JPS629962B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は器具内配線用のリード線その他の用途
に使用される被覆電線に関するものである。

一般に器具内配線を行う場合、被覆電線の適当
位置で被覆を剥がし、所要の電気接続を行うもの
であり、この場合被覆電線の端末で被覆を剥がす
場合にはワイヤストリツパのような適当な工具に
より比較的容易にこれを行うことができるのであ
るが、反面被覆電線の中間位置で被覆を剥ぐこと
が困難であつた。即ち従来被覆電線の中間位置で
複覆を剥ごうとする場合においては、ナイフのよ
うな刃物により被覆に切込みを入れ、ペンチのよ
うな工具を用いて手で被覆を剥ぎ取つていたもの
であり、この中間ストリツプの作業に多大の手数
と時間を要し、またこの作業に熟練していない場
合芯線をナイフで傷付けるおそれもある問題があ
つた。

本発明は上述の点に鑑みて提供したものであつ
て、中間位置での被覆剥き作業を容易に行うこと
ができてナイフのような利器を用いることなく自
在に任意の中間位置で被覆を剥ぐことができ、ま
た芯線を傷付けるようなことがなく、さらにこの
中間ストリツプ作業を自動的に行なわせることを
容易にできるようにした被覆電線を提供すること
を目的とするものである。

以下本発明の一実施例を図面により詳述する。
第１図及び第２図は本発明一実施例の被覆電線を
示し、銅線のような良導体よりなる単線乃至撚り
線により芯線１を形成し、この芯線１の全長に亘
りシリコン樹脂のような絶縁性樹脂材よりなる被
覆２が芯線１外周に形成されている。３は被覆２
に施された縦切込みであつて、被覆２の全長に亘
り直線上に連続的に形成されており、この縦切込
み３の切込み深さはその切込み先端が芯線１の外
周円に至らない範囲でなるべく深くしてある。４
は上記被覆２に対し輪切り方向に切込み形成され
た輪切状切込みであつて、被覆２の長手方向に所
定の間隔を有して形成されており、この輪切状切
込み４は前記縦切込み３と同様に切込み先端が芯
線１の外周に至らないようにしてなるべく深く切
込まれている。

しかして被覆２を剥がすに際し、被覆電線端末
で被覆２を剥がす場合には、第３図に示すように
その端末の最初の輪切状切込み４から端末側の被
覆２をペンチのような治具を用いあるいは素手で
縦切込み３に沿つて引きちぎり、被覆を剥がすの
である。また被覆電線の中間位置で被覆を剥がす
場合には、第４図に示すように任意の１対の輪切
状切込み４，４間において被覆２を剥がすもので
あり、この場合の被覆２剥がしもペンチのような
治具を用いあるいは素手で行なわれることにな
る。

第５図は本発明の第２の実施例を示し、上記縦
切込み３を断面Ｖ字状のスリツト５として被覆２
長手方向に連続形成したものであり、この実施例
の場合、第６図に示すようにストリツプフインガ
７の爪７ａ，７ａをこのスリツト５の側縁部に引
掛けるようにし、ストリツプフインガ７を図中矢
印方向に作動することにより自動機による被覆剥
しができるようにしてある。

第７図は本発明の第３の実施例を示し、被覆の
上部及び下部に芯線１に対し対称に１対の縦切込
み３，３を施し、さらにこれら縦切込み３，３の
中間位置において被覆２の外周面にこれと一体に
側方突出する把片６，６を形成したものであり、
第８図に示すようにこれら把片６，６を夫々スト
リツプチヤツク８，８により把み、ストリツプチ
ヤツク８，８を図中矢印に示すように夫々外側方
に引張ることにより自動的に被覆２を剥すことが
できるようにしてある。

本発明は上述のように構成したから、被覆電線
の端部においては、芯線を剥き出す位置にある輪
切状切込み部分を分離するようにして被覆を剥が
すことにより、ストリツパなどの利器を用いずに
被覆剥がしができて被覆剥がしが容易となるとと
もに、芯線を傷付けるようなこともなく、また被
覆電線の中間部分においても、被覆を剥く部分に
形成された上記輪切状切込み間に形成された縦切
込みを分離するとともに、輪切状切込みを分離す
ることにより、刃物などを用いずに所定間隔だけ
被覆を剥がすことができ、被覆電線の中間部分で
の被覆剥ぎ作業も容易となり、しかも刃物などを
用いずに被覆を剥がすことができるから、芯線を
刃物で傷付けることもない効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明一実施例の要部斜視図、第２図
は同上の縮小斜視図、第３図は同上の端末ストリ
ツプの場合の説明図、第４図は同上の中間ストリ
ツプの場合の説明図、第５図は同上の第２の実施
例の要部斜視図、第６図は同上実施例のストリツ
プフインガによる被覆剥離の説明図、第７図は同
上の第３の実施例の要部斜視図、第８図は同上の
ストリツプチヤツクによる被覆剥離の説明図であ
り、１は芯線、２は被覆、３は縦切込み、４は輪
切状切込み、５はスリツト、６は把片である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 銅線のような良導体よりなる芯線の周囲にシ
   リコン樹脂のような絶縁性樹脂材よりなる被覆を
   施し、この被覆に芯線外周円に至らない深さの縦
   切込みを長手方向全長に亘り形成するとともに芯
   線外周円に至らない深さの輪切状切込みを長手方
   向に適宜間隔を有して並列形成して成ることを特
   徴とする被覆電線。 ２ 縦切込みを長手方向に連続する断面Ｖ字状の
   スリツトとして形成して成ることを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載の被覆電線。 ３ 一対の縦切込みを芯線に対し対称位置に形成
   し、これら縦切込み間中間位置の被覆外面に外側
   方に一体突出した把片を設けて成ることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載の被覆電線。