JPS6123102Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〓産業上の利用分野〓 本考案は、流水中に混入した異物を除去するス
トレーナが収納された濾過室を備えた止水栓に関
する。

〓従来の技術とその問題点〓 洗面器や便器洗浄用ロータンク等の衛生機器と
給水管とを接続する場合に、通常その流路途中に
は止水栓が設けられる。そして、流水中に異物が
混入したときは、流路途中に介設された各種機器
の機能を害し、異物が衛生機器等にそのまま供給
されることもまた好ましくないので、流水中の異
物を除去するストレーナが収納された濾過室を止
水栓に備えることも行われていた。

ところで、止水栓にストレーナが収納された濾
過室を備えた場合においては、ストレーナに詰ま
つた砂礫等の異物を定期的に清掃除去する必要が
ある。しかしながら、これまで、止水栓の操作部
と濾過室の蓋体の着脱操作部とが同方向を向いて
いるものはなく、そのため少なくとも一方の操作
部を犠性にすることが稀ではなかつた。

〓問題点を解決するための手段〓 本考案は上記問題点に鑑みてなされたものであ
り、本考案に係る止水栓の特徴は、止水栓本体
に、弁体を収納する弁案内部とストレーナを収納
する濾過室とを平行して配設すると共に、止水栓
の操作部と前記濾過室の蓋体の着脱操作部とを止
水栓本体の同側面に並設したことである。

また、流量の微調整を可能にするために、前記
弁案内部の弁座を流出側へ広がるテーパ状に形成
し、前記弁体の止水部は前記弁座のテーパ面に対
応するテーパ面を有するものとした。

そして、消音効果の増大を図るために、前記弁
体の止水部には、合成皮革または天然皮革等の材
料よりなるパツキングを設けることとした。

さらに、寒冷地等における、冬季の水抜操作を
容易にするために、前記濾過室を弁よりも下流側
に設けると共に、前記濾過室入口の覆蓋部を水抜
栓を兼ねるものとした。

〓実施例〓 第１図は、本考案の一実施例の要部を示した部
分断面図である。止水栓Ａは、水道管等の給水源
と、洗面器、便器洗浄用ロータンク等の衛生機器
とを接続する配管途中に設けられる。同図面にお
いて、下側は流路の上流側、上側が下流側であ
る。止水栓本体９の内部に、流路の開閉を司る弁
体３を収納する弁案内部５と、流水中の異物を除
去するストレーナ８を収納する濾過室７とが相互
に平行となるべく配設されている。前記濾過室７
は円筒状の内壁を有するものであり、濾過室７内
に収納されているストレーナ８は、濾過室７の内
壁面に沿う円筒形状に成形された網状等の構造を
有するものである。濾過室７には蓋体１０が螺着
されている。前記のストレーナ８は蓋体１０と別
体に形成したものを用いてもよいが、蓋体１０と
一体的に成形したものを用いれば止水栓本体９に
対する着脱が容易となり、清掃作業が簡単にな
る。前記濾過室７の内壁面には弁案内部５に通ず
る連通孔５が穿設されている。従つて、前記弁体
３に連なる止水栓の操作部４を操作して弁体３を
弁座１に着座、離座させることにより、水道管等
の水源から配管と衛生機器等へ給水する配管とを
接続する流路の遮断、開通及び流量の調節を管理
することができる。

前記弁体３に連なる止水栓の操作部４と、前記
蓋体１０の着脱操作部１１とは、止水栓本体９の
同側面に並設されている。従つて、本案止水栓Ａ
を水道管から衛生機器等への配管途中に設けたと
きに、止水栓Ａの操作部４が正面を向くように取
着すれば、必然的に濾過室７の蓋体１０の着脱操
作部１１もまた操作者に対して正面を向くことと
なる。これは、止水栓Ａの取着個所周囲に余分な
スペースのないときに非常に有利である。すなわ
ち、洗面所の手洗所等には様々な日用品やその他
の日常生活に必要な物品が納められることが多
く、止水栓周辺にもこれらの物品が積載されるな
どして操作のために必要なスペースが狭められて
いることがしばしばである。ところが、従来の止
水栓では、止水栓の操作部と濾過室の蓋体の着脱
操作部とはそれぞれ異なる方向を向いていたの
で、非常に操作しにくいか、或いは少なくとも一
方の操作性を犠性にしなくてはならなかつた。し
かし、スペースが狭隧な場合でも、本案止水栓Ａ
によれば、上述したように、止水栓Ａの操作部４
も濾過室７の蓋体１０の着脱操作部１１も共に向
きを同じくして並設されているので、本案止水栓
Ａの周辺部のうち、操作部４に対して面する方向
のみ開放してあれば、同時に濾過室７の蓋体１０
の着脱操作も可能となり、いずれの操作性をも犠
性にすることがない。

ところで、前記弁案内部５の弁座１を、流出側
へ広がるテーパ状に形成し、前記弁体３の止水部
２を前記弁座１のテーパ面に対応するテーパ面と
することにより、流量の微調整が可能となる。

また、前記弁体３の止水部２に、合成皮革また
は天然皮革等の材料よりなるパツキングを設ける
ことにより、ストレーナ８の網状構造と相俟つて
消音性能の優れた止水栓を得ることができる。

さらに、前記濾過室７を弁体３よりも下流側に
設けると共に、前記濾過室７の蓋体１０は水抜栓
を兼ねるものとすることもできる。

〓考案の作用及び効果〓 以上述べた如く、本考案は、止水栓の操作部と
前記濾過室の蓋体の着脱操作部とが止水栓本体の
同側面に並設されているので、いずれの操作性を
も犠性にすることがない。すなわち、止水栓を取
付けたときに、止水栓の操作部に手を延ばすこと
ができさえすれば、同時に濾過室の蓋体の着脱操
作も可能となる。従つて、操作性が極めて向上す
る。しかも、止水栓本体に、弁体を収納する弁案
内部とストレーナを収納する濾過室とが平行して
配設されているので、非常にコンパクトな構造と
なり美観上も優れたものとなる。また、弁案内部
の弁座を、流出側へ広がるテーパ状に形成し、弁
体の止水部を前記弁座のテーパ面に対応するテー
パ面を有する如くなせば、流量の微調整が可能と
なる。そして、弁体の止水部に、合成皮革または
天然皮革等の材料よりなるパツキングを設けるこ
とにより、ストレーナの網状構造と相俟つて消音
効果を増大させることができる。

さらに、濾過室を弁体よりも下流側に設けると
共に、前記濾過室の蓋体を水抜栓を兼ねるものと
することにより、寒冷地等における冬季の水抜作
業を簡単に行うことができるので、凍害を防止す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の要部を示す部分
断面図である。 Ａ……止水栓、９……止水栓本体、１……弁
座、３……弁体、５……弁案内部、８……ストレ
ーナ、４……止水栓の操作部、７……濾過室、１
０……濾過室の蓋体、１１…着脱操作部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 止水栓本体に、弁体を収納する弁案内部とス
   トレーナを収納する濾過室とが平行して配設さ
   れていると共に、止水栓の操作部と前記濾過室
   の蓋体の着脱操作部とが止水栓本体の同側面に
   並設されていることを特徴とする止水栓。 ２ 前記弁案内部の弁座は、流出側へ広がるテー
   パ状に形成され、前記弁体の止水部は前記弁座
   のテーパ面に対するテーパ面を有する前記実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の止水栓。 ３ 前記弁体の止水部には、合成皮革または天然
   皮革等の材料よりなるパツキングが設けてある
   前記実用新案登録請求の範囲第１項または第２
   項記載の止水栓。 ４ 前記濾過室は、弁よりも下流側に設けられて
   いると共に、前記濾過室の蓋体は水抜栓を兼ね
   る前記実用新案登録請求の範囲第１項、第２項
   または第３項記載の止水栓。