JPS6136079Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はヒータの発熱作用に基づくオーブン
加熱機能を備えた高周波加熱装置に関する。

従来、この種の高周波加熱装置いわゆる電子レ
ンジにあつては、高周波発生装置とヒータと交互
に動作させ、被調理食品を内部と外部から交互に
加熱することにより、高周波だけによるレンジ調
理の欠点、たとえば鳥肉料理における表面のべた
つきなどを解消できるようにしたものがある。し
かしながら、このような交互調理では、確かに高
周波だけの場合の欠点を解消できるが、ヒータを
動作させている間は当然ながら高周波停止となる
ために調理遅れを生じ、レンジ調理の特徴である
短時間調理に相反してしまうという問題があつ
た。また、ヒータの動作時間が一定となつていた
ため被調理食品の種類などの情況に応じた最適な
調理を実施できないという問題があつた。

この考案は上記のような事情に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、レンジ加熱の
特徴を損なうことなく被加熱物の表面におけるべ
たつき防止並びに加熱時間の短縮を計ることがで
き、しかも、被加熱物の種類などの情況に応じた
最適な加熱を行なうことができる高周波発生装置
を提供することにある。

以下、この考案の一実施例について図面を参照
して説明する。第１図および第２図において、１
は本体で、前面にはドア２が開閉自在に枢支され
るとともに、操作パネル３が設けられている。そ
して、上記ドア２に対応する本体１内には加熱室
４が配設されている。この加熱室４には、被加熱
物つまり被調理食品を載置するための棚板５が設
けられている。さらに、調理室４の天井面には導
波管６の一端が連通され、この導波管６の他端外
周には高周波発生装置たとえばマグネトロン７が
設けられている。ここで、マグネトロン７のアン
テナ７ａは導波管６内に導入されており、マグネ
トロン７から発せられた高周波が加熱室４内に供
給される。また、加熱室４内に天井面近傍には上
ヒータ８が配設されるとともに、棚板５の裏側に
は下ヒータ９が配設されている。

一方、操作パネル３には、断続調理の周期を表
示する周期表示部１１、周期設定つまみ１２、断
続調理のデユーテイを表示するデユーテイ表示部
１３、デユーテイ設定つまみ１４、シリーズスイ
ツチ１５、シリーズランプ１６、調理切換スイツ
チ１７、タイマ１８、調理スイツチ１９、調理ラ
ンプ２０、電源スイツチ２１が上方部から下方部
にかけて設けられている。ここで、第３図は操作
パネル３の上方部を詳細に示すものである。すな
わち、周期表示部１１は、「０分」から「３分」
までの周期目盛および指針１１ａよりなり、つま
み１２の操作によつて指針１１ａが図示左右方向
に移動するようになつている。また、デユーテイ
表示部１３は、「０％」から「100％」までのデユ
ーテイ目盛および指針１３ａよりなり、つまみ１
４の操作によつて指針１３ａが図示左右方向に移
動するようになつている。

第４図は制御回路である。交流電源３０には前
記電源スイツチ２１、ドアスイツチ３１、前記調
理スイツチ２０およびタイマスイツチ１８ａを直
列に介して前記タイマ１８が接続される。このタ
イマ１８には、リレー３２が並列に接続され、さ
らに前記シリーズスイツチ１５を介してVPCモ
ータ３３が並列に接続される。このモータ３３に
は、前記シリーズランプ１６が並列に接続され
る。そして、上記リレー３２の常開接点３２ａが
調理スイツチ２０に並列に接続される。

さらに、電源３０には、上記電源スイツチ２
１、リレー３２の常開接点３２ｂ，３２ｃおよび
前記調理切換スイツチ１７を直列に介してトラン
ス３４の１次側および前記上ヒータ８と下ヒータ
９の並列回路がそれぞれ接続される。上記トラン
ス３４の２次側には、コンデンサＣとダイオード
Ｄとからなる整流回路を介して前記マグネトロン
７のアノードとカソードとの間が接続されるとと
もに、マグネトロン７のヒータが接続される。こ
こで、調理切換スイツチ１７は、「レンジ」に設
定されると可動接点１７ｃと固定接点１７ａとの
間が閉成してマグネトロン７に対する通電路を形
成し、「オーブン」に設定されると可動接点１７
ｃと固定接点１７ｂとの間が閉成してヒータ８，
９への通電路を形成するものである。そして、切
換スイツチ１７の固定接点１７ａと１７ｂとの
間、つまりマグネトロン側通電路とヒータ側通電
路との間にスイツチ３３ａが接続される。このス
イツチ３３ａは、モータ３３に応動するもので、
前記つまみ１２の操作に応じてオン、オフ周期が
変化し、さらに前記つまみ１４の操作に応じてオ
ン、オフデユーテイが変化するようになついる。

つぎに、上記のような構成において動作を説明
する。まず、電源スイツチ２１をオンしておき、
加熱室４内の棚板５に被調理食品を載置してドア
２を閉成する。さらに、タイマ１８で調理時間を
設定する。そして、シリーズスイツチ１５をオン
するとともに、つまみ１２，１４の操作によつて
断続調理の周期t₁およびデユーテイｘをそれぞれ
設定する。こうして、調理スイツチ２０をオンす
ると、リレー３２が付勢されて接点３２ａ，３２
ｂ，３２ｃがそれぞれ閉成し、調理が開始され
る。この場合、シリーズスイツチ１５をオンして
いることにより、モータ３３が動作し、且つラン
プ１６が点灯する。

しかして、切換スイツチ１７が「レンジ」に説
定されていれば、マグネトロン７が連続動作し、
さらにスイツチ３３ａのオン、オフに応じてヒー
タ８，９が断続動作する。すなわち、第５図に示
すように、高周波（図示斜線）が連続的に発生
し、さらにヒータ８，９から熱（図示格子線）が
t₁時間ごとにt₂（t₁・ｘ／100）時間ずつ発生す
る。たとえば、周期t₁が「１分」に設定され、且
つデユーテイｘが「30％」に設定されていれば、
ヒータ８，９から熱が１分ごとに20秒ずつ発生す
る。こうして加熱室４内の被調理食品は連続的に
内部加熱されるとともに、定期的に外部加熱され
る。そして、タイマ１８で予め設定された時間が
経過すると、タイマスイツチ１８ａがオフし、調
理の終了となる。

したがつて、レンジ調理の欠点、たとえば鳥肉
料理における表面のべたつきなどを解消できるこ
とは勿論、ヒータ８，９の動作に基づく調理遅れ
を解消することができ、レンジ調理の特徴である
短時間調理の機能を最大限に発揮させることがで
きる。しかも、デユーテイｘを変化させることに
よりヒータ８，９の動作時間を任意に設定できる
ので、被調理食品の種類など情況に応じた最適な
調理を実施できる。そして、このような高周波を
主体とした調理は、パウンドケーキ、スポンジケ
ーキ、貝類、および上記鳥肉料理等に最適であ
る。ところで、デユーテイｘを100％に設定して
高周波および熱を共に連続発生させることもでき
るが、この場合には加熱過剰により被調理食品が
乾燥したり、さらに消費電力が非常に大きくなる
ため、デユーテイｘの説定に際しては被調理食品
の類種、被調理食品の初期状態、加熱室４内の初
期温度および経済性などを十分に考慮すべきであ
る。

なお、上記実施例では、高周波を主体とした調
理についてのみ説明したが、切換スイツチ１７を
「オーブン」に設定すれば、ヒータ８，９を連続
動作させ、且つマグネトロン７を断続動作させる
ことができ、ヒータ８，９の発熱を主体とした調
理を行なうことが可能である。よつて、高周波を
主体とした調理とヒータ８，９の発熱を主体とし
た調理を適宣選定すれば、さらに多種多用にわた
る調理を行なうことができる。さらに、調理の実
施中につまみ１２，１４を操作して周期t₁および
デユーテイｘを変化させることができる。また、
シリーズスイツチ１５をオンして調理を行なう場
合について説明したが、シリーズスイツチ１５を
オフしておけば通常のレンジ調理およびオーブン
調理を実施できる。その他、この考案は上記実施
例に限定されるものではなく、要旨を変えない範
囲で種々変形実施可能なものである。

以上述べたようにこの考案によれば、上記した
ように構成することにより、ヒータおよび高周波
発生装置のうち一方を連続動作させ且つ他方を断
続動作させるとともに、この断続動作の周期およ
びデユーテイを可変できるようにしたので、レン
ジ加熱の特徴を損なうことなく被加熱物の表面に
おけるべたつき防止並びに加熱時間の短縮を計る
ことができ、しかも被加熱物の種類などの情況に
応じた最適な加熱を行なうことができる高周波発
生装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は外観図、第２図は内部機構を概略的に示す
図、第３図は操作パネルの上方部を詳細に示す構
成図、第４図は制御回路の構成図、第５図は動作
を説明するためのタイムチヤートである。 ４……加熱室、７……高周波発生装置（マグネ
トロン）、８……上ヒータ、１１……高周表示
部、１２……周期設定つまみ、１３……デユーテ
イ表示部、１４……デユーテイ設定つまみ、１５
……シリーズスイツチ、１６……シリーズラン
プ、３３……VPCモータ３３に応動するスイツ
チ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱室と、この加熱室内に高周波を供給する高
   周波発生装置と、前記加熱室内に設けられたヒー
   タと、このヒータと高周波発生装置とに対する通
   電路を選択的に形成するために切換スイツチと、
   この切換スイツチによつて形成される高周波発生
   装置側通電路とヒータ側通電路との間に設けられ
   たスイツチと、このスイツチを予め設定された周
   期およびデユーテイでオン，オフする手段とを具
   備したことを特徴とする高周波発生装置。