JPS631616Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、四輪・二輪駆動モード切換時におけ
る操作性を向上させた四輪駆動車用トランスフア
ーケースに関する。

四輪駆動車用トランスフアーケースとして、例
えば、本願出願人が昭和56年12月24日に出願した
第１図に示すものがあり、スプライン１ａを有す
るリヤシヤフト１と、リヤシヤフト１の周上に配
置され、トランスミツシヨンの出力を受ける高速
用ギヤ２および低速用ギヤ３（スプライン１ａと
シフトスリーブ４を介して係合するスプライン２
ａおよび３ａを有する）と、リヤシヤフト１とス
プライン係合したフロントシヤフト駆動用ボス５
と、シフトスリーブ６を介してボス５から駆動さ
れるスプライン７ａを有したフロントシヤフト７
と、第１のシフトフオーク８を介してシフトスリ
ーブ４と係合し、第２のシフトフオーク１０を介
してシフトスリーブ６と係合したシフトロツド９
と、シフトレバー（図示せず）を操作したときシ
フトロツド９を軸方向に移動させるシフトアーム
１２と、シフトスリーブ６を制御するシフトフオ
ーク１０を四輪駆動モードに切換えるよう常時軸
方向左方に付勢する第１のばね１６と、ばね付勢
されたシフトフオーク１０の軸方向左方への動き
を制御し二輪駆動モードに維持するシフトロツド
９の突出端９ｂと、突出端９ｂの制御が解かれた
ときシフトフオーク１０の運動量を所定値以下に
制限するストツパー１５とを有している。

以上の構成において、シフトロツド９が図示の
位置にあると、高速用ギヤ２の高速回転がシフト
スリーブ４およびスプライン２ａ，１ａを介して
リヤシヤフト１に伝達され、高速二輪駆動モード
２Ｈが実現される。この状態が第１図ロにおい
て、２Ｈとして図示されている。次に、シフトレ
バーを４Ｈの方向に操作すると、シフトロツド９
が左方に移動するためシフトフオーク１０がばね
１６つて左方に移動し、リヤシヤフト１のスプラ
イン５ａとフロントシヤフト７のスプライン７ａ
がシフトスリーブ６によつて係合し、高速四輪駆
動モード４Ｈが得られる（シフトスリーブ４はシ
フトロツド９の移動量だけ移動するが、スプライ
ン２ａ，１ａの係合を維持するだけの幅を有して
いる）。更に、シフトレバーをＮの方向に操作す
ると、シフトロツド９が左方に移動するが、シフ
トフオーク１０はストツパー１５によつて移動し
ないため、シフトスリーブ６は四輪駆動モードを
維持し、一方、シフトスリーブ４が所定の量だけ
移動してスプライン２ａ，１ａの係合を解くため
中立モードが得られる。最後に、シフトレバーを
４Ｌの方向に操作すると、シフトロツド９の移動
によりシフトフオーク８だけが左方に移動するた
め低速用ギヤ３のスプライン３ａとリヤシヤフト
１のスプライン１ａが係合して低速四輪駆動モー
ド４Ｌが得られる。このようにして、第１図ロに
示すシフトレバーの直線操作によつてそれぞれの
駆動モードを得ることができる。尚、以上の説明
において、リヤシヤフト１とフロントシヤフトを
取り換えても同じような操作を得ることができ
る。

しかし、この四輪駆動車用トランスフアーケー
スによれば、四輪駆動モードから二輪駆動モード
へ切換えるときはシフトアーム１２から加えられ
る操作力だけに基いてばね１６を圧縮するように
してシフトスリーブ６を移動させる構成になつて
いるため、スプライン５あるいは７ａがシフトス
リーブ６と焼き付きを生じたとき等は切換が円滑
に行われず操作が困難になる恐れがある。

本考案は上記に鑑み、四輪駆動モードより二輪
駆動モードへの切換時の操作性を向上させるた
め、四輪駆動モードから二輪駆動モードの方向に
付勢し、切換時切換が円滑に行われないとき切換
力を蓄勢するばねを有した四輪駆動車用トランス
フアーケースを提供するものである。

以下、本考案による四輪駆動車用トランスフア
ーケースを詳細に説明する。

第２図は本考案の第１の実施例を示し、第１図
と同一の部分は同一の引用数字で示したので重複
する説明は省略するが、シフトロツド９の突出端
９ｂとシフトロツド９上に軸方向移動自在に係合
するばね止１７との間に、四輪駆動モードから二
輪駆動モードへ切換えるように軸方向右方へ付勢
し、第１のばね１６より大きい弾性力を有した第
２のばね１８を有している。

以上の構成において、２Ｈ→４Ｈ→Ｎ→４Ｌの
操作は第１図の場合と同じように行われるので重
複する説明は省略する。

次に、四輪駆動モードから二輪駆動モードに切
換えるため（４Ｈ→２Ｈ）、シフトフオーク１０
を介してシフトスリーブ６を第２図に示す状態に
戻そうとしたとき、焼きつきなどによりシフトス
リーブ６が円滑に移動しない場合においても右方
に運動するシフトロツド９が第２のばね１８を圧
縮するため、焼き付き力が減少したとき圧縮によ
り蓄勢した第２のばね１８が伸長して第１のばね
１６を圧縮してシフトスリーブ６を右方に移動さ
せ、四輪駆動から二輪駆動への切換えが行われ
る。

したがつて運転者は、シフトレバーを２Ｈのポ
ジシヨンに一度操作するだけで、操作時において
２Ｈにならない場合でも、シフトレバーを２Ｈの
ポジシヨンに保持することなく、圧縮により蓄勢
された第２のばね１８の伸長により２Ｈが得られ
る。

第３図は他の実施例を示し、第２のばね１８を
シフトロツド９上のばね止１９とシフトフオーク
の側端１０ａ間に有しており、他の構成は第２図
に示す第１の実施例と同一である。

以上説明した通り、本考案による四輪駆動車用
トランスフアーケースによれば、四輪駆動モード
から二輪駆動モードへ移行する方向へ付勢し、切
換時切換が円滑に行われないとき切換力を蓄勢す
るばねを設けたため、四輪駆動モードから二輪駆
動モードへの切換時の操作性を向上させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図イは従来の四輪駆動車用トランスフアー
ケースを示す説明図、第１図ロはシフトフオーク
の操作方向を示す説明図。第２図は本考案の一実
施例を示す説明図。第３図は本考案の第２の実施
例を示す説明図である。 符号の説明、１……リヤシヤフト、２……高速
用ギヤ、３……低速用ギヤ、１ａ，２ａ，３ａ…
…スプライン、４……シフトスリーブ、５……ボ
ス、６……シフトスリーブ、７……フロントシヤ
フト、７ａ……スプライン、８，１０……シフト
フオーク、９，１１……シフトロツド、１５……
ストツパー、１６……第１のばね、１７……ばね
止、１８……第２のばね、１９……ばね止。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シフトレバーの操作により軸方向移動可能であ
   るとともに係合部を有した単一のシフトロツド
   と、前記シフトロツドと連動し、リヤシヤフトに
   高速回転あるいは低速回転を伝達する高低速切換
   用シフトスリーブと、 前記シフトロツドに移動自在に配設されるとと
   もに第１の弾性部材によつて常時四輪駆動モード
   方向へ付勢されかつ、二輪駆動モードにあるとき
   前記シフトロツドの係合部により前記弾性部材の
   付勢による移動を規制されるシフトフオークと、 前記シフトフオークに連設された、四輪駆動モ
   ード、二輪駆動モード切換用シフトスリーブと、 前記シフトフオークと係合し、前記係合部の規
   制が解かれたとき前記シフトフオークの運動量を
   制限するストツパと、 二輪駆動モードにあるとき前記第１の弾性部材
   の付勢を抑制し、四輪駆動モードから二輪駆動モ
   ードへの切換時に二輪駆動モードの方向に前記シ
   フトフオークを付勢し、切換え行なわれないとき
   切換力を蓄勢する第１の弾性部材より大なる弾性
   力を有した第２の弾性部材と を有することを特徴とする四輪駆動車用トラン
   スフアーケース。