JPS63207426A - 樹脂製パンチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、鋼板のプレス成形等に用いる樹脂製パンチに
関する。

（従来の技術） 従来、この種パンチとして、特公昭４４−１５５４３号
公報により、パンチコアの表面に、エポキシ樹脂の注型
層を形成すると共に、該注型層の上にスチールファイバ
ーを含有するエポキシ樹脂ゲルコート層を形成したもの
は知られている。

（発明が解決しようとする問題点） 上記パンチは、表面は硬質であるものの、スチールファ
イバーとエポキシ樹脂との親和性やブランクに対する滑
り性が悪いため、アール部等の成形荷重が高くなる部分
の摩耗を生じ易く、又成形精度が悪くなり易い問題があ
る。

本発明は、かかる問題点を解決し、耐摩耗性に優れ、且
つパンチ製造時の作業性に優れたエポキシ樹脂製のパン
チを提供することをその目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、上記目的を達成すべく、芯材の表面に、エポ
キシ樹脂の注型層と、該注型層の上にエポキシ樹脂を含
浸させた補強繊維層とを形成すると共に、該繊維層の上
にエポキシ樹脂１００重量部に対しボロンカーバイド粉
を約１０〜２０重量部、二硫化モリブデンを約５〜１０
重量部、酸化鉄等の粘度調製剤を約５〜１０重量部含む
表面層を形成したことを特徴とする。

（作　用） 表面層に混入されるボロンカーバイド粉は、硬質で且つ
エポキシ樹脂に対する親和性が良いため、耐摩耗性が向
上する。ボロンカーバイド粉の混入量を約１０〜２０重
量部とするのは、それ以下では耐摩耗性が向上せず、又
それ以上では過剰のボロンカーバイド粉が表面層の表面
に出て、ブランクに傷が付き易くなるためである。

又、二硫化モリブデンを混入することで表面層に潤滑性
が付与され、ブランクに対する滑り性が高められて耐摩
耗性や成形精度が向上する。

然し、二硫化モリブデンの混入量を増すと表面層の耐圧
強度が低下するため、混入量は約５〜１０重量部とする
。ところで、本発明パンチの製造に際しては、製品モデ
ルに表面層を形成するボロンカーバイド粉等の添加物を
混入したエポキシ樹脂を塗布し、その上にエポキシ樹脂
を含浸させた補強繊維を積層した後、芯材をセットして
エポキシ樹脂を注型するもので、製品モデルへのエポキ
シ樹脂の塗布に際し、これに上記添加物に加え粘度調製
剤を混入して粘度を高め、樹脂が垂れ流れないようにし
て塗布作業性を向上させる。然し、粘度調製剤の混入量
を増すと表面層の耐圧強度が低下するため、混入量は約
５〜１０重量部とする。

以上の構成により、耐摩耗性に優れ且つ耐圧強度も充分
な表面層が得られ、而も補強繊維層により表面層がバッ
クアップされて、耐衝撃性も向上し、従来の樹脂パンチ
に比し耐久性が大巾に向上する。

（実施例） 第１図を参照して、（１）は鋳鉄製の芯材を示し、該芯
材（１）の表面にエポキシ樹脂の注型層（２）と、その
上にエポキシ樹脂を含浸させた補強繊維層（３）と、更
にその上にエポキシ樹脂にボロンカーバイド粉と二硫化
モリブデンと粘度調製剤としての酸化鉄（Ｆｅ３０４）
とを混入した表面層（４）とを形成した。

その製造方法を第２図を参照して説明するに、先ず製品
モデル（５）の表面に、離型剤を塗布した後、ボロンカ
ーバイド粉、二硫化モリブデン、酸化鉄を混入したエポ
キシ樹脂をハケ等で１〜３＃程度の厚さに塗布し、次い
でその上にエポキシ樹脂を含浸させた補強繊維布を貼着
した後、表面に接着剤を塗布した芯材（１）を製品モデ
ル（５）の上に所定の間隙を存してセットし、次いで芯
材（１）と製品モデル（５）との間の空隙の周囲に石膏
等の目止め（６）を施して、該空隙にエポキシ樹脂を芯
材（１）に取付けた注入パイプ（７）を介して注入し、
硬化複製品モデル（５）を離型する。図面で（８）はエ
ア抜き孔を示す。

エポキシ樹脂としては、日本チバガイギー社製のＸＮ１
２１５を用い、又補強繊維布としてはケブラーｍｅｆｔ
（デュポン社登録商標）として知られるアラミツド繊維
布を用いた。尚、補強繊維としては、他に炭素繊維、ガ
ラス繊維、スチール繊維が考えられるが、炭素繊維は強
度は有るものの、形状なじみ性が悪く、製品モデル（５
）に貼着したときアール部等で浮き易く、又ガラス繊維
やスチール繊維は強度が不充分で作業性も悪いため好ま
しくない。これに対し、アラミツド繊維は、引張り強度
が高く、形状なじみ性も良い上に含浸し易いという特性
があり、補強繊維として最適である。又、アール部分等
のプレス成形時に高荷重のかかる部分には補強繊維布を
複数枚積層する。

表面層（４）に混入するボロンカーバイド粉は、エポキ
シ樹脂への分散性とブランクの傷付きを考慮してその粒
度を４００番以上とする。

ここで、ボロンカーバイド粉は表面層の硬度を高めて耐
摩性を向上し、又二硫化モリブデンは表面層の潤滑性即
ちブランクに対する滑り性を高めて、耐摩耗性と更に成
形精度を向上すべく機能し、又酸化鉄は、エポキシ樹脂
の粘度を高めて製品モデルに塗布する樹脂の垂れ流れを
防止し、塗布作業性を向上すべく機能する。

次にボロンカーバイド粉、二硫化モリブデン、酸化鉄の
夫々の混入量を変化させた場合の耐圧強度と耐摩耗性の
試験結果について説明する。

試験片の組成と耐圧強度は下表に示す通りである。

（混入量はエポキシ樹脂１００重量部に対する値）上記
表から、二硫化モリブデンや酸化鉄の混入量増すと、耐
圧強度が低下するのが分る。

第３図は、上記■〜０の試験片を用い、荷重Ｉ　Ｋ９　
／　ｓ、４４ショット／分の条件で耐摩耗性試験を行っ
たときの摩耗量を示し、同図から明らかなようにボロン
カーバイド粉を１０〜２０重量部混入することで耐摩耗
性が著しく向上し、更に二硫化モリブデンのみならず酸
化鉄の混入も耐摩耗性の向上に役立つことが分る。

一般に、自動車車体用の鋼板のプレス成形には７．５Ｋ
ｙ／−以上の耐圧強度が必要で、且つ摩耗量も１０万シ
ヨツトで０．２＃以下であることが必要とされており、
この条件を満すのは■■■０の試験片である。然し、■
は製品モデル（５）への樹脂塗布時に樹脂が垂れ流れ易
く、又■はブランクに対しての滑り性が悪くブランクが
パンチでこじられて成形精度が出ないため、ボロンカー
バイド粉を１０〜２０重量部、二硫化モリブデンと酸化
鉄とを夫々５〜１０重量部とした■０のもののみが合格
品となる。

尚、ボロンカーバイドに代えてカーボンチョップを用い
ることも考えられるが、カーボンチョップはエポキシ樹
脂との親和性が悪く、耐摩耗性は向上しない。第３図に
１０とじてカーボンチョップを２０重量部混入した場合
の試験結果を示した。

（発明の効果） 以上の如く本発明によるときは、耐摩耗性、耐衝撃性に
優れ、且つ耐圧強度も充分で高精度のプレス成形を行い
得られ、而も樹脂製パンチの特徴である製造作業の嚇易
性も損わず、安価で高性能のパンチを得られる効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明パンチの要部の拡大断面図、第２図はパ
ンチの製造方法を示す断面図、第３図は耐摩耗試験の結
果を示す線図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、芯材の表面に、エポキシ樹脂の注型層と、該注型層
   の上にエポキシ樹脂を含浸させた補強繊維層とを形成す
   ると共に、該繊維層の上にエポキシ樹脂１００重量部に
   対しボロンカーバイド粉を約１０〜２０重量部、二硫化
   モリブデンを約５〜１０重量部、酸化鉄等の粘度調製剤
   を約５〜１０重量部含む表面層を形成したことを特徴と
   する樹脂製パンチ。 ２、ボロンカーバイド粉の粒度を４００番以上として成
   る特許請求の範囲第１項記載の樹脂製パンチ。 ３、補強繊維層をエポキシ樹脂を含浸させたアラミツド
   繊維布で形成して成る特許請求の範囲第１項又は第２項
   に記載の樹脂製パンチ。