JPS61289001A - 生花乾燥物の保存方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、有機溶媒で置換脱水して得られる生花乾燥物
を長期間に亘って、原形、原色を保持して保存できるよ
うにした生花乾燥物の保存方法に関するものである。

（従来の技術） 従来、生花乾燥物の保存に当っては、生花を有機溶媒で
置換脱水した後、デシケータ−中に保存する方法が行な
われてきたが、押し花のように、あらかじめ・圧搾した
もの以外は、数週間程度で花色が白化したり、死損が狂
ったり、皺を生じる等の難点があった。

（発明が解決しようとする問題点） 生花を有機溶媒で置換脱水する方法は、原形、原色の乾
燥生花を得る極めて有利な方法であるが、脱水作業が完
了した後、直ちに透明樹脂に包埋するか、または樹脂に
よるコーティングをしなければならない。すなわち、最
終工程まで一気に実行しなければ、生花は比較的速やか
に白化したり、皺を生じたりするものである。したがっ
て、有機溶媒で置換脱水した生花乾燥物を、前記従来法
よシも長期間に亘って、原形、原色を保持して保存でき
る方法の出現が望まれている。

（問題点を解決するための手段） 本発明者は、前記の問題点を解決するため鋭意検討を進
めた結果、有機溶媒で置換脱水した生花乾燥物を、予備
乾燥してから密閉容器に入れ、凍結状態になる温度で保
存したところ、数ケ月ないし一年以上も原形、原色を保
って保存することができることを見出し、本発明を完成
するに到ったのである。

すなわち、本発明は、生花を有機溶媒で置換脱水した後
、予備乾燥し、これを密閉容器に入れて一４Ｃ以下の温
度で保存することを特徴とする生花乾燥物の保存方法で
ある。

本発明において、生花を有機溶媒で置換脱水するには、
常法にしたがい、エタノール、ブタノール、冷アセトン
、イングロパノール等の有機溶媒に生花を浸漬して行え
ばよい。

有機溶媒で置換脱水した生花は、乾燥処理を施して、有
機溶媒をある程度除去する必要があるが、この乾燥処理
を本発明においては予備乾燥という。

有機溶媒で置換脱水した生花は、かたくなっていて折れ
る状態であるが、乾燥によって有機溶媒が除去されて行
くにしたがい、生花がたわむ状態になシ、さらに乾燥を
進めると、生花の形が崩れるようになる。本発明の予備
乾燥は、生花がたわむ状態になるまで乾燥することであ
る。

生花がたわむ状態になるまで予備乾燥しないと、透明樹
脂に包埋するか、または透明樹脂でコーティングした後
に、花が次第に透明化したシ、花色が白化したシして、
商品価値を失うととＫなる。

また、生花がたわむ状態よりも過度に乾燥すると、前記
のよう釦生花の形が崩れたシ、皺が生じたシすると共に
、花色を悪くする原因となるので好ましくない。

・予備乾燥の温度および時間は、花の種類、状態、さら
には有機溶媒の種類等によって異なシ、−律ではなく、
例えば、スズランをエタノールで脱水したときは４０Ｃ
で１５分、シャコ葉サボテンの花をアセトンで脱水した
ときは、赤外線ランプ２５０Ｗ、５００ｍで数分でよく
、シンビジュームの場合は、５５Ｃで２時間を必要とす
ることもある。したがって、４０〜５５Ｃで１５分〜２
時間の範囲におりて、要は生花がたわむ状態になるまで
の予備乾燥の温度および時間を、花の種類、状態、およ
び有機溶媒の種類などにより、適宜に決定すればよＡｏ 柔らかい花においては、予備乾燥の時間が短かく、皺が
生じる前の適切な時期の判定かむつかしく、予備乾燥に
際して版が現れ易いのであるが、これを防止するために
、脱水用の溶媒中に高級アルコール、パラフィン、ステ
アリン酸、木蝋等のワックス類を少量混和しておくか、
あるいは乾燥前に、その混和液に短時間浸漬するとよい
。このようにすると、花内部の溶媒の蒸発速度が適当に
制御できるだけでなく、その後の保存条件かや＼ゆるや
かで済む。

このワックス類の効果は、花の種類によって差があシ、
桜の花で言えば、彼岸桜のように柔らかいものに用いる
と大きな効果があるが、台湾緋桜や犬島桜々どは特に必
要としない。そめいよしのや山桜などは、用いないより
は用いた方がよい。

また、蘭の花で言えば、はとんどのシンビジュームは必
要としないが、多くのデントロビュームは、用いた方が
乾燥作業、条件がゆるやかとなり都合がよい。

上記のような予備乾燥したものを一４Ｃ以下の温度で保
存するのであるが、この保存温度は、花と溶媒により多
少異なり、また、例外的に、シンビジュームや百合の中
で機械的に丈夫なものにおいては、８〜ＯＣで２〜３ケ
月の保存に耐えるものもあるが、このようなものでも−
４Ｃ以下の温度で保存すれば、１年以上なんの変化もな
く保存できる。その他の花は、例外なく一４Ｃ以下を必
要とし、−４Ｃ〜−１５０が望ましい保存温度範囲であ
る。

保存温度が一４Ｃよりも高いと、花は保存中に花自身の
重みでクリープを起こし、変形を生じたり、花色が白化
して、長期の保存に耐えない。−１５Ｃよシ低くても保
存の目的は達せられるが、低くても一３０Ｃ程度で、そ
れ以下は特に必要としない。

前記ワックス類の使用は、溶媒としてブタノールを使用
するときには保存期間に大差がないが、保存中の花の出
し入れなどのために、一時的に強度が上ることＫよる花
の劣化を防ぐ上では有効である。溶媒としてエタノール
などを使用するときには、皺の発生を防止して極めて有
効である。例えば、スズランなどのブタノール脱水のと
きは、１年以上安全であるが、エタノール脱水のときは
、−１５Ｃで６ケ月位の保存期間しかなく、次第に蔽が
生じてくる。この場合にはワックス類が役に立つ。こと
にスズランのように、ブタノールでは脱水時に黒化を防
止できないものは、黒化防止のためにエタノール、メタ
ノールを使用しなければならないのであるが、この場合
には、ワックス類の夏用が必要となる。

（発明の効果） 有機溶媒で置換脱水した生花乾燥物は、透明樹脂に包埋
するか、樹脂によるコーティングをして、標本などを作
成するのであるが、有機溶媒で置換脱水した生花乾燥物
は、比較的速やかに白化したり、皺を生じたりするが、
本発明によれば、該生花乾燥物を１年以上もの長期間に
亘って保存でき、透明樹脂に包埋したり、樹脂をコーテ
ィングする操作を有利に行なうことができる。

（実施列） 本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明は、これら
の実施例により限定されるものではない。

実施例１ そめいよしの桜の花をブタノールに投入して脱水を約１
時間行なった袋、セタノールの１０％ブタノール溶液に
投入し、直ちに引き上げて５０Ｃで３０分間乾燥し、直
ちに−１５０に冷却してそのま＼保存する。

実施例２ 台湾緋桜の花をブタノールに投入して脱水し、脱水完了
後、４５Ｃで１５分間乾燥し、そのま＼容器に入れ、−
１０Ｃ〜−１５Ｃの温度下に保存する。

実施例３ スズランの花を純エタノールに投入して脱水を５分間行
なった後、引き上げてブタノールに投入、約５０分径Ｉ
Ｃハラフィンの２０％ブタノール溶液に浸し、これを４
０Ｃで１０〜１５分間乾燥し、そのま＼容器に入れ、−
１０Ｃ〜−１５Ｃ（７）温度下に保存する。

実施例４ ジャスミンの花を冷アセトンに投入して脱水し、脱水完
了後、ブタノールに投入してアセトンをブタノールで置
換する。次に、これを４０〜４５Ｃに暖め、溶解状態の
温かいパラフィンを次第に加え、パラフィン濃度が５０
％程度になったとき花を取り出し、赤外線ランプ下で１
０分ないし１５分乾燥し、そのま＼容器に入れ、−１ａ
Ｃ〜−１５Ｃの温度下に保存する。

実施例５ シンビジュームをブタノールに投入して脱水を約１時間
行なった後、セメノール２０憾を溶解したブタノール溶
液に投入し、１時間後に取り出して５０Ｃで１時間乾燥
し、そのま＼容器に入れ、−１０Ｃ〜−１５Ｃの温度下
に保存する。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 生花を有機溶媒で置換脱水した後、予備乾燥し、これを
   −４℃以下の温度で保存することを特徴とする生花乾燥
   物の保存方法。