JPS6143852Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は家屋の壁面断熱材の取付具に関するも
のである。

従来からコンクリートを用いた家屋において
は、壁面の断熱、防音を行うために、無機質繊維
マツト等から成る断熱材をコンクリート壁面に取
付ける工法を用いている。

前記工法において従来はコンクリート壁面に金
属製の釘状をした断熱材貫通部材を固定し、断熱
材貫通部材に断熱材を挿通し、先端に金属製の固
定片を固定して断熱材を脱落しないように保持し
ていた。

例えば冬期においてコンクリート壁面が冷やさ
れた場合に、断熱材により室内への伝熱は遮断さ
れる。しかしながら断熱材貫通部材及び固定片が
金属で構成されているため、この部分から伝熱が
行われ、結露現象が発生するという欠点があつ
た。

本考案は従来の欠点に鑑み、合成樹脂で構成す
ることにより結露の発生を防止すると共に、取付
けを簡単且つ確実に行うことができる家屋の壁面
断熱材の取付具を提供するのが目的である。

本考案の構成を図面に示す実施例に基き詳細に
説明すると、断熱材貫通部材Ａと、固定部材Ｂと
で構成されている。

断熱材貫通部材Ａは第２図に示すように合成樹
脂製の基台１と貫通部２とで構成されている。基
台１は円形盤で外周部と内周部とに夫々多数の透
孔３，……，３′，……を設けて第１図に示すよ
うにコンクリート壁面４に固定する際に、セメン
トを流入させて確実に固定させるようになつてい
る。そして、基台１の一面に棒状の貫通部２を一
体的に設けている。この貫通部２は断熱材５を挿
通しやすいように、先端に鋭角なテーパー状をな
した先端部６を設け、この先端部６に続いて複数
条の切欠部７，……を傾斜させて平行に設けてい
る。

固定部材Ｂは第３、４図に示すよう合成樹脂製
の蓋部８と固定筒部９とで構成されている。蓋部
８は薄い円盤状に形成し、その一面中央に固定筒
部９を固定している。固定筒部９は内周を前記貫
通部２の外径と同一径に形成し、軸線方向に複数
個の突条１０，……を設けて切欠部７，……と噛
合わせるようにし、外周を、先端側を小径にした
テーパー面１１で形成して断熱材５に通しやすい
ように構成している。

尚、実施例においては壁面４をコンクリートで
形成するように説明したが、これに限定するもの
ではなく、鉄板、ベニヤ板、石膏ボードで形成し
てもよい。

本実施例は前記のように構成したもので、第１
図に示すように、多数の断熱材貫通部材Ａ，……
の基台１を壁面４に固定する。そして、突出して
いる貫通部２，……に断熱材５を挿通して、一面
を壁面４を密着させる。

次に各貫通部２に固定部材Ｂの固定筒部９を嵌
合する。この嵌合により固定筒部９の突条１０，
……は変形し、複数条の切欠部７，……と噛合
い、固定部材Ｂは軸線方向に引張つても抜けなく
なる。そして、蓋部８は断熱材５の反壁面に係合
し、断熱材５の脱落を防止する。

尚、前記実施例においては貫通部２の切欠部
７，……を平行に設けるように説明したが、螺旋
状に設けてもよいものである。

本考案は前記のような構成、作用を有するもの
で、断熱材貫通部材Ａの貫通部２に断熱材５を挿
通して固定部材Ｂの固定筒部９を貫通部２に嵌合
するだけで固定部材Ｂは固定され、断熱材５を確
実に保持することができる。

又、固定筒部９は軸方向の突条１０が変形して
切欠部７と噛合うことになるので、切欠部７と形
状を合致させる必要はなく、製造が容易で且つ脱
落を確実に防止することができる。

又、断熱材貫通部材Ａと固定部材Ｂとは共に合
成樹脂で構成されているので、壁面４の熱を伝達
しにくいので、この部分に結露が発生するような
ことがない。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係る家屋の壁面断熱材の取付具の
一実施例を示すもので、第１図はコンクリート壁
面に取付けた状態を示す断面図、第２図は断熱材
貫通部材の斜視図、第３図は固定部材の斜視図、
第４図は固定部材の拡大断面図である。 尚、図中Ａは断熱材貫通部材、Ｂは固定部材、
１は基台、２は貫通部、４は壁面、７は切欠部、
８は蓋部、９は固定筒部、１０は突条である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壁面４に固定する基台１の一面に先端部分に複
   数条の切欠部７，……を軸方向と直交するように
   外周に設けた貫通部２を一体に設けた合成樹脂製
   の断熱材貫通部材Ａと、蓋部８の一面と内周軸方
   向に複数条の突条１０，……を設けた貫通部２に
   嵌合する固定筒部９を一体に設けた合成樹脂製の
   固定部材Ｂとから成る家屋の壁面断熱材の取付
   具。