JPS63149440A - 摩擦材料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、自動車、二輪車、鉄道車両、航空機、産業機
械等のブレーキやクラッチに用いられる摩擦材料に関す
る。

〔従来技術〕

自動車、二輪車、鉄道車両、航空機、産業機械等のブレ
ーキやクラッチに使用される摩擦材料は、乾式、湿式（
油中）共に以下の性質が要求される。

（１）耐熱性、耐摩耗性に優れていること。

（２）摩擦相手体（多くの場合金属）を必要以上に傷付
けたり、摩耗させないこと。

（３）摩擦係数が高いこと。

（４）摩擦係数が摩擦条件（温度、面圧、速度等）に対
して安定していること。

（５）摩擦係数が環境変化（水、泥水、油等）に対して
安定していること。

（６）摩擦するときに異音や振動が発生しないこと。

これら多くの要求を満足させるためには皓−素材では困
難であり、各種の素材の長所と欠点を補うために、複数
の素材を組み合せて使用する必要がある。それゆえ、ｆ
９擦材料としては、複数の素材から成る複合材料が用い
られている。例えば。

自動車のブレーキパッドやライニングには石綿、レジン
（結合剤）を主成分に有機、無機、金属質等の各種摩擦
摩耗調整剤を配合した有機系摩擦材や、石綿を金属ｍｍ
で置換したセミメタリック摩擦材が用いられている。

また、近年では、−ト記摩擦材料の他に、航空機のブレ
ーキ用摩擦材として使用されていたところのＣ／Ｃコン
ポジットと呼ばれる高７品下での耐摩耗性、摩擦係数安
定性に優れる摩擦材料か、うリー車、レーシングカー、
レーシング用オートバイ等の特殊車両のブレーキに使用
されるようになってきた。

このＣ／Ｃコンポジットは、炭素繊維を炭素で接合した
炭素１ａ維強化複合材料で、その構造は、第１図に例示
するように、炭素繊維の束が直交組織をなしているもの
がある。

そして、このようなＣ／Ｃコンポジットは、次のような
方法により製造されている。

１）炭素繊維２の束を積層して、直交組織を構成する。

２）上記１）の摩擦材料（成形体）に樹脂を含浸させる
。なお、炭素繊維２をより合せた東に樹脂を含浸させ、
これを直交組織を構成するよう積層して成形体としても
よい。

３）１０００℃程度に加熱し、含浸させた樹脂を炭素化
する。

４）上記樹脂を再び含浸させる。

５）２０００〜３０００℃程度で焼成し、含浸させた樹
脂を黒鉛化して炭素繊維２同士を接合する。

６）ＣＶＤ　（化学蒸着）法による炭素の沈着化をする
。

７）切削加工により所望の形状の摩擦材とする。

しかるに、このような製造方法では、上記３）および５
）の工程において高温で加熱処理がなされるために、バ
インダーである樹脂が分解または変質し、その結果Ｃ／
Ｃコンポジットによる摩擦材料は低温低負荷での耐摩耗
性が著しく劣るという欠点がある。

このように、Ｃ／Ｃコンポジットは、高温高負荷での耐
摩Ｊ〔性は優れるものの、低温低負荷での耐摩耗性が劣
るために、高温域でブレーキを多用するラリー車、レー
シングカー、レーシング用オートバイ等のブレーキ用摩
擦材には適しているが、低温域でのブレーキ使用が大半
を占める一般の自動車やオートバイのブレーキ用摩擦材
には適していない。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、高温域での使用時における耐摩耗性に
優れるというＣ／Ｃコンポジット本来の特性に加え、低
温域での使用においても耐摩耗性に優れる摩擦材料を提
供することにある。

〔発明の構成の簡単な説明〕

このような目的は、以下の本発明によって達成される。

即ち、本発明は、Ｃ／Ｃコンポジットに液状樹脂を含浸
、硬化させたことを特徴とする摩擦材料である。

〔発明の構成の詳細な説明〕

以下、本発明の摩擦材料を添付図面に示す好適実施例に
ついて詳細に説明する。

本発明の摩擦材料１の母材となるＣ／Ｃコンポジットは
、炭素繊維を炭素で接合した炭素繊維強化複合材料で、
その構造は、例えば第１図に拡大して示すように、炭素
繊維２の束が直交組織をなしている。本発明の１′？ｉ
！擦材料１は、上記Ｃ／Ｃコンポジットの炭素繊維２の
間隙３に液状樹脂を含浸させ、これを硬化させたもので
ある。

この摩擦材料ｌは、例えば次のような方法により製造さ
れる。

■　第１図に示すように、炭素繊維２の束を積層して直
交組織を構成する。

■　上記■の摩擦材料（成形体）の炭素繊維２間に液状
樹脂を含浸させる。なお、炭素繊維２の束に液状樹脂を
含浸させ、これを直交組織を構成するよう積層して成形
体としたものでもよい。

■　１０００℃程度に加熱し、含浸させた樹脂を炭素化
する。

■　上記樹脂を再び含浸させる。

■　２０００〜３０００℃程度で焼成し、含浸させた樹
脂を黒鉛化して炭素ｙａ維２同士を接合する。

■　ＣＶＤ　（化学蒸着）法による炭素の沈着化をする
。

■　切削加工により所望の形状の摩擦材とする。

■　上記摩擦材に再度液状樹脂を含浸させ、硬化させる
。なお、上記■と■の工程は順序が逆でもよい。

液状樹脂としては、例えばレゾールタイプのフェノール
レジン等の熱硬化性樹、脂を挙げることができる。その
中でも、含浸のし易さの点でレゾールタイプのフェノー
ルレジンを用いるのが好ましい。なお、上記樹脂に限定
されないことは勿論のことである。

また、含浸させる液状樹脂の量は例えば０．１〜０．６
　ｃｃ／　ｃｍ３程度であればよく、気孔率等の条件に
応じて適当に決定すればよい。

樹脂の硬化は、加熱処理により行うのが好ましい。

■　摩擦面等を研摩する。

上記■〜■の工程は、通常のＣ／Ｃコンポジットの製造
方法の一例であるが、このままでは上記■および■の工
程において高温で加熱処理がなされるために、バインダ
ーである樹脂が分解または変質し、その結果Ｃ／Ｃコン
ポジットによる摩擦材料は低温低負荷での耐摩耗性か著
しく劣る。

そこで、■の工程を付加することにより摩擦材料内部の
結合力を強化し、また摩擦面に被覆を形成せしめ、低温
域（２００℃以下）での耐摩耗性を大幅に向上させた。

なお、本発明の摩擦材料は、上記■〜■の工程によって
製造されるＣ／ＣコンポジットをＢｌ材とするものに限
られず、他の方法により製造されたＣ／Ｃコンポジット
、あるいは改良方法により製造され、その構造、特性が
異なるＣ／Ｃコンポジット等を母材としてもよい。

以上述べた本発明の摩擦材料は、乾式、湿式いずれにも
使用することができ、例えば、自動車用部品では、乾式
として自動車のブレーキバットやライニング、湿式（油
中）としてオートマチックトランスミッションの摩擦プ
レートに使用でき、その他、二輪車、鉄道車両、航空機
、産業機械のブレーキやクラッチ等、広範囲にわたり用
途がある。

〔実施例〕

（本発明例１） 前記■〜■の方法により、カーボンファイバー（径２０
μｍ）を用いて、Ｃ／Ｃコンポジットを製造し、該Ｃ／
Ｃコンポジットにレゾールタイプのフェノールレジンを
０．１　ｃｃ／ｃｍ’含浸させた後、１５０℃、３時間
加熱して樹脂を硬化させ、その後摩擦面を研摩して本発
明の摩擦材料の試験片Ｎｏ、　　１を作成した。

（比較例１） 面記ｌ）〜７）の方法により通常のＣ／Ｃコンポジット
で構成する摩擦材料の試験片Ｎｏ、　　２を作成した。

（比較例２） 参考として従来のＰｔａ材料であるアスベスト系摩擦材
による試験片Ｎｏ、　　３を作成した。

これら本発明例および比較例の各試験片Ｎｏ、　　１〜
３について耐摩耗性試験を行い、摩擦材料の温度が１０
０．２００．３００．４００　”Ｃにおケル摩耗率を測
定した。その結果を表１に示す。

なお、ｄｐｌ定に用いた摩擦相手体は試験Ｎｏ、　　１
がＣ／Ｃコンポジット製、試験片Ｎｏ、　　２およびＮ
ｏ。

３が鋳鉄（ＦＣ−２０）製円板（直径１０ｃｍ）であっ
た。

表１．耐岸耗性試験結果 表１の結果から明らかなように、本発明の摩擦材料（試
験片Ｎｏ、１）は、通常のＣ／ＣコンポジットによるＰ
Ｊ擦材料（試験片Ｎｏ、２）に比べ低温域（１００〜４
００℃）での耐摩耗性に優れ、アスベスト系摩擦材（試
験片Ｎｏ、３）に匹敵する性能を仔することがわかる。

（発明の効果） 本発明の摩擦材料によれば、Ｃ／Ｃコンポジットに液状
樹脂を含浸、硬化させたことにより、材料内部の結合力
か高まり、また摩擦面に樹脂被覆が形成され、よって高
温域での使用時における耐摩耗性に優れるというＣ／Ｃ
コンポジット本来の特性に加え、比較的低温域での使用
時における耐摩耗性が格段に向上する。

その結果、本発明の摩擦材料は高温域でブレーキを多用
するラリー車、レーシングカー、レーシング用オートバ
イ等の特殊車両のブレーキ用ｆｆ１５材への適用はもち
ろんのこと、低温域でのブレーキ使用が大半を占める一
般の車両（乗用車、トラック、バス、オートバイ等）の
ブレーキ用摩擦材としても使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の摩擦材料の構造（直交組４ｍ）を示
す部分拡大図であ−る。 符号の説明 １・・・・・・本発明のｔ’ｊｊ５材料、２・・・・・
・炭素繊維、 ３・・・・・・間隙

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）Ｃ／Ｃコンポジットに液状樹脂を含浸、硬化させ
   たことを特徴とする摩擦材料。