JPS62186744A

JPS62186744A - 母乳代替ミルク組成物

Info

Publication number: JPS62186744A
Application number: JP61027878A
Authority: JP
Inventors: Shigeo Okonogi; 小此木　成夫; Isao Kiyozawa; 清沢　功; Hiroki Hayasawa; 早沢　宏紀
Original assignee: Morinaga Milk Industry Co Ltd
Current assignee: Morinaga Milk Industry Co Ltd
Priority date: 1986-02-13
Filing date: 1986-02-13
Publication date: 1987-08-15
Anticipated expiration: 2010-06-05
Also published as: JPH0751043B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は母乳代替ミルク組成物に関し、詳しくは、栄養
価の高いは乳代替ミルク組成物に関し、さらに詳しくは
栄養価が高く、卵のアレルギー感作を受けることのない
母乳代替ミルク組成物に関する。

本発明の母乳代替ミルク組成物は、乳幼児の食生活にお
いて、母乳と同等の栄養価を保持していて、乳幼児の食
料として使用することができ、また１廿乳を供給しても
らえない乳幼児、たとえば母親のいない乳幼児の保育に
おいて、唯一の食料として使用することができる。この
ために、本発明の母乳代替ミルク組成物は、乳幼児を育
てる母親であっても、育児における授乳の負担の幌誠に
寄与することもできる。

本発明の母乳代替ミルク組成物は、育児用、Ｍ製粉薯、
乳幼児用、儒製粉乳、未塾県用調製粉乳などとして使用
できるばかりでなく、各種疾患の治療等に用いられるア
レルギー用孔、低ナトリウム乳、低すン乳および各種の
アミノ酸乳として使用することができる。

〔技術の背景および従来技術の説明〕

食事において脂肪が完全に欠乏すると動物の酸受が止ま
り、特有の皮膚炎が起こるが、リノール酸、リルン酸お
よびアラキドン酸のいずれかを含む脂肪を与えると、こ
の症状は治るので、これらの脂肪酸は、ビタミンＦ１不
可欠脂肪酸または必須脂肪酸といわれるが、これらの脂
肪酸は分子購造に −ＣＩｌ　　＝　ＣＩｌ　−ＣＩ　　−ＣＨ＝　ＣＩｌ
　−の形をした不飽和基をもっており、この構音が動物
の生理に不可欠の作用をもつらしい、といわれている。

（桜井芳人刷総合食品事典「必須脂肪酸」）本明細書において、「必須脂肪酸」は、リノール酸（Ｃ
１８＝２）、リルン酸（ＣＨ８：＝３）、エイコサトリ
エン酸（Ｃ２０＝３）、アラキドン酸（Ｃ２０＝４）お
よびドコサヘキサエン＠（Ｃ２２：　６　）をいい、「
多価不飽和必須脂肪酸」は、エイコサトリエン酸、アラ
キドン酸およびドコサヘキサエン酸をいう。

近年、乳児中容における１」乳について多面的な研究が
行なわれ、ｊひ乳の１′；１秀性を示唆する多数の知見
がＵられているうたとえば、：盛劣防葡における免疫グ
ロブリン（特に分泌Ｗ１ｇ、＝１）、ラクトフェリン、
リゾチームまたは細胞成分の役割〔ウェルシュら：ジャ
ーナル・オブ・ペディアトリックス（Ｗｅｌｓｈ　ｅｔ
　ａｔ　：　Ｊｏｕｒｎａｌ　ｏｆＰｅｄｉａｔｒｉｃ
ｓ　）　ｍ　９４巻　第１ｉ（１９７９年）〕、脂肪の
消化吸収における１１８汁酸活性化リパーゼ（ｒｌｓｓ
ｌ、）の役割〔小此木成夫他「栄養と金額」第３２巻　
第６１頁（１９７９年）〕、さらにはプロスタグランジ
ン代謝と関連するエイフサトリエン酸およびアラキドン
酸などの役割〔ラミ・キーフエら：ジャーナル・オブ・
ペディアトリック・ガストロエンテロロジー・アンド・
ニュートリジョン（Ｊｃｕｒｎａｌ　ｏｆ　Ｐｅｄｉａ
ｔｒｉｃ　Ｇａｓｔｒｏｅｎｔｅｒｏｌｏｇｙａｎｄ　
Ｎｕｔｒｉｔｉｏｎ　）第３巻　第１７２　Ｎ　（１９
８４年）が注目されている。

乳児の必須脂肪酸の必要量については、古くから諸説が
あるが、最近では、総エネルギー摂取看の約３％以上に
相当する竜と考えられている。

ＦＡＯ／　ＷＨＯ合同食品規格委員会、米国小児科学会
あるいは我国のｊダ生省が母乳代替品としての育児用ミ
ルクの規格を定めており、これらのいずれの規格におい
ても、必須脂肪酸の含有世は、ミルク１００キロカロリ
ー当りリノール酸として０．３ｇ以上、すなわち２．７
力ロリー％以上としている。一方、ＦＡＯ／　ＷＨＯ合
同専問家委員会は、乳児の必須脂肪酸°皮求について、
乳児面清中の脂肪酸パターンおよび小県期における血管
の初ＫＪＪ病変の出現などから、エネルギーの１％看で
は、その必要モを充足する。ことができず、少なくとも
３工ネルギー％を必要とするであろうとしている〔「人
間の栄養における食用油脂の役割」　（ローマ、１９７
７゛年）〕。

さらに同委員会は、泌乳初期の母乳には、約１エネルギ
ー％の長鎖必須脂肪酸が含まれており、成る卯の必須ア
ミノ酸の量と比較することが重要であるから、母乳代苔
ミルクの処方にあたって、必須脂肪酸の↑ｎを検討する
ことを考慮すべきであると指摘している。

このような乳児栄養における必須脂肪酸の重要性は、既
に２０年以上も前から認識されていて、育児用ミルクの
組成に反映されてきた。すなわち必須脂肪酸のうち、リ
ノール酸またはリルン酸を含む油脂め一定雀を育児用ミ
ルクに配合することにより育児用ミルクの脂肪の脂肪酸
組成を母乳のそれに近似させ、それによって乳児の必須
脂肪酸の必要量を充足する方策が採られてきた。しかし
多価不飽和必須脂肪酸については、品質の優れた供給源
が得られなかったこと、および多価不飽和必須脂肪酸が
体内でリノール酸またはリルン酸から合成されると考え
られていたことから、多価不飽和必須脂肪酸を増強した
育児用ミルクは知られていない。ところが、最近になっ
て、乳児では多価不飽和必須脂肪酸の生合成の機能が比
較的未熟であることから、多価不飽和必須脂肪酸として
補給することが必要であると考えられるようになってい
る。

一力において、聞書から脂質を抽出する場合、冷媒とし
てエタノールを使用する方法が知られている　（特公昭
５１−５６８号公報）。しかしながら抽出された卵諺脂
臀の抗原性については、何も知られていない。

以上のような背侵から、本発明者らは、母乳代替ミルク
への多価不飽和脂肪酸の供給源としての卵黄１１ｉ？賞
に偕目し、即々の研究を続けてきたが、その研究におい
て、卵黄自体および炭化水素系溶媒によって抽出された
卵の脂質分画は、異種受身皮膚アナフィラキシ−（Ｐａ
５ｓｉｖｅ　ＣｕｔｅｎｅｏｕｓＡｎａｐｈｙｌａｘｙ
　）反応（ＰＣＡ反応）が陽性であり、アレルギーの感
作を受は易い乳児の摂取する母乳代替ミルクに配合する
のに適さないことを見出した。

さらに本発明者らは、エタノールにより卵黄から抽出し
た卵醪脂質は、異種受身皮膚アナフィラキシ−反応（Ｐ
ＣＡ反応）を示さず、また多価不飽和必須脂肪酸を多く
含むことを見出し、これらの知見にもとづいて本発明に
到達した。

〔発明の目的および発明の要約〕

本発明の目的は、栄養価の高い母乳代替ミルク組成物を
提供することにあり、詳しくは、卵の抗原性を何するこ
となく、多価不飽和必須脂肪酸を含む１廿乳代替ミルク
組成物を提供することにある。

本発明のもう１つの目的は、脂ゝ占成分が母乳のそれに
近似し、母乳の代替とすることができる育児用ミルク組
成物を提供することにある。

本発明は、母乳代替ミルクにおいて、エタノールにより
１ｊｆｆ荷から抽出され、異種受身皮膚アナフィラキシ
−（Ｐａｓｓｉｖｅ　Ｃｕｔｅｎｅｏｕｓ　Ａｎａｐｈ
ｙｌａｘｙ　）反応による卵乃＠原性を有さず、かつ多
価不飽和必須脂肪酸に富む卵醪脂質、または精製された
卵黄脂質であって、異種受身皮膚アナフィラキシ−反応
による卵の＠原性を有さす、かつ多価不飽和必須脂肪酸
に富む卵黄脂質を含有することを特徴とする母乳代替ミ
ルク組成物である。

本発明の母乳代暑ミルク組成物における卵冶脂質は、母
乳代替ミルク組成物！００ｇ当り少なくとも０．１３ｇ
の多価不飽和必須脂肪酸が含まれるのに相当する量にお
いて、含有され、またエタノールにより抽出された卵黄
脂質が、さらに精製されたものであることができる。

本発明の母乳代替ミルク組成物における脂肪成分を、母
乳のそれに近似するものとすることができ、それによっ
て母乳と同等またはそれ以上の栄養価のものとすること
ができる。

〔発明の詳細な説明〕本発明の母乳代替ミルク組成物における卵黄脂質または
精製された卵黄脂質は、次のようにして得られる。

卯から分離した卵黄を噴霧乾燥、または他の常法によっ
て乾Ｑし、得られた卵黄の乾燥物に、エタノールを加え
、もし必要とするならば、適度に加温、撹拌する。一定
時間後に濾過し、濾液のエタノールを留去して卵黄脂質
を得る。

また乾燥した卵黄をカラムに充填し、カラムに溶媒を流
して連続的に卵の脂Ｖ！を抽出することもできる。

このようにして得られた卵−〇脂質に水蒸気を吹き込み
、リン１溶質を沈澱させた後、遠心分屋して卵ａ脂質を
Ｍ製することができ、また卵黄脂質にアセトンを加え、
リン脂質をアセトン不容部として得ることができる。こ
れらの精製によって、多価不飽和必須脂肪酸を多く含む
卵黄脂質を得ることができ、これを母乳代替ミルク組成
物に加える場合、多価不飽和必須脂肪酸の含量に応じて
、卵？ｌｔ脂質の添加看を調整することができる。

このような精製によって辱られた多価不飽和必須脂肪酸
含量の高い卵黄脂質におけるリン脂資含糟は、水蒸気を
吹き込む方法によるものでは、５０〜６０％（頃モ、以
下同じ）、アセトンを使用する後者の方法では９０％以
上になる。これらの両分は、リン脂質含喰を堪ヤ１にし
て、原の卵黄脂質と比較すると、それぞれ１．５〜２．
０倍および２．５〜３．５倍に・膜縮精製されたことに
なる。

このように１ノで製のされた卵か１溶質は、異種受身皮
・婆ノ′ナフイラキシー反応による卯の抗原性を示さず
、多価不飽和必須脂肪酸を多く含有する。

このようにして得られたｌｌ＋］冶脂質は、母乳代替ミ
ルク組成物と混合され、それによって本発明の母乳代替
ミルク組成物を得る。卵ｔ１ｊ脂質を混合するｌｕ乳代
替ミルク組成物は、母乳の代替として使用できるもので
あれば、いかなるものであってもよい。本発明の異種受
身皮膚アナフィラキシ−反応による卵の＠１京性を示さ
ず、多価不飽和必須脂肪酸に富む母乳代替ミルク組成物
の調製法の一例は以下に示すとおりである。

（１）１乳：所定Ｉなの卵カ脂質および１指溶性ビタミンを所定電の
脂肪混合物に溶解して、精製調整脂肪を調製する。

イオン交換膜電気透析装置により一部脱塩した乳清蛋白
質溶液に、脱脂粉乳、全脂粉乳、ＦＲ製乳糖、可溶性多
糖類、一部の水溶性ビタミン類およびその他の微量成分
を混合、溶解し、これに、先に調製した精製調整脂肪を
混合し、均臀化して、調乳蔽を得る。

（２）噴ｍ屹燥：この調乳液を所定の条件において殺菌し、＠縮した後、
ｆｆ１ｌ霧乾燥して、中間製品の乾燥粉末を得る。

（３）混合、充填：この中間製品に、予め精製乳糖で倍散した一部のビタミ
ン類の所定頃を程合し、篩ぜ揚したｊシ、容器に充填し
、容器内の空気を窒素ガスで；４換して、母乳代替ミル
ク組成物の包装製品を得る。

このようにして調製された母乳代替ミルク組喫物の包装
製品は、１３〜１５％の濃度において、水または温湯に
溶解して、１乳し、これを乳幼児に投与する。

このようにして１乳されたミルクは、これに含まれる脂
肪酸１００　ｇ中の多４１［ｉ不飽和Ｊ外須脂肪酸含看
が少なくとも０．４ｇであって、母乳の乳１指質の脂肪
酸中の多価不飽和必須脂肪酸含喰の最低値を超えるもの
である。

次に試験例を示して、本発明をさらに詳細に説明する。

試験停止１この試験において、卵田から抽出される多価不飽和必須
脂肪酸の抽出量の溶媒の種類による比較が行なわれた。

（１）試料の調製市販の卵黄粉末Ｉ　Ｋ９に１．５　ｊ！の溶媒を加え、
室温〜６０°Ｃにおいて約１時間ゆるやかに撹拌して、
聞苦脂質を抽出した後、濾過し、残渣を同一の溶媒０．
５１で洗滌し、濾液および洗滌液を合して、３朋Ｈｇに
おいて誠圧構縮して、卵黄抽出物を得た。

試料の調製に使用した溶媒は次のものであった。

エタノール、アセトン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、（２）試験方法試料の卵の抽出物の脂肪酸組成を、ガスクロマトグラフ
ィーの常法により分析し、全脂肪酸に対する各脂肪酸の
重嘴百分率を算出した。

（３）試験結果それぞれの溶媒による抽出温度、必須脂肪酸の抽出量お
よび多価不飽和必須脂肪酸の抽出量は第１表に示すとお
りであった。

第１表における屯位は（ｇ／　１００　ｆＩ脂肪酸）で
ある。

（以下余白）ｍ１表によると、抽出された脂肪酸中の多価不飽和必須
脂肪酸含第１は、溶媒としてエタノールを使用した場合
が最も高く、溶媒としてアセトンを使用した場合が最も
低く、ｎ−ペンタン、ｎ−ヘキサン、ｎ−へブタンおよ
びｎ−オクタンの炭化水素系溶媒を使用した場合は、そ
の中間で、溶媒の踵類による差異はほとんど見られなか
った。

試験例２この試験において、卵黄の抽出物の溶媒のＷｒｉ類によ
る卵抗原の存否をモルモットを用いた異種受身皮膚アナ
フィラキシ−反応（ＰＣＡ反応）により確認した。

（１）試料の４Ｒ製（＋−＋）卵黄抽出物のｍ製試験例１と同様にして、卵黄抽出物を調製した。

（＋−２）、異種受身皮膚アナフィラキシ−反応用試験
液のｍ製卵黄抽出物１重量部に生理食頃水５重量部を加え、超音
波発振器（久保田製作所Ｗ）を使用し、９キＩ’Ｊヘル
ツの周波数および１８０ワツトの出力において、この液
を３分間超音波処理した。その径、その液を３０００　
ｒｐｍにおいて１０分間遠心分離し、上府の脂質をピペ
ットによって除去した。この水切部に、等量の０．３％
エバンス青生理食塩水溶液を加え、よく混合して、異種
受身皮膚アナフィラキシ−反応試験液を調製した。

（２）試験方法（異種受身皮膚アナフィラキシ−反応試
験）予め５．１０，２０および１００倍に希釈した抗卵抗体
０．１−を５匹のモルモットの背部皮内に注射し、４時
間後に、上記の異種受身皮膚アナフィラキシ−反応紙１
１１Ｍ５ｒｒｔｌをモルモットの枝部静脈に注射した。

その３０分後に、新前によりモルモットをと殺し、ＩＮ
Ｎ正正中線沿って皮膚を切開し、皮膚をはぎ取って、皮
膚内面に抗原抗体反応により生じた前房の直径を測定し
た。前房の直径が５朋のものを異種受身皮膚アナフィラ
キシ−反応（ＰＣＡ反応）陽性とした。

（３）試験結果試験の結果は、第２表に示すとおりであった。

第２表　卵黄抽出物における異種受身皮膚アナフィラキ
シ−反応注）＋：異種受身皮膚アナフィラキシ−反応（ＰＣＡ反
応）が陽性、（＃８黄抽出物中に卵抗原が存在すること
を示す） −：異種受身皮膚アナフィラキシ−反応（ＰＣＡ反応）
が陰性、（卵黄抽出物中に卵抗原が存在しないことを示す）第２表によると、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよび
オクタンの炭化水素系溶媒による卵黄抽出物は、いずれ
も１００倍に希釈した抗開抗体に対して異種受身皮膚ア
ナフィラキシ−反応（ＰＣＡ反応）が陽性であって、強
い抗原性を示すが、エタノールおよびアセトンによる卵
黄抽出物は、異餌受身皮膚アナフィラキシ−反応（ＰＣ
Ａ反応）が陰性であって、卵抗原を含まないことがわか
った。

以上の試験例２の結果および前記の試験例１の結果を総
合すると、エタノールにより抽出された卵黄抽出物のＢ
ＦＪ黄脂質は、多価不飽和必須脂肪酸を多壜に含むにも
かかわらず、卵抗原を含まないことがわかった。

試験例３この試験において、エタノールにより抽出された卵黄脂
質の母乳代替ミルク組成物に対する添加量が検討された
。

この試験は、母乳の必須脂肪酸組成について詳細な研究
を行なったハーザー（Ｈａｚｅｒ　）らの母乳の分析値
〔アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュー
トリジョン（Ａｍｅｒｉｃａｎ　Ｊｏｕｒｎａｌｏｆ　
Ｃ１１ｎｉｃａｌ　Ｎｕｔｒｉｔｉｏｎ　）第３７巻　
８６１２頁（１９８３年）〕を基剪とし、試験例１で得
た卵冶脂質の脂肪酸組成の分析値から母乳代替ミルク組
成物に添加すべき卵黄脂質の＋Ｍを計算することによっ
て行なった。

前記のハーザーらの母乳の必須脂肪酸の分析値は第３表
に示すとおりであり、母乳および母乳代替ミルク組成物
の調乳時の脂肪含量を１００−当り３．５ｇ　（通常の
母乳代替ミルク１００−当りの脂肪含量はこの値に等し
いかまたは近い）として、母乳中の多価不飽和必須脂肪
酸の総量の最低値および最高値を充足するのに必要な卵
黄脂質１（Ａ）を次Ｅ　（１）により算出し、その結果
を第４表に示した。

注）　　ＰＵＰＡ　：多価不飽和必須脂肪酸。

※：脂肪酸１００ｇ当りのｙ数。

第４表　卵〃１信質の添加量第３表に示される母乳の多価不飽和必須脂肪酸含量の最
低値（０，４９ｊ；ｌ　／　１００９脂肪酸、母乳固形
分１００ｇ当りの換算で０．１３ｇに相当する）および
その最高値（２，２３９／　１００　ｊＪ脂肪酸、母乳
固形分１００ｇ当りの換算で０．５ｇに相当する）、を
充足するための母乳代替ミルク組成物（粉末）１００５
当りの卵黄脂質添加量は、このミルク組成物の調乳淵度
を１３％としたとき、２．５〜２１．５９となる。（第
４表参照）この時、このミルク組成物１００ｇ当りの多
（曲不飽和、外須脂肪酸含喰は０．１３〜０．６　ｇと
なる。

試験例４この試験において、母乳代替ミルク組成物に対するｇＪ
製された卵′６？脂質の添加看を検討した。

卵黄脂質の多価不飽和必須脂肪酸は、その大部分がリン
脂質に結合しているために、リン脂質含量の高い卵ｆＩ
ｊ脂質をｍ製することによって、母乳代替ミルク組成物
に対する卵黄脂質の添加竜を低減することができる。太
陽化学株式会社［ｒ＃８−その化学と加工技術−」第３
３１〜３３４頁（昭和６０年）に記載の方法によって得
られた精製卵黄脂質画分は代表的な精製卵黄脂質である
が、その必須脂肪酸組成は第５表に示すとおりであって
、もとの卵黄脂質に比較して、多価不飽和必須脂肪酸含
量が高い。これらの精製された卵黄脂質の母乳代替ミル
ク組成物に対する添加竜を試験例３の式（１）によって
計算する。

これらのｇ製された卵黄脂質の多価不飽和必須脂肪酸含
量は９．０％および１２．６％であるから、母乳の多価
不飽和必須脂肪酸含量の最低値（０，１４ｆｉ／　ｔｏ
ｏ　ｇ脂肪酸、母乳固形分１００　、ｇ当りの換算でＯ
，１３，９に＃ＦＪ当する）を充足するには、それぞれ０．４９３．５　Ｘ　−：　０．１９９　　および９．００．４９３．５　Ｘ　　　　　＝０．１４　ｆ１１２．６を調乳液１００ｍｊ！に添加すればよい。これらの値を
母乳代替ミルク組成物１００ｇ当りに換算すると、それ
ぞれ１．５ｇおよび１．１９になる。この時のこの母乳
代替ミルク組成物１００　ｇ当りの多価不飽和必須脂肪
酸含量は、いずれもＯ，１３ｇである。

（以下余白）第５表　Ｍ製卵黄脂質画分の必須脂肪酸組成卵抗原を含
まない卵黄脂質から精製されたこれらの精製卵黄脂質は
卵抗原を含んでいない。

以下において、参考例および実施例により本発明をさら
に詳しく説明する。

参考例卵黄粉末（商品名：卵黄粉末、太陽化学社製品）８０に
９に局方エタノール１２０１を加え、５５°Ｃにお残渣
に局方エタノール４（ｌを加えて、洗滌した。

況滌液を濾液と合し、３ＷｊＩＩＩｇの減圧において１
縮乾燥して、卵黄脂質２７に９を得た。

得られた卵黄脂質５　Ｋｇを５０°Ｃに加温した後、水
分電として２００ｇ相当竜の水蒸気を吹き込んで、リン
脂質を水和させる。２＋５０Ｏｒｐｍにおいて５分間遠
心分離して、リン脂質台Ｗｋ６０％の精製卵黄脂質２．
３に９を得た。また得られた卵黄層ｆｆ＋ｏＫｔ＋にア
セトン４０Ｊを加え、４０℃に加温撹拌して、可め性の
卵黄脂質を充分に溶解した後、濾紙を用いて濾過し、残
渣を５１のアセトンで洗滌した。

１０　朋Ｈｇの減圧において、残渣からアセトンを留去
し、９５％のリン脂質含量の精製卵ｉＲ脂質２．８句を
得た。

実施例！参考例で得た卵黄脂質５．ＯＫ９、大ヴ油５．４に９、
とうもろこし油２．５に９、パーム油６．０Ｋｇ、ヤシ
油３．７Ｋｇおよび大豆レシチン０．４Ｋｇの混合物に
、所定１１士のビタミンＡ１ビタミンＤおよびビタミン
Ｅ塩した乳清粉末２８Ｋｇ、乳［２８Ｋ９　、全脂粉乳
１３．５に９、脱脂粉乳５　Ｋ９、可溶性多Ｍ類粉末３
　Ｋｇ、および所定量のビタミン、ミネラルおよびその
他の微Ｗｋ成分を水に溶解して得た溶１１２５００　Ｋ
９に加え、溶解した後、均質化し、乳化して、調製乳５
２３　Ｋ９を得た。次にこの調製乳を１３０℃において
２秒間加熱殺菌し、２農縮した後、＠霧乾燥して、中間
粉末製品９９．５に９を得た。この中間粉末製品に、一
部のビタミン類の乳糖倍散物０．５に９を加え、均一に
混合して、母乳代替ミルク組成物（育児用調製粉乳）Ｉ
ｏｏに９を得た。

この母、乳代替ミルク組成物は、栄養的にほぼ完全な食
品であって、生後間もない乳児の唯一の栄養源として摂
取する育児用調製粉乳として充分使用しうる。

この母乳代替ミルク組成物のｔｏｏ　ｇ当りの成分組成
およびこの母乳代替ミルク組成物のｌ３９６−ｉｌｌ乳
液の＋００ｍｊｌ当りの成分組成は以下に示すとおりで
あって、製品１００　ｇ当り０．２０　ｇの多価不飽和
必須脂肪酸を含有していた。

（Ｆｉｋ乳代暑ミルク組成物およびその調乳液の成分組
成）Ｉｏｏ　ｇ当り　１０〇−当り脂　　　肪　　　　　　　　２７．００９　　　　３．
５１　ｇ（うち卵黄脂質）　　　　５．００　Ｆｌ　　
　　０．６５９侶臼質　　　　　　　１３．００１　　
　　＋、６９１Ｍ　質　　　　　　　５５．１０９　　
　７．１６９水分　　　　２．７０１　８７．３５９灰
分　　　　２．２０．９　０．２９　、Ｇ＋カルシウム
　　　　　３６０　′Ｍｇ４７■リ　　　ン　　　　　
　　　　　　　　　　　　２ｔｏｍｇ　　　　　　　　
　２７　　■カリウム　　　　　　５４０■　　　　７
０■ナトリウム　　　　　１６０　ｍｇ　　　　　２１
　ｍｇ塩素　　　３３０〜４３１ｇ（ビタミン、ミネラル）鉄　　　　　　　　　　　　　６■　　　　　　０．７
８ｍｇ！＋４　　　　　　　　　３ｚｏｐｇ４２μ９亜
鉛　　　　　　　　　２．７■　　　０．３５〜マグネ
シウム　　　　４５■　　　　５．９■（母乳代替ミル
ク組成物およびその調乳液の成分組成）　（続き）１００１１当り　１００ｄ当りビタミンＡ　　　　　　　　ｌ８００１Ｕ　　　　２３
４　ＩＵビタミンＢＩ０・４′″ｇｏ・０５２″′ｇビ
タミンＢ２０．７　＃　　　　０．０９１１ｎｇビタミ
ンＢ６０．３■　　　０．０３９■ビタミンＢ１２２　
Ｈｐ　　　　　０．２６　μｉビタミンＣ５（１ｒｎ９
６．５■ ビタミンＤ３５０　ｒＵ　　　　４６　ｒＵビタミンＥ
　　　　　　　　　５　ｒＵ　　　　　Ｏ，６５１Ｕナ
イアシン　　　　　　　０．１■ｏ＋ｏ１３■イノジツ
ト　　　　　　　３．５■　　　４．６■パントテン酸
　　　　　　　３■　　　　０．３９■シスチン　　　
　　　　２００′＃ｊ２６■タウリン　　　　　　　　
２０■　　　　２．６■リン脂質　　　　　　　　２３
０ｍｇ　　　　３０■ラクチユロース　　　　　５００
Ｔｎｇ６５■ムチン　　　　　　　　　ｔｏｍｇ　　　
　　Ｌ３１ｎｇ実施例２参考例で得た卵黄脂質６．ＯＫ９、大ヴ油４・５に９、
ラード７、ＯＫ９、ヤシ油２．１に９および大ｑレシチ
ン０．４に９の混合物に、所定量のビタミンＡ１ビタミ
ンＤおよびビタミンＥを加え、溶解して得た調整脂肪２
０Ｋｇを、所定量の全乳、脱脂乳、部分脱塩乳清、可溶
外客糖類、水溶性ビタミン類、ミネラル類およびその他
の微竜成分を含む溶液５００ｇに加え、溶解した後、均
質化し、乳化して、調製乳５２０Ｋｇを得た。

以下実施例１と同様にして、母乳代替ミルク組成物（未
熟児用調製粉乳）＋００Ｋｇを得た。

この母乳代替ミルク組成物の１００１当りの成分組成お
よびこの母乳代替ミルク組成物の１４％調孔液１００−
当りの成分組喫は以下に示すとおりであって、製品１０
０ｇ当り０．２４９の多価不飽和必須脂肪酸を含有して
いた。

（以下余白）（母乳代替ミルク組成物およびその調乳液の成分組成）１００ｇ当り　ｌｏｏｍＩｌ当り１１旨　　　ｊｊ方　　　　　　　　　　　　　　　　
　　２３．００　　ｊｊ　　　　　　　　３．２２　　
ｌ（うち卵黄脂質）　　　　６．００　ｇｏ、８４９蛋
白質　　　　　　　＋５．００　ｊｊ　　　　２．１０
　ｇ糖　質　　　　　　　５６．３０９　　　７．８８
１水　　分　　　　　　　　　　　　３．００　ｆｌ　
　　　８６．４２　ｇ灰分　　　　２．７０　ｇｏ、３
８　／１カルシウム　　　　　４９０■　　　　６９ｍ
ｇリ　　　ン　　　　　　　　　　　　　　　　　２７
０　■　　　　　　　　　３８　■カリウム　　　　　
　６５０＋＋＋ｇ９１■ナトリウム　　　　　２２０■
　　　　３１■塩　素　　　　　　　３８０　ｔｎｇ　
　　　　５３　ｍｇ鉄　　　　　　　　　　　　ｌＯ■
　　　　　　１．４■マグネシウム　　　　５５ｍｇ　
　　　　７−７■（以下のビタミンおよび＠畷成分は実
施例１に同じ）実施例３参考例で得た精製卵黄脂質（リン脂質含喰：６０％）１
．６Ｋｇ、とうもろこし油７．５に９、ヤシ曲４．５Ｋ
ｇ、パーム曲５．０Ｋｇおよび大豆レシチン０．４に９
からなるＪ、１整脂肪１９に９に所定ｉ＋ｔのビタミン
Ａ１ビタミンＤおよびビタミンＥをＩＩえ、溶解し、こ
れを、所定１の全乳、脱脂乳、部分脱塩乳清、ｏ［性多
糖類、水溶性ビタミン類、ミネラル類およびその他の微
量成分を含む溶液５００Ｋｇに加え、溶解した後、均質
化し、乳化して、調製乳５１９Ｋｇを得た。

以下実施例１と同様にして、母乳代替ミルク組成物（乳
幼県用調製粉乳）１００Ｋ９を得た。

この母乳代得ミルク組成物のｌｏｏ　ｇ当りの成分組成
およびこの母乳代替ミルク組成物の１３％調乳液の１０
０−当りの成分組成は以下に示すとおりであって、製品
ｔｏｏ　ｙ当り０．１３ｇの多価不飽和必須脂肪酸を含
有していた。

（以下余白）（母乳代替ミルク組成物およびその調乳液の成分組成）ｔｏｏ　ｙ当り　１ｏｏ−当り脂肪　　　２０．００　ｇ２．６０　／１（うち精製聞
苦Ｉｒａ質）　　１．６０ｇ０．２１ｇ缶臼質　　　　
　　　１８．００　ｆｌ　　　　２．３４　ＪｉｌＭ　
質　　　　　　　５５．００　ｆｌ　　　　７．１５１
１水分　　　　３．００１　８７．３９１１灰分　　　
　４．００　ｇｏ、５２１カルシウム　　　　　６００■　　　　７８■リ　　　
ン　　　　　　　　　　　　　　　　　３５０　　ｍｇ
　　　　　　　　　　４６　　ｍｇカリウム　　　　　
　８２０■ｌ１０７１ｎナトリウム　　　　　２５０■
　　　　３３■塩素　　　５５０■　７２′Ｍｇマグネシウム　　　　３５■　　　　４．６■鉄　　　
　　　　　　　　　　６■　　　　　　帆７８ｗ；Ｉ（
以下のビタミンおよび微量成分は実施例１に同じ）実施例４市販のカゼイン２０に９に水１８０　ＫＩ７を加えて、
よく分散させた後、これに２Ｎ水酸化ナトリウム水溶液
を加えて、そのｐＨを７．０に調整し、カゼインを完全
に溶解し、約ｌＯ％のカゼイン水め液を調製した。この
カゼイン水溶液を、８５℃において１５分間殺菌した後
、５０’Ｃに冷却した。このカゼイン水溶液に、ラクト
バチルス・ヘルベティカスの菌体をダイノーミル（Ｄｙ
ｎｏ−Ｍｌ　ｌ　Ｉ　）　　ＫＤＬ型菌体破砕機〔スイ
ス、ウィリー・バックフェン・エンジニアリング・ワー
クス（ｆｉｌｌｙ　ＢａｃｈｎｆｅｎＥｎｇｉｎｅｅｒ
ｉｎｇ　Ｗｏｒｋｓ　）社製〕によって菌体破壊して、
菌体内酵素を溶出し、これを凍結乾昂して得１こ粉末菌
体破壊物（２０，０００活性車位／ｇ）、１方バンクレ
アチン（アマノ製薬社Ｗ、８０，０００活性単位／ｇ）
をそれぞれ出臼霞１ｇ当り１０，０００活性車位ずつ加
え、これを５０°Ｃに２４時間保持して、カゼインを分
解した。その後、これを８０６Ｃに１５分間加熱して、
酵素を失活させ、カゼイン分解液１９０　／を得た。

この分解液に濾過助剤としてハイフロス−パーセル（東
京理′藻上社製）４Ｋｇを加え、吸引濾過し、纏液を常
法によりγ１２縮した後、ｌｌα霧乾燥して、抗原性の
ない粉末カゼイン分解物１８．４Ｋｇを得た。

このカゼイン分解物１８Ｋｇおよびタピオカ澱粉１１．
５に９を、所定量の水溶性ビタミン類、ミネラル類およ
びその他の微量成分を含む溶液２００に９に溶解した。

これに、参考例で得た精製卵黄脂質（リン脂臀含攪：９
５％）２．４Ｋｇ、ヤシ曲１０．０　Ｋｇおよびサフラ
ワー曲５．６に９の混合物に所定量のビタミンＡ１ビタ
ミンＤおよびビタミンＥを溶解して得た調整脂肪１８に
９を加え、均質化して、乳化し、以下実施例１と同様に
して、中間粉末製品４８Ｋｇを得た。

この中間粉末製品４８に９に、可溶性多糖類粉末４７Ｋ
ｇ、グラニユー糖５　Ｋ９および一部のビタミン類なら
びにその他の微量成分を加え、均一に混合して、食物ア
レルギーの乳児に特に適した母乳代替ミルク組成物１０
０　Ｋｇを得た。

この母乳代替ミルク組成物の１００ｇ当りの成分組成お
よびこのｆ廿乳代苔ミルク組成物の１５％調乳液の１０
０−当りの成分組成は、以下に示すとおりであって１．
製品１００ｇ当り、０．２６ｇの多価不飽和必須脂肪酸
を含有してｊ八た。

（以下余白）（母乳代替ミルク組成物およびその調乳液の成分組成）ｔｏｏ、９’当り　！０〇−当り脂肪　　　＋８．００１　２．７０　ｇ（うち精製卵黄
脂質）　　２．４０９　　　０．３６／ｉ蛋白質　　　
　　　　＋５．７０１１　　　２．３４１１糖　質　　
　　　　　６０．５０９　　　９．０８１！水分　　　
　３．００　／ｉ　　８５．４６　／１灰分　　　　２
．９０９　０．４２　Ｊｉ’カルシウム　　　　　　４
００■　　　　６０■リ　　　　ン　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　２７０ｍｇ　　　　　　　
　　　４１　　ｍｇカリウム　　　　　　　５８０■　
　　　８７■ナトリウム　　　　　　　＋８０　’ｉｎ
９　　　　２７〜塩素　　　　３６０■　５４■ 鉄　　　　　　　　　　　　　　　６７ｎｇ　　　　　
　０．９０■マグネシウム　　　　　　４５■　　　　
６．８■（以下のビタミン、ミネラルおよび微１成分は
実施例１に同じ）〔発明の効果〕（１）乳児の栄養において重“要なエイコサトリエン酸
、アラキドン酸およびドコサヘキサエン酸などの多価不
飽和必須脂肪酸を母乳と同等の水準において乳児に供給
することができる。

（２）食物アレルギーの大きな要因の１つの卵を原料と
するにもかかわらず、乳児における卵アレルギーを誘発
することなく、多価不飽和必須脂肪酸を乳児に供給する
ことができる。

出曙人　森永乳業株式会社

Claims

【特許請求の範囲】

（１）母乳代替ミルクにおいて、エタノールにより卵黄
から抽出された卵黄脂質または精製された卵黄脂質であ
って、異種受身皮膚アナフイラキシー反応による卵の抗
原性を示さず、かつ多価不飽和必須脂肪酸に富む卵黄脂
質を含有することを特徴とする母乳代替ミルク組成物。
（２）卵黄脂質が、母乳代替ミルク組成物１００ｇ当り
少なくとも０．１３ｇの多価不飽和必須脂肪酸を含む量
に相当する量において含有されていることを特徴とする
特許請求の範囲第１項に記載の母乳代替ミルク組成物。
（３）精製された卵黄脂質が、エタノールにより卵黄か
ら抽出された卵黄脂質を精製したものであることを特徴
とする特許請求の範囲第１項または第２項に記載の母乳
代替ミルク組成物。