JPS6238832A - 複動自由ピストン機関 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は複動自由ピストン内燃機間に関するものである
。

従来一般の内燃機関においては、クランク型機間及びガ
スタービン等の回転型のものが主流であって、何れも高
出力を得るため、高速回転で運転する際に、回転部分の
遠心力及び回転軸の曲げ振動並びに捩り振動による疲労
破壊に耐え得る高強度材料を要し、自ら高速化の速度限
界があり、また、回転型の機関及び作業機器の宿命的欠
陥として機関外へ露出した回転部分における繊維及び毛
髪などの絡みつきによる巻き込み事故の危険性があり、
これら回転型機関の回転速度限界の問題と巻き込み事故
の危険性のない往復動型自由ピストン機関の実用化が待
望されている。　また、クランク型機関は、ピストンの
往復運動をクランクにより回転運動に変換して出力する
が、これによって駆動される作業機は必ずしも回転運動
を必要とせず、往復運動を必要とするものに往復動型の
ポンプ、往復動型に構成した発電機及び各種の往復動作
業機等があり、これらをクランク型機間で駆動するとき
、回転出力を再び往復運動に変換して使用し、従って二
重の運動変換損失となって甚だ非合理的であるとの見地
から、往復運動を必要とする作業機にあってはピストン
の往復運動を変換することなくそのまま出力する自由ピ
ストン機関によって駆動することが提案されていて、例
えば、対向ピストン型自由ピストン機関と、西ドイツ国
のフランク争シュチル゛ンアー（Ｆｒａｎｋ　５ｔｅｌ
ｚｅｒ）の提案に係る串形配列２ピストン・２サイクル
自由ピストン機間とがあり、対向ピストン型のものにお
いては一対の単動ピストンを単一のシリンダー室内に縦
列に対向配設し、対向ピストンは夫々互いに反対の方向
に往復運動を行なうので各ピストンを互いに同期的に作
動するには機械的連動手段と反動ピストンのような行程
復帰手段とを必要とし、シコテルツアー提案のものは単
動型２シリンダー・２ピストン機関であって２個のピス
トンが中学状に連結されて両ピストンが交互に単動の作
動を反復して運転するので、機械的連動手段及び行程復
帰手段を必要としないが、これらの機関は何れも２個の
ピストンを必要とするため、ピストン系の往復運動部分
の質量は比較的大きく、ピストン系の往復運動による動
力損失が大きく、また、単一のシリンダーと単一のピス
トンとにより成る複動形の内燃機関は大型・低速のクラ
ンク形のものの実施例があるが自由ピストン形のものの
実施例はなく、殊に中・小型の高速のものは、高速運転
の際に発生する多量且つ高温の燃焼気体をピストンロッ
ドの往復摺動部分において洩れなく密封する密封手段が
必要であり、同宿動部分及び同部分の密封手段は燃焼気
体より高熱負荷を受けるため高温における耐摩耗性を確
保し難いとゆう致命的欠点があり、同摺動部分及び同部
分の密封手段の開発・製造及び保守に関する技術課題と
経費並びに手間の諸問題があって、はとんど実用化が断
念されている実情である。

本発明は、このような実情に鑑み、給気給配手段・消炎
領域設定手段・掃気手段及び排気手段を１夫々具備する
複動自由ピストン機関を構成し、給気給配手段により給
気を機関シリンダー両側部より交互に切り替え給配する
に、高速追従性のよいスプール弁を採用して円滑な高速
運転を可能とすることを目的とし、消炎領域設定手段に
より機関シリンダーヘッドのロッド孔内におけるピスト
ンロッドの往復摺動部及び同部分の密封手段周辺の端末
ガス（ｅｎｄ　ｇａｓ）部に燃焼気体よりの火炎伝播を
阻止する消炎領域（ｑｕｅｎｃｈ　ａｒｅａ）を設け、
同端末ガス部を低温に維持してノッキング（ｋｎｏｃｋ
ｉｎｇ）を抑制すると共に同往復摺動部を消炎領域によ
って高温の燃焼気体より隔離・遮断して低温に維持し、
同往復摺動部及び同部分の密封手段の耐摩耗性を確保し
て上記給気給配手段の構成を実用的に可能とすることを
目的とし、掃気手段及び排気手段により、掃気初期にお
いては機関ピストンヘッド中央部における給気層による
層状掃気を主体とし、給気の筒抜けを防止して掃気効率
を高くし、掃気後間においては層状掃気より漸次乱流を
伴なう混合掃気へ遷移して給気を均一に混合し、且つ圧
縮行程においては排気手段を通過流動する給気噴流によ
り燃焼室内給気の渦流形成を促進して燃焼性を改善し、
燃焼速度を高速とすると同時に同給気噴流の粘性抵抗に
よるダシュボット作用により機関ピストンの上死点位に
おける緩衝効果並びに機関作動中の防振効果を得ること
を目的とし、さらに単一のピストンと単一のシリンダー
による複動機関の構成により、往復運動部分の質量の軽
減を図って往復運動の動力損失を減じ、且つ一行一〇− 程当たり一回の燃焼動作を行ない、機関シリンダー行程
容積当たりの出力を一般の単動機関に比して倍増すると
共に、前記のような回転形機関及び従来の自由ピストン
機関の欠点並びに諸問題を解決することを目的とするも
のである。

これを更に詳細に述べると、機関シリンダーと給気ポン
プシリンダーとを縦列に連設し、機関シリンダーには円
筒状の機関シリンダー室両端部を覆うシリンダーヘッド
を設け、給気ポンプシリンダーには円筒状の給気ポンプ
シリンダー室両端部を覆うシリンダーカバーを設け、機
関シリンダー室内に機関ピストンを、また給気ポンプシ
リンダー室内に給気ピストンを夫々往復摺動自在に密封
嵌設することにより、該機関シリンダー室及び給気ポン
プシリンダー室を夫々二分室に区分し、各分室の機関シ
リンダーヘッド並びに給気ポンプシリンダーカバーには
夫々ロット孔を貫通穿設し、該ロッド孔には棒状のピス
トンロッドを往復摺動自−１〇− 在に密封嵌設し、該ピストンロッド中途には、機関シリ
ンダー室内の機関ピストンと、給気ポンプシリンダー室
内の給気ピストンとを、夫々のピストンヘッド中央部に
固設することによって機関ピストン・給気ピストン及び
ピストンロッドを小事状に連設し、機関シリンダー各分
室に夫々、給気を分室内へ供給し排気と入替え掃気する
掃気手段と、排気を分室外へ排出する排気手段と、掃気
積分室内上死点付近において圧縮した給気に点火する点
火手段とを具備するものにおいて、機関シリンダーヘッ
ドのロッド孔中途に掃気井孔を、また給気ポンプシリン
ダーカバーのロッド孔中途に給気弁孔な夫々配設し、ピ
ストンロッドには該掃気井孔に封部して同弁孔内におい
て往復摺動する部位付近に掃気スプール弁と給気弁孔ｔ
こ封部し同弁孔内において往復摺動する部位付近に給気
スプール弁とを夫々配設し、給気ポンプシリンダーに近
い側の掃気井孔と機関シリンダーに近い側の給気弁孔と
の間及び給気ポンプシリンダーに遠い側の掃気井孔と機
関シリンダーに遠い側の給気弁孔との間に夫々給気管を
連通配設して構成し、機関ピストン・給気ポンプピスト
ン及びピストンロッドの一体的往復行程に応じて給気弁
孔に封部する給気スプール弁並びに掃気井孔に封部する
掃気スプール弁を夫々同時に開口位または閉塞位に切り
替えることにより、給気ポンプシリンダー分室よりの給
気を給気管を通して機関シリンダー両分室へ交互に連通
または遮断して切り替え可能としたことを特徴として成
る給気給配手段を具備する複動自由ピストン機関に係り
、機関シリンダーヘッドに設けた前記ロッド孔の機関シ
リンダー分室への開口側位に、該ロット孔直径より大径
の掃気供給穴を同分室内へ開口穿設し、前記ピストンヘ
ッド中央部のピストンロッド固設部に該掃気供給穴直径
より小径であって、且つ筒形凸状のプランジャーを同掃
気供給穴側へ向けて凸段し、機関ピストンの往復行程と
共に掃気供給穴に該プランジャーを挿入・脱出可能とな
し、該掃気供給穴にプランジャーを挿入位となしたとき
、掃気供給穴とプランジャーとの間隙を消炎距離（ここ
に消炎距離とは平行二面間隙において混合気中を火炎が
伝播し得る両面間の最小距離である）より小寸法に定め
て成る消炎領域設定手段を具備する複動自由ピストン機
関に係り、前記掃気供給穴の機関シリンダー分室への開
口部周縁より成る固定周縁と、機関ピストンの往復行程
と共に変位可能としたプランジャー凸端周縁より成る可
動周縁とにおいて、機関ピストン及びプランジャーの下
死点直前位と下死点との間の掃気行程位付近における両
周縁間の環状間隙を給気流出目端面とする環状オリフィ
スを構成し、該オリフィスの給気流出口端面の面積と該
端面の法線方向に沿う給気流動方向とをプランジャーの
変位と共に変位可能となすことを特徴とする前記掃気手
段を具備して構成する複動自由ピストン機関に係るもの
である。

これを図面に示す実施例につき説明するに、前記の給気
給配手段の構成を述べると、機関シリンダー（＋）と給
気ポンプシリンダー（２０）とを縦列に連設し、機関シ
リンダー（＋）には円筒状の機関シリンダー室（ｌａ）
両端部を覆うシリンダーヘッド（２）　、（２）を設け
、給気ポンプシリンダー（２０）には円筒状の給気ポン
プシリンダー室（２０ａ）両端部を覆うシリンダーカバ
ー（２２）、（２２）を設け、機関シリンダー室（Ｉａ
）内に機関ピストン（３）を、また給気ポンプシリンダ
ー室（２０ａ）内に給気ピストン（２１）を夫々往復摺
動自在に密封嵌設することにより、該機関シリンダー室
及び給気ポンプシリンダー室を夫々二分室に区分し、各
分室の機関シリンダーヘッド（２）、（２）並びに給気
ポンプシリンダーカバー（２２）、（２２）には夫々ロ
ッド孔（４）、（４）、、、、を貫通穿設し、該ロッド
孔には棒状のピストンロッド（５）、（５）を往復摺動
自在に密封嵌設し、該ピストンロッド中途には、機関シ
リンダー室内の機関ピストン（３）を機関ピストンヘッ
ト（３ｂ）、（３ｂ）中央部において固設し、また給気
ポンプシリンダー室内の給気ピストン（２１）を給気ピ
ストンヘッド（２＋ａ）。

（２１ａ）中央部において固設することによって機関ピ
ストン・給気ピストン及びピストンロッドを小事状に連
設し、機関シリンダー各分室に、給気を分室内へ導入し
排気と入替え掃気する掃気手段と、排気を分室外へ排出
する排気手段と、掃気後発室内上死点付近において圧縮
した給気に点火する点火手段とを具備するものにおいて
、各分室の機関シリンダーヘッド（２）、（２）のロッ
ド孔中途に掃気井孔（２５）　、（２５）を、また給気
ポンプシリンダーカバー（２２）、（２２）のロット孔
中途に給気弁孔（２６）、（２６）を夫々配設し、ピス
トンロッドには該掃気井孔に１位し同弁孔内において往
復摺動する部位付近を溝状となした掃気スプール弁（２
７）、（２７）と、給気弁孔に１位し同弁孔内において
往復摺動する部位付近を溝状となした給気スプール弁（
２８）、（２８）とを夫々配設し、給気ポンプシリンダ
ーに近い側の掃気井孔と機関シリンダーに近い側の給気
弁孔との間及び給気ポンプシリンダーに遠い側の掃気井
孔と機関シリンダーに遠い側の給気弁孔との間に夫々給
気管（２９）、（２９）を連通配設して構成したもので
ある。　このような給気給配手段の構成により、機関ピ
ストンφ給気ポンプピストン・ピストンロッド及びスプ
ール弁の一体的往復行程に応じて、機関シリンダー分室
内の機関ピストンが下死点直前位と下死点との間の掃気
行程位にある分室側、例えば第１図に示す機関シリンダ
ーの第２分室（１，２）側位の掃気井孔（２５）位置と
同弁孔に１位する掃気スプール弁（２７）の溝状部位置
とを一致させると同時に給気ポンプシリンダーの第２分
室（２０，２）側位の給気弁孔（２６）位置と同弁孔に
１位する給気スプール弁（２８）の溝状部位置とを一致
させて夫々両スプール弁を開口位とし、給気ポンプシリ
ンダーの第２分室（２０，２）より供給する給気を、上
記給気管（２９）を通して機関ピストンの第２分室（１
，２）へ連通すると共に前記排気手段において機関ピス
トンヘット（３ｂ）端部により排気口（８）をよぎり開
口状となして排気を分室外へ排出可能となし、つぎに同
機関ピストンが上記掃気行程部外にあるとき、例えば第
１図に示す機関シリンダーの第１分室（１，１）側位の
掃気井孔（２５）位置に対し同弁孔に１位する掃気スプ
ール弁（２７）の渦状部位置を偏位すると同時に給気ポ
ンプシリンダーの第２分室（２０，２）側位の給気弁孔
（２６）位置に対し同弁孔に１位する給気スプール弁（
２８）の溝状部位置を偏位して夫々両スプール弁を閉塞
位とし、給気ポンプシリンダーの第１分室（２０，１）
より機関シリンダーの第１分室（１，１）へ供給する給
気を遮断すると共に前記排気手段おいて排気口（８）を
機関ピストンランド（３ａ）により覆って閉塞状となし
、給気を同分室内に密封する作用をなし、このように機
関と−！７− ストン・給気ピストン並びにスプール弁の往復行程に応
じて給気ポンプシリンダーより供給する給気を、給気ポ
ンプシリンダーの第１分室（２０，１）と機関シリンダ
ーの第１分室（１，１）との間、若しくは給気ポンプシ
リンダーの第２分室（２０，２）と機関シリンダーの第
２分室（１，２）との間において夫々交互に連通または
遮断して切替え給配する作用を反復する。　このような
給気給配手段の作用があるので、他の給気給配手段例え
ばポペット弁及びカムによる弁機構のように機械的衝撃
を伴ない高速追従性の悪い機構を必要とせず、ピストン
ロッドに掃気スプール弁並びに給気スプール弁を設けて
構成を単純化し、両スプール弁の往復摺動のみにより、
高速追従性の良好な給気給配作用が得られ、上記機関シ
リンダーヘッドのロット孔内における掃気スプール弁の
往復摺動部分には同スプール弁の円滑な往復摺動作用以
外に憲理な外力や衝撃を伴なうことなく円滑な高速運転
を可能とする等の給気給配手段の効果がある。

つぎに前記消炎領域設定手段の構成を述べると、前記機
関シリンダーヘッドに設けたロット孔の機関シリンダー
分室への開口側位に、該ロット孔直径より大径の掃気供
給穴（３０）、（３０）を同分室内へ開口穿設し、前記
機関ピストンヘッド（３ｂ）、（３ｂ）中央部のピスト
ンロッド固設部に該掃気供給穴直径より小径であって、
且つ、筒形凸状のプランジャー（３１）、（３１）を同
掃気供給穴側へ向けて凸段し、機関ピストンの往復行程
と共に掃気供給穴に該プランジャーを挿入・脱出可能と
なし、該掃気供給穴にプランジャーを挿入位となしたと
き、掃気供給穴とプランジャーとの間隙を前記消炎距離
より小寸法（１）に定めて構成するものである。　この
ような消炎領域設定手段の構成により、機関ピストン行
程の上死点位付近において、同掃気供給穴（３０）にプ
ランジャー（３Ｉ）を挿入状としたとき、掃気供給穴と
プシンジャーとの間隙内に消炎距離以下の層厚さく↑１
）の給気層即ち端末ガス（ｅｎｄ　ｇａｓ）を残留し、
従って燃焼室内の燃焼気体より同端末ガスへの火炎伝播
を阻止して端末ガスの温度上昇を防ぎ、所謂、消炎領域
（ｑｕｅｎｃｈ　　ａｒｅａ）を形成する作用がある。

　このような消炎領域設定手段の作用により、燃焼室に
おいて点火後燃焼を開始した給気は既燃ガス（ｂｕｒｎ
ｔ、　ｇａｓ）の火炎進行方向前面の炎面（ｆｌａｍｅ
　ｆｒｏｎｔ）により未燃ガス（ｕｎｂｕｒｎｔｇａｓ
　）を断熱圧縮し端末ガスとして消炎領域へ圧入し、端
末ガスは消炎領域の周辺表面を通じて冷却され、上記に
より端末ガス層の厚さは消炎距離以下の寸法（１）にな
るため、燃焼気体よりこの端末ガス層への火炎伝播を阻
止して自己点火を防ぎ、　　　　・ノッキング（ｋｎｏ
ｃｋ　ｉｎｇ）を抑制して燃焼状態を正常に維持し、ま
たこのとき、掃気供給穴にプランジャーを挿入状として
いるので、機関シリンダーへカドの前記ロッド孔内にお
ける掃気スプール弁の往復摺動部分を消炎領域によって
燃焼室内の燃焼気体から完全に隔離して低温に維持し、
該往復摺動部分の耐摩耗性を確保して前記の給気給配手
段の構成を実用的に可能とするものであって、前記のよ
うに、従来この種の機関において燃焼気体を洩れなく密
封するピストンロッド等の往復摺動部分及び同部分の密
封手段が高熱負荷を受けるため、高温における耐摩耗性
を確保し難いとゆう致命的欠点が解決され、同往復摺動
部分における燃焼気体の密封手段の開発・製造及び保守
に関する技術課題と経費並びに手間の諸問題が解決され
る効果が得られ、またプランジャーが下死点位付近に在
るとき、同プランジャーを掃気供給穴より脱出状とし、
同掃気供給穴をシリンダー室内へ間口して連通状となす
ので新気が掃気供給穴を通過する際、流路抵抗を小とし
て流路抵抗損失を小とする等の消炎領域設定手段の効果
が得られる。

つぎに、前記掃気手段の構成について述べると、前記掃
気供給穴（３０）、（３０）の機関シリンダー分室への
開口部周縁より成る固定周縁（４０）　、（４０）と、
機関ピストンの往復行程と共に変位可能としたプランジ
ャー凸端周縁より成る可動周縁（４１）、（４１）とに
おいて、機関ピストン及びプランジャーの掃気行程位付
近における両周縁間の環状間隙を給気流出口端面とする
環状オリフィス（４２）、（４２）を構成し、該オリフ
ィスの給気流出口端面の面積と該端面の法線方向に沿う
給気流動方向とをプランジャーの変位と共に変位可能と
なすことを特徴とするものであって、両開縁断面形状を
定めるに、例えば第３図・第４図及び第５図に示すよう
に両周縁角（カド−）部を鋭い角形となし、第６図には
両開縁断面形状の他の実施例を示し、両周縁角（７＋）
”）部を鋭い角形となすと共に固定周縁（４０）外囲に
段状の座ぐり端部角（カド）の丸みを適宜の半径（「）
に設定して構成し、ここに側周縁角部の断面形状は必ず
しも鋭い角形に限定するものではなく、新気の最適流動
状態を得るため実験的に設定することが望ましく、角（
＃ト−）の丸み又は面とりを設けたものであってもよい
。　このような掃気手段の構成により、プランジャーの
下死点直前位より下死点位への掃気行程位付近における
変位と共に可動周縁（４Ｉ）を変位し環状オリフィス（
４２）の給気流出口端面の面積と同面の法線に沿う新気
流動方向とを変位するに、先ず第３図においては掃気供
給穴（３０）へプランジャー（３１）が僅かに挿入状位
置に在り、掃気供給穴とプランジャーとの間の間ＦＭ（
ｔ）部に環状オリフィスを形成していて、同オリフィス
を通過する新気の噴流は比較的薄い厚さく１）の層流を
なし、プランジャー表面に沿って付着する傾向を示し、
このとき同噴流位置は排気口より離れているため新気が
直接排気口から筒抜けすることなく新気の流入分に相当
する量の排気を排気口より押し出し、従ってこの時期に
おいては、所謂、層状掃気をなし、ここに第３図以降の
図中点線矢印は給気又は排気の流線方向の傾向を示すも
のであって、つぎに第４図におては掃気供給穴（３０）
よりプランジャー（３１）が脱出状となり、可動周縁（
４１）の変位に伴ない新気の流出口端面の面積を拡大し
、環状オリフィス両周縁が角形断面であるとき、新気は
流出口中０，１）の自由噴流状となると共に環状オリフ
ィス周縁部において新気の一部が剥離傾向を呈し、乱流
部分（ｕ）を伴なって、プランジャー表面より離れる方
向（α）へ変位する傾向を示し、この時期においても新
気の層流状部位は排気口より離れているため排気口より
新気が筒抜けすることなく、且つ、乱流部分は排気と混
合して、所謂、混合掃気な伴ない、さらに第５図におい
ては可動量ｍ（４１）が下死点位に達し、新気は流出口
端面の法線方向に沿い、プランジャー表面より離れる方
向（β）へ変位し、最大の流出口中（ｔ２）より流出す
る層流状部分と環状オリフィス周縁における剥離部に乱
流部分（ｕ）を発生する状態を示し、漸次層流部分によ
る層状掃気より乱流部分による混合掃気へ遷移する状態
を示すものである。　また第６図においては、上記第５
図の場合と同様の作用をなすが、座ぐり状部角（カド）
の丸み（「）により新気噴流の一部が同丸み表面にに沿
う方向へ偏向し、さらに乱流部分を拡大して混合掃気へ
の遷移を促す傾向を示すものである。　引き続き機関ピ
ストンの圧縮行程において、先ず第７図に示す下死点位
付近のプランジャー（３１）を上死点側へ変位して掃気
供給穴（３０）へ挿入を開始するとき、該プランジャー
により掃気供給穴内に閉じ込めた新気をプランジャーと
掃気供給穴との間隙０）からシリンダー分室へ押し出し
、新気はプランジャー表面に沿って噴流層状に流動する
作用を示し、つぎに第８図はさらにプランジャー（３Ｉ
）を上死点側へ変位して掃気供給穴（３０）へ挿入状と
なすとき上記と同様に新気の流動を継続する状態を示し
、さらに第９図は、圧縮行程末期において上死点位の新
気がシリンダー半径方向へ流動し、所謂、スキッシュ（
ｓｑｇｉｓｈ）を完了した状態を示し、このように機関
ピストンの下死点位付近より上死点位に至る圧縮行程の
全区間にわたり継続的に新気を流動する作用がある。　
このような掃気手段の作用により、掃気の初期において
は新気をプランジャー表面に沿う分室的側位に薄い厚さ
の層流状となして供給し、排気との混合作用が少ない層
状掃気状態において排気を排気口から押し出し、このと
き新気の層流状部位は排気口より離れているため排気口
より新気の初期筒抜けを防く効果があり、プランジャー
の掃気行程位における変位に応じて、新気の層流部分が
プランジャー表面に沿う方向から漸次プランジャー表面
を離れる方向へ変位しつつ噴流層を広げ、環状オリフィ
ス周縁における剥離部に乱流部分を発生して新気と排気
との混合部分を増加し、漸次上記層状掃気より混合掃気
へ遷移して均一な混合気となし、従って掃気初期におい
て、掃気効率を高くすると共に、掃気後期において給気
の混合状態を均一になし得て給気の燃焼性を改善し、燃
焼速度を高速にする効果があり、この際に新気が掃気供
給穴内及びプランジャー周辺を通過しつつ該周辺表面を
冷却し、新気自体は同川辺表面より受熱して燃料の気化
を促進してさらに燃焼性の改善を促進する効果があり、
引き続き圧縮行程の全区間にわたり燃焼室内新気の流動
を継続する作用により、新気の渦流形成を継続的に促し
て燃焼性をさらに改善して燃焼速度−を高速とする効果
を助長すると同時にこの圧縮行程において、新気がプラ
ンジャーと掃気供給穴との間隙を環状オリフィスとして
通過流動するとき同プランジャーは新気の粘性抵抗を受
け、所謂、ダシュボット作用によりプランジャー及び機
関ピストンの上死点位における緩衝効果並びに機関作動
中の防振効果が得られる。　なお掃気供給穴内面及び掃
気スプール弁の表面においては給気による上記の冷却作
用と、消炎領域による火炎伝播阻止作用とにより燃焼生
成物のデボジッ）　（ｄｅｐｏｓｉ＋。

）がなく、且つ給気噴流を同表面に吹き付けて掃除する
作用があるため、機関シリンダーヘッドのロッド孔と掃
気スプール弁との往復摺動部にデポジット及び異物の付
着がなく、該摺動部の耐摩耗性を損なうことがない等の
掃気手段の効果が得られる。

これを要するに、機関の給気給配手段・消炎領域設定手
段及び掃気手段を夫々具備し、単一のシリンダーと単一
のピストンにより複動自由ピストン内燃機関を構成した
ことにより上記の諸効果が得られると共に、往復運動部
分の質量軽減を図り、往復運動における動力損失を低減
し得て、高速運転を可能となし、また−行程当たり一回
の燃焼作動を行なうことにより、前記のように機関シリ
ンダー行程容積当たりの出力を一般の単動型機間に比し
て倍増し得る効果があり、機関ピストン速度を高速化し
て高速・高出力機関を構成し得ると共に往復運動を回転
運動に変換するクランク等の機構を具備しないので往復
摺動部分に無理な外力及び衝撃を及ぼすことがなく高速
運転においても遠心力及び回転軸の曲げ振動並びに折り
振動による疲労破壊を生ずることはなく、往復運動を必
要とする作業機を駆動するときはピストンの往復運動を
そのまま出力して運動変換による損失動力を減じ、前記
の巻き込み事故の危険性を払拭し、ことに高速運転にお
いて発生する多量且つ高温の燃焼気体を洩れなく密封す
るピストンロッド並びにスプール弁の往復摺動部分及び
同部分の密封手段を消炎領域設定手段により燃焼気体か
ら火炎伝播を阻止して隔離・保護し、低温に維持して耐
摩耗性を確保し、同宿動部分及び同部分の密封手段の開
発・製造及び保守に間する技術課題と経費並びに手間を
要する等の諸問題を解消し得て本発明の構成を実用的に
可能とし、給気給配手段にスプール弁を採用したことに
より機関シリンダーヘッドのロット孔内における掃気ス
プール弁の往復摺動部及び同部分の密封手段に無理な外
力及び衝撃を伴なうことがなく、高速運転における追従
性が良好であり、上記の諸効果と相俟って前記の目的を
達することができる。　さらに上記の諸効果により上記
往復摺動部分及び同部分の密封手段に、概して脆性の欠
点を有するが耐摩耗性と耐熱性に優れているセラミック
スを採用することにより同部分の耐摩耗性と耐熱性とを
改善することが可能となり、且つ機関の高熱負荷を受け
る部分にセラミックスを使用し、また機関の冷却作用を
可及的制限して冷却熱損失を減少し、高温領域において
運転して高い熱効率を得る機関として、所謂、セラミッ
ク・エンジンの構成を可能とする効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す機関シリンダー−側の行
程端部における全形の断面図、第２図は機間シリンダー
他側の行程端部における全形の断面図、第３図・第４図
及び第５図は夫々順次掃気手段の掃気行程作動概要を示
す部分断面図、第６図は掃気手段の他の構成と作動概要
を示す実施例の詳細部分断面図、第７図・第８図及び第
９図は夫々順次掃気手段の圧縮行程における作動概要を
示す部分断面図であって、図中主要な部分を表わす符号
は夫々次に示す通りである。　なお図中同一符号は同一
部分または同−杉状部分を示す。 （１）・・・・壷　機関シリンダー （２）・・・・・　シリンダーヘッド （３）・・・Φ・　機関ピストン （４）・・・・・　ロッド孔 （５）・・・・・　ピストンロッド （２０）−・・φ・　給気ポンプシリンダー（２１）・
・・・　給気ピストン （２２）・・・・・　シリンダーカバー（２５）・・・
・・　掃気井孔 （２６）舎・・・・　給気弁孔 （２７）・・・・・　掃気スプール弁 （２８）・・・φ拳　給気スプール弁 （２９）・・嗜・・　給気管 （３０）争・・・・　掃気供給穴 （３１）◆＠中・Φ　プランジャー （４０）・・・・・　固定周縁 （４１）・Φ・争壷　可動周縁 （４２）−・ψ・・　環状オリフィス 策１回 第２２ Ｌ３ＪＪ′ＭＡＪＡ Ｌ２ＪＸｌ　　　　　　　　引退 １１図　　　　　　　　　　　第」Ｌ２策」Ｌ遍

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）機関シリンダーと給気ポンプシリンダーとを縦列
   に連設し、機関シリンダーには円筒状の機関シリンダー
   室両端部を覆うシリンダーヘッドを設け、給気ポンプシ
   リンダーには円筒状の給気ポンプシリンダー室両端部を
   覆うシリンダーカバーを設け、機関シリンダー室内に機
   関ピストンを、また給気ポンプシリンダー室内に給気ピ
   ストンを夫々往復摺動自在に密封嵌設することにより、
   該機関シリンダー室及び給気ポンプシリンダー室を夫々
   二分室に区分し、各分室の機関シリンダーヘッド並びに
   給気ポンプシリンダーカバーには夫々ロッド孔を貫通穿
   設し、該ロッド孔には棒状のピストンロッドを往復摺動
   自在に密封嵌設し、該ピストンロッド中途には、機関シ
   リンダー室内の機関ピストンと、給気ポンプシリンダー
   室内の給気ピストンとを、夫々のピストンヘッド中央部
   に固設することによって機関ピストン、給気ピストン及
   びピストンロッドを串字状に連設し、機関シリンダー各
   分室に夫々、給気を分室内へ供給し排気と入替え掃気す
   る掃気手段と、排気を分室外へ排出する排気手段と、掃
   気後同分室内上死点付近において圧縮した給気に点火す
   る点火手段とを具備するものにおいて、機関シリンダー
   ヘッドのロッド孔中途に掃気弁孔を、また給気ポンプシ
   リンダーカバーのロッド孔中途に給気弁孔を夫々配設し
   、ピストンロッドには該掃気井孔に対位して同弁孔内に
   おいて往復摺動する部位付近に掃気スプール弁と、給気
   弁孔に対位して同弁孔内において往復摺動する部位付近
   に給気スプール弁とを夫々配設し、給気ポンプシリンダ
   ーに近い側の掃気弁孔と機関シリンダーに近い側の給気
   弁孔との間及び給気ポンプシリンダーに遠い側の掃気弁
   孔と機関シリンダーに遠い側の給気弁孔との間に夫々給
   気管を連通配設して構成し、機関ピストン・給気ポンプ
   ピストン及びピストンロッドの一体的往復行程に応じて
   給気弁孔に対位する給気スプール弁並びに掃気弁孔に対
   位する掃気スプール弁を夫々同時に開口位または閉塞位
   に切り替えることにより、給気ポンプシリンダー分室よ
   り供給する給気を給気管を通じて機関シリンダー両分室
   へ交互に連通または遮断して切り替え可能としたことを
   特徴として成る給気給配手段を具備する複動自由ピスト
   ン機関。
2. （２）機関シリンダーヘッドに設けた前記ロッド孔の機
   関シリンダー分室への開口側位に、該ロッド孔直径より
   大径の掃気供給穴を同分室内へ開口穿設し、前記ピスト
   ンヘッド中央部のピストンロッド固設部に該掃気供給穴
   直径より小径であって、且つ筒形凸状のプランジャーを
   同掃気供給穴側へ向けて凸設し、機関ピストンの往復行
   程と共に掃気供給穴に該プランジャーを挿入・脱出可能
   となし、該掃気供給穴にプランジャーを挿入位となした
   とき、掃気供給穴とプランジャーとの間隙を消炎距離（
   ここに消炎距離とは平行二面間隙において混合気中を火
   炎が伝播し得る両面間の最小距離である）より小寸法に
   定めて成る消炎領域設定手段を具備する特許請求範囲第
   （１）項記載の複動自由ピストン機関。
3. （３）前記掃気供給穴の機関シリンダー分室への開口部
   周縁より成る固定周縁と、機関ピストンの往復行程と共
   に変位可能としたプランジャー凸端周縁より成る可動周
   縁とにおいて、機関ピストン及びプランジャーの下死点
   直前位と下死点との間の掃気行程位付近における両周縁
   間の環状間隙を給気流出口端面とする環状オリフィスを
   構成し、該オリフィスの給気流出口端面の面積と該端面
   の法線方向に沿う給気流動方向とをプランジャーの変位
   と共に変位可能となすことを特徴とする前記掃気手段を
   具備する特許請求範囲第（１）項記載の複動自由ピスト
   ン機関。