JPS6323297Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動釘打装置に供するステープル包装
箱、詳しくは自動釘打装置において釘打機のステ
ープルチヤージヤーに装填するステープル用マガ
ジンケースに容易に転用できるステープル包装箱
に関する。

最近、工作作業の自動化、省略化に伴ない、釘
打ちを自動化する装置として、釘打機に小型軽量
のマガジン部を形成する一方、このマガジン部と
は別体のステープルチヤージヤーを適所に設置
し、このステープルチヤージヤーに多量のステー
プルを複数列、多段状に装填しておき、上記マガ
ジン部のステープルの消費に応じて自動的にステ
ープルチヤージヤー内のステープルを所定の位置
から抜出して上記マガジン部に供給装填する自動
釘打装置が提案されている。上記装置において
は、一連単体に連結されたステープルを予めマガ
ジンケース内に一段、複数列に装填しておき、こ
のマガジンケースをステープルチヤージヤー内に
積層して収納することが行なわれている。これ
は、一つのステープルの上に直接他のステープル
を安定に積層するのは非常に難しいばかりでな
く、一つのステープルを抜出すときに、簡単にそ
の整合状態が乱れてしまうので、たちまちステー
プルの抜出しに支障が生じるからである。しかし
ながら、包装用箱からステープルを取出し、さら
にこれをいちいち別個のマガジンケースに詰め替
えるのは、手間がかかるだけでなく、詰め替え中
に一連のステープルの連結が破壊されて分断した
りするので、取扱いに注意が必要となるので、作
業は煩雑となり、釘打ち作業を自動化して省略化
するメリツトが損なわれる。

本考案は上記背景の下で成立したもので、特に
ステープルをいちいちマガジンケースに詰め替え
る必要がなく、極めて簡単な作業によつてマガジ
ンケースに転用することのできるステープル包装
箱を提案することを目的とする。

以下、図面によつて本考案の実施態様を自動釘
打装置とともに説明する。

第１図ａにおいて符号Ａはステープル包装箱を
示す。このステープル包装箱Ａは、コ字形のステ
ープル針を一連単体に連結してなる複数のステー
プル２を、各ステープル２の脚２ｂが隣り合う他
のステープル２の脚２ｂに当接するように並列さ
せて収容するもので、並列した一端部のステープ
ル２の長手両端に対面する側板１ｂには上記ステ
ープル２を排出できる大きさの開口部２１を設
け、該開口部２１を蓋１ｆによつて閉塞するとと
もに、並列した他端部のステープル２の脚２ｂの
外側に対面する側板１ａには、後述の自動釘打装
置に設けられたロツド状プツシヤ８を嵌挿させる
透孔２２を形成する一方、該透孔２２を有する上
記側板１ａと内部のステープル２との間には当て
板３０を配設したものである。

上記構成のステープル包装箱Ａは、地取りされ
た一枚の紙を折曲げ接着することにより簡単に製
作することができる。なお、透孔２２は上記紙に
予め穿孔しておけばよく、また蓋１ｆは上記開口
部２１にミシン目２３を介して連続形成しておけ
ばよい。

上記構成において、ステープル包装箱Ａをマガ
ジンケースとして使用するときは、ミシン目２３
から蓋１ｆを除去して開口部２１を形成すること
ができ、これによつて上記包装箱Ａを簡単にマガ
ジンケースA′として構成することができ、この
場合、上記開口部２１に臨むステープル２の背部
２ａと脚２ｂとは、それぞれ開口部２１に対応す
る上板端部１ｃと下板端部１ｄとにより支持され
るから、ステープル２は一方の開口部２１から円
滑に排出することができる。

なお、開口部２１の蓋は、上述の例の蓋１ｆの
ように開口部２１と連続形成された例に限定され
ない。例えば第７図に示すように、予め開口部２
１を包装箱に形成し、上記開口部２１を合成樹脂
からなる蓋６０によつて閉塞しておき、使用にあ
たつて上記蓋６０を除去する構成としてもよい。

次に、ステープル包装箱Ａから構成されたマガ
ジンケースA′を自動釘打装置に使用する場合の
例につき第２図から第６図によつて説明する。

すなわち、自動釘打装置は、例えば釘打機の動
作をNC制御におけるような一定のプログラムに
よつて制御し、釘打機を高速移動させながら、材
料の所定位置に迅速に釘打ちを行なうもので、２
０は、このような自動釘打装置に用いられる釘打
機で、この釘打機２０のネイリングヘツドには高
速作業に適する軽量小型のマガジン部３が形成さ
れ、該マガジン部３内のステープル２の補強が必
要になつた時には、その状態を検出する装置の信
号により、それまでの釘打作業プログラムに割込
んで、釘打機２０を移動させて、上記釘打機２０
と別体に設置されたステープルチヤージヤー４の
ステープル打出し開口部６にマガジン部３の後方
開口端を対向配置させ、上記チヤージヤー４内の
ステープル２を抜出し、同時にこれを上記マガジ
ン部３に押出し装填する。

ステープルチヤージヤー４は、釘打機と別体に
構成され、大量のステープル２を一連又は所定連
ずつ所定の供給部に導いて抜出すもので、一連単
体のステープル２を複数列、多段状に収納保有し
且つ一連のステープル２を長手方向に抜出し可能
な開口部６，７を形成した供給部を有するスタツ
カ５と、抜出されたステープル２の後に次列のス
テープル２を上記開口部に臨む位置（供給部）に
押出す第１のプツシヤ８と、供給部のステープル
２を一定の方向に抜出す第２のプツシヤ９とを備
えている。上記包装箱から形成されたマガジンケ
ースA′は、上記スタツカ内に多段状に積層して
装填される。

スタツカ５は、上端が開口しており、マガジン
ケースA′を収納する収納部２４を備えるととも
に、該収納部２４の下端一側寄りにステープル供
給部が設けられ、その前後壁にはそれぞれ開口部
６，７が開設されている。前方開口部６，７はス
テープル２を抜出し可能な大きさに設定され、ま
た後方開口部７は上記マガジンケースA′を抜出
し可能な大きさに設定されている。

上記スタツカ５内に上述のように包装箱Ａから
転換形成されたマガジンケースA′が多段状に収
納される。このマガジンケースA′を収納すると
きは、該ケースA′の一方の口部ａ、すなわちミ
シン目に沿つて形成された開口部２１を有する口
部ａをスタツカ５の開口部６，７側に向けて配置
収納する。これにより最下段のマガジンケース
A′の開口部２１はスタツカ５の開口部に対応し、
マガジンケースA′内の最前列のステープル２は
スタツカ５の前後の開口部６，７の隣接位置に位
置する。

次に、第５図に明らかなように、スタツカ５下
部には、１対の第１のプツシヤ８が取付られてい
る。このプツシヤ８はシリンダ２８の先後端部に
交互に圧縮空気を送つて内部のプツシユロツド２
９を往復動させるもので、通常の場合後部からの
空気圧によりプツシユロツド２９はスタツカ内に
進入する。進入したプツシユロツド２９は、収納
されている最下段のマガジンケースA′の第１の
プツシヤ挿入孔２２からマガジンケースA′に挿
入され、該ケースA′内のステープル２をステー
プル供給部側に押圧する。この場合、最後列のス
テープル２とプツシユロツド２９との間にダンボ
ール板、合成樹脂板等の当て板３０を配置してお
くと、ステープル２が応力集中を受けることなく
押圧されるので好ましい。最前列のステープル２
が前方開口部６から抜出されると、プツシユロツ
ド２９の押圧力により次列のステープル２が、自
動的に上記供給部の開口部に臨む位置に押し出さ
れる。最下段のマガジンケースA′が空になつた
ときは、第１のプツシヤ８は、この状態を検出し
て後退し、スタツカ５外に出る。空ケースA′を
後方開口部７から抜き出せばその上段のマガジン
ケースA′は自然落下して第１のプツシヤ８が再
びこれを検出して該ケースA′内に進入し、ステ
ープル２を押圧する。

また、前方開口部６の外壁には姿勢制御片２７
が取付けられている。ステープル２の足先は尖つ
ているから、第１のプツシヤ８からの押圧力によ
り横滑りする際にマガジンケースA′面との間に
生じる摩擦が大きいのに対し、プツシユロツド２
９はステープル２のクラウン部付近を押圧するの
で、ステープル２は前のめり状態で押出されるお
それがあるが、上記姿勢制御片２７により、たと
えステープル２が前のめり状態で抜出されても、
上記制御片２７によつてステープル２の姿勢が正
常な状態に矯正される。したがつて、最前列のス
テープル２は、供給部において次列のステープル
２と後述のストツパプレート２５との間に挟圧さ
れ、挽出し方向を定められるとともに、スタツカ
を出るときに姿勢制御片２７によつて正常な姿勢
状態に保持されるので、所定の姿勢で所定の方向
に抜き出すことができる。最後列のステープル２
の抜き出しが終ると、マガジンケースA′が空に
なり、このとき第１のプツシヤ８のシリンダの先
端部に圧縮空気を入れてプツシユロツド２９をス
タツカ５から後退させる。

なお、上記スタツカ５の底部材２６はアジヤス
ターカム３１上に載置されているとともに、スタ
ツカ５の供給部の側壁には開口部３２が開設さ
れ、この開口部３２にはストツパプレート２５が
スタツカ５内に出入れ調整可能にネジ止めされて
いる。したがつて、ステープル２のサイズを変え
る場合、針足サイズに対してはアジヤスターカム
３１を回動させて最下段のマガジンケースA′を
載置する底部材２６を上下動させ、クラウンサイ
ズに対してはストツパプレート２５を出入れさせ
て抜出し幅の調整をすることができる。

次に、第２のプツシヤ９は少なくとも前部が倒
立Ｕ字形断面を有し、フランジプレート３４にお
けるスタツカ５の後方開口部７に臨む位置に装着
されている。フランジプレート３４は、スタツカ
５の下部に前後方に摺動自在に設けられたガイド
バー３５の後端部に取付けられ、またガイドバー
３５は、前端部においてジヨイントプレート３６
を介して駆動装置３７に取付けられている。この
駆動装置３７は、上記スタツカ５の下部に設けら
れたシリンダ３８内に圧縮空気を交互に切換える
ことによつて該シリンダ中を往復動するロツド３
９とから構成され、該ロツド３９の先端はジヨイ
ントプレート３６を介して上記ガイドバー３５に
連結されているので、ガイドバー３５は上記ロツ
ド３９によつて駆動され、同時に上記第２のプツ
シヤ９はこのガイドバー３５と連動して所定のス
トロークだけ移動し、このときスタツカ５の最下
段の供給部を貫通する。

スタツカ５内の最下段、最前列のステープル２
を抜出すにあたつては、上述の駆動装置３７によ
つてガイドバー３５を前方に移動させる。これに
伴なつて第２のプツシヤ９が前進し、スタツカ５
の後方開口部７を通過する。この際に上記最前列
のステープル２の後端部を該ステープルの長手方
向に押圧し、該ステープル２をスタツカ５から抜
出す。したがつて、抜出し側に釘打機のマガジン
部３を待機させておけば、上記ステープル２を抜
出しと同時にマガジン部３に装填することができ
る。このためには、例えば釘打機のマガジン部３
に装填されているステープル２の残量検出装置を
適宜位置に設け、上記マガジン部３内にステープ
ル２が無くなつた状態を検出して出された信号に
基づいて打込作業を中断し、上記ステープルチヤ
ージヤー４のステープル抜出し側に釘打機のマガ
ジン部３を移動待機させるように、自動釘打装置
に予めプログラムしておけばよい。このようなス
テープル２の残量検出装置は、具体的にはマガジ
ン部３内のステープル２を打込むドライバ側に押
出しているステープルプツシヤ１１の位置を二磁
気により検出して作動するマグネツトスイツチ
（図示せず）が好ましいが、他の装置であつても
よい。これにより、釘打機のマガジン部３の後端
部にステープル２の装填口を開設しておき、この
装填口を上記スタツカ５の前方開口部６、つまり
ステープル抜出し口に対向させ、マガジン部３を
スタツカ５内の供給部と延長方向に連続するよう
に配置すれば、上述の第２のプツシヤ９によつて
スタツカ５から抜出されたステープル２は、その
まま自動的に装填口からマガジン部３に進入して
確実に装填される。また、マガジン部３を上記の
所定位置に位置決めする場合は、例えば開口部に
ノツクピン３３を設けるとともに、マガジン部３
側に嵌合孔１８を設け、これらノツクピン３３と
嵌合孔１８との嵌合せによつて位置決めするのが
好ましい。

なお、５８は上記スタツカ内の最下段のマガジ
ンケースA′が空になつたときにこれを除去する
アンローダ装置で、該装置５８は、アンローダ針
４１とこのアンローダ針４１はシリンダ４２の前
後端開口部から送入される圧縮空気の切換えによ
り往復動するロツド４３の先端に取付けられると
ともに、第２のプツシヤ９と隣り合う位置に並設
されたアンローダ針カバー４４内に設けられ、上
記ロツド４３の往復動により上記カバー４４の開
口端から出入りするもので、マガジンケース
A′内にステープル２がなくなつて第２のプツシ
ヤ９がスタツカ５から後退した後、再び上記プツ
シヤ９とともに往復動する。プツシヤ９の前進停
止位置で、アンローダ針４１はスタツカ５の後方
開口部７から空ケースA′の側面に当接し、上記
シリンダ４２の後端開口部から圧縮空気が送入さ
れ、アンローダ針４１が上記カバー４４から突出
して、上記ケースA′の露出面に突き刺さる。第
２のプツシヤ９が後退すると、上記ケースA′は
アンローダ針４１とともにスタツカ５の後方開口
部７から外部に引き出される。プツシヤ９の後退
停止位置で、上記シリンダ３８の先端開口部から
圧縮空気が送入され、アンローダ針４１がアンロ
ーダ針カバー４４内に収納され、同時に空ケース
A′からアンローダ針４１が抜け、上記空ケース
A′は自由に落下する。

なお、上記図示例おいてはステープルチヤージ
ヤー４のスタツカ５内にステープル包装箱Ａをマ
ガジンケースA′として用いる場合、これをスタ
ツカ５内に水平段状に積層して収納したが、しか
し、ステープル包装箱の使用態様は必ずしも上記
の例に限定されない。例えば、ステープルを抜出
す開口部を下向きに用いることもできる。この場
合、最下段のステープルは足先が横向き状態とな
つてから、適当な手段により起す必要があるが、
上記ステープルの抜出し後、その上段のステープ
ルは自然落下して直ちに抜出し可能な状態となる
から、上記図示例のような第１のプツシヤ８は必
要でない。

以上詳しく説明したように、本考案に係るステ
ープル包装箱は、蓋を除去するという簡単な作業
によつて容易にマガジンケースに転用することが
できるので、特別のマガジンケースが不要となる
だけでなく、ステープルの詰め替えという煩雑な
作業が省略できるので、自動釘打装置における省
力化を一層向上させることができる。また、この
ようなマガジンケース兼用のステープル包装箱
は、紙製でも十分使用に耐えられるので、安価に
製造することができる。よつて、本考案による実
用的効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは本考案に係るステープル包装箱の斜
視図、同図ｂはマガジンケースの側面図、第２図
はステープル自動供給装置を一方向から見た斜視
図、第３図は上記自動供給装置を他の方向から見
た斜視図、第４図は第２図のＸ−Ｘ線上の断面
図、第５図は第２図のＹ−Ｙ線上の断面図、第６
図はアンローダ装置の断面図であり、第７図はス
テープルの包装箱の他の例の斜視図である。 符号、Ａ……包装箱、A′……マガジンケース、
１ａ，１ｂ……側面、１ｃ……上板端部、１ｄ…
…下板端部、１ｆ，６０……蓋、２……ステープ
ル、２ａ……背部、２ｂ……脚、４……ステープ
ルチヤージヤー、５……スタツカ、６，７，２１
……開口部、８……プツシヤ、２２……透孔、２
３……ミシン目、３０……当て板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コ字形のステープル針を一連単体に連結してな
   る複数のステープルを、各ステープルの脚が隣り
   合う他のステープルの脚に当接するように並列さ
   せて収容するステープル包装箱において、並列し
   た一端部のステープルの長手両端に対面する側壁
   には上記ステープルを排出できる大きさの開口部
   を設け、該開口部を蓋によつて閉塞するととも
   に、並列した他端部のステープルの脚の外側に対
   面する側板には、自動釘打装置に設けられたロツ
   ド状プツシヤを嵌挿させる透孔を形成する一方、
   該透孔を有する上記側板と内部のステープルとの
   間には当て板を配設したことを特徴とする自動釘
   打装置に供するステープル包装箱。