JPS6212929Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はギヤシフトドラムを備えた変速機のリ
バース装置に関するものである。

たとえば、バルーンタイヤを備えた自動三輪車
は、従来のオート三輪と異なり、自動二輪車に類
似した簡単な構成を有し、変速機も自動二輪車と
同様なギヤシフトドラム方式が採用されている。
したがつて上記自動三輪車には、リバース荘置が
備えられていない。

しかし、自動三輪車の場合は、運転操作の面か
らも、前進のみでなく後進も可能であることが望
ましい。

そこで、出願人は先にギヤシフトドラムを備え
た変速機のリバース装置を提供し、もつて後進を
可能にするとともに、リバース位置への誤操作の
防止を図つた。

本考案は、そのリバース装置をさらに発展させ
たもので、その特徴とするところは、リバース位
置への誤操作を防止するとともに、リバース位置
へのシフトをリバース用レバーのみで行なうこと
ができるようにしたことにある。

以下図面に示した実施例を参照しながら本考案
を説明する。本考案に係る変速機のリバース装置
は、ギヤシフトドラム１にリバース用カム溝２を
形成するとともに、該カム溝に嵌合させたギヤシ
フトフオーク（図示せず）および該フオークによ
つて軸方向に摺動されるリバースギヤー（図示せ
ず）等のリバース機構を付設した変速機のリバー
ス装置において、上記ギヤシフトドラム１に一部
を残して補助溝３を周設するとともに、適宜位置
にリバース用係合片４を突設し、一方ストツパー
片５を突設し、かつ係合爪６を形成し、リバース
用レバー７と連動するリバース用シフトアーム８
を上記補助溝３および係合片４に対応させてフレ
ーム９等に配設するとともに、該シフトアームを
バネ１０よつて常時ギヤシフトドラム１方向に附
勢して上記シフトアーム８のストツパー片５を上
記補助溝３内に嵌入させ、ギヤシフトドラム１の
ニユートラル位置Ｎで該ドラムの補助溝端部３ａ
がリバース用シフトアーム８のストツパー片５に
当接してギヤシフトドラム１のリバース位置方向
への回動を阻止し（第３図を参照）、リバース
用レバー７を作動することによつて、リバース用
シフトアーム８を作動させ、もつてリバース用シ
フトアーム８のストツパー片５をギヤシフトドラ
ム１の補助溝３から離脱させるとともに、リバー
ス用シフトアーム８の係合爪６をギヤシフトドラ
ム１の係合片４に係合させてギヤシフトドラム１
をリバース位置Ｒ方向へ回動させる（第３図を
参照）ようにしたものである。

実施例では、リバース用係合片４として、ピン
をギヤシフトドラム１の端面から補助溝３に貫設
させている。またリバース用シフトアーム８は、
ストツパー片５を備えた第１レバー８ａと係合爪
６を備えた第２レバー８ｂとから構成し、第１レ
バー８ａの一端をリバース用レバー７の軸１１に
固着し、他端を第２レバー８ｂの下端にヒンジ結
合させるとともに、両レバー間に捩りバネ１２を
介装させて第２レバー８ｂを常時ギヤシフトドラ
ム１方向に附勢している。なお、実施例の第３図
における１３はストツパーピンである。

以下に本実施例の作用を説明しし、併せて構成
を詳細に説明する。前進走行においては、第１レ
バー８ａのストツパー片５は補助溝３における端
部３ａと係合片４間に位置し、ギヤシフトドラム
１の回動を何ら妨げることはない。ギヤシフトド
ラム１を回動させ、順次シフトダウンさせ、ニユ
ートラル位置Ｎに到達すると、第３図に示した
ように補助溝３の端部３ａに第１レバー８ａのス
トツパー片５が当接し、ギヤシフトドラム１は回
動が阻止され、したがつてリバース用ギヤシフト
フオーク（図示せず）のリバース位置Ｒへの移動
が阻止される。このような状態（第３図の状
態）でリバース用レバー７を作動させると、第３
図に示したように、第１レバー８ａのストツパ
ー片５は補助溝３から離脱して端部３ａから離反
し、ほぼ同時に第２レバー８ｂの係合爪６がギヤ
シフトドラム１の係合片４に係合する。さらにリ
バース用レバー７を作動させると、第３図に示
したように、第１レバー８ａを介して第２レバー
８ｂが下降し、ギヤシフトドラム１を矢視方向に
回動させる。したがつてリバース用ギヤシフトフ
オーク（図示せず）はリバース位置Ｒへ移動し、
リバースギヤー（図示せず）を噛合位置に摺動さ
せる。このように、リバース位置Ｒにシフトした
ならば、リバース用レバー７の踏込みを解除す
る。すると、バネ１０の附勢力によつて、リバー
ス用レバー７は元の状態に復帰し、同様にリバー
ス用シフトアーム８も第３図に示したように復
帰する。しかし、この状態では、ギヤシフトドラ
ム１はリバース位置Ｒに留まつたままの状態にあ
る。このようなリバース状態から前進操作、すな
わちギヤシフトドラム１をニユートラル位置Ｎ方
向に回動させると、第３図に示したように、ギ
ヤシフトドラム１は矢視した方向に回動し、第３
図に示したニユートラル位置Ｎに到達する。そ
の際、第１レバー８ａは、そのストツパー片５の
背部５ａがギヤシフトドラム１の補助溝３の端部
３ｂに当り、一旦押下げられ（第３図を参
照）、ストツパー片５の端面５ｂがギヤシフトド
ラム１の端部３ａに到達したとき、再びストツパ
ー片５が補助溝３内に嵌入する（第３図を参
照）。続いて、前進させる場合は、図示しない一
般走行用のギヤシフトレバーを操作し、ギヤシフ
トドラム１をさらに第３図における反時計方向に
回動させればよい。その際に、第２レバー８ｂの
係合爪６は、ギヤシフトドラム１の係合片４と離
れているので、ギヤシフトドラム１の回動が妨た
げられることはない。なお、上記リバース作動に
当つて、ニユートラル位置Ｎからリバース位置Ｒ
までのギヤシフトドラム１の回動は、リバース用
レバー７を操作し、リバース用シフトアーム８に
よつて行なわれるが、その際一般走行用のギヤシ
フトレバーもギヤシフトドラム１と連動して作動
する。また、ギヤシフトドラム１のニユートラル
位置Ｎ以外でリバース用レバー７を操作しても、
リバース用シフトアーム８の係合爪６はギヤシフ
トドラム１の係合片４に係合することはないの
で、前進走行中にリバースギヤーの選択がなされ
ることはない。

なお、上記実施例では、リバース用シフトアー
ム８を第１レバー８ａと第２レバー８ｂとによつ
て構成し、かつその両レバー間に捩りバネ１２を
介装させているが、要はストツパー片５と係合爪
６とを備え、ストツパー片５がギヤシフトドラム
１のニユートラル位置Ｎにおいて、補助溝３の端
部３ａから離反した際に、係合爪６がギヤシフト
ドラム１の係合片４に係合し、かつストツパー片
５が再び補助溝３に嵌入した際に係合爪６が係合
片４から完全に離脱すればよく、したがつてこの
条件を満足する範囲で各種態様を採り得る。

上記したように、本考案に係る変速機のリバー
ス装置は、リバース用レバーのみを操作するだけ
で、リバースへのシフトが可能であり、したがつ
てリバース操作が容易であり、しかも前進走行中
にリバース用レバーを操作しても、リバースへの
シフトの虞れはなく、誤操作を完全に防止する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るリバース装置の要部を示
した横断面図、第２図はギヤシフトドラムのリバ
ース用カム溝および補助溝を示した展開図、第３
図〜はリバース装置の作動順序を説明するた
めの概念図である。 １……ギヤシフトドラム、２……リバース用カ
ム溝、３……補助溝、３ａ，３ｂ……端部、４…
…係合片、５……ストツパー片、６……係合爪、
７……リバース用レバー、８……リバース用シフ
トアーム、８ａ……第１レバー、８ｂ……第２レ
バー、９……フレーム等、１０……バネ、１２…
…捩りバネ、１３……ストツパーピン、Ｎ……ニ
ユートラル位置、Ｒ……リバース位置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ギヤシフトドラムにリバース用カム溝を形成す
   るとともに、該カム溝に嵌合させたギヤシフトフ
   オークおよび該フオークによつて軸方向に摺動さ
   れるリバースギヤー等のリバース機構を付設した
   変速機のリバース装置において、上記ギヤシフト
   ドラムに一部を残して補助溝を周設するととも
   に、適宜位置にリバース用係合片を突設し、一方
   ストツパー片を突設し、かつ係合爪を形成し、リ
   バース用レバーと連動するリバース用シフトアー
   ムを上記補助溝および係合片に対応させてフレー
   ム等に配設するとともに、該シフトアームをバネ
   によつて常時ギヤシフトドラム方向に附勢して上
   記リバース用シフトアームのストツパー片を上記
   補助溝に嵌入させ、上記ギヤシフトドラムのニユ
   ートラル位置で該ドラムの補助溝端部が上記リバ
   ース用シフトアームのストツパー片に当接してギ
   ヤシフトドラムのリバース位置方向への回動を阻
   止し、リバース用レバーを作動させることによつ
   て、上記リバース用シフトアームを作動させ、上
   記リバース用シフトアームのストツパー片を上記
   ギヤシフトドラムの補助溝から離脱させるととも
   に、上記リバース用シフトアームの係合爪を上記
   ギヤシフトドラムの係合片に係合させてギヤシフ
   トドラムをリバース位置方向へ回動させるように
   したことを特徴とするギヤシフトドラムを備えた
   変速機のリバース装置。