JPS6243673Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ワークのシーム溶接を行なうととも
に、シーム溶接したワークを次工程に搬出するシ
ーム溶接機のアンローデイング装置に関するもの
である。

従来、この種のシーム溶接機では、ワークのシ
ーム溶接は自動化されているが、シーム溶接した
ワークを次工程に搬出する際には、作業者が人力
によりワークを取出すようにしていたため、非能
率な問題であつた。

本考案は、かかる問題に鑑みてなされたもので
あつて、シーム溶接機からのワークの搬出（アン
ローデイング）を自動化し、省力化を図つたシー
ム溶接機のアンローデイング装置を提供すること
を目的としている。

このため、本考案においては、ワークを支持可
能なローラガイドを、Ｘ字状に組合せた第１、第
２リンクにより上下に揺動可能に支持するととも
に、第１、第２リンクを立上げる際、ローラガイ
ドをワークの搬出方向に傾斜させるように第２リ
ンクをガイドするカムを設け、ワークの溶接部を
電極から引き出しつつ、ローラガイドの傾斜でワ
ークを次工程に搬出するようにしたことを基本的
な特徴としている。

以下、図示の実施例に基づいて本考案を具体的
に説明する。

第１図において、１は上、下一対の円盤電極
２，３を備えたシーム溶接機、４は上、下ケース
５，６の周縁フランジ５ａ，６ａをシーム溶接し
て一体化するフユーエルタンク等のワーク、７は
ワーク４の下部外周部を不動に嵌合する嵌合枠８
を上部に備えたワーク保持台、９はシーム溶接機
１の本体から水平方向に突出したガイドバー１０
によつて水平方向に変位自在に支持され、自由端
部に固定した軸受筒１１によつて、ワーク保持台
７の台板７ａの中心部に上端を固定した垂直方向
の回転軸１２を軸受して、ワーク保持台７全体を
水平面内で回転自在に支持する支持台である。

上記ワーク保持台７の台板７ａの下面にはワー
ク４の周縁フランジ５ａ，６ａに対応した周形状
を有する枠状のカム治具１３を取付け、シーム溶
接機１の本体に設けたブラケツト１４上に設けた
ガイドプレート１５及びカムフオロア１６によつ
てカム治具１３の内外を案内することにより、保
持したワーク４の周縁フランジ５ａ，６ａを一対
の円盤電極２，３に対して正しい溶接位置を保ち
つつ水平面内において案内する。

一方、１７はワーク保持台７のシーム溶接機１
とは反対側側方に設置したローラシユート１８
に、溶接終了後、ワーク４を滑動させるため多数
のローラ１９を並設支持し、かつ、その前端部に
ワーク４に対するストツパ１７ａを突設したロー
ラガイド、２０，２１はローラガイド１７の昇降
を行なうべくＸ字状に組合わされた両側一対の第
１、第２リンク、２２はワーク４のアンローデイ
ングに際して第１、第２リンク２０，２１を作動
させるため、前記支持台９の軸受筒１１の側壁に
固定した取付板２３によつて垂直上向きに支持し
たエアシリンダである。

上記第１リンク２０はワーク保持台７の台板７
ａ上に第１図の左右方向に設置したガイドレール
２４のローラシユート１８側端部に第１リンク２
０の後端部２０ａが軸２５によつて回動自在に連
結され、第１リンク２０の前端部２０ｂは、ロー
ラガイド１７のシーム溶接機１側下面に突設した
耳部１７ｂにピン連結されている。

また、第２リンク２１は第１リンク２０の中間
部にその中間部がピン連結され、その先端部２１
ａに取付けたローラ２７がガイドレール２４によ
つて前後方向にガイドされており、後端部２１ｂ
には、その上側に案内ローラ２８を支持してお
り、後端部２１ａに近い個所には、エアシリンダ
２２のピストンロツド２２ａの上端に固定した押
上ヘツド２２ｂを受合う断面山形の受合部材２６
を取付けている。

この案内ローラ２８に対しては、ローラガイド
１７の下側に板カム２９を固定し、案内ローラ２
８の上下動に際してローラガイド１７を垂直面内
において傾動させる。この板カム２９は後端部に
近い部分に断面山形のカム部を備え、ローラガイ
ド１７を第１図の実線で示す下降位置イから仮想
線ロで示す上昇位置まで上昇させる際、前向きの
傾斜から後向きの傾斜に傾斜姿勢を変化させると
同時に、ワーク４の周縁フランジ５ａ，６ａを一
対の円盤電極２，３の間から後側、即ちローラシ
ユート１８側に引出すようにローラガイド１７の
上昇をガイドする。

なお、第１図において、３０はワーク保持台７
の支持高さを調整するための調整用ネジで、この
ネジ３０を操作することにより、回転軸１２を上
昇もしくは下降させる。

上記ワーク４の溶接に際しては、第１図に実線
で示すように、ローラガイド１７をワーク保持台
７の嵌合枠８より下方の下降位置イに下降させ、
嵌合枠８に嵌合保持したワーク４の周縁フランジ
５ａ，６ａを下側の円盤電極３に当てがつた状態
で、上側の円盤電極２を下降させて周縁フランジ
５ａ，６ａを挟持し、上、下の円盤電極２，３を
回転させつつ、両電極２，３間に溶接電流を流し
て、シーム溶接を行なう。

この溶接は、第２図に示すように、ローラシユ
ート１８の方向にワーク４の長手方向を一致させ
た状態で開始し、、第１図において説明したよう
に、カム治具１３をガイドプレート１５及びカム
フオロア１６によりガイドすることによつて、ワ
ーク４の周縁フランジ５ａ，６ａの全周をシーム
溶接する。

シーム溶接が完了すると、上側の円盤電極２は
上方に持上げてワーク４の周縁フランジ５ａ，６
ａの挟持を解除し、同時に、エアシリンダ２２を
作動させて、押上げヘツド２２ｂをワーク保持台
７の台板７ａに開設した穴７ｂから上方に突出さ
せ、第２リンク２１に固定した受合部材２６を押
上げる。この押上げにより、第２リンク２１に連
係する第１リンク２０は軸２５の廻りで第１図の
時針廻りに回動して立上り、ローラガイド１７を
次第に持上げる。この第１リンク２０の立上りに
連係して、第２リンク２１は前端部に支持したロ
ーラ２７がガイドレール２４によつて後方にガイ
ドされ、後端部に支持した案内ローラ２８によつ
て、ローラガイド１７に固定した板カム２９の後
端部を持上げる。

このローラガイド１７は、上昇の初期にワーク
４の下面に当接してワーク保持台７の嵌合枠８か
らワーク４を押上げる。このワーク４の押上げに
際しては、ローラガイド１７が上昇しつつローラ
シユート１８側にも変位されるため、ワーク４の
周縁フランジ５ａ，６ａは一対の円盤電極２，３
間から引出される。

ローラガイド１７の上昇の後期には、第２リン
グ２１の後端に支持した案内ローラ２８がカム板
２９のカム部に入り込み、これによつてローラガ
イド１７を後向きに傾斜させて、最終的に、第１
図に仮想線ロで示す上昇位置にローラガイド１７
を上昇させる。この段階では、ローラガイド１７
はローラシユート１８の延長線上に位置し、ロー
ラガイド１７上のワーク４はその自重により多数
のローラ１９のガイドで後方に自然に滑動し、ロ
ーラシユート１８上に乗り移つて、次工程に搬出
される。

シーム溶接したワーク４のアンローデイングが
終ると、エアシリンダ２２は下降され、ローラガ
イド１７は下降位置イまで下降して、次のシーム
溶接のために退避し、ワーク４のローデイングを
待つて、次のシーム溶接を行なう。

以上の説明から明らかなように、本考案は、第
１、第２リンクによつてローラガイドを昇降自在
に支持するとともに、ローラガイドをその上昇位
置において載置したワークの搬出方向に傾斜させ
るカムを設け、ワークのシーム溶接部を一対の電
極間から引出しつつ、上昇させ、最上昇位置でロ
ーラガイドの傾斜によりワークを搬出するように
したシーム溶接機のアンローデイング装置を提供
するものである。

本考案によれば、ワークのアンローデイグを自
動化することができ、省力化を図ることができる
効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部断面側面
図、第２図は第１図の平面図である。 １……シーム溶接機、２，３……円盤電極、４
……ワーク、７……ワーク保持台、９……支持
台、１７……ローラガイド、２０……第１リン
ク、２１……第２リンク、２２……シリンダ、２
８……案内ローラ、２９……板カム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支持台に水平面内で回転自在に支持されたワー
   ク保持台と、この保持台の側方に配設した上下一
   対の円板状回転電極とを備えたシーム溶接機にお
   けるアンローデイング装置であつて、ワーク保持
   台に後端部を枢着した上下に揺動可能な第１リン
   クと、この第１リンクの中間部に中間部が垂直面
   内で回転可能に枢着され、前端下部がワーク保持
   台の水平案内面で案内される第２リンクと、ワー
   ク下面を支持可能な多数のローラが並設されかつ
   第１リンクの先端部に前部が上下に揺動可能に枢
   着されたローラガイドと、支持台に取付けられ、
   かつピストンロツドの伸長により第２リンクの後
   部を押上げ可能なシリンダと、上記第２リンクの
   後部に取付けた案内ローラと接するようにローラ
   ガイドに固定され、ローラガイドに上昇させたと
   きにローラガイドの後部を前部より下方に下げる
   ようにカム面が形成されたカムとからなり、ロー
   ラガイドの上昇にともなつてローラガイドを後退
   させつつ傾斜させるようにしたシーム溶接機のア
   ンローデイング装置。