JPS6237575Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は所定高さ位置に溢水口を有する溢水筒
体を上下動せしめて洗濯槽の排水口を開閉する洗
機に関する。

従来より、この種の洗濯機にあつては、洗濯槽
の周壁を外方に膨出して排水室を形成し、該排水
室内に排水口開閉用の溢水筒体を配設する構成の
ものが一般的である。斯かる洗濯機において水位
検知用のエアトラツプを設ける場合には、洗濯槽
内に対してストレーナにより仕切られて洗い時の
水位変動の影響を受けることの少ない排水室内の
壁面に取付けるようにしているが、これでは、上
下動する溢水筒体と排水室内壁部に固定するエア
トラツプとは互いに接触しないよう余裕をもつて
配置せねばならないことから、勢い排水室を大き
くせざるを得ず、このため洗い運転に要する水量
も徒らに多くなるという問題があり、またエアト
ラツプの取付けのため排水室の構造が複雑になる
という問題があつた。

そこで、本考案の目的は、排水室を大形化する
ことなくエアトラツプを設けることができて洗い
水量の少量化を図ることができ、しかも排水室の
構造も簡素にできる洗濯機を提供するにある。

以下本考案の一実施例を図面を参照して説明す
る。１は二槽式洗濯機の外箱、２は外箱１内に図
示しない脱水槽とともに併設した洗濯槽、３は洗
濯槽２底部に配設したパルセータである。４は洗
濯槽２の周壁に上下に延び且つ外方へ膨出するよ
う形成した排水室で、これの底部には排水ホース
５を連結した排水口６を形成している。７は排水
ストレーナ、８はこの排水ストレーナ７の上部に
連結した溢水ストレーナであり、両ストレーナ
７，８により洗濯槽２と排水室４とを仕切つてい
る。９は上下両端を開放した筒口体で、これには
上端を閉鎖し且つ下端を開放した外筒部１０を一
体成形しており、これにより筒口体９と外筒部１
０との間に環状のエアトラツプ１１を形成してい
る。１２は筒口体９の外筒部１０にその後部を上
方に延長するようにして一体に形成した連結枠部
で、これは略半割り円筒状をなすと共に上端部に
端板部１２ａを形成している。１３は前記外筒部
１０の上方に突出する筒口体９の上端部に嵌着さ
れて筒口体９と共に溢水筒体を構成する溢水チユ
ーブで、これの上端は排水室４内の所定高さ位置
において開口して溢水口１４を形成している。１
５は環状のパツキンで、これは継手筒体１６を介
して前記筒口体９の下端部に取着されている。１
７は前記外筒部１０の上面部に突設してエアトラ
ツプ１１内に連通させた通気筒部、１８は連結枠
部１２の端板部１２ａに上下に突出するように形
成した中継筒部で、両筒部１７，１８は中間チユ
ーブ１９により連結され、もつてエアトラツプ１
１内を中継筒部１８に連通させている。一方、２
０は前記外箱１の開放上面の後方部に立設した操
作箱で、これのパネル部２０ａには周知の水位ス
イツチ２１及び排水操作機構２２を取着してい
る。２３はチユーブで、これは下端を前記連結枠
部１２の中継筒部１８に連結すると共に、上端を
操作箱２０の底板部２０ｂに形成した通し孔２４
を通した操作箱２０内に導入して前記水位スイツ
チ２１に連結し、これによりエアトラツプ１１を
水位スイツチ２１に連通させ、もつて洗濯槽２内
に所定量の水が貯留されたときのエアトラツプ１
１内の空気圧により、水位スイツチ２１を作動さ
せて給水を自動停止させるようにしている。ま
た、２５は前記排水操作機構２２の索条で、これ
の下端は連結枠部１２に設けたフツク部（図示せ
ず）に連結し、上端は操作箱２０の底板部２０ｂ
に形成した通し筒部２６を通して操作箱２０内に
導入すると共に排水操作機構２２のアーム部２２
ａ先端に連結している。２７は圧縮スプリング
で、これは前記通し筒部２６に嵌合するようにし
て操作箱２０の底板部２０ｂと連結枠部１２の端
板部１２ａとの間に設けられ、これにより連結枠
部１２ひいては筒口体９を下方に付勢し、常時は
筒口体９下端のパツキン１５を排水口６の周縁部
に圧接させて排水停止状態とし、特にすすぎ時に
あつては洗濯槽２内の水を溢水チユーブ１３の溢
水口１４から排水口６にオーバーフローにより流
し落すようにしている。そして、この状態から排
水操作機構２２の摘み２２ｂを排水側に操作する
と、筒口体９が圧縮スプリング２７の弾発力に抗
して索条２５を介して上方に引き上げられ、パツ
キン１５を排水口６周縁部から離間させて排水状
態となる。

而して、上記構成によれば、エアトラツプ１１
は溢水筒体の筒口体９との一体成形により形成し
た外筒部１０によつて構成され、筒口体９と一体
的に形成されるから、従来の如く溢水筒体とは別
体のエアトラツプを排水室内に設ける場合のよう
にエアトラツプを排水室の内壁部に固定するため
の取付構造は必要がなく、排水室４の構造を簡素
化できる。しかも、溢水筒体とエアトラツプ１１
とは一体的であるから、両者は相対移動せず、両
者が相対移動することを許容するための隙間は本
来的に不要となつて排水室４の容積は小さいもの
で済み、ひいては洗濯槽２内に貯留する洗い水を
少量で済ますことができる。また、特に本実施例
の如く、溢水筒体の上方に延設した連結枠部１２
の上部に中継筒部１８を形成し、この中継筒部１
８とエアトラツプ１１とを予め中間チユーブ１９
により連通させ得るようにしておけば、排水室４
への組付作業は、まず排水室４内に溢水筒体を挿
入配置し、斯かる後操作箱２０側から排水室４内
に導入したチユーブ２３を中継筒部１８に連結す
るという作業だけで済み、中継筒部１８がない場
合のように排水室４の奥深くに手を差し入れてチ
ユーブ２３を直接エアトラツプ１１に連結すると
いう操作がないから組立作業を容易に行なうこと
ができる。

尚、本実施例では、エアトラツプ１１は筒口体
９を取巻くように形成した円形の外筒部１０によ
り構成したが、外筒部の形状としては半円でもよ
く、またエアトラツプは連結枠部１２と一体であ
つてもよい。

本考案は以上述べたように、エアトラツプを別
途洗濯槽の排水室に取付ける必要がないから、構
造を簡素化でき、しかも排水室の容積を小さくで
きるから洗い水量の少量化を図ることができる洗
濯機を提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は要部
の縦断面図、第２図は溢水筒体の拡大縦断面図、
第３図は同斜視図である。 図中、２は洗濯槽、４は排水室、６は排水口、
９は筒口体（溢水筒体）、１１はエアトラツプ、
１２は連結枠部、１３は溢水チユーブ（溢水筒
体）、１４は溢水口、１８は中継筒部、１９は中
間チユーブ、２１は水位スイツチ、２２は排水操
作機構である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗濯槽の周壁を外方に膨出して形成した排水室
   内に、所定高さ位置に溢水口を備えると共に下端
   を開放せしめた溢水筒体を上下動可能に設け、こ
   の溢水筒体の上下動により前記排水室底部に形成
   した排水口を開閉するようにしたものにおいて、
   前記溢水筒体に水位スイツチに連通されるエアト
   ラツプを一体に形成したことを特徴とする洗濯
   機。