JPS6312091Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、支持枠の左右にそれぞれ設けられ
たガイドレールに沿つて棚体が前後にスライド可
能に支持されてなる物品収納棚の改良に関するも
のである。

従来、物品収納棚の支持枠の前方左右に枢支さ
れた支持ローラを棚体の側辺部下面に当接させ、
かつ棚体の後方左右に枢支された移動ローラを支
持枠の左右に設けられたガイドレールの上下壁面
に当接させることにより、棚体を前後にスライド
可能に支持してなる物品収納棚が提案されてい
る。上記棚体に重量物を載置した状態で棚体を前
方に引出した場合には、支持枠の立設部よりも前
方に上記載置物の荷重が作用するために支持枠が
前に倒れる虞れがあり、極めて危険である。ま
た、上記引出状態においては、移動ローラが支持
ローラに接近しているため、上記支持ローラを支
点とした梃子作用によつて、移動ローラに極めて
大きな荷重が作用することとなり、移動ローラお
よびその支持部等が損傷し易いという欠点があつ
た。

この考案は、以上の欠点を解消するためになさ
れたものであり、重量物が載置された棚体を引出
した場合においても支持枠が倒れることはなく、
かつ棚体のスライド案内部となる上記移動ローラ
等が損傷するのを防止できる物品収納棚を得るこ
とを目的としている。

すなわち、この考案は支持枠に設けられたガイ
ドレールに沿つて上下複数段の棚体がスライド自
在に支持されてなる物品収納棚において、上記ガ
イドレールもしくは棚体の少なくとも一方にスラ
イド案内用のローラが設けられるとともに、最下
段に位置する棚体には床面に当接する脚車が水平
軸回りに回転自在に支持されたものである。

以下、この考案の実施例を図面によつて説明す
る。第１図において、１は支持枠、２は重量物用
の棚体、３は軽量物用の棚体である。上記支持枠
１は、四隅に立設された支柱１０……と、この支
柱１０の上端部に固着された天枠１１と、支柱１
０に下端部に固着されたベース１２，１２と、支
柱１０の下部左右にそれぞれ横架されたガイドレ
ール１３，１３と、支柱１０の中間部左右の一乃
至複数段にそれぞれ横架されたガイドレール１
４，１４とを具備している。このガイドレール１
３，１４は、側壁と上下壁とからなる溝形鋼によ
つて形成され、上下壁がそれぞれ内方に突出した
状態で支柱１０に固着されている。前方の支柱１
０には支持ローラ１５がガイドレール１３，１４
の下部内方にそれぞれ突出した状態で左右方向の
水平軸回りに回転自在に枢支されている。また、
ガイドレール１３，１４の前部にはサイドローラ
１６がそれぞれ内方に突出した状態で縦軸回りに
回転自在に枢支されている。

上記重量物用の棚体２は、通常Σ形の鋼材から
なる前後枠２０，２０と、溝形鋼からなる左右枠
２１，２１と、これらの間に配置された補強部材
２２……とによつて格子枠状に形成されている
が、その上面全面に鉄板を張設してもよい。上記
左右枠２１，２１はそれぞれ溝形鋼の上下壁が外
方に突出するように配置され、かつ左右枠２１，
２１の後部には移動ローラ２３がそれぞれ外方に
向けて突出した状態で左右方向の水平軸回りに回
転自在に枢支されている。また、この移動ローラ
２３の前方にはサイドローラ２４が縦軸回りに回
転自在に枢支され、かつ棚体２の下面四隅には脚
車４……が左右方向の水平軸４０の回りに回転自
在にブラケツト４１を介して枢支されている。

上記棚体２は、支持枠１のガイドレール１３，
１３間に挿入され、このガイドレール１３に沿つ
て前後にスライド可能に支持されている。すなわ
ち、第２図に示すように、支持枠１に設けられた
支持ローラ１５，１５が棚体２の左右枠２１，２
１の下面にそれぞれ当接すると共に、棚体２に突
設された移動ローラ２３，２３がガイドレール１
３，１３の下壁上面にそれぞれ当接することによ
つて棚体２の自重が支持され、かつ第３図Ａ，Ｂ
に示すように、ガイドレール１３に突設されたガ
イドローラ１６，１６が棚体左右枠２１，２１の
側壁面にそれぞれ当接すると共に、棚体２に突設
されたサイドローラ２４，２４がガイドレール１
３，１３の側壁面にそれぞれ当接することによつ
て棚体２の横振れが防止され、各ローラ１５，２
３，１６，２４によつて棚体２が案内されてスラ
イドし得るように構成されているのである。ま
た、棚体２がガイドレール１３，１３間に支持さ
れた状態において、上記脚車４が床面に当接する
ように構成されている。

なお、軽量物用の棚体３は、脚車４がない点を
除いて上記重量物用の棚体２と略同様に形成さ
れ、支柱１０の中間部に配置されたガイドレール
１４に沿つて前後にスライド可能に支持されてい
る。

上記重量物用の棚体２は、その下面に設けられ
た脚車４が床面に当接するように構成されている
ため、この棚体２に載置された重量物の荷重が上
記脚車４によつて支持されることとなる。従つ
て、棚体２を前方に引出した場合においても上記
荷重が脚車４によつて支持されているために支持
枠１が倒れることはなく、かつ支持ローラ１５を
支点とする梃子作用も生じることはないために移
動ローラ２３等が損傷するのを防止することがで
きる。

また、上記脚車４のうちの一つに移動止め用の
足踏式ブレーキ等を設けた構造とすれば、棚体２
を任意の位置において固定することができ、載置
物の積み降ろしを安全に行なうことができるとい
う利点がある。なお、上記ガイドレール１３およ
び棚体２の側辺部に、適宜ストツパーおよびスト
ツパーに対する係合部材を設け、これによつて棚
体２を引出位置もしくは収納位置に固定するよう
に構成してもよい。

さらに上記支持ローラ１５および移動ローラ２
３を適宜設けた案内溝に沿つて転動させるか、ま
たはガイドレール１３，１３と棚体左右枠２１，
２１とを互いにスライド可能に遊嵌させる等の手
段によつて棚体２の横振れを防止するように構成
すれば、上記ガイドローラ１６およびサイドロー
ラ２４を省略することもできる。なお、上記脚車
４の個数は必要に応じ種々変更できるのは勿論で
ある。

また第４図Ａ，Ｂに示すように、左右いずれか
一方のガイドローラ１６およびサイドローラ２４
の保持ブラケツト５を調節ねじ５０に螺着し、こ
の調節ねじ５０を回動操作することによつてブラ
ケツト５を進退可能に構成すれば、各ローラ１
６，２４をそれぞれ当接面に対して正確に当接さ
せることができ、スライド時に棚体２が横振れす
るのを確実に防止できるという利点がある。な
お、上記ブラケツト５の基端部にはピン５１が突
設され、このピン５１がそれぞれガイドレール１
３および棚体左右枠２１に形成された透孔５２に
挿通されることによつてブラケツト５の回止めが
なされるように構成されている。

また、上記実施例では重量物用の棚体２の上方
に一段の軽量物用の棚体３が設けられているが、
複数段の軽量物用の棚体３を設けてもよく、かつ
これを省略した構造とすることもできる。

以上説明したように、この考案は、上下複数段
の棚体がスライド自在に支持されてなる物品収納
棚において、最下段に位置する棚体の下面に設け
られた脚車によつて棚体の荷重を支持するように
構成されているため、重量物が載置された棚体を
引出した場合に支持枠が倒れるのを確実に防止す
ることができると共に、棚体のスライド案内部の
損傷を防止できるという利点を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す分解斜視図、
第２図および第３図A.Bはそれぞれ組立状態を示
す部分断面図、第４図A.Bはこの考案の別の実施
例を示す部分断面図である。 １……支持枠、２……棚体、４……脚車、１３
……ガイドレール、１５……支持ローラ、２３…
…移動ローラ、４０……水平軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支持枠に設けられたガイドレールに沿つて上下
   複数段の棚体がスライド自在に支持されてなる物
   品収納棚において、上記ガイドレールもしくは棚
   体の少なくとも一方にスライド案内用のローラが
   設けられるとともに、最下段に位置する棚体には
   床面に当接する脚車が水平軸回りに回転自在に支
   持されたことを特徴とする物品収納棚。