JPS6321841Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高輝度型の携帯電灯に関する。

近年、強力ライト等の高輝度型の携帯電灯は、
ハロゲンランプとかその他のランプ等により益々
高輝度化されていく傾向にある。しかし、このよ
うに携帯電灯が高輝度化されていくことは、それ
に伴つて電球の発熱量が増大されていくことにな
る。例えば電球の発熱が百数十度まで達するもの
がある。ところが、携帯電灯は通常防水性を考慮
して密閉されたケース内に電池および電球が収納
され、そして、電池収納部と電球収納部とが、電
球の光を集光して投光する反射鏡によつて隔成さ
れるようになつている。この反射鏡は凹面鏡が使
用され、その内側と反射鏡前端に取り付けられる
カバーガラスとによつて密閉される空間が前記電
球収納部となつている。従つて、電球から生じた
発熱は前記電球収納部から外方に放出され難く、
特に点灯した状態で投光前面となるカバーガラス
を下にしておいて場合、放熱部分が閉塞されるこ
とから電球収納部の温度上昇が著しく高くなつて
しまう。一方、前記反射鏡は通常コスト面等から
合成樹脂で型成形され、その内側面に高反射率の
メツキを蒸着したものが使用されている。従つ
て、電球の発熱により電球収納部内の温度が上昇
すると、反射鏡のメツキ蒸着面が曇つたり、変色
したりするのみならず、反射鏡自体が変形してし
まい集光率を著しく低下してしまうという問題点
があつた。

本考案は、かかる従来の問題点に鑑みて、電球
による発熱を電球収納部から電池収納部内に逃し
てやることにより、電球収納部内の温度を低下さ
せて反射鏡を保護すると共に、電池収納部内の温
度を上昇させて電池を暖め、電池の利用率を向上
するようにした携帯電灯を提供することを目的と
する。

かかる目的を達成するために本考案は、電池収
納部と電球収納部とが合成樹脂製の反射鏡によつ
て隔成された携帯電灯において、前記反射鏡の電
球が螺着されるネジ孔の外周に前記電池収納部と
前記電球収納部とを連通する複数の透孔を設ける
ことにより構成し、電池および電球のそれぞれの
収納部内の空気が前記透孔を介して対流されるこ
とにより、それぞれの収納部間で熱移動が行なわ
れるようにしたことを特徴とする。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

即ち、第１図は本考案の一実施例を示す携帯電
灯１を示し、この携帯電灯１は一端開口部がカバ
ーガラス２を固定したキヤツプ３が螺合されて閉
塞されることによつて液密的に密閉されたケース
４有し、このケース４内は反射鏡５によつて電池
の収納部６と電球収納部７とに隔成されている。
前記反射鏡５は合成樹脂により成形され内面に高
反射率のメツキを蒸着した凹面鏡が用いられ、そ
の前端が前記カバーガラス２に密接されるととも
に、その外周が前記キヤツプ３の内周に密接され
るようになつている。従つて、前記電球収納部７
は前記反射鏡５の内側と前記カバーガラス２とに
よつて囲まれた空間となり、前記電池収納部６は
前記反射鏡５の外側と前記ケース４の閉止端側と
によつて囲まれた空間となる。前記反射鏡５の中
央部にはネジ孔５ａが形成され、このネジ孔５ａ
にソケツト８が螺着されて取り付けられている。
このソケツト８の外周には、一端が該ソケツト８
の前端（図中左端）に達し、かつ、他端が前記反
射鏡５の外側（電池収納部６側）でフランジ状に
折曲された負極端子９が装着されている。前記電
池収納部６内には複数の電池１０が直列接続され
て収納され、その負極が前記ソケツト８の外周に
軸方向に移動可能に取り付けられた可動板１１に
弾接され、前記電池１０の正極が前記ソケツト８
の中心部に設けられた正極端子１２に圧接される
ようになつている。そして、電球収納部７側から
前記ソケツト８内に電球１２が挿入された際に、
該電球１２の両極端子が前記正，負極端子１２，
９に接続されるようになつている。前記電球１３
はハロゲンランプが用いられ、直列配置された電
池１０により高輝度の照明が可能となつている。
１４はケース４に形成されたグリツプ４ａの前方
壁に設けられたスイツチで、このスイツチ１４を
ON操作することにより、前記可動板１１が負極
端子９に接触されて電球１３が点灯し、かつ、前
記スイツチ１４をOFF操作することにより、前
記可動板１１が負極端子９から離れて消灯される
ようになつている。

ここで、本考案は反射鏡５に電池収納部６と電
球収納部７とを連通する透孔２０を形成してあ
る。この透孔２０は第２図にも示すように電球１
３の近傍周縁と反射鏡５の外周近傍とにそれぞれ
周方向に略等間隔をもつて形成されている。な
お、この透孔２０はメツキ蒸着される以前の反射
鏡素材に、型成形と同時に形成しておき、爾後、
メツキ蒸着することにより、このメツキが透孔２
０の内側まで達してメツキが透孔２０の周縁で剥
離されるのを防止することができる。

以上の構成からなる本実施例の携帯電灯１にあ
つては、電球１３の点灯時、この電球１３から発
せられた光は反射鏡５のメツキされた内側で反射
されて集光され、高輝度照明を行なう。このと
き、電球１３がハロゲンランプであるため、その
発熱量は非常に大きなものであり、電球収納部７
内の温度が高くなる。すると、第１図中矢印で示
したように、透孔２０を介して電球収納部７と電
池収納部６との間で空気の対流が行なわれる。即
ち、第１図に示すように携帯電灯１が水平状態に
あるときは、反射鏡５の上半分にある透孔２０を
通つて電球収納部７内の暖かい空気が電池収納部
６内に移動され、この移動された量と等しい電池
収納部６内の冷たい空気が反射鏡５の下半分にあ
る透孔２０を通つて電球収納部７内に移動され
る。また、第３図に示すように携帯電灯１がカバ
ーガラス２を下方にした鉛直状態にあるときは、
暖かい空気が電球１３の近傍に形成された透孔２
０から電池収納部６側に移動されるともに、冷た
い空気が反射鏡５の外周部に形成された透孔２０
から電球収納部７側に移動されることになる。従
つて、電球収納部７内は電池収納部６内の冷たい
空気によつて冷却され、反射鏡１３のメツキ蒸着
面が曇つたり変色したりするのを防止するととも
に、合成樹脂製の前記反射鏡１３自体が変形され
るのを防止し、高い集光率を長期に亘つて維持す
ることができる。ところで、本実施例にあつては
透孔２０を、反射鏡５の集光効率が悪くなる電球
１３の近傍と反射鏡５の外周近傍に形成すること
によつて反射効率が透孔２０を設けていないもの
と殆ど変らなく得られる。

さらに、電池の利用率は電池を保温することよ
つて向上されることは一般によく知られている
が、本実施例にあつては、電池収納部６内に収納
された電池１０が電球収納部７内の暖かい空気に
より暖められるため、前記利用率の向上を行うこ
とができる。特に、この利用率の向上は極寒地域
において顕著な効果が得られる。

以上説明したように、本考案の携帯電灯にあつ
ては、電池収納部と電球収納部とを隔成する合成
樹脂製の反射鏡の電球が螺着されるネジ孔の外周
に複数の透孔を設けたので、該透孔を介して電球
収納部内の暖かい空気と電池収納部内の冷たい空
気とが対流によりやりとりされるので、電球収納
部が冷却され前記反射鏡のメツキされた反射面の
曇り、変色および反射鏡自体の変形を防止して、
高い集光率を長期に亘つて維持することができ
る。さらに、電球収納部の暖かい空気により電池
が暖められるので、電池の利用率を向上させるこ
とができるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す携帯電灯の断
面側面図、第２図は第１図に示す携帯電灯の正面
図、第３図は第１図に示す携帯電灯の一使用態様
を示す断面図である。 １…携帯電灯、４…ケース、５…反射鏡、６…
電池収納部、７…電球収納部、１０…電池、１３
…電球、２０…透孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 電池収納部と電球収納部とが合成樹脂製の反
   射鏡によつて隔成された携帯電灯において、前
   記反射鏡の電球が螺着されるネジ孔の外周に前
   記電池収納部と前記電球収納部とを連通する複
   数の透孔を設けたことを特徴とする携帯電灯。 (2) 上記透孔は上記電球の近傍と上記反射鏡の外
   周近傍に複数個設けたことを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の携帯電灯。