JPS6237250Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は静電複写機の感光体ドラムに残留する
電荷を除去する為の照明装置の改良に関する。

静電複写機においては、第１図に示すように、
原稿１にランプ２により光を照射し、その反射光
を転々感光体ドラム３まで導いて、該ドラム３上
に上記原稿１上の像の形象の帯電パターンを形成
し、次にその帯電部分に磁気ブラシ４により粉末
トナー５を付着させると共に、給紙トナー６から
転写紙７を順次送り出してこれを帯電させた後上
記感光体ドラムに近接させて走行させ、この時該
ドラムから転写紙へ転写が行なわれる。

そして上記において鮮明な複写を得る為に、上
記転写が行なわれた後で感光体ドラム３に残留す
るトナーを除去することが行なわれるのである
が、この残留トナーの除去は、普通、投光手段８
からの光照射によつてまず該ドラム上の残留電荷
の除去が行なわれ、次に回転ブラシ９が該ドラム
表面を拭うことによつてなされる。

従来の複写機では、上記の残留トナー除去用の
投光手段として、第２図示のごとく小型電球１０
を並べて使用するか、あるいは第３図のごとく感
光体ドラム３と同等の長さの蛍光燈１１を使用し
ていた。

しかしながら、これらの従来例には次のような
欠点があつた。即ち特に前者の例では、多数個の
小型電球を使用するために発熱量及び消費電力量
が多く、また感光体ドラム３上に照射光による輝
度むらが生じ、その為に残留電荷の除去の度合に
むらが生ずるという欠点があり、又前者、後者の
両例共に設計上（即ち感光体ドラム３の表面を熱
しない為あるいは、機構の配置構成上）感光体ド
ラム３に近接して小型電球１０（あるいは蛍光燈
１１）を配置することは困難であり、従つてこれ
ら光源よりの光束の利用効果が悪かつた。更にこ
れらの例では、小型電球１０（あるいは蛍光燈１
１）は、複写機本体中の各機構が入り組んでいる
奥まつた箇所に固定されたランプソケツトに取付
けられるようになされている為、メンテナンス時
にそれらを交換する作業に非常な手間が掛つてい
た。

第４図の従来例は如上第２図第３図の従来例の
欠点を解消する目的でなされたものであり、第５
図に分解して示すように面の一部１２ａをヘアラ
イン状に粗面化してなる透光性に富むアクリル等
のライトガイド板１２の穴１２ｂ中に光源ランプ
１３を設定し、かつ該ライトガイド板の光放射面
を除く全面を反射特性の良好な遮光材料より成る
ホルダー１４及び反射板１５で覆い、かつそれら
を固定手段（図示せず）により固定一体化してな
るものである。

この従来例においては、光源ランプ１３から発
した光束は、ライトガイド板１２の内部、及びホ
ルダー１４及び反射板１６の内面で反射、屈折
し、終局的にはその大部分が光放射面１２ｄより
外部へ放出されるが、該放出光の強さは、光放射
面１２ｄの光源ランプ１３に近い部位で高レベル
となり、その他の部位で低レベルとなる。これは
光源ランプ１３が小さいため、ライトガイド板１
２の光源ランプ１３の設置より遠い部位には該ラ
ンプからの光が到達し難いためであるが、このこ
とにより、この照明装置では必要最小限の電力に
より感光体ドラムに残留する電荷を均等に取除き
去つて、むらなくトナーを除去することができな
かつた。

本考案は、小型ランプの光をライトガイド板に
設けた穴及び斜面により、該ライトガイド板のラ
ンプ設定位置より遠い部位に迄適宜拡散して、該
ライトガイド板の細長い放射面の全域より、ほぼ
均一な強度の光を放射することを特徴とする複写
機用残留電荷除去用の照明装置を提供せんとする
ものである。以下、本考案の実施例を示す図面に
基いて本考案を説明する。

１７はアクリル等の光透過性の良好な樹脂等に
より形成されたライトガイド板で、１７ａは光源
ランプ１８を設定する為の穴、１７ｂは光放射
面、１７ｃは裏面である。該裏面は長手方向、即
ち光放射面１７ｂと平行な方向にそつてヘアライ
ン状に粗面化されている。１７ｄはライトガイド
板のプレート状部分の、比較的光源ランプ１８の
設定位置に近い場所に設けられる三角形状の穴で
ある。

該穴１７ｄを囲むライトガイド板１７の三方の
壁面の内、光源ランプ１８に対向する面１７d₁は
光源ランプの方向より、光放射面の光源ランプか
ら遠い方の端部へ向つてゆるやかに傾斜してい
る。

１７ｅは上記穴１７ｄの面１７d₁に対向するよ
うに、即ち光放射面に対して該面１７d₁と同方向
に傾斜するようになされている斜面である。

１９は上記ライトガイド板１７の裏面及び、光
放斜面１７ｂを除く側面を覆い、これを固定する
と共に反射板（遮光板）を兼ねたホルダーであ
る。

該ホルダー１９は望ましくは合成樹脂、あるい
は非磁性金属、非導電性金属等で形成されてお
り、前記ライトガイド板１７に対向する総ての面
が高度の光反射性を有している。

２０は、上記ライトガイド板１７の上面を覆う
ために反射板（遮光板）であり、その内面は、同
様に高度の光反射性を有している。

本考案の照明装置は以上のような各部より構成
されているので、今、光源ランプ１８を点灯する
と該ランプの光は、穴１７ａの壁面よりライトガ
イド板１７の内部へと入射し、該ライトガイド板
１７の内部、及びホルダー１９及び反射板２０の
面で屈折及び反射を繰り返しつつ、終局的には、
その大部分が光放射面１７ｂより外部へ放射され
ることになる。

そして該放射光の強さは、第６図上、一点鎖線
矢印で示す通り該光放射面１７ｂの全域でほとん
ど均一となる。これは、ライトガイド板１７の形
状による効果及びヘアライン状粗面化処理及び、
ホルダー１９、反射面２０の（反射）効果による
ものである。以下この点について説明する。まず
該ライトガイド部材の、板厚のブロツク状部分内
に入射した光は、該ブロツク状部分を形成する面
１７ｆ〜１７ｊ及び、該面に対向するホルダー１
９及び反射面２０の反射効果により、効率よくプ
レート状部分へと導かれる。この場合この光の内
の一部は斜面１７ｅ等の働きにより×方向へと進
むが、多くの光は、光源ランプ１８に近い場所を
通つて矢印Ｙ方向へと進むことになる。そしてＹ
方向に進んだ光の内の多くは、プレート状部分に
形成された穴１７ｄの壁面１７d₁により反射され
て斜面１７ｅ方向に進むものα，β，γと、該面
を透過して進むものα′，β′，γ′に分かれる。
そして前者は斜面１７ｅにより反射されて、又後
者は、対向する面１７d₂を透過して、光放射面１
７ｂへと進む。このことが、該光放射面１７ｂの
光源ランプ１８に近い部位の放射光量を減少せし
め、反対に該光源ランプから遠い部位の放射光量
を増大させる結果をもたらすのである。

又、前記裏面１７ｃ側をヘアライン状に粗面化
処理することによる作用効果について言えば、該
粗面に入射した光は、その一部がその場所で散乱
反射され、残りの大部分が該面を透過して対向せ
るホルダー１９で反射されて再びライトガイド板
１７内に入射するが、この入射光に対する透過光
及び再入射光の割合はヘアラインの方向に近附く
程大きくなることが指摘される。即ちこの効果
が、光源光をライトガイド板の長手方向に均等に
分布することの一助となつているのである。前記
ホルダー１９及び反射板２０が、光放射面１７ｂ
を除く、ライトガイド板の総ての場所における光
ロスを防いでいることは言う迄もない。そして上
記の諸効果の総合により前記の通り均一な放射光
が得られるのである。

以上の通りであるから、本考案の照明装置を用
いれば、小型の光源ランプの光をロスなく有効に
利用して、一定長の均一な高輝度面（前記面１７
ｂ）を得ることができるので、複写機の感光体ド
ラムの周囲の長手方向全域にわたつて均一な照明
光を当てることができ、該感光体ドラム周面上に
残留する電荷を均等に取り除いて、むらなくトナ
ーを除去して、常に鮮明な複写を得ることができ
る。なお前記実施例における穴１７ｄの形状及び
該穴の壁面１７d₁の光放射面１７ｂに対する傾斜
角度は、光放射面１７ｂの長さに従つて適宜変更
され得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は複写機の要部のみを簡略に示した図
面、第２図〜第５図は従来の残留電荷除去用照明
装置の説明図、第６図は本考案の一実施例の外観
斜視図、第７図は同前実施例に用いるライトガイ
ド板及び光源ランプの部分の斜視図である。 １……原稿、２……ランプ、３……感光体ドラ
ム、４……磁気ブラシ、５……粉末トナー、６…
…給紙トレー、７……転写紙、８……投光手段、
９……回転ブラシ、１０……小型電球、１１……
蛍光燈、１２……ライトガイド板、１３，１８…
…光源ランプ、１４，１９……ホルダー、１６，
２０……反射板、１７……ライトガイド板、１７
ｂ……光放射面、１７ｄ……穴、１７ｅ……斜
面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 光源ランプの光を拡散する透明なライトガイド
   板の、光源ランプと光放射面を結ぶ最短直線上
   に、それを取囲む一つの壁面が光源ランプの方向
   より光放射面の光源ランプから遠い方の端部へ向
   つて傾斜するようになされた穴を設けると共に、
   上記ライトガイド板の光放射面と反対側の面の少
   なくとも一部を該光放射面に対し上記壁面と同方
   向に傾斜した面となし、又、上記光放射面の長辺
   をその一辺とするライトガイド板の一面をライト
   ガイド板の長手方向にそつてヘアライン状に粗面
   化し、更に該ライトガイド板の光放射面、光源光
   入射面、及び上記穴を取囲む全壁面を除いた総て
   の面に反射特性の良好な遮光手段を施してなり、
   かつこれら総てを固定一体化し、感光体ドラムの
   近傍に上記光放射面を配置することによつて上記
   光源光を感光体ドラム上に放射せしめ、これによ
   り該ドラム上の残留電荷を消去させるようにした
   ことを特徴とする複写機における残留電荷消去用
   照明装置。