JPS6238992B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

この発明は、野球のバツトのスウイング面の仰
角と、高さと、バツトの速度を測定するスウイン
グ測定方法に関するものである。 従来、屋外で使用可能なこの種の測定器がなか
つたため、野球選手の育成には雨天練習場内に特
別な管理区域を設け十分な安全管理のもとに練習
を実施せざるを得ず、育成効率を上げることが容
易でなかつた。 この発明はこのような点にかんがみてなされた
もので、ホームベースと対応する位置に指向性の
するどい光線を発生するレーザ発振器を配置する
とともに、バツトからの反射光を受光するための
受光素子と光学系を設け、屋外において選手とバ
ツトのいずれにも非接触で、バツトのスウイング
面の仰角と高さとバツトの速度を測定できるよう
にしたものである。以下、図面を用いて詳細に説
明する。 第１図は、この発明の動作原理を説明するため
の図である。図において１は指向性のするどい光
線を発射するレーザ発振器と、このレーザ発振器
の出力光を投射するための光学系とバツトからの
反射光を受信するため受光素子とこれらの要素を
固定するための機構と回路部品を内包するホーム
ベースの形状をしたセンサ部、２はセンサ部から
垂直上方に投射される第１の光線、３は後述の第
４の光線とセンサ部１より上方ｈ（約１ｍ）の距
離にて交差する第２の光線、４は第１の光線とセ
ンサ部１の上方ｈの距離で交差する第３の光線、
５は第１の光線２と距離２ａ（数10cm）へだたつ
たところからセンサ部１に垂直方向上方に射出さ
れる第４の光線、６はバツトのスウイング面の上
記４本の光線により決定される鉛直面との交線で
ある。また、７から１０までの小孔は第１の光線
２から第４の光線５が射出される孔である。 いま、第１の光線２と第３の光線４の交点を
Q₁とし、その座標をａ，ｈと表わし、第２の光
線３と第４の光線５の交点をQ₂としその座標を
−ａ，ｈと表わし、更に交線６の水平面とのなす
角をθ、交線６のQ₁とQ₂の垂直２等分線との交
点の高さをh′とする。また、交線６と第１から第
４の光線の交点をP₁からP₄とするとそれらの座標
は以下のように表わされる。なお、第２図は上述
の内容の理解を助けるための図である。

【表】 以上のように記号をつけると線分_{1 2}と線分
_{2 4}と線分_{1 3}と線分_{3 4}と_{1 4}の長さは以下
の
ようになる。

【表】 ここで、線分_{1 2}と線分_{2 4}の比r₂と線分_{1 3}
と線分_{3 4}の比r₃を以上に示した式を用いて表わ
すと第(6)式と第(7)式となる。

【表】 上記(2)式から明らかなようにr₂とr₃を計測すれ
ばａとｈは装置定数であるからh′とθつまり、バ
ツトのスウイング面の高さと地面に対する傾斜角
度を知ることができる。更に、第(5)式を次式のよ
うに変形すれば、第１の光線と第４の光線を横切
る時刻の差から、先に求めたθを用いることによ
り、バツトのスウイング速度Ｖを知ることができ
る。 線分_{1 4}＝ｖ・△ｔ ＝2a・（１＋tan²θ）^1/2 ……(8) 以下の３つの式はh′とθとｖを測定量r₂，とr₃
と△ｔ及び装置定数ｈとａを用いて直接的に表わ
したものである。 h′＝ｒ_２・ｒ_３−２ｒ_３＋１／２（ｒ_２−ｒ_３）・ｈ
…(9) θ＝tan^-1（１／ｒ_３−１（（r₃＋１） ・ｈ′／ａ−r₃・ｈ／ａ）） …(10) ｖ＝２ａ／△ｔ√１＋² …(11) 以上のべて来たところは、この発明のもととな
る原理であつたが以下では、h′とθとｖを求める
に必要なr₂とr₃と△ｔを計測する測定器の具体的
な構成と作用について説明する。 第３図はセンサ部１の内部における光学部品と
電気部品とレーザ発振器の配置を示す上面図であ
る。図において、１１は半透鏡、１２は全反射
鏡、１３はレーザ発振器である。上記の各要素間
をつなぐ直線はレーザ発振器１３の出力ビームを
示している。第４図はセンサ部１内部における光
学部品の配置の詳細を図として示したものであ
る。図において１４は入射レーザ光を２分するビ
ームスプリツトキユーブ、１６はセンサ部１の上
方においてバツトによつて反射されて射出孔の方
向に反射されたレーザ光を後述の光検出器に集光
させるためのレンズ、１５はレーザ発振器１３の
出力光に対してのみ高い透過率を有するフイル
タ、１７はレーザ光に対して高い感度を有する光
検出器である。 センサ部１がこのように構成されているから、
第２図に示した交線６の上をP₄からP₁の方向に野
球バツトが進行して来た場合には、第５図の如く
４つの光検出器に第１〜４の光線に対応して受信
信号１８〜２１が発生する。したがつて受信信号
２０と受信信号２１にある主たるパルスの間隔を
計測すればその値は原理説明図、すなわち第２図
の線分_{2 4}に比例しており、同じく線分_{1 2}に比
例した受信信号１８と受信信号２０の間隔との比
をとれば、第(6)式のr₂になることがわかる。第５
図中の２２は受信信号１８と受信信号２１の間隔
を示す選択されたクロツクパルスの例を示してお
り、クロツクパルスの数は、第(8)式の時間間隔△
ｔに比例している。 第４図においては、光検出器１７として同一の
形状をした４つの素子を採用しているが、生産性
を改善するためにはビームスプリツトキユーブ１
４と光検出器１７の間隔を伸長して２つないし１
つに減少させることが可能である。 また、これまでに説明した範囲では、第(9)式か
ら第(11)式に示したスウイングの３要素h′とθとｖ
の具体的計算法についてのべていないが、装置内
部でこの計算を実施するためにはデジタル計算機
によるのが妥当である。 以上のように、この発明に係るスウイング測定
方法によれば、ホームベースと対応する位置に配
置されたセンサ部に指向性のするどいビームを射
出するレーザ発振器１３と複数の光学部品とを組
み込んで４本の光ビームを射出し、その光ビーム
を野球バツトが横切る時間間隔が野球バツトの移
動速度、地面に対する傾斜角度、地面からの高さ
の３要素を決定できるもので、計測量が単に受信
信号の強弱であるという簡便さが利点である。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図はこの発明の原理説明図、第３
図と第４図はこの発明に係るスウイング測定器の
センサ部の光学部品の配置を主として示す図、第
５図はセンサ部の内部に設置された４つの光検出
器によつて、受信される信号の時間関係を示す図
である。 図において、１はセンサ部、２から５は４本の
光ビーム、６は４本の光ビームを含む面と野球バ
ツトのスウイング面との交線、９から１０は４本
の光ビームの射出される孔、１１は半透鏡、１２
は全反射鏡、１３はレーザ発振器、１４はビーム
スプリツトキユーブ、１６はレンズ、１５はフイ
ルタ、１７は光検出器、１８から２１は４つの光
検出器の受信信号、２２はクロツクパルスの例で
ある。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ホームベースと対応する位置にセンサ部を配
   置し、その内部にレーザ発振器を備え、上記レー
   ザ発振器からの出力ビームを４分割し、そのうち
   の第１の光線と第４の光線の２本のビームを数10
   cmへだててセンサ部に垂直に射出させ、第２の光
   線と第３の光線の２本のビームのうちの一方であ
   る第２の光線を上記第１の光線とセンサ部表面の
   ほゞ同一の地点から射出させて、上記第４の光線
   とセンサ部の上方約１ｍの点で交差するように
   し、第３の光線を上記第４の光線とセンサ部表面
   のほぼ同一の地点から射出させて、上記第１の光
   線とセンサ部の上方約１ｍの点で交差するように
   し、野球バツトが上記４本の光ビームを横切る時
   刻の差から野球バツトのスウイング面の高さと傾
   斜角及び野球バツトのスウイング速度を計測する
   ことを特徴とするスウイング測定方法。