JPS6227303Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は１サイクル中にスライドが２回下死
点を通過するようにしたコイニングプレスに関す
る。

従来金属をコイニング加工する際、１度の成形
で所望の形状が成形できない場合、２度打ちをよ
く行う。しかし成形品の２度打ちは生産性を半減
すると共に、２度打ち成形時成形品がずれて不良
品が発生しやすく、また成形後のノツクアウトを
１度目は作動させないなどの対策が必要であるな
どの不具合があつた。

この考案はかかる不具合を改善する目的でなさ
れたもので、１サイクル中にスライドが下死点を
２回通過するようにして、１サイクル中に成形品
の２度打ちを可能としたコイニングプレスを提供
して、生産性の向上などを図ろうとするものであ
る。

以下この考案を図示の一実施例を参照して詳述
すると、図において１はプレス本体、ボルスタ１
ａ上に下型２が設置されていると共に、下型２の
上方にはスライド３が上下動自在に設けられてい
る。上記スライド３の下面には上型４が取付けら
れていると共に、スライド３の上部にはコネクテ
イングスクリユ５が設けられている。上記コネク
テイングスクリユウ５はウオームギヤ６により回
転自在なねじ筒５ａと、このねじ筒５ａ内に螺挿
されたねじ部材５ｂとよりなり、ねじ部材５ｂの
上部にはピン７によりトグルレバ８の一端側が枢
着されている。トグルレバ８の他端側はトグルリ
ンク９及びコンロツド１０の一端側にピン１１に
より夫々枢着されていると共に、トグルリンク９
の他端側はスライド３の上方に延出され、ピン１
２により移動子１３に枢着されている。上記移動
子１３の下側には圧縮ばね１４が設けられてい
て、上記移動子１３をその上方に設けられたウエ
ツジ１５の傾斜面１５ａに圧接されている。上記
ウエツジ１５の一端側にはねじ杆１６が突設され
ており、このねじ杆１６にガイド部材１７により
左右方向の移動が規制されたナツト１８が螺装さ
れている。また上記ナツト１８の外周面にはウオ
ームギヤ１９が噛合されていて、このウオームギ
ヤ１９によりナツト１８を回転させることにより
ウエツジ１５が矢印方向へ移動できるようになつ
ている。

一方上記コンロツド１０の中間部にはシヨツク
緩衝手段２０が設けられている。このシヨツク緩
衝手段２０は例えば第２図に示すような油圧シリ
ンダ２１と、この油圧シリンダ２１にチエツク弁
２２及び切換え弁２３に油圧を供給する油圧ポン
プ２４とよりなり、チエツク弁２２と切換え弁２
３の間にはリリーフ弁２５が設けられていて、コ
ンロツド１０に加わる負荷が正から負に変る際生
じるシヨツクを緩和するようになつていると共
に、コンロツド１０の他端側は、図示しない回転
駆動源により歯車群２６，２７及び偏心ドラム２
８を介して回転されるクランク軸２９の偏心軸２
９ａに支承されている。

しかして偏心軸２９ａが第３図ａの位置にある
スライド３の上死点から、クランク軸２９が時計
まわり方向へ回転されると、これに伴いコンロツ
ド１０が右方へ移動してスライド３が下降し、偏
心軸２９ａがｂ点に達したところでトグルレバ８
及びトグルリンク９が一直線状となつてスライド
３は下死点b″に達する。さらにクランク軸２９
が回転して偏心軸２９ａがｃの位置に達すると、
トグルレバ８及びトグルリンク９の間はいままで
と逆の方向へく字形に屈曲されて１度スライド３
がc″の位置まで上昇した後再び下降を開始し、偏
心軸２９ａがｄ点に達したところで、再びスライ
ド３が上死点に達する。その後スライド３は上昇
して、偏心軸２９ａが１回転したところで上死点
a″に達する。すなわち１サイクル中にスライド３
が２回下死点b″，d″を通過して、この間に下型
２と上型４の間で成形品を２度打ちすることがで
き、またスライド３のストロークは第４図に示す
ようになる。

一方上記動作はスライド３が同一下死点を２回
通過する場合であるが、１回目の下死点b″に対
して２回目の下死点d″をδだけ低くすることも
できる。すなわちスライド３側にストロークを検
出するポテンシヨメータ３０を設けて、このポテ
ンシヨメータ３０によりダイハイトを常時検出
し、スライド３が１回目の下死点b″を通過した
のを上記ポテンシヨメータ３０が検出したら、そ
の信号によりウオームギヤ６を回転させて、コネ
クテイングスクリユウ５をスライド３の下降方向
へ調整する。これによりスライド３の２回目の下
死点d″は１回目の下死点b″よりδだけ下げるこ
とができる。また上記動作はウエツジ１５によつ
ても行うことができる。すなわちポテンシヨメー
タ３０からの信号によりウオームギヤ１９を回転
させてウエツジ１５を矢印方向へ移動させる。こ
れにより２回目のスライド下死点d″をδだけ下
げることができると共に、スライド下死点位置の
調整はコネクテイングスクリユウ５及びウエツジ
１５を同時に作動させて行うようにしてもよい。

一方スライド３が１回目の下死点b″通過後２
回目の下死点d″に達するまでの間コンロツド１
０に加わる負荷は正から負に変化し、このとき歯
車列２６，２７などのバツクラツシユによりコン
ロツド１０にシヨツクが加わるが、このシヨツク
はシヨツク緩衝手段２０により吸収されるため、
何等不具合は生じない。

この考案は以上詳述したように、１サイクル中
にスライドが２回下死点を通過することから１サ
イクル中に成形品の２度打ちが可能となり従来の
１サイクル中に１度成形品を打つものに比べて生
産性が倍増すると共に、２度打ち周期が短いた
め、この間に成形品がずれる虞れもなく、これに
よつて不良品の発生率も低減できる。

またノツクアウト手段は従来のものがそのまま
利用できるため、改造の必要がなく経済的であ
る。

しかもコンロツドの途中に、コンロツドに加わ
る負荷が正から負に変じる際に発生するシヨツク
を緩和するシヨツク緩和手段を設けたことから、
歯車のバツクラツシユなどによるシヨツクがコン
ロツドよりスライド側へ伝達されて、成形に悪影
響を与えたり異音を発するなどの不具合も解消す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は全
体の概略図、第２図はシヨツク緩衝手段の説明
図、第３図は作用説明図、第４図はスライドスト
ローク線図である。 １はプレス本体、１ａはボルスタ、３はスライ
ド、８はトグルレバ、９はトグルリンク、１０は
コンロツド、２９はクランク軸、２９ａは偏心
軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレス本体１のボルスタ１ａ上方にスライド３
   を上下動自在に設け、このスライド３にトグルレ
   バ８の一端を枢着し、またトグルレバ８の他端側
   は、スライド３の上方において一端側が枢支され
   たトグルリンク９の他端側とコンロツド１０の一
   端側に枢着し、かつコンロツド１０の他端側は、
   該コンロツド１０を介して上記トグルレバ８及び
   トグルリンク９をほぼく字状態から逆く字状態ま
   で駆動可能なクランク軸２９の偏心軸２９ａに支
   承すると共に、上記コンロツド１０の途中に、該
   コンロツド１０に加わる荷重が正から負に変化す
   るとき生じるシヨツクを吸収するシヨツク緩和手
   段２０を設けてなるコイニングプレス。