JPS6222476Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば船舶建造時に使用する可動足
場装置に関するものである。

船舶建造時における溶接、検査、塗装等の各種
作業には船体外面および内面にそれに対応する作
業足場を設ける必要がある。この作業足場として
は、例えば適宜の間隔を存して立設した支柱間
に、足場板を所要高さ間隔をもつて適数段架設す
るものが一般的であるが、このような作業足場で
は、その構築に長期間を要すると共に、上下方向
の移動を必要とする作業の場合には順次上方ある
いは下方の足場板に移動しながら作業をすること
になり極めて能率の悪いものであつた。加えて上
記足場の場合には、作業姿勢が一定でなく時々
刻々変化する為、作業者の疲労が激しくなつて安
全上好ましくなく、かつ、作業品質が均一になり
難いという問題点も併せもつていた。

本考案は上記問題点を解消せんとして成された
ものであり、取付けが極めて容易、かつ、上下方
向及び横方向の移動自在な可動足場装置を提供せ
んとするものである。

すなわち、本考案は上面にガイドレールを敷設
してなる箱型に枠組形成された動力室と、該動力
室の前記ガイドレール上を、動力室に配設された
第１駆動源およびチエン・スプロケツト等の動力
伝達手段を介してスライド可能に配設された作業
床と、該作業床上に形成され、作業面となる前面
のみ開口せしめて残部は金網等で包囲し、かつ天
井部および床部の前面側所要面積を切欠いて該部
に開閉可能な扉を蝶着し、更にどちらか一方ある
いは両側部に開閉扉を設けてなる作業室とを具備
して成り、作業場所に取付けたガイドレールを抱
持すべく前記動力室前面に配設されたガイドロー
ラ群と、前記ガイドレールと平行状に設けられた
ラツクに噛合すべく動力室に配設された第２駆動
源の出力軸に取付けた駆動ギアとにより、前記ガ
イドレールに沿う昇降自在に構成したことを要旨
とする可動足場装置である。

以下本考案を添付図面に示す一実施例に基づい
て説明する。

図面において、１は例えば箱型に枠組形成され
た動力室であり、該動力室１上面の後部側縁から
中央部に至る間には一対のガイドレール２が敷設
され、又動力室１所定位置には例えば油圧ポンプ
３、モータ４およびギアボツクス５により所定速
度での正逆回転が可能な如く構成された第１駆動
源６と、同じく駆動モータ７およびギアボツクス
８により所定速度での正逆回転可能な第２駆動源
９が夫々配設されている。

１０は上記ガイドレール２に沿うスライド可能
に設けられた作業床であり、該作業床１０の移動
は、上記動力室１に配設された第１駆動源６並び
に動力室１とガイドレール２の適所に枢支された
スプロケツト１１およびこれらスプロケツト１１
に掛装されるチエン１２によつて行なわれる（第
７図参照）。

１３は上記作業床１０上に形成された作業室で
あり、該作業室１３は作業面となる前面のみ開口
せしめて残部は金網等で包囲されている。そし
て、この作業室１３の上記ガイドレール２からオ
ーバーハングしている前面側天井部および床部を
所要長さ切欠いてこれら部分に開閉可能な扉１４
を蝶着し、更にどちらか一方あるいは両側部に開
閉扉１５を設けている。

１６は動力室１の前面に配設されたガイドロー
ラ群であり、このガイドローラ群１６は例えば船
舶建造時における溶接、検査、塗装等を行なう作
業場所に取付けたガイドレール１７を抱持すべく
配置された複数個のガイドローラ１８から構成さ
れている。１９は上記ガイドレール１７と平行状
に設けられたラツクであり、このラツク１９に噛
合すべく上記第２駆動源９の出力軸に取付けられ
た駆動ギア２０の正逆回転により、本考案に係る
可動足場装置がガイドレール１７に案内されて昇
降動するのである。

なお、２１は作業床１０および作業室１３の第
２図における右側略半分がガイドレール２をオー
バーハングした場合の、傾き防止用に動力室１と
作業床１０間を枢支連結したシリンダ装置であ
り、上記第１駆動源６と連動すべくなされてい
る。また２２は作業床１０の下面所定位置に適数
個ガイドレール２を挾持すべく設けられたガイド
ローラ、２３は作業室１３前面に突設された電磁
式固定装置である。更に、上記作業室１３内には
作業者が、本考案可動足場装置のスライド移動お
よび昇降動作をせしめるための操作盤２４が設置
され、更に必要に応じて遠隔操作可能な様に呼び
戻し装置、非常停止装置、通話装置等のリモート
コントロール装置が設置されるものである。

上記した如く構成された本考案装置を用いて溶
接、塗装等の作業を行なうには、作業せんとする
場所にガイドレール１７を取付け、このガイドレ
ール１７にガイドローラ群１６を抱持させるよう
に外嵌挿させれば、必然的にラツク１９と駆動ギ
ア２０が噛合することになり、後は作業室１３内
の作業者が操作盤２４を適宜操作して作業室１３
をスライド移動させたり昇降動昇降動させながら
上記作業を行なえばよい。すなわち、作業場所近
傍に、例えばパイプ、リーチロツト、グレーチン
グ等の艤装品や、ブラケツト、ホリゾンタル等の
船コク部材があり、昇降移動の邪魔となる場合に
は作業室１３をスライド移動させて昇降させ、又
機械溶接時に溶接機を越えて昇降移動する場合に
は、作業室１３の天井及び床の扉１４を開けて昇
降させればよい。

以上述べた如く、本考案によれば、作業床自体
がスライド及び昇降移動する為、作業者の姿勢が
一定となり、作業品質が良好となる。加えて作業
者の疲労も減少して安全に作業が行なえ、作業能
率の向上が図れる。また本考案装置は従来の足場
と比較して設置時間が短かくてすみ、かつ作業時
間の短縮をも可能とする為、製品のコストダウン
にも寄与できるという大なる効果を有する考案で
ある。更に本考案装置は極めて簡単な構造である
ため、保守、点検も容易である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る可動足場装置の一実施例を
示したものであり、第１図は平面図、第２図は動
力室及び作業床部分の正面図、第３図は側面図、
第４図はガイドレール及びラツクを示したもの
で、同図イは正面図、同図ロは側面図、第５図は
動力室部分の平面図、第６図は第５図における正
面図、第７図は作業床及び作業室のスライド機構
説明図である。 １は動力室、２はガイドレール、６は第１駆動
源、９は第２駆動源、１０は作業床、１１はスプ
ロケツト、１２はチエン、１３は作業室、１４は
扉、１５は開閉扉、１６はガイドローラ群、１７
はガイドレール、１９はラツク、２０は駆動ギ
ア。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面にガイドレールを敷設してなる箱型に枠組
   形成された動力室と、該動力室の前記ガイドレー
   ル上を、動力室に配設された第１駆動源およびチ
   エン・スプロケツト等の動力伝達手段を介してス
   ライド可能に配設された作業床と、該作業床上に
   形成され、作業面となる前面のみ開口せしめて残
   部は金網等で包囲し、かつ天井部および床部の前
   面側所要面積を切欠いて該部に開閉可能な扉を蝶
   着し、更にどちらか一方あるいは両側部に開閉扉
   を設けてなる作業室を具備して成り、作業場所に
   取付けたガイドレールを抱持すべく前記動力室前
   面に配設されたガイドローラ群と、前記ガイドレ
   ールと平行状に設けられたラツクに噛合すべく動
   力室に配設された第２駆動源の出力軸に取付けた
   駆動ギアとにより、前記ガイドレールに沿う昇降
   自在に構成したことを特徴とする可動足場装置。