JPS627864B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 導体３に接続され且つ心耳ADの内壁と接触
している少なくとも１つの電極５を介して刺激パ
ルスを心臓に伝達するかまたは心臓から脈拍を収
集するような電気導体３を具備するリード線にお
いて、リード線１はその長さの所定の部分９に前
記湾曲は前記電極５を含む前記湾曲のかなりの長
さαに沿つて心耳の内壁と圧接すると共に、コイ
ル状に湾曲されて心臓内壁に圧接される部分８を
有し、この部分８はその交差部が離れた開いたル
ープ状をなして、この部分８の近くのリード線部
分の圧縮力を吸収するようになつていることを特
徴とするペースメーカー用の移植可能な心臓内リ
ード線。

２ 付勢がシリコンゴム等のエラストマー製の１
つ以上の管状部材６，７により生じ、これらの部
材が導体３を包み且つ／または導体３により包ま
れているが前記電極５は心耳ADの内壁と接触す
るようにおおわれていいないことを特徴とする請
求の範囲第１項に記載のペースメーカー用の移植
可能な心臓内リード線。

３ 比較的堅い長く伸びた手段１０が前記所定の
部分と解除できるような確実な接触をした状態で
付勢力を相殺し且つ前記部分を実質的にまつすぐ
な状態で心臓内に挿入できるようにすることを特
徴とする請求の範囲第１項または第２項に記載の
ペースメーカー用の移植可能な心臓内リード線。

４ 前記湾曲部分９の前記かなりの長さαの形状
が総体的に心耳ADの内壁の縦断面の、心耳内の
上大静脈VCSのほぼ口から三尖弁TKまでの湾曲
に相応することを特徴とする請求の範囲第１項か
ら第３項のいずれか１項に記載のペースメーカー
用の移植可能な心臓内リード線。

５ 前記コイル状の部分８は心耳AD内の上大静
脈VCSの口の横寸法よりわずかに大きい横寸法
を有し、前記湾曲部分９とゆるやかに接続してい
ることを具備することを特徴とする請求の範囲第
１項から第４項のいずれか１項に記載のペースメ
ーカー用の移植可能な心臓内リード線。

６ コイル状の部分８の主面とリード線１の長手
方向を含む平面がほぼ45゜で交差することを特徴
とする請求の範囲第１項から第４項のいずれか１
項に記載のペースメーカー用の移植可能な心臓内
リード線。

７ 電極５が前記湾曲のかなりの長さαに沿つて
間隔をおいて離れた環状素子から構成されている
ことを特徴とする請求の範囲第１項から第６項の
いずれかに記載のペースーメーカー用の移植可能
な心臓内リード線。

８ 導体３がらせん状に巻かれていること、およ
び長く伸びた比較的堅い手段１０がらせん状に巻
かれた導体３の開口内にスライド自在に配置され
た金属の針金であることを特徴とする請求の範囲
第３項から第７項のいずれか１項に記載のペース
メーカー用の移植可能な心臓内リード線。

９ リード線が、心室VDの内壁と接触するよう
に配置された第２電極４を含む長さβだけ第１導
体を越えて伸びる第２電気導体２を含むことを特
徴とする請求の範囲第３項から第８項のいずれか
１項に記載のペースーメーカー用の移植可能な心
臓内リード線。

明細書 本発明は請求の範囲第１項の前文に示されてい
るタイプの移植可能な心臓内リード線に関するも
のである。

ペースメーカー・ボツクスから心臓に刺激パル
スを伝達するためまたは心臓自体の脈拍をペース
メーカー・ボツクスに供給するため、この種の数
多くのリード線が公知となつている。

心耳電極と心臓組織との間に確実な接触を成立
させるために、リード線上またはリード線内に設
けられ且つ鈎、釣針等のあごまたはねじ状の多数
の手段が開発されている。これらの手段は、心臓
組織内に貫通し且つ電極を担持してそれにより心
臓組織との接触を確立するように患者の身体の外
側から操作するのに適している。

このような手段に伴なう欠点は、これらがたや
すく心臓組織を損傷し、また容易にゆるんでしま
うために心臓組織との必要な確かな接触が危くな
ることがありうるということである。

本発明の目的は、組織を引裂く手段を使わずに
心耳電極と心臓組織との間に良好な接触を確立で
きるようなこの種の移植可能な心臓内リード線を
提供することである。

本発明に従えば、この目的は前述の、また添付
の請求の範囲から明らかである特徴を有するタイ
プのリード線により実現される。

添付の図面を参照しながら、以下に本発明をよ
り詳細に説明する。

第１図は本発明によるリード線を移植した人間
の心臓の縦断面図である。

第２図は第１図の線−に関する断面図であ
る。

第３図はリード線の一部（第１図の）の拡大
図である。

第１図は、穿刺された頚静脈等の人体導管（図
示せず）を介して、また上大静脈VCS（vena
cava superior）を介して人間の心臓内に移植さ
れた血管内心臓内リード線１を示す。第３図を参
照すると、リード線の第１図の部分が拡大して
示されている。リード線１は、考えられている目
的に従来使われているある種の金属または金属合
金、すなわち白金／イリジウム合金等でできてい
る２つの可撓性でらせん形の同心に配置された導
体２および３を具備している。内側導体２はその
遠位端において、右心室VD（ventriculus
dexter）の尖端と接触している電極４に接続され
ている。外側導体３は、内側導体２の遠位端の上
流にあるその遠位端においておよび遠位端に隣接
して、リード線１の長手方向に間隔をおいて配置
され且つ右心耳AD（atrium dexter）の内壁すな
わち心内膜と接触して心臓の脈拍を受信する心耳
電極５に接続されている。

導体２，３はその近位端において、電極５によ
り発信された心臓の脈拍に応答して心臓刺激パル
スを発生し且つ発生したこれらの心臓刺激パルス
を電極４を介して右心室VDに伝達する移植可能
な心臓刺激回路に接続することができる。図示さ
れているリード線１は、このようにAVを部分的
にまたはAV全体をブロツクした状態で人間の心
臓を心耳制御心臓刺激するのに適している。

鎧装６，７が導体２，３の周囲に形成されてい
る。内側鎧装６は内側導体２をその近位端から電
極４まで包み、且つ前記内側導体を外側導体３か
ら分離している。外側鎧装７は、前記近位置から
見たとき、外側導体３の近位置から第１心耳電極
５までのびる連続する部分と、外側導体３を包
む、いくつかの間隔をおいて離れた継続する部分
とから構成され、これらの部分の間には他方の心
耳電極５が突出している。心耳電極はリング形
で、その上縁部と下縁部においてたとえばハンダ
付けにより外側導体３に電気接続され、且つ導体
２，３と同じ白金／イリジウム合金等の組織適合
性材料から作られている。

鎧装６，７はシリコンゴム等の組織適合性の電
気絶縁エラストマーからつくられている。内側鎧
装６は、心耳AD内に位置すべき長さの部分にわ
たつて管となるように成形されるときに、ループ
または１巻きのコイイル８と前記コイル上に接続
し且つ心耳電極５を含む湾曲部分９の形を与えら
れている。コイル８は図示されている通り右巻き
とすることができる。すなわちリード線１の遠位
端に向かつて見れば左巻きとなる。コイルは開い
ている、すなわち第２図からわかるようにリード
線１とコイルとの交差が２つの高さで起こり、ま
たコイルの直径すなわち最大横断面はコイルの下
流にあるリード線１の部分が大静脈VCSを通つ
て外方へ動かないようなものである。ループ状を
なすコイル８の下部からリード線の上部を含む平
面と、コイル８の下部から上部を通つて湾曲部分
９に至るリード線の部分を含む平面とは、所定角
度、例えば45゜をなすように、コイル８の交差箇
所は互いに所定間隔を有して離間している。即
ち、このコイル８は閉じたループではなく開いた
ループとなつている。湾曲部分は、その湾曲の中
心がリード線１の、直接に接続しているループ部
分の湾曲の中心と同じ側に位置するようにコイル
８とゆるやかに接合している。部分９の湾曲は、
少なくとも１つの心耳電極を介することにより前
記部分が確実に心耳AD内の心内膜に接触し且つ
心内膜にわずかに押付けられるようになつてお
り、第１図から明らかであるようにおよそ心耳
AD内の大静脈VCSの口から三尖弁TKまでのか
なり大きい距離αにわたつて心内膜の全体的な湾
曲に沿つているのが好ましい。これは、リード線
１の固有弾性により上述の押付けが実際に行なわ
れるように湾曲部分９の寸法を幾分大きめにする
ことにより実現される。

内側鎧装６にはまつすぐな状態の管を押出成形
することにより部分８および９を設けることがで
きるが、その際加硫の前にこの管の離型剤を備え
たジグ内に配置するかまたはリード線部分８，９
に関して希望する形（第１図を参照）と同一の形
状のワイヤ型の上を通す。次にジグ内または型上
で管を加硫する。その結果できた（所望の形を与
えられ且つ導体を挿入できるように気体を利用し
て任意に拡張された）管内に内側導体２を挿入し
た後、また管を環状電極５を取付けた導体３上へ
通した後電極５の間およびそれを越えた外側導体
３全体にわたつて外側鎧装７を成形することがで
きる。

加硫を行なつた後、リード線１はコイル巻き８
および湾曲部分９の形に弾性的に付勢され、リー
ド線１はまつすぐにされた後でも第１図および第
２図に図示されている前記所望の湾曲を回復する
ことができ、コイル８および湾曲部分９を有す
る。これらの部材８，９の両側のリード線部分は
付勢されていない。

リード線１は電極４および５を心臓内に挿入す
る前および間はまつすぐにしなければならない。
このために、比較的堅い金属の針金１０が導体２
により規定されるリード線１内の中央開口中に導
入され、電極４まで上方へ動かされる。前記針金
１０は、同時にループまたはコイル８および湾曲
部分９をまつすぐにする装置として、また心室電
極４を心臓尖端へ案内するための心室電極案内手
段として働く。前記電極４が正しい位置に置かれ
た後、針金１０と同時に繰出されたリード線は人
体導管たとえば頚動脈等の中の穿刺孔を通つて引
込まれ、針金１０は前記穿刺孔を通して完全に引
込むことができる。説明したこのばね付勢によ
り、リード線１は第１図および第２図に図示され
た形状にされる。リード線１がこの形をとつてい
るため心耳電極５は心臓が動いているときでも心
耳の心内膜を必ず圧迫し且つコイル８は心臓内に
位置しているリード線１の部分が大静脈VCSを
通つて出て行くのを防ぎ、その結果電極の先端が
心室VDの下方尖端に必ず接触するようになる。

このように、コイル８は心臓の運動を吸収し且
つこれらの運動をリード線１の他の部分に伝達し
ない部分として働くということが認められるであ
ろう。

心臓内のリード線はばねにより偏倚されている
ため、第１図に図示した点において心臓との接触
を保つている電極４および５と同時に心臓の運動
に加わる。ループまたはコイル８はリード線１が
心臓の運動が原因となる応力を受けないようにし
ている。

第３図に示したように、希望に応じて環状磁石
１１を各々のリング電極５またはいくつかの前記
リング電極５の内側に放射状に広がる環状空間内
に配置することができる。前記磁石１１は、フイ
ブリンがリード線上に沈殿するまで電極５を心筋
に固定するために患者の身体の外側に配置された
磁石と共働させることができる。

同様に、リード線１はフイブリンが沈殿するま
で電極４が心室VD内の心筋と接触状態を維持す
るようにリード線の遠位置の付近に磁石を含むこ
とができるが、これはすべて私の米国特許第
4162679号に従つている。

図示されている複数の心耳電極は必要ではな
い。これは湾曲部分９内の２〜３のまたは単一の
心耳電極５と置換えてもさしつかえない。その場
合、電極５は前記部分の、右心耳AD内の心内膜
と必ず接触が得られるような点に配置されてい
る。

ループまたはコイル８および湾曲部分９の寸法
は、人間の心臓の模型で決定するのが好ましい。
しかしながら次にあげる寸法は成人の心臓に関し
ては１つの指針として役立つ。湾曲部分９の長さ
α＝32mm、ほぼ三尖弁TKの位置における湾曲部
分９の遠位端からリード線の遠位端までの距離β
＝85mm、ほぼ円形のコイル８の直径γ＝22mm、心
耳AD内の大動脈VCSの口とコイルの最下部との
間の距離δ＝15mm、コイルにおける交差間隔ε＝
25mm、部分８および９の全長＝130mm。

これに代わるべきリード線１の実施例（図示せ
ず）はらせん形の導体２および３が並列して配置
され且つ導体３が鎧装のない心耳電極５を具備し
ていることを除いては各々の導体が鎧装６および
７に包まれているような条片リードである。導体
２および３は鎧装６および７より堅い材料から成
り且つ鎧装６および７に沿つてその長手方向に可
動である共通のカテーテル・カバーにより鎧装
６，７と共に封入されていても良い。導体２は電
極４を右心室VD内へ案内するためのガイドワイ
ヤを備えていても良く、前述のように導体３の鎧
装７はばねで付勢されている。カテーテル・カバ
ーは図示されている実施例の針金１０と同様にま
つすぐにする機能を果たし且つ心臓内に移植した
後は鎧装７および導体３がゆるんだ形を回復する
ように引込めることができる。

鎧装６，７のいずれかまたは２つの鎧装６およ
び７の代わりに、電気導体２，３を所望の（第１
図に図示されている）形のコイル８と湾曲部分９
に付勢することができるが、製造されたまつすぐ
な状態でらせん形導体を従来の方法でリード線１
用の所望の形のジグ内に配置し、加熱し、その後
復元力を得るためにこれらの導線を冷却する。電
気導体を有し且つ心耳電極により心耳と接触する
ためコイルおよび／またはループの形を有するリ
ード線１はもちろん心耳のみを刺激するために心
室電極の助けなしに利用することができる。