JPS6139404B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、着用者を有害な大気環境から防護す
るための防塵ヘルメツトに関する。

この種の防塵ヘルメツトとして米国特許第
3963021号、第3822689号明細書に記載されている
ように、空気浄化装置を付設し、着用者を有害な
または危険な大気環境下での作業から保護するよ
うにしたものは知られている。

上記形式の防塵ヘルメツトは、第１図に示すよ
うに、ヘルメツト外殻１と、着用者の頭に接して
保持されヘルメツト外殻の内面と着用者の頭との
間に間隙を形成する着用者の頭２を囲むヘツドバ
ンド３を有する保持装置４と、着用者の顔を覆う
ようにヘルメツト外殻の前部に設けられる面板５
と、ヘツドバンド３とヘルメツト外殻１の間に配
置される環状シール部材６とを有して構成されて
いて、ヘルメツト外殻１と着用者の頭２との間に
形成される隙間に空気送入用フアン装置７および
過体８を設け、フアン装置７により吸い込まれ
過体８により浄化された空気を、頭の上を通し
て着用者の面板５内に送り込むようにしている。

一方面板５の後縁部とヘルメツト外殻１の後部
は、面板の側縁と着用者の顔との間に延在する発
泡材料製シール体によりシールされている。また
着用者の頭上を流れる空気通路もシールする必要
がある。この部分にシールがないと過体を通り
抜けた空気が、頭とヘルメツト外殻の内面との間
に形成される隙間を通つて頭の側面や後面を介し
て下方に逃げてしまうことになる。

このようなシールを行なうための既知の方法の
一つは、ヘツドバンドとヘルメツトの縁との間の
隙間を、薄い可撓かつ空気不透過性材料の輪形波
形体により閉じることである。この輪形シール体
の内端はヘツドバンドに気密に取付けられるかま
たはヘツドバンドと一体に作られ、上記シール体
の外端は適当な手段によりヘルメツトの縁に気密
に取付けられる。

頭とヘルメツトその間の空間から面板と顔との
間の隙間中へ所要空気流は、上記輪形シール体の
前部中に隙間を残すことにより得られ、この隙間
は、面板の両後端にあるシール手段内に限定され
る。

しかしながら上記形式の防塵ヘルメツトでは、
ヘルメツトの頭に対するシールを得るためにいく
つからの欠点を有している。

すなわちヘツドバンドは、種々な頭の寸法に順
応するために、その周辺長が調節され得る事を要
するのであるが、このための調節手段は、ヘツド
バンドの前に於て輪形シール体中の隙間の範囲内
に置かれ得るのみである。しかし、この位置はヘ
ツドバンド調節手段のための好適位置ではない。
すなわち頭の周辺長が小さい時には面板が顔から
遠く置かれ過ぎ、頭の周辺長が大きい時には面板
が顔に近く置かれ過ぎるからである。ヘツドバン
ド寸法調節手段の好適位置はヘツドバンドの後部
である。上述の輪形シール構造の他の欠点は、ヘ
ツドバンドの寸法調節の所要広範囲を許すに十分
な程に輪形シール体が形を変え得ないことであ
る。上述のシール構造のさらに他の欠点は、ヘツ
ドバンドの半径方向への可撓性が減殺され、よつ
て、ヘツドバンドが授受な頭の形に容易に順応し
得なくなり、この結果不快感および頭が押付けら
れる圧迫点が生ずることである。

本発明は上記した点に鑑みてなされたもので、
従来のものに比較して順応性および便利さにおい
て有利な防護ヘルメツトを提供することを目的と
する。

本発明の防塵ヘルメツトは、ヘルメツト外殻
と、着用者の頭に接して保持されたヘルメツト外
殻の内面と着用者の頭との間に間隙を形成する着
用者の頭を囲むヘツドバンドを有する保持装置
と、着用者の頭を覆うようにヘルメツト外殻の前
部に設けられる面板と、面板の一側から着用者の
頭の頂部後側を通り面板の他側まで延びヘルメツ
ト外殻と着用者の頭との間をシールするとともに
ヘルメツト外殻の内面と着用者の頭との間の間隙
を面板内側に連通させるようにヘルメツト外殻の
内面に取付けられる断面形状を略Ｌ形とした細長
い弾性材料製シール体と、ヘルメツト外殻の入口
から導かれる空気を間隙を介して着用者の顔に送
り込むフアン装置とを有し、上記Ｌ形シール体は
ヘルメツト外殻内の保持装置より上方に位置し一
方の辺が内方に延び変形可能なウエブを形成し着
用者の頭を弾性的に支持するようにしたことを特
徴とする。

以下本発明の一実施例を図面につき説明する。

なお第３図において第１図と同一部材について
は同一符号を付す。

第３図において符号１０は、たとえば独立発泡
のポリウレタンゴムのような軟質弾性材料で作ら
れたシール体であつて、このシール体１０は、第
４図に示すように、断面形状が略Ｌ形で、面板５
の一側上端から着用者の頭の後部上方を通り面板
５の他側上端まで延びる寸法をもつ細長い片で形
成されている。

上記Ｌ形シール体１０は、中央部分１１を、ヘ
ルメツト外殻１の後部内面のヘツドバンド３より
上方の位置に設けて凹部（図示せず）に嵌着する
とともに、両端部１２，１２をヘルメツト外殻１
の側部内面のヘツドバンド３に対応した位置に設
けた凹部（図示せず）に嵌着することで、ヘルメ
ツト外殻１の内面に固着させるようになつてい
る。上記Ｌ形シール体１０の内方に伸びる辺には
変形可能なウエブ１３が形成されていて、このウ
エブ１３を介してＬ形シール体１０が着用者の頭
２を弾性的に支持するようにしている。（第５
図）上記シール体の着用者の頭に接する端は、鋭
角をなして頭上に乗ることが望ましく、このよう
にすることにより、着用者の頭の大きさや形状の
如何にかかわらず、有効な空気シール部が形成さ
れることになる。

しかして上記防塵ヘルメツトを着用した場合に
は、頭の上部から大気中への空気流の漏洩を防ぐ
ためのシールが面板の一側に形成した面板と顔と
のシール部の上端から頭の頂部の後方を斜めに通
り面板の他側に形成した面板と顔のシール部の上
端までの区域に形成され、過体８を通り抜けた
浄化空気を有効に面板により囲まれる空間内に送
り込むことができることになる。

また防塵ヘルメツト着用時には、第６図に示す
ように、シール体１０が着用者の頭２に対して鋭
角をなくして接し、着用者に不快感を与えずまた
ヘツドバンド３の寸法調節範囲を限定することな
く頭に対してのシールを行ない得ることになる。

第７図は本発明の他の実施例を示すものであつ
て、この実施例では、シール体２０の中央部分に
開口９が設けられていて、この開口９を通つてフ
アン装置からの空気が、ヘルメツト外殻１のクラ
ウン部分と着用者の頭との間の隙間中に置かれた
過体へ送られるようになつている。フアン装置
と過体はともに、適当な手段により開口９にシ
ール連結されている。

以上述べたように本発明によれば、着用者の頭
の大きさや形状に関係なく浄化空気のシールを有
効に行ない得、また着用感も従来のものに比較し
てよくなるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の防護ヘルメツトの使用状態を示
す図、第２図は従来の防護ヘルメツトのヘルメツ
トと頭との間のシールを示す図、第３図は本発明
による防護ヘルメツトの使用状態を示す図、第４
図は本発明による防護ヘルメツトに用いられるシ
ール体の斜視図、第５図は装着されたシール体を
示す図、第６図は本発明による防護ヘルメツトと
頭との間のシールを示す図、第７図は本発明の他
の実施例を示す図である。 １……ヘルメツト外殻、２……着用者の頭、３
……ヘツドバンド、４……保持装置、５……面
板、１０……シール体、１３……ウエブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ヘルメツト外殻と、着用者の頭に接して保持
   されヘルメツト外殻の内面と着用者の頭との間に
   間隙を形成する着用者の頭を囲むヘツドバンドを
   有する保持装置と、着用者の頭を顔うようにヘル
   メツト外殻の前部に設けられる面板と、面板の一
   側から着用者の頭の頂部後側を通り面板の他側ま
   で延びヘルメツト外殻と着用者の頭との間をシー
   ルするとともにヘルメツト外殻の内面と着用者の
   頭との間の間隙を面板内側に連通させるようにヘ
   ルメツト外殻の内面に取付けられる断面形状を略
   Ｌ形とした細長い弾性材料製シール体と、ヘルメ
   ツト外殻の入口から導かれる空気を間隙を介して
   着用者の顔に送り込むフアン装置とを有し、上記
   Ｌ形シール体はヘルメツト外殻内の保持装置より
   上方に位置し一方の辺が内方に延び変形可能なウ
   エブを形成し着用者の頭を弾性的に支持するよう
   にしたことを特徴とする防塵ヘルメツト。 ２ シール体が独立発泡のポリウレタンから作ら
   れる、特許請求の範囲第１項記載の防塵ヘルメツ
   ト。 ３ シール体の後部中には孔が作られ、この孔
   が、ヘルメツト中に空気を挿入するために設けら
   れたフアン装置に連通される、特許請求の範囲第
   １項記載の防塵ヘルメツト。