JPS631491B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は石油精製、石油化学装置、石炭液化装
置等のプロセス流体を加熱する管式加熱炉に関す
るものである。

従来のこの種、管式加熱炉としては、バーナを
備えた燃焼室内に輻射部加熱管を多数配列させた
輻射伝熱部と、加熱管を多数千鳥状に配列させた
対流伝熱部とを組み合わせ、対流伝熱部の加熱管
に導入された被加熱流体を、対流伝熱部で予熱し
た後、輻射伝熱部の加熱管内に導入させて燃焼ガ
スにより所定の温度まで加熱し外部へ取り出すよ
うにしたものが一般的である。

しかし、かかる構成では、バーナによる火炎が
輻射部伝熱管に当らないように該輻射管伝熱管の
配設には充分に配慮されるが、輻射伝熱部が燃焼
室内に形成されることから、輻射伝熱部が局所的
にオーバーヒートとなり易い欠点があつた。又、
燃料としては、ガス燃料、軽重質油燃料と限定さ
れており、石炭、残渣油等は使用できなかつた。

本発明は、かかる欠点を除去することを目的と
してなしたもので、流動層を有し該流動層へ供給
する燃料を燃焼させるようにした流動層燃焼器の
直後に、該流動層燃焼器で発生した燃焼ガスによ
る輻射伝熱で加熱されるようにした輻射部を設
け、且つ上記流動層燃焼器と輻射部とを、両側壁
の輻射部加熱管の間隔よりも狭い幅とした流路に
て接続させてなることを特徴とするものである。

以下、本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。

本発明の管式加熱炉は、基本的には、流動層燃
焼器１の直後に輻射部２を接続し、該輻射部２の
下流側に対流部３を接続し、且つ上記流動層燃焼
器１と輻射部２との接続部を、輻射部内の加熱管
の対峙間隔よりも狭少に絞つてなり、流動層燃焼
器１内で生じた燃焼ガスを絞り部を通して輻射部
２内に流入させ、対流部３を通り輻射部２内の加
熱管に導かれる被加熱流体としてのプロセス流体
を、輻射部２に流入した燃焼ガスによる輻射伝熱
で加熱させるようにしてある。

上記流動層燃焼器１は、下部一端に燃焼用空気
の流入口を有する狭幅で且つ奥行の長い燃焼器本
体４の上下方向の中間位置に、水平に配した分散
板５上にたとえば硅砂等の流動媒体７を堆積させ
てなる流動層６を設け、燃焼用空気が分散板５を
通り流動層６に導かれるようにし、且つ上記流動
層６よりも高い位置の側壁に、燃料としての石炭
を供給させるための給炭口８を、第２図に示す如
く奥行方向に多数設けると共に、該各給炭口８に
石炭ホツパー９からの石炭を送入させる給炭器１
０をそれぞれ設け、更に流動層６に奥行方向へ向
けて起動用バーナ１１を設け、流動層６上に供給
される石炭を点火させるようにしてある。

又、輻射部２は、側壁に沿い輻射部加熱管１２
を配列させると共に天井部にも複数の輻射部加熱
管１３を配設させ、側壁部の加熱管１２は、対流
部３内に設ける加熱管の本数と同数のゾーン１２
ａ，１２ｂ，１２ｃ，１２ｄ，１２ｅ，１２ｆに
区分けし、又天井部の加熱管１３の本数は上記ゾ
ーンの数と一致させ、該各加熱管１３にはそれぞ
れ対応するゾーンの出口側を接続させてあり、前
記流動層燃焼器１の下流側に接続されていて燃料
ガスが絞り部１４を通り流入されるようにしてあ
る。上記絞り部１４は、絞り幅ｘが輻射部加熱管
１２の対峙間隔の寸法ｙよりも小さくなるように
絞られた構成としてあつて、流動層燃焼器１内か
ら燃焼ガスが絞り部１４で絞られて輻射部２に入
り加熱管１２，１３を輻射伝熱で加熱させるよう
にし、又絞り部１４に通ずる輻射部２の下部の側
壁を漏斗状に傾斜させ、燃焼ガスの上昇により輻
射部２内に持ち込まれた流動媒体が流動層燃焼器
１に落下し易くなるようにする。

又、対流部３は、輻射部２の下流側に接続して
あつて、内部には多数の加熱管１５が千鳥配置で
設けてあり、且つ各加熱管１５の流体出口側は、
輻射部加熱管１２の対応する各ゾーン１２ａ，１
２ｂ，１２ｃ，１２ｄ，１２ｅ，１２ｆの流体入
口に接続してあり、輻射部２を経て流入するガス
により被加熱流体の予熱が行われるようにしてあ
る。

尚、加熱管１５の数は被加熱流体の容量に応じ
て増減されるものであり、それに応じて輻射部２
内の加熱管１２のゾーンの数も増減させることに
なる。

１６は対流部３の下流側に設けたガス出口、１
７は対流部３内の加熱管１５にダスト等の付着が
ないように清掃するためのスートブロワ、１８は
流動層６へ流動媒体を供給する装置、１９は流動
層６からの流動媒体排出装置、２０は流動層燃焼
器１内へ加圧されて入つた燃焼用空気が上向に流
れるように設けたダクト、２１は該ダクト２０内
に設けたダンパ、２２は給炭口機である。

上記構成としてあるので、加圧された燃焼用空
気が流入口より流入されると、入口側のダクト２
０を通り分散板５から流動層６に導かれ、流動媒
体７を流動させ始める。次に、起動用バーナ１１
を点火させると、バーナ１１に近い流動層６の部
分が加熱されて所定の温度に達した後、石炭を給
炭口８より供給すると燃焼を開始する。次いで隣
りのダンパ２１を開けて流動媒体を流動化させ、
且つ対応する給炭口８より石炭を供給すると、隣
りの熱で加熱される。以後、同様に順次流動層６
の奥行方向の中央部側のダンパ２１を開け且つ石
炭を供給して燃焼させる。この燃焼ガスは、流動
層燃焼器１の直上にある輻射部２に絞り部１４を
通つて入り、側壁、天井の加熱管１２，１３を輻
射伝熱で加熱することになる。この際、絞り部１
４は、絞り幅が輻射部２の加熱管１２の対峙間隔
よりも狭くしてあるので、燃焼ガスが直接輻射部
加熱管１２に接触するようなことはなく、オーバ
ーヒートするおそれをなくすことができる。

一方、対流部３では、各加熱管１５の入口に被
加熱流体がたとえばＡ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆの如
く分けて導入されると、千鳥配置されている加熱
管１５内を流れ、輻射部２で放熱されて対流部３
へ導かれたガスにより予熱される。

予熱された流体は、対流部３の上流側から輻射
部２内の加熱管１２のゾーンの入口に、たとえ
ば、第１図に示す如くＡはＡ、ＢはＢの如く接続
されて導かれ、輻射部２で燃焼ガスからの放熱に
より加熱され、天井の加熱管にＡ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、
Ｅ、Ｆの如く導かれて外部へ取り出される。この
際、燃焼ガスは、対流部３での加熱管１５をオー
バーヒートさせない温度まで輻射部２で放熱する
ので、対流部３で加熱管１５をオーバーヒートさ
せることがなく、又、輻射部２では絞り部１４の
ため加熱管１２がオーバーヒートされることなく
充分に加熱される。

対流部３で更に放熱したガスは、ガス出口１６
より排出された後、図示しない集塵器に導かれて
集塵され、大気へと放出されることになる。

上記において、流動層の流動媒体７は、少しず
つ燃焼ガスに同伴して減少するので、定期的に供
給装置１８により流動媒体７の補給を行う。この
供給装置１８は図示してないが燃焼器１の両端に
置かれ、両側より流動層６へ流動媒体７を補給で
きるようにしてある。

尚、本発明では、管内の燃伝達をよくするた
め、一部の出口流体を循環させて入口温度を昇温
させるようにすることも可能であり、又、燃焼用
空気を吹き込み流動層を流動化させバーナ１１で
所定温度まで加熱する場合を示したが、高温空気
を吹き込んで流動化させるようにすることも可能
であり、又、流動層燃焼器１と輻射部２との接続
部を絞る代りに、ダクトで接続させるようにして
もよいこと、輻射部２と対流部３をタワー状にし
てもよいこと、等は勿論である。

以上述べた如く本発明の管式加熱炉によれば、 (i) 流動層燃焼器の直後に輻射部を設け、両者を
狭い流路で接続させているので、燃焼ガスによ
る輻射部加熱管のオーバーヒートを防止するこ
とができる。

(ii) 流動層燃焼器で発生した燃焼ガスは、輻射部
で放熱した後、次の工程、例えば対流部へ導か
れるので、対流部の場合はその加熱管をオーバ
ーヒートさせることがない。

(iii) 輻射部の下部を漏斗状に傾斜させておくこと
により流動媒体等が堆積することを防止でき
る。

等の優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の管式加熱炉の一例を示す切断
正面図、第２図は第１図のＡ―Ａ方向よりの切断
側面図である。 １…流動層燃焼器、２…輻射部、３…対流部、
５…分散板、６…流動層、８…給炭口、１１…起
動用バーナ、１２，１３…輻射部加熱管、１４…
絞り部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 流動層を有し該流動層へ供給する燃料を燃焼
   させるようにした流動層燃焼器の直後に、該流動
   層燃焼器で発生した燃焼ガスによる輻射伝熱で加
   熱されるようにした輻射部を設け、且つ上記流動
   層燃焼器と輻射部とを、両側壁の輻射部加熱管の
   間隔よりも狭い幅とした流路にて接続させてなる
   ことを特徴とする管式加熱炉。