジンの断熱ピストン構造の要部断
面図、第２図は異なる実施例における外側合わせ面部の
断面図、第３図は別の実施例における要部断面図である
。 ｌ・−燃焼凹部、２−ピストン、３−・−クラウン部、
４−シールリング溝、Ｓ〜ルビストン体、６・−内側合
わせ面部、７−外側合わせ面部、８−・・断熱空間、９
−固定部材（ボルト）、１０−隙間、１１゜１２．３１
．３３・・−係止部、１３−シール材。 特許出願人　　　　マ　ツ　ダ　株式会社代　理　人　
弁理士　吉村勝俊（ばか１名）第２図 第３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）燃焼凹部を有するピストンのクラウン部がセラミ
   ック材により形成される一方、シールリング溝を含むピ
   ストン本体が金属材により形成され、上記クラウン部と
   ピストン本体の中央部に内側合わせ面部が形成されると
   ともに、周部に外側合わせ面部が形成され、上記両合わ
   せ面部間に断熱空間が形成され、中央位置で固定部材に
   より上記クラウン部とピストン本体とが固定されている
   エンジンの断熱ピストンにおいて、 上記クラウン部に断熱空間が燃焼凹部に沿って形成され
   、 前記外側合わせ面部が内側合わせ面部よりも上方に位置
   され、 上記外側合わせ面部におけるクラウン部とピストン本体
   とに、隙間を有して相互に係合する係止部がそれぞれ形
   成され、 上記隙間にシール材が介在されたことを特徴とするエン
   ジンの断熱ピストン構造。