JPS6319260Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車荷台のテールゲートをほぼ
水平に保持するためのテールゲートワイヤ装置に
関するものである。

一般に自動車の荷台には、荷物の積み卸しや長
尺物を運搬する際にテールゲートをほぼ水平状態
に保持するためのチエーンが設けられている。こ
のチエーンは通常、その一端がサイドゲートの内
側にボルト締めによつて固定されており、他端は
テールゲートに設けたフツクに着脱自在に掛け止
められるようになつている。ところがテールゲー
トを起立させたとき上述のチエーンは荷台の内側
に位置して積荷の邪魔になるばかりでなく、走行
中に揺動して荷物を傷付けたり、騒音を発生した
りする欠点があり、またチエーンは比較的高価で
もあつた。

この考案は上述の点に鑑みてなされたもので、
従来のチエーンに代え、充分な引張り強度を有す
るワイヤを使用すると共に、テールゲートを起立
させたとき、このワイヤの有する適度の剛性を利
用してワイヤをサイドゲートのトツプレール内に
何らの動力装置を使用することなく、自動的に格
納できるようにして、積荷の邪魔にならないよう
にしたものである。

次にこの考案の一実施例を図について説明する
と、第１図は自動車荷台後部の側面図であつて、
１はサイドゲート、２はテールゲートで、テール
ゲート２は、サイドゲート１の後部下端に設けて
あるヒンジピン３を中心として上下方向に回動で
きるようになつている。そしてこのテールゲート
２は、荷物の積み卸しや長尺物を運搬する際に、
必要に応じて後に説明するようにテールゲートワ
イヤ４により、実線で示す如くほぼ水平状態に保
持される。

第２図、第３図はテールゲートワイヤ４の拡大
図であつて、ワイヤ５の両端を掛止金具６，７の
基部８，９に深く穿設されている穴に挿入し、掛
止金具６，７の基部８，９を多角形にかしめ、掛
止金具６，７をワイヤ５の両端に固着している。
掛止金具６，７にはそれぞれ長円形の孔１０，１
１が穿設されている。ワイヤ５の外側は柔軟なビ
ニールパイプ１２により全長にわたつて被覆され
ており、ビニールパイプ１２の両端は掛止金具
６，７の基部８，９の外周面に密着するように嵌
められている。上述したワイヤ５は充分な引張り
強度を有すると共に適度の剛性が付与されてい
て、小さな曲率半径での屈曲はしないようになつ
ている。

サイドゲート１の上縁には、第４図ないし第７
図で明らかなように中空断面のトツプレール１３
が前後方向に取り付けてあつて、その内部にはス
ライド部材１４がトツプレール１３に沿つて軽く
摺動できるように挿入されている。

スライド部材１４にはフツク１５の一方の脚部
が溶接１６（第７図参照）により固着されてお
り、前述したテールゲートワイヤ４の一端の掛止
金具６の孔１０にフツク１５が掛けられ、スライ
ド部材１４はテールゲートワイヤ４の一端に取り
付けた状態でトツプレール１３の内部に挿入され
るものである。

トツプレール１３の後端には、切欠部１７（第
６図参照）を有するエンドカバー１８が嵌め込ま
れ、ビス１９，２０によつてトツプレール１３の
後端に固定されている。またトツプレール１３内
部後端のエンドカバー１８に近接した箇所には、
ストツパ２１がビス１９によつてエンドカバー１
８と共に取り付けられ、スライド部材１４がトツ
プレール１３内を後方に移動して来るとストツパ
２１に当接し、スライド部材１４のそれ以上の後
方への移動を阻止するようになつている。上述の
ように一端にスライド部材１４が取り付けられた
テールゲートワイヤ４はエンドカバー１８の切欠
部１７を通つてトツプレール１３の外部に出てお
り、他端部の掛止金具７はトツプレール１３より
露出した状態になつている。

第４図ないし第６図で明らかなように、テール
ゲート２を垂直に起立させたときのトツプレール
１３の後端に対応するテールゲート２の側面に
は、長円形の頭部２２を有するピン２３が取り付
けられている。

掛止金具７に穿設されている長円形の孔１１の
長軸の方向と、ピン２３の長円形の頭部２２の長
軸の方向とを一致させると、頭部２２は孔１１内
を通過させることが可能になり、掛止金具７をピ
ン２３に係止したり外したりすることができる。

このようにテールゲートワイヤ４の他端を掛止
金具７を介してピン２３に係止し、第１図に実線
で示すようにテールゲート２をほぼ水平に倒す
と、スライド部材１４はテールゲートワイヤ４に
引かれてトツプレール１３内を後端まで移動し、
ストツパ２１に当接してそれ以上の移動は阻止さ
れる。これによつてテールゲートワイヤ４はピン
と張り、テールゲート２はほぼ水平の状態に保持
される。このとき頭部２２の長軸は孔１１の長軸
に対してほぼ直角となり、掛止金具７がピン２３
（第４図ないし第６図参照）より外れることはな
い。

第１図に実線で示すようにほぼ水平に倒してあ
るテールゲートＺを２点鎖線で示すように起し始
めるとテールゲートワイヤ４の他端が押され、テ
ールゲートワイヤ４は小さな曲率で屈曲すること
なく、その一端はスライド部材１４をトツプレー
ル１３の前方に移動させ、テールゲートワイヤ４
はトツプレール１３内に格納されることになる。
そしてテールゲート２を１点鎖線で示すように垂
直に起立させて鎖錠したときには、スライド部材
１４はトツプレール１３の奥に設けてあるストツ
パ２４に当接し、テールゲートワイヤ４はその全
部がトツプレール１３内に格納される。なおトツ
プレール１３の奥のストツパ２４は、必ずしも取
り付ける必要はない。

テールゲート２を第１図に３点鎖線で示すよう
に下方へ垂下させる必要がある場合には、テール
ゲート２を２点鎖線で示すように垂直と水平との
中間の状態にして掛止金具７を回動し、孔１１の
長軸を頭部２２の長軸に一致させて掛止金具７を
ピン２３（第４図ないし第６図参照）から取り出
すと、テールゲート２を下方へ垂下させることが
できる。

以上説明したようにこの考案は、テールゲート
ワイヤ４の長さを予め適切にしておくことによ
り、テールゲート２をほぼ水平にしたときスライ
ド部材１４がストツパ２１に当接し、テールゲー
トワイヤ４によつてテールゲート２を水平状態に
保持することができる。そしてテールゲート２を
起立位置と水平位置とで使用するときにはテール
ゲートワイヤ４を掛け外しする手間をかけなくて
も、テールゲート２を起立させたときにはテール
ゲートワイヤ４はその剛性により、何らの動力装
置を使用することなく自動的にトツプレール１３
に格納されて積荷の邪魔になつたり、走行中に荷
物を損傷したりすることがない。

さらにテールゲートワイヤ４の他端をテールゲ
ート２から取り外すことにより、テールゲート２
を下方へ垂下させることも可能である。

またサイドゲート１の前後方向に取り付けたト
ツプレール１３の中空断面内をテールゲートワイ
ヤ４の格納に利用したので、荷室内に何等突出す
るものがなく、積荷容積を減少させず、しかも発
条や油圧による動力装置を使用せずに、安価で構
造簡単な信頼性のあるテールゲートワイヤ装置を
得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車荷台後部の側面図、第２図は一
部を切断して示したテールゲートワイヤの拡大側
面図、第３図は第２図の平面図、第４図は第１図
の要部を拡大した側面図、第５図は第４図の平面
図、第６図は第４図の右方から見た背面図、第７
図は第４図の−線における断面図である。 １……サイドゲート、２……テールゲート、４
……テールゲートワイヤ、７……掛止金具、１１
……孔、１３……トツプレール、１４……スライ
ド部材、２１……ストツパ、２３……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車荷台のテールゲートをほぼ水平に保持す
   るためのテールゲートワイヤ装置において、サイ
   ドゲートの前後方向に取り付けられた中空断面の
   トツプレールと、該トツプレール内に設けられ該
   トツプレールに沿つて移動自在のスライド部材
   と、前記トツプレールの後端に取り付けられ前記
   スライド部材に当接するストツパと、一端が前記
   スライド部材に取り付けられ他端がテールゲート
   の前記トツプレール後端に対応する箇所に係脱可
   能に係止され、かつ剛性を有するテールゲートワ
   イヤとを有することを特徴とする自動車荷台のテ
   ールゲートワイヤ装置。