JPS6232217Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はエレベータのガイドシユーの構造に
関するものである。

まず、第１図によつて従来のエレベータのガイ
ドシユーを説明する。

図中、１はガイドシユーのフレームで、２はこ
れに溝状に上・下端にフランジ２ａを持つ保持
部、３はポリウレタン等の合成樹脂で製作され横
断面溝形をなし外側面が保持部２に嵌合された摺
動体、４は保持部２の上・下端にそれぞれに配置
されてフランジ２ａに締結されて摺動体３の長手
端面及び長手端部前面に対向して摺動体３を保持
部２に保持する押え具である。

すなわち、図示しないがエレベータの昇降体に
ガイドシユーが装着されて昇降体に沿つて立設さ
れたガイドレールに摺動体３が嵌合され、ガイド
レールによりガイドシユーを介して昇降体が案内
されて昇降する。そしてガイドレールを摺動する
ときの摺動抵抗によつて摺動体３がフレーム１か
ら逸脱することを防ぐため押え具４によつてフレ
ーム１に保持される。しかし、押え具４がボル
ト，ナツト等の締結具によつて保持部２に締結さ
れるためガイドシユーの部品点数が多く、また組
立てに手数が掛つて高価なものとなる不具合があ
つた。

この考案は上記の欠点を解消するもので、簡易
な構成であつて容易に製作することができるエレ
ベータのガイドシユーを提供しようとするもので
ある。

以下、第２〜第６図によつてこの考案の一実施
例を説明する。

図中、第１図と同符号は相当部分を示し、２ｂ
は鋼板が屈折されて溝状をなしフレーム１に溶接
された保持部２内面の３面にそれぞれ設けられた
第１種係合孔、２ｃは第１種係合孔２ｂとは離れ
て保持部２内面の３面にそれぞれ設けられて、第
１種係合孔２ｂよりも小さい第２種係合孔、３ａ
は摺動体３の外側面のそれぞれに突出して設けら
れて第１種係合孔２ｂに遊嵌された第１種係合
子、３ｂは摺動体３の外側面のそれぞれに突出し
て設けられ第１種係合子３ａよりも細い第２種係
合子で、第２種係合孔２ｃに遊嵌し第２種係合孔
２ｃとの間に、第１種係合孔２ｂと第１種係合子
３ａとの間の空隙Ａよりも広い空隙Ｂを形成して
いる。

すなわち、合成樹脂製の摺動体３がそれの溝幅
を狭くする方向に弾性変形されて保持部３の溝内
に押し込まれ、第１，第２種係合子３ａ，３ｂが
それぞれ対応した係合孔に嵌合される。これによ
つて第１種係合子３ａと第１種係合孔２ｂ、及び
第２種係合子３ｂと第２種係合孔２ｃの嵌合によ
つて摺動体３が保持部２の溝内に保持される。し
たがつて少ない部品数によつて構成されて、簡単
な作業によつて組立てることができる安価なガイ
ドシユーが得られる。また太い第１種係合子３ａ
は摺動体３の摺動抵抗による荷重を支持する機能
を持ち、細い第２種係合子３ｂは摺動部２内にお
ける摺動体３の位置決め、すなわち姿勢保持の機
能を果すもので、空隙Ａ，Ｂは摺動体３及び保持
部２の製作誤差、周囲の温度変化による摺動体３
の体積変化、摺動体３の摺動による発熱変形を見
込んだ値とすることにより、容易に摺動体３を保
持部２に嵌着することができるとともに、第１，
第２種係合子３ａ，３ｂに無用な剪断荷重が作用
することを防ぐことができる。さらに空隙Ａが空
隙Ｂよりも小さく設定されているので、摺動体３
の摺動抵抗による荷重が第１種係合子３ａにより
支持されて、細い第２種係合子３ｂに作用するこ
とがなく第２種係合子３ｂの折損を防止でき長期
間にわたつて安定した状態で摺動体３が保持部２
に保持される。なお、この実施例においてレール
から水平方向に作用する荷重に対してフレーム１
の第３図における上端部が撓屈するため荷重の作
用点が第３図のフレーム１の下部に移行するの
で、摺動抵抗による荷重が、摺動体３と保持部２
の摩擦力により支持される。したがつて第１種係
合子３ａ、第１種係合孔２ｂをフレーム１の第３
図における上部に配置することによつて第１種係
合子３ａに作用する摺動低抗荷重を減小させるこ
とができる。

なお、摺動体３に複数個の細い係合子を設けて
これらを保持部２に設けられた係合孔に嵌合する
ことも考えられるが摺動抵抗荷重を複数個の細い
係合子に均等に作用させることは困難であつて、
特定の係合子に荷重が集中して係合子が折損す
る。このため終りには全部の係合子が折損して保
持作用を喪失する不具合がある。

また、第２〜第６図の実施例において摺動体３
の溝底面に対向した外側面の第１，第２種係合子
３ａ，３ｂが省略されたものであつても第２〜第
６図の実施例とほぼ同様な作用を得ることができ
る。

以上説明したとおりこの考案は、摺動体の外側
面に太い第１種係合子とこれよりも細い第１種係
合子を設け、摺動体が嵌合されたフレームの保持
部内面に第１種係合子が遊嵌された第１種係合孔
と第２種係合子が遊嵌されて第１種係合子と第１
種係合孔相互の空隙よりも広い空隙を形成する第
２種係合孔とを設けたものである。これによつて
少ない部品数で構成されて容易に組立可能であつ
て安価に製作でき、また摺動抵抗荷重が太い第１
種係合子によつて支持されて細い第２種係合子の
切損を防ぎ摺動体が安定した状態でフレームに保
持されて良好な案内作用を奏するエレベータのガ
イドシユーを実現するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエレベータのガイドシユーの斜
視図、第２図はこの考案によるエレベータのガイ
ドシユーの一実施例を示す正面図、第３図は第２
図の右側面図、第４図は第２図の平面図、第５図
は第２図の背面図、第６図は第２図の摺動体の右
側面図である。 １……フレーム、２……保持部、２ｂ……第１
種係合孔、２ｃ……第２種係合孔、３……摺動
体、３ａ……第１種係合子、３ｂ……第２種係合
子。なお、図中同一部分又は相当部分は同一符号
により示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレームと、横断面溝形をなし少なくとも互い
   に対向した外側面のそれぞれに突出して設けられ
   た少なくとも１つの第１種係合子及びこの第１種
   係合子よりも細い第２種係合子を有する摺動体
   と、上記フレームに溝状に構成されて上記摺動体
   の外側面が嵌合されかつ内面に上記第１種係合子
   が嵌合された第１種係合孔及び上記第２種係合子
   が嵌合されて上記第１種係合子と上記第１種係合
   孔相互の空隙よりも広い空隙を上記第２種係合子
   との間に形成した第２種係合孔を有する保持部と
   を備えたエレベータのガイドシユー。