JPS63123978A

JPS63123978A - 木材乾燥装置

Info

Publication number: JPS63123978A
Application number: JP27056186A
Authority: JP
Inventors: 正雄加藤
Original assignee: KATO RINSAN KK
Current assignee: KATO RINSAN KK
Priority date: 1986-11-13
Filing date: 1986-11-13
Publication date: 1988-05-27
Anticipated expiration: 2009-05-18
Also published as: JPH0638026B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）この発明は木材乾燥装置に関し、さらに詳細には、例え
ば床柱や飾柱等の装飾柱として好適に用いられる長尺な
芯持木材を乾燥する木材乾燥装置に関するものである。

（従来の技術）和風建築の床の間に用いられる床柱や飾柱等の装飾柱は
、木材の外周形状および模様がそのまま生かされるよう
に使用され、該装飾柱としては、木材の芯材部分を残し
たまま用いられるいわゆる芯持木材が一般的に用いられ
ている。

芯持木材は予め乾燥処理が施されるが、この乾燥方法に
は自然乾燥法と人工乾燥法とがある。

自然乾燥法は乾燥方法としては最も理想的なものである
が、天候に左右されやすく、また乾燥に要する時間がき
わめて長いという欠点があり、現在は人工乾燥法が主流
となっている。

人工乾燥法としては熱風乾燥法が一般的である。

この方法は、乾燥室内に木材を配置するとともに、乾燥
室内に、乾燥された加熱空気を強制的に供給して、木材
の表面から乾燥させるようにしている。

（発明が解決しようとする問題点）しかしながら、このような乾燥方法では、以下に述べる
ような問題点があった。

（１）木材の表面から乾燥させると、木材に含まれる水
分は表面から内部へと順次除かれていく。換言すれば、
木材内部の水分は表面側へ向かって集められていくこと
となるが、これでは、木材の内部つまり芯材部分を所定
の含水率まで乾燥させるためには、かなりの時間を要す
る。

（２）木材の表面から内部にかけての水分傾斜が大きく
　（第５図の破線参照）、これがため歪が発生しやすい
。

（３）上記水分傾斜の特性に加えて、芯持木材では、外
周部分のいわゆる周相は乾燥による収縮率が大きく、一
方軸芯邪のいわゆる芯材は逆に乾燥による収縮率が小さ
く、この収縮率の違いにより、木材表面に亀裂が生じや
すい。これがため、不良品が約３割程度発生し、製品の
歩留りはきわめて悪い。

（４）上記乾燥時間の長さおよび歩留りの悪さのため、
製品コストの上昇を招いている。

（５）高温による人工乾燥の場合、木材の表面が変色し
、また表面亀裂をおそれ乾燥条件を緩やかにすると、木
材の表面に青かびが発生し、その商品価値を下げてしま
う。そして、これを修正するため、従来は酸性薬品等を
使用して、木材の表面を脱色してきたが、このことが木
材本来の強度や持ち味を太き（損なう原因となっている
。

（問題点を解決するための手段）本発明は、全長にわたって、表面からほぼ芯材に至る深
さの気体流通溝が設けられた芯持木材を乾燥処理する装
置であって、芯持木材の気体流通溝に乾燥用気体を強制
的に供給する乾燥気体供給手段が設けられてなることを
特徴とする。

気体流通溝としては、背びきが（背割り）使用され、表
面から中心を越える深さとされるのが好ましい。

芯持木材の気体流通溝に乾燥用気体を強制的に供給する
、というのは、気体流通溝にノズル丸穴あるいは長大を
対向させ、このノズル等から乾燥用気体を噴出させるこ
とにより行われる。気体流通溝の全長にわたってノズル
等を対向させる場合と、気体流通溝の一部例えば一端部
にノズル等を対向させ、気体流通溝内を流動させる場合
とがある。

（作用）乾燥気体供給手段により、芯持木材の気体流通溝に乾燥
用気体を強制的に供給することにより、芯持木材は芯材
から周相に向かって乾燥処理され、表面の割れが防止さ
れる。

（実施例）以下、本発明の実施例を図面に基いて説明する。

実施例１本発明に係る木材乾燥装置を第１図に示し、該乾燥装置
は、具体的には乾燥用気体として乾燥加熱空気を用いる
形式のもので、乾燥室１、乾燥空気供給器２．２、空気
乾燥器３、送風機４などを主要部として備えている。ま
た、該乾燥装置により、乾燥処理する木材５は、外周の
一部に気体流通溝６が全長にわたって設けられている。

乾燥室１は直方体形状に形成された密閉形のものであり
、該乾燥室１内の底部には、上記乾燥空気供給器２．２
が配設されるとともに、天井壁部には排気ダクト７．７
・・・が設けられている。

乾燥空気供給器２は、上記乾燥室１内に立てかけ状態で
配設された木材５．５・・・に乾燥加熱空気を供給させ
るためのもので、第２図に示すように、多数の噴射ノズ
ル２ａ・・・を備えている。木材５を傾斜させて、気体
流通溝６が下側を向くようにすることにより、木材５の
下端部に吹き°つけられた乾燥加熱空気が上端まで流動
して、木材５の全長にわたって均一に乾燥させることが
できる。上記噴射ノズル２ａは、各木材５の気体流通溝
６の下端部分に対応する位置に縦方向へ直線状に一定間
隔をもってそれぞれ４個づつ配列されるとともに、この
−列一組の噴射ノズル２ａ・・・が横方向へ複数組並列
に配されている。また、図示例においては、上記乾燥空
気供給器２が２台配設されているが、乾燥処理量に応じ
て適宜増減可能である。

排気ダクト７．７は、上記木材５・・・の上端部の上方
位置、つまり上記気体流通溝６・・・の上端部の真上に
それぞれ対応して配置されており、該排気ダクト７．７
・・・の配設数は上記木材５・・・の配設本数に対応し
て設定される。上記排気ダクト７．７・・・は配管８を
介して空気乾燥器３に連通されている。

空気乾燥器３は、上記排気ダクト７．７からの空気を冷
却乾燥させる乾燥器と、該乾燥された空気を加熱する電
気ヒータ等の熱源とからなり、該空気乾燥器３は配管９
を介して送風機４に連通されている。

送風機４は、上記空気乾燥器３により乾燥加熱された空
気を上記乾燥空気供給器２まで配管１０を介して給送す
るものである。

しかして、上記乾燥装置において、空気乾燥器３から送
風機４、乾燥空気供給器２．２、気体流通溝６および排
気ダクト７へと続き、再び空気乾燥器３に還流する密封
された乾燥空気循環回路１１が形成される。

続いて、上記木材５に形成する気体流通？７ａ　６につ
いて説明する。

上記気体流通溝６は、木材５の周面に全長にわたって直
線状に設けられている。該気体流通溝６の断面形状は、
第３図に示すように、木材５の軸心Ｏに向かって長方形
とされている。また気体流通溝６の形状寸法は、木材５
の材質・太さや使用目的などを考慮して設定されるもの
であるが、その深さは、木材５の半径よりも大きくつま
り上記軸心Ｏを越えるように設定されている。すなわち
、上記気体流通溝６の深さは、木材５の半径＋αに設定
される。例えば、直径１２０Ｒの木材５では、上記αが
５ｎ程度つまり上記深さが６５鶴程度に設定され、また
直径２００ｍ〜３００ｎの木材５では、上記αが１０ｆ
ｌ程度つまり上記深さが１１０１１〜１６０ｍ程度に設
定されるのが好ましい。

次に、以上のように構成された木材乾燥装置による木材
の乾燥方法を説明する。

■　上記木材５・・・を、乾燥室１内における乾燥空気
供給器２．２の各組の噴射ノズル２ａ・・・に対応した
位置に、乾燥加熱空気が側方に漏れないようできるだけ
接近させて、立てかけ状態で配設した後、上記乾燥装置
を作動させる。

■　空気乾燥器３からの乾燥加熱空気は、送風機４によ
り、乾燥空気循環回路１１を強制循環されることとなる
。

すなわち、上記乾燥加熱空気は、乾燥空気供給器２に送
られて、各噴射ノズル２ａ・・・から木材５・・・に向
けて噴射される（このときの風速は、例えば１４〜１５
ｍ／秒に設定される。）。この噴射された乾燥加熱空気
は、第２図に一点鎖線で示すように、各木材５の気体流
通溝６をその下端部から上方へと流通して、排気ダクト
７に強制的に排出される。

この際、上記気体流通溝６内に供給された乾燥加熱空気
は、第３図に矢符で示すように、気体流通溝６の内壁６
ａ、６ｂ、６Ｃ全面に吹きつけられ、これらの内壁から
木材５の内部の水分を奪い、この奪った水分とともに気
体流通溝６内に沿いながら排気ダクト７に排出される。

これにより、木材５は乾燥による収縮率の小さな芯材と
、収縮率の大きな同材とが並行して乾燥していく。ただ
し、木材５の周辺部（表面近く）は、円周が大きいため
水分の移動距離が大きく要求される一方、中心部は移動
距離が小さくてよいが、本発明の装置による乾燥方法に
よれば、この微妙なバランスのよい効率的な乾燥を得゛
ることができる。

なお、気体流通溝６は木材５の年輪層を半径方向に切断
しているため、上記乾燥加熱空気は各年輪層内の水分を
容易かつ均等に奪うこととなり、これにより、木材５は
芯材から同材までほぼ均一な含水率を有するとともに、
木材５０表面に割れを生じることがほとんどなくなった
。

■　上記排気ダクト７から排出される空気は、空気乾燥
器３へ送られて、ここで除湿・加熱され、再び送風機４
により上記乾燥空気供給器２．２に強制的に送られ、以
後この循環を繰り返す。

実施例２本例は第４図に示し、太さなど条件の異なる複数本の木
材５・・・の乾燥を行うことができる構造とされたもの
である。

すなわち、第４図において、乾燥空気供給器２は、複数
の配管１２・・・が別個独立に並列して設けられるとと
もに、該配管１２に一組の噴射ノズル２ａ・・・が縦方
向に所定間隔をもって配列された構造とされている。上
記各配管１２に給送される乾燥加熱空気の気温・湿度等
の条件は、それぞれ別個に設定され、例えば、乾燥する
木材５の太さ、切り倒し時期などに応じて、木材５・・
・ごとに、かつ用途別に条件設定される。

しかして、上記各配管１２ごとに異なる種類・用途の木
材５・・・を横に傾斜状態で並列に配置させることによ
り、各木材５はそれぞれ最適な条件で乾燥処理されるこ
ととなり、需要の多様化にともなう多品種少量生産に好
適に対応することができ、また乾燥度合の異なるものも
個別に条件を与えられる。

その他の構造および作用は、実施例１と同様である。

次に、本発明の乾燥装置による乾燥処理の効果を調べる
ために行った試験結果について説明する。

木材乾燥装置は実施例１の構造のものを使用するととも
に、乾燥される木材５は床柱用の杉材であって、その具
体的規格は以下に示すとおりである（第３図参照）。

訓１、杉材５の長さ：３００ｃｍ２、杉材５の直径：１２０朋３、気体流通溝６の幅Ｗ：５Ｂ４、気体流通溝６の深さＬ二６５龍なお、上記気体流通溝６はいわゆる背びき兼用である。

木材は長さ３００ｃｍについて末口部（立てた場合の上
部）と元口部（立てた場合の足元）とで、直径が約２０
１ｍ程の違いがあるが、元口も末口も上記背びきの深さ
は、木材の半径＋５酊で形成している。

このように加工した杉材５を、上記乾燥装置の乾燥室１
内に立てかけ状態で７５本収容し、上記乾燥空気供給器
２．２の噴射ノズル２ａ、２ａ・・・から乾燥加熱空気
（湿度５０％、気温４０℃）を４８時間供給した。

以上のようにして得られた杉材５は、含水率５０％、絶
乾重量３４ｋｇ／イとなり、その外周表面にも全く割れ
がなく、床柱用としての条件をすべて満たすものとなっ
た。しかも、床柱として使用する杉材は通常、表面を漂
白剤で漂白されるが、本発明の方法で乾燥処理した杉材
５は、無漂白でそのまま床柱として通用することができ
ることが判明した。

これは、上記気体流通溝つまり背びき６に杉材５の内部
の水分が集まることにより、杉材５の表面が白色に近い
色を呈し、漂白の必要がなくなったためである。

なお、本発明は上述の実施例に限定されない。

例えば、乾燥加熱空気を木材５の気体流通溝６内に責流
させるには、第１図のように、木材５を立てかけ状態で
支持して、気体流通溝６の下端部より空気を送り込むの
が効率がよいが、かならずしもこれに限定されず、木材
５を傾斜状態で支持するようにしてもよい。特に、木材
５の長さが４００ｃｍ〜６００　ｃｍとかなり長尺にな
る場合には好ましい。

（発明の効果）以上詳述したように、本発明は、全長にわたって、表面
からほぼ芯材に至る深さの気体流通溝が設けられた芯持
木材を乾燥処理する装置であって、芯持木材の気体流通
溝に乾燥用気体を強制的に供給する乾燥気体供給手段が
設けられてなるから、木材を内部から乾燥することがで
き、木材表面の割れの発生を防止することができるなど
、以下に列挙するような種々の効果が得られ、きわめて
すぐれた人工乾燥が可能となる。

（１）気体流通溝（背びき）から乾燥させることにより
、従来のように木材の表面から乾燥させる場合と異なり
、木材の中心部と外周部とが並行して乾燥されていき、
よって短時間で木材内部全体を所定の含水率まで乾燥さ
せることができる。

（２）　　この乾燥装置による乾燥方法では、乾燥処理
後における水分傾斜が、第５図に実線で示すように、木
材の表面から内部にかけてきわめて緩やかな傾斜で小さ
い。したがって、木材表面から内部まで含水率に差が余
りな（、木材内部の木質が均一となる。

（３）上記水分傾斜の特性に加えて、乾燥による収縮率
が大きい同材だけでなく、乾燥による収縮率が小さい芯
部も同時に乾燥するため、また、上記気体流通溝が木材
の各年輪層を切断するため、各年輪層に含まれる水分の
放出が効率よ（かつ均等に行われて、木材表面に割れが
生じず、したがって不良品の発生がほとんどなく、製品
の歩留りがきわめてよい。ちなみに、従来割れ発生率が
約３０％であったのが、本発明を実施することによって
約２％となった。

（４）上記乾燥時間の短さおよび歩留りの良さのため、
製品コスＩ・の大幅な低減化が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る実施例１の木材乾燥装置を示す概
略図、第２図は同乾燥装置の乾燥空気供給器と木材との
関係を示す斜視図、第３図は第２図におけるｍ−ｍ線に
沿った断面図、第４図は実施例２の乾燥空気供給器を示
す第２図に対応する図、第５図は本発明の乾燥装置によ
り乾燥処理された木材の水分傾斜を従来の乾燥方法によ
る水分傾斜と比較して示す線図である。１・・・乾燥室、２・・・乾燥空気供給器（乾燥気体供
給器）、２ａ・・・噴射ノズル、３・・・空気乾燥器（
気体乾燥器）、４・・・送風機、５・・・木材、６・・
・気体流通溝、７・・・排気ダクト、８，９．１０・・
・配管、１１・・・乾燥空気循環回路

Claims

【特許請求の範囲】

（１）全長にわたって、表面からほぼ芯材に至る深さの
気体流通溝が設けられた芯持木材を乾燥処理する装置で
あって、芯持木材の気体流通溝に乾燥用気体を強制的に供給する
乾燥気体供給手段が設けられてなることを特徴とする木
材乾燥装置。
（２）周面全長にわたって気体流通溝が設けられた芯持
木材を乾燥処理する装置であって、木材の気体流通溝の一端部に乾燥用気体を強制的に供給
する乾燥気体供給手段が設けられる一方、前記気体流通
溝の他端部からの乾燥用気体を強制的に排出する排気ダ
クトが設けられ、該排気ダクトからの乾燥用気体を乾燥
する気体乾燥器と、該気体乾燥器からの乾燥用気体を前
記乾燥気体供給器に給送する送風機とを備えている特許
請求の範囲第１項記載の木材乾燥装置。
（３）乾燥気体供給器からの乾燥用気体が、気体流通溝
の下端部に供給されるとともに、気体流通溝の上端部か
ら排気ダクトに排出される特許請求の範囲第２項記載の
木材乾燥装置。
（４）前記乾燥用気体が乾燥加熱空気である特許請求の
範囲第１項または第２項記載の木材乾燥装置。