JPS6129639B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は発塵処理費を軽減し、かつ省エネルギ
ー効果の高い、コークス炉用原料炭の事前処理装
置に関するものである。周知のように石炭の粒度
および水分等の性状はコークス炉操業に大きく影
響を与えることから、石炭の事前処理は非常に重
要である。

従来操業における石炭の粒度管理は、コークス
炉へ装入する嵩密度およびコークス品質等から粒
度３mm以下を80〜90％になるように管理されてお
り、今後も大きくは変らない。しかし石炭水分の
変動は炭種ヤード散水及び天候の影響によること
が多くコークス炉操業及びコークスの品質と生産
量の変動を招き、高い石炭水分レベルの操業は乾
留工程での所要熱量の上昇を招くばかりでなく、
コークス化するための所要時間が長くなり、それ
だけ生産性が低下し、更に良質のコークスが得難
い。このため、水分を低減して上記の問題の解決
を図る提案がある。この時重要な要素は、大気の
汚染を可能最大限まで少なくすることの必要性で
ある。コークスプラントの作業のうちで現在最大
の汚染源の１つとなつているものはコークス炉か
ら放出されるコークスの取扱いならびに移送中の
石炭の取扱いおよびコークス炉に装入するための
準備としての石炭の処理工程における発塵であ
る。

本発明者等は上記の諸要素を改善するため、
種々実験検討を重ねた結果、第１図に示す如く原
料炭と発塵量が粒度により大きく異なることを見
い出すと共に、省エネルギー効果とこの発塵処理
費の関係から原料炭粒度別に望ましい水分範囲が
あることを知見した。第１図は縦軸に各処理原単
価を、横軸に原料炭水分をとつて、両者の関係を
粒度別に発塵処理原単価をＡ、省エネルギー効果
原単価をＢで示したものである。図に明らかなよ
うに粒度３mm以下の粉炭は水分４％〜６％の範囲
が、発塵処理原単価と省エネルギー効果の総合的
な処理原単価の最小範囲となり、粒度５mmの粗粒
炭は水分を下るだけ小さくなる。

本発明は上記の知見にもとづき前記相矛盾する
問題を合理的に克服する事前処理装置を提供する
ことを主たる目的になされたもので、その特徴と
するところは、第２図に示す１実施例の如くコー
クス炉１の燃焼廃ガス煙道２と併行に設けた熱回
収用煙道３と、この煙道３に設けた熱交換器６、
排風機４、煙突５および原料炭を供給する給炭コ
ンベア２１とこれに続くサージホツパー２２、給
炭路２３に連設された乾燥機１５、前記熱交換器
６から前記乾燥機１５へ廃ガス熱を供給する熱媒
体循環管路７と、この循環管路７に設けた燃料供
給装置１０を有する熱媒加熱炉８と、この熱媒体
加熱炉８に設けた排ガス排出部９および前記乾燥
機１５の空気取入管路２６、前記乾燥機１５とこ
れに続けて連設した排気管路１６、乾式集塵機１
７、排風機１９、煙突２０および成品排出口２
４、成品コンベア２５ならびに前記乾式集塵機１
７とこの成品コンベア間２５に設けた回収炭コン
ベア２６、成品コンベアに設けた水分計２９から
の測定値と設定水分との偏差を算出しこれと前記
給炭コンベア２１に設けた連続水分計２８と成品
コンベアに設けた温度計３０とからの測定値にも
とづいて、乾燥機１５入側に設けた流量調節弁３
１と熱媒体加熱炉８の燃料供給装置１０を調整し
て、成品水分を所定設定水分に調整する演算指令
装置３２を設けてなるコークス炉用原料炭の事前
処理装置にある。

これによつて安いコストで良質のコークスを生
産性よく製造することを可能にするものである。
つまり本発明は石炭の水分と発塵処理原単価の関
係と、原料炭水分と省エネルギー効果の関係から
求まる原料炭水分の最適経済範囲に石炭原料の水
分を効率よく変動少なく乾燥処理してコークス炉
に供給することにより上記諸目的を達成するもの
である。

次に本発明を一実施例装置を示す第２図をもと
に説明する。

第２図中１はコークス炉、２はコークス炉１の
燃焼排ガス煙道、３は熱回収用煙道、４は排風
機、５は煙突、６は熱回収用煙道３に介設した熱
交換器、７は熱媒体循環管路、８は熱媒体加熱
炉、９は熱交換器、１０は燃料供給装置、１１は
排ガス排出部、１２は熱媒体加熱炉８内上部排ガ
ス排出側に一部を導入して前記熱媒体循環管路７
の往路と復路間を直接連通接続した熱媒予熱管
路、１３は空気取入管路、１４は乾燥機１５への
温風供給路、１６は乾燥器１５の排気管路、１７
は乾式集塵機、１８は乾式集塵機１７の排気管
路、１９は排風機、２０は煙突、２１は給炭コン
ベア、２２はサージホツパー、２３は乾燥機１５
への給炭路、２４は成品排出口、２５は成品コン
ベア、２６は回収炭コンベア、２７はコークス炉
１への成品輸送コンベアである。

コークス炉１より従来は煙道２を通り、煙突５
から排出していた220℃の廃ガスを熱回収用煙道
３を通し、熱交換器６にて熱媒体に熱を供給し高
温となつた熱媒体を熱媒体循環管路７により、熱
媒加熱路８、乾燥機１５に循環し回収熱を供給す
る。石炭は石炭供給コンベア２１よりサージホツ
パー２２を介して給炭路２３から乾燥機１５に入
り、乾燥機１５において熱媒体と熱交換を行ない
成品排出口２４より所定水分に調整され、成品コ
ンベア２５に乗継ぎコークス炉１へ移送される。

目標水分を設定された演算指令装置３２は、給
炭コンベア２１に設けた石炭水分計２８から得ら
れた水分と成品水分計２９および成品温度計３０
からの情報により熱媒加熱炉８への燃料供給装置
１０及びまたは乾窓機１５の入側に設けた流量調
整弁３１により乾燥機１５に入側熱媒体温度及び
または流量を変化させることにより成品水分の制
御を行なう。又空気取入管路１３から取入れる空
気の湿分が高い場合には乾燥機１５中に発生した
蒸発水分含有空気を排風管路１６から追出し、よ
り水分調整作業効率を高めるため空気取入管路１
３から取入れた該高湿分の空気を、熱媒加熱炉廃
気のエネルギーを利用した熱交換器９で露点以上
の所定値に予熱して温風供給路１６から乾燥機１
５に供給することが好ましい。

以上説明した本発明の事前処理装置は少なくと
も原料炭中の粒度３mm以下の粉炭の水分を４％〜
６％に乾燥処理してコークス炉へ送炭供給するの
で、コークス用原料炭の発塵処理と水分低減処理
の総合処理原単価を最少にするので、コークスコ
ストを低減し、ひいては銃鉄コストを低減する
上、環境保全の面も好転する等工業上もたらす効
果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は原料炭水分と処理単価の関係を示す
図、第２図は本発明装置の１実施例を示す図であ
る。 １…コークス炉、２…煙道、３…熱回収用煙
道、４…排風機、５…煙突、６…熱交換器、７…
熱媒循環路、８…熱媒加熱炉、９…熱交換器、１
０…燃料供給装置、１１…排ガス排出部、１２…
熱媒予熱管路、１３…空気取入管路、１４…温風
供給路、１５…乾燥機、１６…排気管路、１７…
乾式集塵機、１８…排気管路、１９…排風機、２
０…煙突、２１…給炭コンベア、２２…サージホ
ツパー、２３…給炭路、２４…成品排出口、２５
…成品コンベア、２６…回収炭コンベア、２７…
成品輸送コンベア、２８…石炭水分計、２９…成
品水分計、３０…成品温度計、３１…流量調節
弁、３２…演算指令装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ コークス炉の燃焼廃ガス煙道と併行に設けた
   熱回収用煙道と、この煙道に設けた熱交換器、排
   風機、煙突および原料炭を供給する給炭コンベア
   とこれに続くサージホツパー、給炭路に連設され
   た乾燥機、 前記熱交換器から前記乾燥機へ廃ガス熱を供給
   する熱媒体循環管路とこの循環管路に設けた燃料
   供給装置を有する熱媒加熱炉とこの熱媒加熱炉に
   設けた排ガス排出部と前記乾燥機の空気取入管路
   と、 前記乾燥機とこれに続けて連設した排気管路、
   乾式集塵機、排風機、煙突および成品排出口、成
   品コンベアならびに前記乾式集塵機とこの成品コ
   ンベア間に設けた回収炭コンベア、 前記給炭コンベアに設けた連続水分計と成品コ
   ンベアに設けた温度計と水分計からの測定情報と
   設定水分とにもとづいて、乾燥機入側に設けた流
   量調節弁と熱媒体加熱炉の燃料供給装置を調整し
   て、成品水分を所定設定水分に調整する演算指令
   装置を設けてなることを特徴とするコークス炉用
   原料炭の事前処理装置。