JPS6230127Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカセツト式コインチユーブを備えた硬
貨払出装置に関する。

自動販売機に使用されている硬貨払出装置は釣
銭用のコインチユーブを具備しており、釣銭時に
所定のコインチユーブ内に貯留してある硬貨を所
定数逐次払出すようになつている。そして、エン
プテイ検出器で常時コインチユーブ内の貯留硬貨
数を検出し、この貯留硬貨が一定数以下になると
エンプテイ検出器が信号を出力して補助チユーブ
から当該コインチユーブ内に硬貨を補充し、コイ
ンチユーブ内の釣銭が空になることを防止するよ
うにしている。

従来の硬貨払出装置においては、コインチユー
ブが硬貨払出装置に装着固定されており、従つ
て、単にエンプテイ検出器を取付けるだけで充分
であつた。

しかしながら、コインチユーブをカセツト式し
て払出装置本体に着脱自在に形成したカセツト式
コインチユーブを使用する形式の硬貨払出装置に
おいては、当該コインチユーブを払出装置本体か
ら取り外すと、エンプテイ検出器にとつてはあた
かもチユーブ内の貯留硬貨空になつたと同じ状態
となり、従つて、エンプテイ検出器が作動し、コ
インチユーブがない状態でも補助チユーブから硬
貨が送り出されてしまうという不具合いが生じ
る。

本考案は上述の点に鑑みてなされたもので、硬
貨払出装置本体側に更にセーフテイスイツチを配
設してカセツト式コインチユーブの本体への装着
状態を検出し、正規に装着されていない場合には
補助チユーブの払出装置を不動作状態にし、エン
プテイ検出器が作動しても補助チユーブからの硬
貨の補充を停止するようにしたカセツト式コイン
チユーブを備えた硬貨払出装置を提供するもので
ある。

以下本考案を添附図面の一実施例に基づいて詳
述する。

第１図において、コインチユーブ１０はカセツ
ト式コインチユーブで釣銭硬貨貯留用のコインチ
ユーブ１１〜１４を並設して一体に形成したもの
で、各チユーブ１１〜１４は上方部１０ａが開口
しており、下部１０ｂには貯留硬貨支持用のコイ
ンベース１５が固設されている。そして、各コイ
ンチユーブ１１〜１４の下部開口部とコインベー
ス１５間には硬貨引出し用のペイアウトスライド
１６が矢印Ａ，A′で示す前、後方向に摺動自在
に介挿されている。このペイアウトスライド１６
の板厚は硬貨の厚みと同じになつており、各チユ
ーブ１１〜１４と対向する位置に孔１６ａが設け
られている。そして、この各孔１６ａ内には各コ
インチユーブ１１〜１４内に貯留されている硬貨
の最下部の硬貨を収容する。このペイアウトスラ
イド１６はコインチユーブ１０を硬貨払出装置２
０のコインチユーブ収納部２０ａ内に装着したと
きに孔１６ｂ，１６b′を介してレバー２６，２
６′に嵌合される。そして、硬貨払出し時にこの
ペイアウトスライド１６がこれらのレバー２６，
２６′により前述した矢印Ａ，A′方向に制御さ
れ、各孔１６ａ内に収容している硬貨を各チユー
ブ１１〜１４から引き出すようになつている。

また、このカセツト式コインチユーブ１０の両
側部１０ｄ，１０ｅの略中央位置のスリツト１０
ｆ内には係止部１７が設けられており、この係止
部１７はバネ（図示せず）力により通常スリツト
１０ｆの上端部（矢印Ｂ方向）に位置している。
そして、この係止部１７はバネ力に抗して押下げ
る（矢印B′方向）ことによりスリツト１０ｆの下
端部まで下げることができる。更に、両側部１０
ｄ，１０ｅの下端部略中央にも係止部１８が固設
されている。

このコインチユーブ１０の後部１０ｃ側の所定
位置例えばチユーブ１２の外周面略中央附近には
押圧部１９がこのチユーブ１２に平行に且つ並設
された各コインチユーブ１１〜１４の外周の後部
１０ｃ側への最大膨出位置とほぼ同一となるよう
に形成されている。この押圧部１９はセイフテイ
スイツチ３０（第２図）の作動杆３１を押圧する
ためのものである。

また、このコインチユーブ１０の所定のチユー
ブ例えばチユーブ１３の外周下部の前記最大膨出
部分には切欠部１３ａが形成されている。この切
欠部１３ａはエンプテイ検出器４０（第２図）の
検出面４１ａを当接チユーブ１３に密着させるた
めのもので、前記押圧部１９の位置よりも低い位
置に設けられている。

このようにして、カセツト式コインチユーブ１
０が構成されている。

一方硬貨払出装置２０にはカセツト式コインチ
ユーブ１０を収納する収納部２０ａが設けられて
おり、両側部２０ｄ，２０ｅには前記係止部１
７，１８に対応する位置に係止用スリツト２７が
形成されている。スリツト２７は案内溝２７ａと
これに連設する傾斜スリツト部２７ｂで形成され
ている。また、スリツト２８は案内溝２８ｂとこ
れに連設する垂直スリツト部２８ｂで形成されて
いる。

この収納部２０ａの隔壁板２０ｃにはコインチ
ユーブ１０の押圧部１９と対向する位置に孔２１
が設けられており、この孔２１からセイフテイス
イツチ３０（第２図）の作動杆３１が突出してい
る。この作動杆３１を第２図に示すように隔壁板
２０ｃの背面に設けた支持部２２ａにより水平方
向に移行自在に支持し、且つ後端部３１ｂと隔壁
板２０ｃ間に介挿したバネ３３により矢印Ｃ方向
に偏倚力を与え、先端部３１ａを収納部２０ａ内
に突出させている。また、この作動杆の後端部３
１ｂにマグネツト３２を固設する一方、基板２３
にはこのマグネツト３２と対向する位置にリード
スイツチ３４を取付ける。このリードスイツチ３
４は補助チユーブ６０（第３図）の払出装置６５
のモータ駆動回路（第４図）に接続されており、
作動杆３１が後方（矢印C′方向）に移動してマ
グネツト３２が接近するとオンとなる。

収納部２０ａの隔壁板２０ｃの下部にはコイン
チユーブ１３の切欠部１３ａと対向する位置に孔
２４が設けられており、この孔２４内にはエンプ
テイ検出器４０が収納されている。このエンプテ
イ検出器４０は例えば円形に巻装したコイルで、
所定の高周波信号が印加されており、チユーブ内
の硬貨をインピーダンス変化として検出するよう
になつている。このエンプテイ検出器４０はラバ
ー（図示せず）等で被覆してあり、ピン４３（第
２図）を介して垂直面内で上下方向に回動自在
に、且つ前後方向（矢印Ｃ，C′）方向にも所定
距離移行自在に支承する。更に、このエンプテイ
検出器４０の検出面４０ａが孔２４から収納部２
０ａ内に突出し、且つ僅かに上方に回動傾斜する
ように支持体４２のバネ部４２ａ（第２図）で当
該検出器４０の後部４０ｂを押圧支持する。

そして、このエンプテイ検出器４０はチユーブ
１３内の貯留硬貨が第２図に鎖線程度に減少する
とエンプテイ信号を出力し、前記払出装置６５の
モータ駆動回路に接続したエンプテイスイツチ５
０を閉成させる。

このようにして、コインチユーブ収納部２０
ａ、セーフテイスイツチ３０及びエンプテイ検出
器４０を構成する。

さて、カセツト式コインチユーブの各チユーブ
１１〜１４内に所定の硬貨を貯留した後、後部１
０ｃ側を収納部２０ａの隔壁板２０ｃと対向さ
せ、当該コインチユーブ１０の両側の係止部１８
を収納部２０ａの対向する両側のスリツト２８の
案内溝２８ａを通してスリツト部２８ｂ内に嵌挿
する。次いで、これらの係止部１８を支点とし、
コインチユーブ１０の前部１０ｇの上方部を収納
部２０ａ側に押圧回動し、両側部の係止部１７を
対応する収納部２０ａの両側のスリツト２７の案
内溝２７ａを通してスリツト部２７ｂ内に嵌挿す
る。この状態においては、両係止部１７はスリツ
ト部２７ｂの手前側の溝２７b″内にバネ力によ
り係止されており、コインチユーブ１０は第２図
の鎖線で示すように傾斜して係止されている。ま
た、この状態においては、チユーブ１３の押圧部
１９とセーフテイスイツチ３０の作動杆３１、切
欠部１３ａとエンプテイ検出器４０とは夫々第２
図の鎖線で示すような関係になつており、セーフ
テイスイツチ３４がオフ、エンプテイスイツチ５
０がオンとなつている。従つて、補助チユーブ６
０の払出装置６５のモータ駆動回路が開放してお
り、当該払出装置６５は補助チユーブ６０から硬
貨を送出しない。

次いで、更に、コインチユーブ１０の上部を収
納部２０ａ側に係止部１７のバネ力に抗して押圧
回動し、係止部１７をスリツト部２７ｂの奥の溝
２７b′内に嵌挿させる。この状態において、カセ
ツト式コインチユーブ１０が第２図に示すように
収納部２０ａ内に正しく装着係止される。このと
き、チユーブ１３の押圧部１９がセーフテイスイ
ツチ３０の作動子３１を、切欠部１３ａがエンプ
テイ検出器４０を夫々バネ力に抗して矢印C′方
向に押圧する。そして、作動子３１のマグネツト
３２がリードスイツチ３４に最接近してこれをオ
ンにする。また、エンプテイ検出器４０は下方向
に回動しながら検出面４０ａが切欠部１３ａに密
着する。従つて、コインチユーブ１０と収納部２
０ａとの間に構造上のガタ付きが多少生じても、
検出面４０ａは切欠部１３ａにバネ力で圧着す
る。

エンプテイ検出器４０はチユーブ１３内の貯留
硬貨５０（第２図に鎖線で示す）がこのエンプテ
イ検出器４０の取付高さ以下に減少するとこれを
検出してエンプテイスイツチ５０をオンにする。
そして、エンプテイスイツチ５０がオンになる
と、補助チユーブ６０の払出装置６５（第３図）
のモータＭ（第４図）が回転し、補助チユーブ６
０から当該チユーブ１３内に所定数の硬貨を補充
する。

以上説明したように本考案によれば、本体収納
部からカセツト式コインチユーブを取り外したと
きにセーフテイスイツチを作動させて補助チユー
ブの払出装置を不動作状態にすることにより補助
チユーブからの硬貨の送出を阻止することがで
き、カセツト式コインチユーブを容易に着脱或は
交換することができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るカセツト式コインチユー
ブを備えた硬貨払出装置の一実施例を示す図、第
２図は第１図に示すカセツト式コインチユーブを
本体収納部に装着した状態の要部断面図、第３図
は硬貨払出装置の概略説明図、第４図は第３図に
示す補助チユーブの払出装置の駆動回路の一実施
例を示す図である。 １０……カセツト式コインチユーブ、２０……
硬貨払出装置、２０ａ……収納部、３０……セー
フテイスイツチ、４０……エンプテイ検出器、６
０……補助チユーブ、６５……払出装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 着脱自在なカセツト式コインチユーブを備える
   とともに該カセツト式コインチユーブ内の硬貨が
   所定枚数以下になると補助チユーブの硬貨払出装
   置を動作させて該補助チユーブから前記カセツト
   式コインチユーブへの硬貨の補充を行なう手段を
   備えた硬貨払出装置において、 前記カセツト式コインチユーブが正規に装着さ
   れたときに動作するセーフテイスイツチと、 該セーフテイスイツチが不動作のとき前記硬貨
   払出装置の前記補助チユーブから前記カセツト式
   コインチユーブへの硬貨補充動作を禁止する手段
   と を具えた着脱自在なカセツト式コインチユーブを
   備える硬貨払出装置。