JPS6132408B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は針布ローラに巻付けた針布を固定する
方法およびその装置に関するものである。

従来、起毛機或は梳綿機等においては、針布は
一部或は全部が第１図に示す様に小径のウオーカ
ー・ストリツパー等のローラに巻付けられて使用
されている。針布１をローラ２に巻付ける場合、
通常、針布の巻始め端に孔８をあけてローラの一
端にねじ４で止め、針布に張力を掛けながら順次
巻付けていき、巻付けの終りに際し針布の端末に
孔をあけてローラの端末に予めあけたねじ穴５に
ボルトでねじ止めして針布を固定している。しか
るに、巻終りに於てはしばしば針布端末に設けた
孔の位置と、ローラ端末のねじ穴の位置が一致し
難く、針布をほどいては再度巻直して一致させて
おり、またうまく一致したとしても張力が安定し
難く針布が緩んでくるという欠点がある。

本発明は上記従来の欠点に鑑みてなしたもので
あり、針布の巻終りの処理が容易で、かつ巻付け
張力が変動しない、針布の固定方法ならびにその
装置を提供するものである。

以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。

実施例 １ 第２図は起毛試験機に用いる針布ローラを示
し、外径60mmφ、内径20mmφ、長さ165mmの針布
ローラ６の一端には針布固定及びシヤフト固定の
為のＭ６のねじ穴８を２カ所設け、ボルト９によ
り起毛針布１０の巻始め端を固定する止め具を設
けている。また、他端面には外径40mmφ、長さ40
mmのボス７を突設し、そのボス７にはＭ８のねじ
穴１１を設けている。このボス７に針布ローラ６
に巻付けた起毛針布の巻終り端を緩みなく、張力
下に固定する為の外径60mmφ、内径40mmφ、巾40
mmのリング１２を嵌合する。リング１２には上記
起毛針布の巻終り端を固定する為の止め具として
Ｍ６のねじ穴８とボルト９を設けて針布を固定す
る様になし、更にボス７に固定するための固定可
能部として軸心に対して60゜の範囲で円周方向に
設けた外面から内面に通じる巾９mmの貫通溝１３
およびこの溝を中心に120゜の範囲にわたり外周
面に0.5Mのローレツト１４を刻み、ボス７に回
動自在に嵌合されたリング１２を、片面をリング
外径の円弧より小さい円弧で形成した座金１５及
び皿ばね座金１６を介してボルト１７で以て溝１
３を通してボスに設けたねじ穴１１にねじ込む様
にしてボス７に固定する。

尚、リングと針布ローラの端面に密着固定され
る座金１５は高さ10mm、巾口20mmで上面は平面、
下面はR20mm曲面に構成されており、リングの円
周方向に設ける貫通溝は軸心に対し180゜以下の
長さに構成してもよく、ローレツト加工は全周に
行つても差し支えない。又針布ローラ６の中心部
は回転シヤフトに固定のためのシヤフト孔が設け
られている。

上記の如く構成することによつてその使用に際
しては、起毛針布１０の巻始め端１８にボルト孔
１９をあけ、ボルト９をねじ穴８に皿ばね座金を
介してねじ込んでしつかり固定し、次に針布に張
力をかけた状態で針布ローラ６に針布を巻付けて
いく。そして巻終りに近づいたとき、針布の巻終
り端２０にボルト孔２１をリング１２に設けた針
布固定用のねじ穴８と大略一致するようにあける
とよい。この際リングを固定しているボルト１７
をゆるめてリング１２が自由に回動するようにな
し、リング１２を回して針布のボルト孔２１とリ
ングのねじ穴８が一致するように更に針布を巻付
け、穴が一致すればボルト９をリングのねじ穴８
にねじ込む。それと同時にボルト１７をねじ込ん
でリング１２をしつかり固定する。

次いでボルト９を更にリングにねじ込んで針布
の巻終り端１９を固定する。

最後に針布の巻付け張力をはずし、針布の不要
部分を切り取り除去すれば巻付け固定が完了す
る。尚リング１２にはローレツト１４加工が施さ
れている為、ボルト１７を締めればリング１２が
緩んで回り出すことはない。

実施例 ２ 実施例１と同様にして形成した針布ローラのボ
ス７に回動自在に嵌合するためのリング１２を、
第３図に示す様にリング１２′の外端部に更に長
さ10mm、二面布24mmの矩形状の突起２２を設けて
構成する。

上記固定装置を用いる針布の巻付け固定方法は
略同じであるが、巻終りに際してリング１２′を
回転調整して巻終り端１９をリング１２′に固定
し、しかる後にスパナ等を突起２２にかけて回し
針布に張力をかけた状態でボルト１６をねじ込み
リング１２′を固定し、針布の巻付け固定を完了
する。

尚、本発明は上記起毛試験機の他、起毛機や梳
綿機の小ローラについても支障なく適用できる。
上記の如く本発明によれば針布巻付けロールの１
端に回動自在の針布固定用リングを設けることに
よつて、リングを回動せて針布固定のためのボル
トとねじ穴の位置を調整でき、且つ針布に張力を
加えることができるので、針布を容易にローラに
巻付け固定することが可能となる。然かも巻終り
における針布の緩みも防止できる。

また、予め針布の伸びを見込んで巻始め端およ
び巻終り端にボルト孔を設けてから巻付けを行つ
ても、ゆるみなく容易に巻付けを行うことがで
き、更に一度使用した針布の再巻付けも容易に行
なえる等の種々の効果を有する発明である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す針布ロールの斜視図、第
２図は本発明の一実施例を示す針布固定装置の分
解斜視図、第３図は同他の実施例を示すリング部
分の斜視図である。 １…針布、２…ローラ、３…孔、４…ねじ、
５，８，１１…ねじ穴、６…針布ローラ、７…ボ
ス、９，１６…ボルト、１０…起毛針布、１２，
１２′…リング、１３…貫通溝、１４…ローレツ
ト、１５…座金、１６…皿ばね座金、１７…ボル
ト、１８…巻始め端、１９，２１…ボルト孔、２
０…巻終り端、２２…突起。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 針布ローラの一端に針布の巻始め端を固定
   し、順次張力下に巻付け被覆せしめたのち、上記
   ローラ他端に設けたボスに嵌合する回動自在およ
   び固定可能に形成したリングに、上記針布の巻終
   り端を固定し、更に上記リングの固定又は回動、
   固定等によつてローラに巻付けた針布を緩みなく
   固定することを特徴とする針布の固定方法。 ２ 一端に針布の巻始め端を固定する止め具を設
   けた針布ローラの他端に、該ローラの外径よりも
   小さい外径のボスを設け、上記ボスに針布の巻終
   り端固定の為め止め具、及びボスに固定する為の
   固定可能部を備えたリングを回動自在に嵌合して
   なることを特徴とする針布の固定装置。 ３ リングが軸心に対して180℃以下の範囲に亘
   る貫通孔を有し、外周面にローレツト加工を施し
   たことを特徴とする特許請求の範囲第２項記載の
   針布の固定装置。