JPS6240105Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スロー燃料通路およびメイン燃料通
路を有する気化器付エンジンの燃料供給制御装置
に関するものである。

従来より、例えば実開昭53−101926号公報に示
されるように、エンジンの減速運転状態におい
て、未燃焼成分HC，COの排出を抑制するため
に、スロツトルバルブを若干開いて吸入空気量を
増加し、充填効率を向上するようにしたスロツト
ルポジシヨナもしくはスロツトルオープナ等の減
速制御装置の技術は良く知られている。

また、一般に気化器は、スロツトルバルブの開
度が小さいときに燃料を供給するスロー燃料通路
と、スロツトルバルブが一定開度を越えてから燃
料を供給するメイン燃料通路とを備えているもの
である。しかして、上記のような減速制御装置を
備えたものにおいては、第３図に示すように、減
速制御装置によつてスロツトルバルブが若干開か
れた状態において、スロー燃料通路から供給され
るスロー燃料に加えてメイン燃料通路からメイン
燃料が流出供給される初期領域Ａに移行すること
になり、エンジン運転が不安定となる問題を有す
る。

また、減速時においてエンジンの運転状態が上
記初期領域Ａに入るのは、上記のようなスロツト
ルポジシヨナもしくはスロツトルオープナ等によ
るもののほか、アクセルペダルが操作されている
減速時においてスロツトルバルプが全閉状態より
若干開作動されて上記初期領域Ａに入る場合もあ
り、この場合も上記と同様の問題を有するもので
ある。

すなわち、メイン燃料が流出供給される初期領
域Ａにおいては、ベンチユリ負圧も小さくメイン
燃料は定常定量的供給が行われず、不均等な流出
となる結果、エンジン運転が不安定となるととも
に、エミツシヨン性能に悪影響を与える不具合を
有する。

本考案はかかる点に鑑み、スロー燃料通路およ
びメイン燃料通路を有する気化器を備えたものに
おいて、スロツトル弁が全閉状態より所定開度開
かれている、減速時でかつ上記メイン燃料通路の
燃料が流出し始める初期領域にあるとき上記メイ
ン燃料通路からの燃料の流出を制限する燃料流出
制限装置を設けてなる気化器付エンジンの燃料供
給制御装置を提供し、流出が不均等となつている
メイン燃料通路からの燃料の流出を抑制して流出
の安定しているスロー燃料通路からの燃料を主体
としてエンジン運転を安定化し、エミツシヨン性
能の向上を図るものである。

以下、本考案の実施例を図面に沿つて説明す
る。第１図において、１は１次側の吸気通路１Ａ
と２次側の吸気通路１Ｂとを有する気化器で、１
次側の吸気通路１Ａにおいて、２および３は主ベ
ンチユリおよび副ベンチユリ、４は主ベンチユリ
２の下流に設けられた１次側のスロツトルバル
ブ、５は幅ベンチユリ３の上流に配設されたチヨ
ークバルブである。

また、６は減速時に上記スロツトルバルブ４を
所定開度に開くダイヤフラム装置で、スロツトル
バルブ４に連係されたレバー７に係合するロツド
６ａの基端が、ダイヤフラム６ｂに支持され、こ
のダイヤフラム６ｂによつて区画された負圧室６
ｃにスプリング６ｄが縮装されるとともに、この
負圧室６ｃにスロツトルバルブ４下流の吸気通路
１Ａの吸気負圧を導入する負圧導入通路８が接続
され、この負圧導入通路８の途中に三方ソレノイ
ドバルブ９が介装されている。該三方ソレノイド
バルブ９は後述の制御回路１０からの駆動信号に
よつて切換作動し、通常は負圧室６ｃを大気開放
しており、ロツド６ａはスプリング６ｄによつて
突出位置にあり、スロツトルバルブ４は実線で示
す全閉状態に閉動可能である一方、三方ソレノイ
ドバルブ９の作動時には、負圧室６ｃに吸気負圧
を導入し、この負圧によつてスプリング６ｄに抗
してロツド６ａを引つ張り、スロツトルバルブ４
の最低開度を鎖線で示す設定開度に規制するよう
に、すなわちアイドリング状態にあるスロツトル
バルブ４を若干開くように作動するものである。

一方、前記気化器１において、１１はフロート
室１２からメインジエツト１３を介して副ベンチ
ユリ３のメインノズル１４に開口するメイン燃料
通路、１５は該メイン燃料通路１１に連通するメ
インエアブリード、１６は上記メイン燃料通路１
１から分岐しスロージエツト１７を介してスロツ
トルバルブ４近傍のスローポート１８およびアイ
ドルポート１９に開口するスロー燃料通路、２０
は該スロー燃料通路１６に連通するスローエアブ
リード、２１はアイドルポート１９に対して配設
されたアイドルアジヤストスクリユーである。

なお、２２，２３，２４および２５は、２次側
吸気通路１Ｂに介設された２次側のスロツトルバ
ルブ、主ベンチユリ、副ベンチユリおよびメイン
ノズルである。

さらに、２６はメイン燃料が流出し始める初期
領域Ａにあるときメイン燃料通路１１からの燃料
流出を制限（減量もしくは停止）する燃料流出制
限装置であり、この燃料流出制限装置２６はメイ
ンエアブリード１５と同様にメイン燃料通路１１
に連通する開放通路２７と、該開放通路２７を開
閉する弁体２８を備えたソレノイドバルブよりな
るアクチユエータ２９とを有する。該アクチユエ
ータ２９は後述の制御回路１０からの駆動信号に
よつて応動スイツチ３０が閉成したときに電源Ｂ
に接続されて作動し、開放通路２７を開くもので
あつて、該開放通路２７によつてメイン燃料通路
１１を幅ベンチユリ３上流の吸気通路１Ａに開放
し、メイン燃料通路１に作用するベンチユリ負圧
をリークして、メインノズル１４からの燃料流出
を制限するものである。

制御回路１０は、回転数センサー３１およびア
クセルペダルスイツチ３２からの信号を受けて前
記三方ソレノイドバルブ９およびアクチユエータ
２９の作動を制御するものであり、減速時にダイ
ヤフラム装置６を作動させてスロツトルバルブ４
を所定開度に開く一方、減速時でかつアクセルペ
ダル非操作時に燃料流出制限装置２６のアクチユ
エータ２９を作動させるべく応動スイツチ３０を
閉成して、メイン燃料通路１１らの燃料流出を制
限するよう構成されている。

上記制御回路１０は第２図に示すように、回転
数センサー３１からのエンジン回転数信号は、第
１および第２比較回路３３，３４に入力され、第
１比較回路３３において検出回転数を第１設定値
発生回路３５からのアイドリング回転数（例えば
700rpm）に相当する第１設定値と比較し、検出
回転数がこの第１設定値より大きいときに、第１
比較回路３３は信号を第1AND回路３７に出力す
る。一方、第２比較回路３４においては、検出回
転数を第２設定値発生回路３６からのアイドリン
グ回転数より若干大きい回転数（例えば
1300rpm）に相当する第２設定値と比較し、検出
回転数がこの第２設定値より大きいときに、第２
比較回路３４は、三方ソレノイドバルブ９に作動
信号を出力するとともに、第2AND回路３８に信
号を出力する。また、アクセルペダルが操作され
ていない状態をアクセルペダルスイツチ３２の閉
成により検出し、この信号が第1AND回路３７に
入力される。この第1AND回路３７の出力が第
2AND回路３８に出力され、該第2AND回路３８
の出力信号が前記燃料流出制限装置２６のアクチ
ユエータ２９に出力されるものである。

上記制御回路１０において、第1AND回路３７
の出力信号は、エンジン回転数がアイドリング回
転数（700rpm）以上でアクセルペダルが操作さ
れていないこと、すなわち減速時を示し、この第
1AND回路３７の信号と第２比較回路３４からの
エンジン回転数が第２設定値（1300rpm）以上の
信号とによつて第2AND回路３８からの信号が出
力されるものである。

上記実施例の作用を説明すれば、減速時でかつ
エンジン回転数がアイドリング回転数より大きい
第２設定値（1300rpm）を越えた運転状態にある
ときは、三方ソレノイドバルブ９の作動により、
ダイヤフラム装置６によつてスロツトルバルブ４
は所定開度まで開作動されて、吸入空気量の増大
を図つて充填効率の向上により失火対策を行う。

よつて、第３図に示すように、スロツトルバル
ブ４が全閉時の減速運転状態においてはスロー燃
料通路１６からのスロー燃料だけの供給であつた
ものが、スロツトル開度の増大によりスロー燃料
に加えてメイン燃料通路１１から流出するメイン
燃料が供給開始される初期領域Ａに移行すること
になるが、制御回路１０の第2AND回路３８から
の信号が燃料流出制限装置２６のアクチユエータ
２９を作動させ、メイン燃料通路１１からのメイ
ン燃料の供給を制限してエンジン運転の安定化を
図る。

上記燃料流出制限装置２６によるメイン燃料の
制限は、アクセルペダル操作されたときに解除さ
れるものであり、メイン燃料の供給によつて燃料
の追随性を向上し走行性確保する。なお、上記メ
イン燃料の制限によりメイン燃料通路からの燃料
供給量は減少するが、減少するメイン燃料量をま
かなえるように予めスロー燃料量を設定しておけ
ば全体として必要な燃料量が得られ問題はない。
また、三方ソレノイドバルブ９は減速時以外でも
エンジン回転数が第２設定値（1300rpm）以上で
作動しているが、これが実質的に作用するのは減
速時のみである。

本考案は上記実施例の構造に限定されるもので
はなく種々の変形例を包含している。すなわち、
燃料流出制限装置２６としては上記アクチユエー
タ２９によるもののほか、直接メイン燃料通路１
１を開閉するようにしてもよい。また、減速時に
吸入空気量を増大するダイヤフラム装置６につい
ても、公知のスロツトルオープナ、スロツトルポ
ジシヨナ等の減速制御装置が適宜採用可能であ
り、例えば、スロツトルバルブ４をバイパスする
通路を設け、この通路の開放により吸入空気量を
増量するようにしたものでもよい。

さらに、上記実施例における回転数センサー３
１もしくはアクセルペダルスイツチ３２に換えて
車速および吸入負圧を検出するもの、またはスロ
ツトルバルブ開度もしくは吸入空気量を検出する
ものを使用してもよく、また、アクセルペダルが
操作されている減速時においてスロツトルバルブ
４が全閉状態より若干開作動されている運転状態
もあり、このときにおいても燃料流出制限装置２
６を作動させてメイン燃料の排出を制限するよう
にしてもよい。

以上説明したように、本考案によれば、スロツ
トル弁が全閉状態より所定開度開かれている減速
時でかつメイン燃料通路の燃料が流出し始める初
期領域にあるときメイン燃料の流出を制限する燃
料流出制限装置を設けたことにより、燃料の定常
定量的供給によつてエンジン運転を安定化するこ
とができ、エミツシヨン性能の改善が行えるま
た、上記減速時の燃料は主としてスロー燃料通路
より供給されるので、減速状態からアイドル状態
又は通常運転状態への移行に際しても安定した燃
料供給を行え、良好なエンジン運転性を確保する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施態様を例示する全体構成
図、第２図は制御回路のブロツク図、第３図はス
ロツトルバルブ開度と燃料流出量との関係を示す
特性曲線図である。 １……気化器、１Ａ……吸気通路、４……スロ
ツトルバルブ、６……ダイヤフラム装置、８……
負圧導入通路、９……三方ソレノイドバルブ、１
０……制御回路、１１……メイン燃料通路、１４
……メインノズル、１５……メインエアブリー
ド、１６……スロー燃料通路、２０……スローエ
アブリード、２６……燃料流出制限装置、２７…
…開放通路、２９……アクチユエータ、３１……
回転数センサー、３２……アクセルペダルスイツ
チ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スロー燃料通路およびメイン燃料通路を有する
   気化器を備えてなるエンジンの燃料供給制御装置
   において、スロツトル弁が全閉状態より所定開度
   開かれている減速時でかつ上記メイン燃料通路の
   燃料が流出し始める初期領域にあるとき上記メイ
   ン燃料通路からの燃料の流出を制限する燃料流出
   制限装置を設けたことを特徴とする気化器付エン
   ジンの燃料供給制御装置。