JPS6235692Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、海底等の軟弱地盤改良用撹拌装置の
改良に関する。

従来のこの種の装置は、通常第１図に示すよう
に構成されている。同図において、Ｓは作業船、
１は駆動源（電動源）、２は撹拌用減速機、３は
中空駆動軸、４は中空撹拌軸、５は駆動軸軸受、
６は中空な円筒状支柱で、それら部材は第１図お
よび第２図に示す関係に配設されて撹拌装置を形
成しており、中空撹拌軸４、中空駆動軸３を軟弱
地盤へ貫入させて、該地盤を撹拌しながら、セメ
ントミルク等を地盤中に注入することにより地盤
改良を行なうようになつている。この従来装置で
は、中空円筒状支柱６はその下端を開放した形式
のもの（第３図参照）と、下端を第３図に示す如
く閉塞したものがある。しかしながら、前者の形
式の中空円筒状支柱６では、その内部に軟弱土
（ヘドロ）が詰まるという問題点があり、また、
後者の形式の中空円筒状支柱では、軟弱地盤中へ
の貫入抵抗が増大するほか、該中空支柱が土中へ
貫入する容積に相当する量の軟弱土が、中空支柱
６の下端が、撹拌翼４の上方位置にある関係から
（第１図参照）、海底面上に盛り上つて、撹拌翼４
による撹拌作用を受けず、従つて局部的に軟弱地
盤の改良の行なわれない部分が生ずるという欠点
があつた。

なお、第１図において、８は作業船Ｓの甲板上
の適所に固設されたウインチ、８ａはワイヤロー
プ、９は甲板上の適所に立設された櫓で、ウイン
チ８の巻胴に一端を連結されたワイヤロープ８ａ
の他端は、櫓９の頂部に配設された滑車装置Ｐを
介して上記撹拌装置全体に連結されており、ウイ
ンチ８の作動により、撹拌装置を昇降せしめるよ
うになつている。また１０はケーブルで、甲板上
に配設された図示省略の電源と、上記電動機１と
を電気的に接続する役割をもつ。

本考案は、上記従来装置の問題点や欠点を解消
することを目的として提案されたもので、駆動源
により駆動される駆動軸によつて、ほぼ垂直状態
に駆動回転されるとともに、軟弱地盤中に貫入さ
れ、軟弱地盤を撹拌するとともに、軟弱地盤中に
セメントミルク等を注入する中空撹拌軸と、下端
開口を、上記中空撹拌軸の位置よりもある程度上
方に位置するように、ほぼ垂直状に保持され、適
当な大きさの内径をもつ中空円筒状支柱を具えた
軟弱地盤改良用撹拌装置において、上記中空円筒
状支柱の中に、複数の撹拌軸を適宜数個所にて回
転可能に支持し、オーガスクリユーの貫入時には
軟弱土を圧入する方向に、また、その引抜き時に
は、軟弱土を排出する方向に回転せしめるように
構成してなることを特徴とする軟弱地盤改良用撹
拌装置に係るものである。

以下、第５図に示す本考案の一実施例により本
考案につき具体的に説明するが、第５図では本考
案装置の要部のみを示し、図示以外の構成は、上
記従来装置の第１図乃至第３図に示す構成とほぼ
同様に構成されているので、その説明は省略す
る。

第５図において、６は上記第３図に示す中空円
筒状支柱と同様に、下端が開放されており、その
内部には、そのほぼ全長に亘りオーガスクリユー
７が回転可能で、軸方向には移動不能に支承され
ており、その頂部適所に設置された駆動源（図示
せず）により正、逆方向に駆動回転せしめられる
ようになつている。なお該駆動源の代りに、撹拌
軸４の駆動源１を共用するようにしてもよい。な
お該撹拌軸４は従来同様に中空支柱６の下方の位
置にあり、また、撹拌翼を具えており、かつ各撹
拌翼間の撹拌軸４の周壁にはセメントミルク等の
吐出口が配設されている。そして本撹拌装置の駆
動軸３、撹拌軸４および中空円筒状支柱６を海底
等の軟弱地盤中に貫入せしめたとき、駆動源によ
りオーガスクリユー７を回転させると、該スクリ
ユー７の作用で該中空円筒状支柱６内に軟弱土が
強制的に圧入され、また、逆にオーガスクリユー
７を逆回転させると、中空円筒状支柱６内の軟弱
土は外部へ排出されるようになつている。

本考案装置の一実施例は、上記のように構成さ
れており、本装置を海底等の軟弱地盤中への貫入
時に、中空円筒状支柱６内のオーガスクリユー７
を、その駆動源により回転させて該中空円筒状支
柱６内に強制的に軟弱土を圧入することにより、
撹拌軸４を含む中空円筒状支柱６の地盤中への貫
入抵抗が軽減できる。また、本撹拌装置の地盤中
からの引抜き時には、オーガスクリユー７を逆回
転させて、中空状円筒支柱６内の軟弱土を外部に
排出し、、該軟弱土を該中空円筒状支柱６の下側
の撹拌軸４により撹拌するとともに、これにセメ
ントミルク等を注入して改良する。

本考案装置は、上記のような構成、作用を具有
するものであるから、本考案によれば (1) 中空円筒状支柱６内に軟弱土を強制的（機械
的）に圧入することにより、装置の地盤中への
貫入抵抗を従来に比し減少できるばかりでな
く、海底面における軟弱土の盛り上りを防止で
きる。

(2) 中空円筒状支柱６内へ圧入された軟弱土は、
装置の引抜き時に、外部に排出され、下側の撹
拌軸４の作用で改善されるので、局部的に改善
されない部分がなく均一な軟弱地盤の改善が可
能となる。

(3) 装置の軟弱地盤中への貫入抵抗の減少によ
り、装置の重量軽減、作業船Ｓの小形化をはか
ることができる。

などの実用的効果を挙げることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は作業船上に設置された従来装置の一例
の略示的側面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面
図、第３図、第４図はそれぞれ従来装置の中空円
筒状支柱の下端部を切開して示す説明図、第５図
は本考案の一実施の要部（中空円筒状支柱）の下
端部の一部を切開して示す説明図である。 第５図において、６……中空円筒状支柱、７…
…オーガスクリユー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動源により駆動される駆動軸によつて、ほぼ
   垂直状態に駆動回転されるとともに、軟弱地盤中
   に貫入され、軟弱地盤を撹拌するとともに、軟弱
   地盤中にセメントミルク等を注入する中空撹拌軸
   と、下端開口を、上記中空撹拌軸の位置よりもあ
   る程度上方に位置するように、ほぼ垂直状に保持
   され、適当な大きさの内径をもつ中空円筒状支柱
   を具えた軟弱地盤改良用撹拌装置において、上記
   中空円筒状支柱の中に、複数の撹拌軸を適宜数個
   所にて回転可能に支持し、オーガスクリユーの貫
   入時には軟弱土を圧入する方向に、また、その引
   抜き時には、軟弱土を排出する方向に回転せしめ
   るように構成してなることを特徴とする軟弱地盤
   改良用撹拌装置。