JPS6126061B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ピールオフフイルムに関するもの
で、殊に、製版工程で用いるためのピールオフフ
イルムに関する。

更に詳しくいえば、周知のように、写真製版の
工程は、大別して、製版写真行程を版作成の工程
から成つており、これらに加えて、製版写真行程
の前に、製版準備の段階として版下作成の工程が
ある。そして、この版下作成の工程には割付け版
下の作成がある。ところで、一般に多くの印刷物
は文字・線画・写真等の諸要素から構成されてい
るので、これらを印刷物上でどのように配列した
状態で仕上げるべきかが製版の最初の段階で指定
されていなければならない。

この配列指定を紙の上に正確に行つたものを前
記の割付け版下と称するものである。

この割付け版下の作成は、従来、印刷物発注者
からのラフレイアウト図等に基づいて、製図台や
製図用具を用いて手作業で行われていたが、最
近、この作業を自動化した割付け版下自動製図機
が開発され、それが利用されるようになつてい
る。

ところで、普通に割付け版下は、製図用紙上に
インキペンにより作成されるが、また、カツター
を用いることもあり、この場合は、橙色、赤色や
透明のスクライブルフイルム（あるいはピールオ
フフイルムともいう）に角マスク等をスクライブ
ルしたものを作成し、これに写真等が入る必要部
分の赤色薄膜層を剥離すれば、後工程での多重密
着露光のマスクや貼込み用レイアウトシート等に
使用できるのである。

なお、前記の製版写真行程での製版用カメラで
撮影すべき原稿には、大別して透過原稿と反射原
稿とがあり、いずれも通常は１枚のフイルム等の
もの、または１枚の台紙の上にいくつかの原稿を
貼付けたものが用いられるが、最近は、この反射
原稿が増加している。

そこで、本発明は、反射原稿の貼付けに用いら
れ、且つ台紙のかわりになる白ピールオフフイル
ムとして最適な熱融着性または圧力接着性フイル
ムを提供する。

さて、従来のピールオフフイルムは、透明なポ
リエステル製のベースフイルムに、ピール膜と呼
ばれる薄膜層を重合したもので、ピール膜は、印
刷版製作用の露光に対し完全な遮光性を持つ薄膜
層（例えば、塩化ビニールまたは酢酸ビニールに
赤色等の染料を混入したもの）からなり、カツタ
ーで閉曲線になるように切込線を入れ、その囲ま
れた部分のみが容易に剥離できるようになつてい
る。したがつて、従来のピールオフフイルムは、
単に、マスク用のものであつた。

ところが本発明は、このピールオフフイルムに
改善を加え、前記の版下作成の工程を簡素化し、
さらに短縮化して、この作業を大巾に能率化しよ
うとするものである。

本発明の実施例を添付図面によつて説明する
に、その構成は次のようである。第１図イは、ピ
ールオフフイルムＰの断面図で、１はポリエステ
ル透明フイルムベースで、その厚さは通常50〜
175ミクロン、望ましくは125ミクロンであり、こ
のポリエステル透明フイルムベース１の片面に、
極薄（約３〜５ミクロン）の不透明純白色顔料ま
たは染料、例えば、ホワイトチタンまたはシリカ
を塩化ビニールまたは酢酸ビニールに混入した液
を塗布し膜を形成（これを白色マスク層２と呼
ぶ）する。

また、望ましくは、前記ポリエステル透明フイ
ルムベース１の反対側の片面に120゜〜150℃で接
着性を有する熱融着材（例えば、透明性を有する
酢酸ビニールまたはSBR）を約10〜15ミクロンの
厚みにコート（これを接着層３と呼ぶ）し、常温
では何ら接着層３の存在を感じさせない状態に保
つようにしている。

他の実施例として第１図ロに示すものは、白色
マスク層２と接着層３とを混合して同一層として
形成したものであり、また、第１図ハに示すもの
は、白色マスク層２の上に接着層３をコートした
ものである。

さらに、前記熱融着材のかわりに圧力でもつて
接着する圧力接着材（例えば、透明性を有するア
クリル）を用いてもよい。

次に、この実施例のピールオフフイルムＰの使
用方法を説明するが、学校アルバム製版を例にし
て説明する。

第２図は、本発明のピールオフフイルムＰを使
用した版下作成の工程を図解した配列図で、第３
図は本発明のピールオフフイルムＰを使用した工
程と従来のものを使用した工程とを比較した工程
図を示す。これら図をもとにして説明すると、先
ず、反射原稿（カラー、白黒ともに）用にする学
校アルバム製版写真行程の製版設計図を、第２図
イのように、作る。これは写真Ａ〜Ｅを配列する
レイアウト設計である。

次に、本発明のピールオフフイルムＰに前記レ
イアウト設計通り、自動製図機や手作業で白色マ
スク層２をカツタで精密に切込み４を入れ（第２
図ロ）、切込み４で囲まれた白色マスク層２の部
分を剥離し、前記写真Ａ〜Ｅに該当する窓を形成
する。

一方、ネガカラー等から印画を作成するが、こ
の作成は従来と同様である。作成された印画を所
要の大きさにカツトするわけだが、本発明のピー
ルオフフイルムＰに使用する場合は、後述の理由
によつて、従来のように細心の注意を払いながら
の精密カツトでなくてもよいし、第２図イのよう
に隣接する写真間の間隔が離れている場合は、カ
ツトする必要もない場合もある。

次に、カツトされた印画すなわちプリント写真
Ａ〜ＥをピールオフフイルムＰの接着層３側（た
だし、第１図ロ，ハに示した実施例の場合には、
接着層と白色マスク層は同一側にあるので、これ
らの層がある側）で位置合せをし、切込み４され
た窓を通して写真画像が見えるようにする。

そして、温度を120゜〜150℃にコントロールさ
れたコテを接着層３と写真Ａ〜Ｅとを重合した状
態で切込４外周５を押圧し、ピールオフフイルム
Ｐと写真Ａ〜Ｅとを接着固定する（第２図ハ）。

このとき接着部分は切込み４、すなわち窓の外
周５であるため写真画像には何ら影響を与えな
い。

このようにして各所定の位置に貼付けられたプ
リント写真Ａ〜ＥのピールオフフイルムＰは、こ
のまま次のカメラまたはカラースキヤナー工程へ
回送される。

ここで、カラースキヤナーとは、、周知のよう
に、電子回路の働きを借りて、所定のカラー原稿
から色修正ずみの分解ネガまたは分解ポジを作成
する装置である。

さて、前記工程でプリント写真Ａ〜Ｅが貼付け
られたピールオフフイルムＰをスキヤナー装置の
円筒６に巻き付けて、円筒６を一定速度で回転さ
せ、いわゆる色分解網掛けを行う。この円筒に６
の巻き付けた状態を第２図ニに示す。この場合、
特にプリント写真Ａ〜Ｅは貼付けられているの
で、マスクズレを生じない。

この後は、従来と同様、刷版製版行程、印刷工
程へ回送され、学校アルバムが作成できるのであ
る。

以上要するに本発明は、接着材を附加したフイ
ルムベースの片面に遮光性、白色マスク層をコー
トしたピールオフフイルムであり、場合により、
その接着材を熱融着または圧力接着する接着材で
構成したピールオフフイルムであるから次のよう
な諸効果を奏する。

従来のマスクフイルムと写真等の原稿の貼付
け用台紙とが、１枚のピールオフフイルムで兼
用でき、コストダウンとすることができる。

プリント写真等の原稿のカツトは、遮光性マ
スク層のみに精密に切込みし、その形成された
窓を通して原稿が露呈するから、原稿自体のカ
ツトは、特に技術を要することなく、その作業
が大巾に軽減される。

従来の貼付け作業の一つであるノリ付け作業
の省略と貼付けのスピード化がはかられ、製版
工程全体の大巾な作業能率を向上することがで
きる。

これを第３図に示す前記１例としての学校アル
バム製版写真行程図でみれば明らかなように、本
発明は比較的簡易な構成のピールオフフイルムを
使用することにより、その工程を短縮化、簡素化
し能率を向上することができる。

なお、フイルムがピール方式であるため、自
動製図機が利用でき、レイアウトマスク、すな
わち窓の作成が迅速にできる。

本発明のピールオフフイルムをスキヤナー装
置の回転する円筒に巻き付けた場合、マスクズ
レを生じることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は断面図で、イは本発明の実施例で、
ロ，ハは他の実施例を示す。第２図は本発明の実
施例の配置図、第３図は比較工程図を示す。 １…ポリエステル透明フイルムベース、２…白
色マスク層、３…接着層、４…切込み、Ａ〜Ｅ…
写真、Ｐ…ピールオフフイルム。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 接着材を附加したフイルムベースの片面に、
   遮光性、白色マスク層をコートしたことを特徴と
   するピールオフフイルム。 ２ 遮光性、白色マスク層がホワイトチタン又は
   シリカを塩化ビニール又は酢酸ビニールに混入し
   た膜で成り立つている特許請求の範囲第１項に記
   載のピールオフフイルム。 ３ 熱融着する接着材を附加してなる特許請求の
   範囲第１項又は第２項に記載のピールオフフイル
   ム。 ４ 接着材が透明であつて該接着材が遮光性マス
   ク層の反対側片面にコートされた特許請求の範囲
   第３項に記載のピールオフフイルム。 ５ 圧力でもつて接着する圧力接着材を附加して
   なる特許請求の範囲第１項又は第２項記載のピー
   ルオフフイルム。 ６ 圧力接着材が透明であつて該接着材が遮光性
   マスク層の反対側片面にコートされた特許請求の
   範囲第５項に記載のピールオフフイルム。