JPS6116280B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6116280B2
JPS6116280B2 JP53125596A JP12559678A JPS6116280B2 JP S6116280 B2 JPS6116280 B2 JP S6116280B2 JP 53125596 A JP53125596 A JP 53125596A JP 12559678 A JP12559678 A JP 12559678A JP S6116280 B2 JPS6116280 B2 JP S6116280B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
day
substance
culture
soluble
antitumor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP53125596A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5551096A (en
Inventor
Denichi Mizuno
Masatoshi Yamazaki
Shigeru Abe
Ushio Mikawa
Shoji Shibata
Kunio Takahashi
Nobuo Kanda
Morihiro Kono
Kyoshi Sato
Nobuyuki Azumabashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiichi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP12559678A priority Critical patent/JPS5551096A/ja
Publication of JPS5551096A publication Critical patent/JPS5551096A/ja
Publication of JPS6116280B2 publication Critical patent/JPS6116280B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は抗癌性を有する新規な蛋白多糖体に関
する。近年担子菌類や酵母類から抽出した多糖体
或いはある種の細菌の細胞壁成分等で抗腫瘍性を
示すものについての報告が多くなされている。然
し乍ら放線菌類、就中低集団の微生物群即ち一般
に少数群放線菌(Rare Actinomycetes)と呼称
される微生物に属するものの培養物から抽出され
た多糖体で抗腫瘍性を示す事実について報告され
たものは未だ見当らない。 本発明者等は少数群放線菌に属する数多くの菌
の培養物について検討した結果、動物の実験腫瘍
に対して抗癌作用を示す多糖体を種々分離し得た
が、それらの中から優れた抗癌作用を示す蛋白多
糖体に属する物質(以下本物質と略す)の分離精
製に成功し、更には本物質が経口投与に於ても抗
癌作用を示すことを確認し、本物質について物理
的、化学的な検討を行い、本物質の性質を明かに
することにより本発明を完成した。 即ち本発明者等はミクロエロボスポリア属に属
する一菌種であるミクロエロボスポリア・グリゼ
ア〔(Microellobosporia grisea,Bergey’s
Manual of Determinative Bacteriology 8
Ed.1974),(以下TC−13菌と略す)〕の培養菌体
より熱水抽出して得られた蛋白多糖体が動物の実
験腫瘍に対して強い抗腫瘍作用を示すことを認め
た。 ミクロエロボスポリア・グリゼアは最初ミクロ
エキノスポラ・グリゼア(Microechinospora
grisea)と命名され、その分類学的性質について
はYu,E.Konev等によつてMikrobiologia 36
309〜317,1967に詳細に報告されており、IFO−
12518として(財)発酵研究所より入手できる。 TC−13菌を用いて目的とする本物質を得るに
は種々な方法を用いることが出来、その詳細は実
施例に於て具体的に示すが、菌体を用いた基本的
な採取法の概要は以下に述べる通りである。 即ちTC−13菌を培養するに当つて必要な培地
成分は、本菌が資化し生育しうる物質であれば天
然物、合成品或いはそれらの組み合せによつて作
られたもののいづれでも用いることが出来る。又
それらより成る培地に必要とあればビタミン類や
無機塩類の適量を加えることが出来る。培養温度
はTC−13菌が発育しうる温度であればよいが、
通常28〜37℃の範囲が好ましい。 例えばブドー糖、ペプトン、酵母エキス、コー
ンステイ−ブリカー及び食塩を含む液体培地100
mlを内容500mlの坂口フラスコに加えて滅菌し、
これにTC−13菌の種培養を加えて約30℃に於て
振とう培養する。培養3日目に培養物を取り出
し、遠心分離して菌体を集める。菌体は一度水洗
し再び遠心分離して集める。この菌体に水を加え
て90〜100℃に保ち2〜5時間撹拌し乍ら加熱抽
出する。抽出終了後遠心分離して残渣を除き抽出
液を集める。抽出液を減圧下で加熱し乍ら約1/10容 にまで濃縮する。濃縮液に塩酸を加えてPHを約2
に調節し、この際に生じる沈澱を遠心分離して除
去する。得られた上澄液を集め、苛性ソーダ液で
中和した後セロフアンチユーブに入れて一昼夜流
水透析する。この際に適当な種類の限外濾過装置
を使用すれば菌体抽出液の濃縮と透析の操作を簡
略化しうる。次に透析或いは限外濾過終了液にセ
チルピリジニウムクロライドの10%水溶液を再び
沈澱が生じなくなるまで加える。生じた沈澱は遠
心分離して除去する。上澄液にホウ酸ソーダ緩衝
液を加えてPHを10に調節すると沈澱を生じる。こ
の沈澱を遠心分離して集め一度水洗した後稀塩酸
に溶解せしめ、その約3倍容のエタノールを加え
て生じる沈澱を遠心分離して集める。得られた沈
澱を80%エタノール、エタノール及びアセトンで
順次洗い、最後に少量のエーテルで洗つた後乾燥
すれば活性成分が淡褐色乃至微黄色の粗粉末とし
て得られる。この粗粉末は既に強い抗腫瘍活性を
有しており、活性本体の蛋白多糖体を主成分とし
て含んでいるので、この段階の物でも抗癌剤とし
て使用しうるが、主成分以外の物質も多少含まれ
ているので、それらを除く為に更に精製するのが
好ましい。精製には種々の方法が考えられるが、
その一つとしてゲル濾過法を適用することが出来
る。即ちセフアデツクスG−100(生化学工業
(株))を適当な濃度の食塩水で充填してカラムとし
たものの頂端に上記粗粉末を同食塩水で溶した液
を加え、続いて同食塩水で展開する。カラムの下
端より流出する液をフラクシヨンコレクターで一
定容量づつ集め、各々について少量の試料を取り
出して、多糖体部分についてはフエノール硫酸法
による発色を490nmに於ける吸光度で測定し、蛋
白部分等についてはそのまま280nmの吸収によつ
て測定する。各区分についての夫々の測定値をグ
ラフに示した一例は図1の通りである。流出液の
最初の画分は糖質を主構成々分とする高分子の蛋
白多糖体と考えられ、次の画分は低分子の蛋白、
ペプチド等を多く含むものと考えられる。最初の
蛋白多糖体の画分には優れた抗腫瘍活性が認めら
れ、本発明者等の目的とするものであるので、こ
の画分を集めて減圧下で濃縮し、濃縮液をセロフ
アンチユーブに入れて一昼夜流水透析した後、内
液を再び濃縮しその約3倍容のエタノールを加
え、生じた沈澱を遠心分離して集め、80%エタノ
ール、エタノール及びアセトンにて順次洗い、最
後にエーテルにて洗つた後乾燥すれば精製された
目的物が得られる。 尚、上記ゲル濾過法を適用する代りに、粗粉末
を少量の水または稀塩酸に溶解し、エタノールを
加えて沈澱せしめることを繰返すことにより、ゲ
ル濾過法で得られた高分子蛋白多糖体と同様の物
が得られる。 かくの如くして得られた物質は優れた抗腫瘍活
性を有する蛋白多糖体であり、無味無臭の微黄色
乃至白色の粉末であり、本発明者等は本物質を
DH−6665と呼称することとした。DH−6665につ
いての物理的、化学的及び生物学的諸性質につい
て以下詳述する。 物理学的ならびに化学的性質 〔1〕 呈色反応 本物質の水溶液を用いて種々の呈色反応を試
験した結果は表1の通りである。
【表】 以上の結果から本物質は蛋白多糖体であるこ
とが明かである。 〔2〕 溶解性 本物質は水に易溶であることが特徴でありホ
ルムアミドには可溶性でジメチルスルホキサイ
ドには僅かに溶け、メタノール、エタノール、
n−ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ア
セトン、エチルエーテル、石油エーテル、n−
ヘキサン、エチレングリコール、プロピレング
リコール、ピリジン等多くの有機溶媒には殆ん
ど溶けない。 〔3〕 融点 キヤピラリ法で測定すると220〜230℃で褐変
し、徐々に収縮して240〜260℃近辺で黒変する
が、明瞭な融点あるいは分解点を示さない。 〔4〕 旋光性 本物質の1%水溶液について旋光度を測定
し、比旋光度〔α〕25 を求めるとその値は+30
〜+70℃の範囲にある。尚、1%水溶液につい
て旋光分散測定を行つた結果は図3に示す如く
単純正曲線を示した。 〔5〕 元素分析値 多数の試算についての分析結果はC35〜43
%、H4.8〜6.4%、N0.5〜2.5%でパイルシユタ
イン法及び金属ナトリウムと熔融後硝酸銀反応
でハロゲンを認めず、フオール(Vohl)反応
で硫黄を認めない。 〔6〕 分子量 種々な分子量のデキストランを基準としてゲ
ル濾過法によつて測定した結果によれば、本物
質の分子量は10000〜300000の範囲に分布する
と推定される。 〔7〕 赤外線吸収分析 本物質を含むKBr錠について測定した赤外線
吸収スペクトルは図2に示す如くである。3200
〜3600cm-1の広範な吸収は種々の度合に会合し
たOHに由来するものと考えられる。1630〜
1650cm-1の吸収は
【式】のカルボニルに由 来し、1530〜1540cm-1の吸収は−NHに由来する
と思われる。又、1000〜1200cm-1の巾広い吸収は
糖質部分のピラノース環のエーテル酸素及び各水
酸基のC−Oに由来すると思われる。880〜890cm
-1及び820〜840cm-1に糖類に特徴な吸収が認めら
れる。 〔8〕 紫外部吸収スペクトル 本物質の1mg/ml水溶液は、220〜340nmに
極大吸収が認められない。
〔9〕 塩基、酸、中性の区別 本物質の1%水溶液はPH5〜8の中性である。 〔10〕 構成糖類 本物質を1N−H2SO4に溶解し封管中で100℃
に於て6時間加水分解し、内部の液を取り出し
てKieselgel60F254(Merck社製)の薄層上、イ
ソプロパノール・ピリジン・水・酢酸=8:
8:4:1或はn−ブタノール・ピリジン・水
=6:4:3で上昇法によるクロマトグラフイ
ーを行つた後、p−アニスアルデヒド硫酸・95
%エタノール(0.5:0.5:9Vol.)試薬で呈色せ
しめた結果、D−グルコースとD−マンノース
の存在を確認した。又、同様の加水分解をシユ
ガーアナライザー(日本電子製)にかけて分析
した結果、D−グルコースとD−マンノースを
認めその構成比は約2:1であつた。その他に
一つ未確定糖が微量含まれ、又アミノ酸分析の
結果からグルコサミンが含まれていることを認
めた。 〔11〕 蛋白部分と構成アミノ酸 ローリーフオリン法によつて牛血清アルブミ
ンを標準として測定した結果、本物質に含まれ
る蛋白部分は3〜10%であり、又本物質を6N
−HClに溶し封管中で110℃に於て24時間加水
分解した後、アミノ酸自動分析機(日立KLA5
型)にて分析した結果、少くともグリシン、ア
ラニン、グルタミン酸及びジアミノピリメン酸
の存在を確認した(その他にセリン、アスパラ
ギン酸、スレオニンが僅かに認められた。)。 生物学的性質 〔1〕 急性毒性 ddY マウスを用い本物質の水溶液を静脈内
及び腹腔内に投与した場合のLD50は夫々約
1000mg/Kg及び2000mg/Kg以上であり、経口投
与の場合も2000mg/Kgでも全く変化を認めなか
つた。 〔2〕 抗腫瘍作用 エーリツヒの皮下腫瘍やメチルコランスレン
誘発による同系移植癌(Syngeneic tumox)等
について種々検討した結果を以下に例示する。 イ 投与時期について ddYマウス1匹についてエーリツヒ腹水癌
細胞3×106ケを皮下に接種した。実験各群
のマウスは5匹宛とし、A群は腫瘍細胞接種
の10日前より10日間1日1回腹腔内にDH−
6665を30mg/Kgの割合で投与、B群は腫瘍細
胞接種前5日間と接種後5日間に分けてDH
−6665を30mg/Kg/dayの割合で投与、C群
は腫瘍細胞接種の翌日より1日1回10日間本
物質を30mg/Kgの割合で投与し、いづれの群
も腫瘍細胞接種後30日目に各マウスの皮下腫
瘍を摘出して重量を秤り、対照群(無投与)
のそれと比較した。各群の腫瘍重量の平均値
とその対照群に対する百分率(T/C%)を
次表に示した。
【表】 以上の結果からいづれの場合に於ても明ら
かな抗腫瘍作用が認められたが、就中腫瘍細
胞接種後に本物質を連日投与するのが最も効
果的であると考えられる。 2 投与量について 投与量は0.3mg/Kg/dayから300mg/Kg/
dayの間を5段階に分け、腫瘍細胞接種後翌
日より1日1回10日間連続投与し、腫瘍接種
後30日目に腫瘍を摘出し、腫瘍重量を対照群
と比較した。尚、市販のPS−K(クレスチ
ン呉羽化学)を参考に用いた。
【表】 3 投与経路について ddyマウスにエーリツヒ腹水癌細胞3×
106ケを皮下に接種した後、種々の経路より
投与した。投与方法は腹腔内(ip)は接種の
翌日より1日1回10日間、皮下(sc)には接
種後翌日より1日1回隔日に7回、腫瘍内
(it)には接種後3日目より1日1回隔日に
6回、静脈内(iv)には接種後翌日より1日
1回7日間連続投与した。それらの結果は表
4の通りであつたが、経口投与の成績につい
ては別に記載する。
【表】 次に特に経口投与についての一例について
述べる。エーリツヒの腫瘍細胞をddyマウス
に3×106ケ皮下接種した翌日から1日1回
隔日に10回本物質の水溶液を経口的に強制投
与し、腫瘍接種後30日目に腫瘍を摘出して重
量を秤量し、対照群のそれと比較した。1群
5匹のマウスを用い、PS−K 500mg/Kg×
10投与群を参考とした。その結果は表5の通
りであつた。
【表】 本実験結果は一例に過ぎないが、本物質は
経口投与に於ても明かな抗腫瘍作用を示すこ
とが認められた。 4 同系移植癌に対する作用 C3H/Heマウスを用い、腹水型乳癌MM46
の細胞4×106ケを皮下に接種し翌日から1
日1回本物質の水溶液を10日間連日腹腔内に
投与、又静脈内には7日間連日投与し、いづ
れも腫瘍接種後30日目に腫瘍を摘出し重量を
秤量して対照群のそれと比較した。一群5匹
のマウスを用い、参考にPS−K 300mg/
Kg/day×10(ip)を置いた。その結果は表
6の通りであつた。
【表】 この結果から明らかな如く、同系移植癌に
対しても本物質は強い抗腫瘍作用を示し殊に
静脈内投与に於ては著明であつた。 以上述べた如く、本発明の抗腫瘍性蛋白多
糖体DH−6665は種々な方法に於て動物実験
腫瘍にすぐれた抗腫瘍作用を示すことが明ら
かであるが、本物質が腫瘍移植前に投与した
場合でも抗腫瘍作用を示し、又マウスを用い
た遅延性アレルギー反応を強く亢進せしめる
ことや腫瘍退縮のパターンからも、本物質は
宿主を介しての抗腫瘍作用即ち免疫賦活作用
による抗腫瘍性を有していることが考えられ
たが、次に実例を以つて説明する。 5 リンパ球細胞幼若化作用 DDDマウスの脾臓からリンパ球細胞を取
り出し、RPMI 1640培地に1×106ケ細胞/
ml/tubeとなるように懸濁した。これにDH
−6665を0.1mg/ml及び0.01mg/mlとなるよ
うに加え、炭酸ガス加入恒温器の中で37℃に
於て72時間培養した。更にこれにトリチウム
標識のチミジンを1μCi/ml/tubeとなるよ
うに加えて37℃に於て6時間炭酸ガス加入恒
温器中で培養した後リンパ球細胞を集め、細
胞核内に取り込まれた標識チミジンの量をシ
ンチレーシヨンカウンターを用いて測定し
た。大腸菌のリポ多糖体(LPS)5μg/ml
を同様に取り扱つた場合を活性対照とし、無
処置対照のものと比較した結果は次の表7の
通りであつた。
【表】 幼若化率は無処置対照群のトリチウム標識
チミジンの取り込みによるカウント数に対す
る処置群のカウント数の比率で表わした。 上記のようにDH−6665はリンパ球細胞と
共に培養すると、細胞の幼若化作用を示すこ
とが認められた。このことはDH−6665の作
用機作が免疫を介するものであることを示唆
する。 6 溶血抗体産生細胞(PFC)に及ぼす影響 赤血球の表面に抗赤血球抗体が補体の存在
下で吸着すると溶血が起る。この原理を利用
して、マウスの異種赤血球に対する抗体産生
細胞の変化を検討し、免疫能賦活の有無を調
べた。1群2匹のDDDマウスに対し、羊の
赤血球(SRBC)4×108ケを腹腔内に接種
し、同時に大腸菌のリポ多糖体(LPS)7.5
mg/KgとDH−6665 60mg/Kgをそれぞれ別個
に腹腔内に1回投与した。4日後に各群のマ
ウスの脾臓細胞を取り出し、モルモツト補体
の存在下でSRBCに対する溶血抗体産生細胞
数をCunninghamらのSlide chamber法
(Immunology14 599,1968)を用いて測定
した。尚、実験には各群についてSRBC無感
作群を対照に置いた。その結果は表8の通り
であつた。
【表】 この結果から明らかな如くDH−6665は
LPSと略同等の効果を示し、宿主の免疫能を
促進させる作用を有することがわかつた。 以上述べた如く本発明の抗腫瘍性多糖体
DH−6665は宿主の免疫能を促進する作用を
有することを特徴とする優れた抗腫瘍性物質
であることが明らかである。 実施例 1 ブドウ糖2.5%、ポリペプトン0.5%、イースト
エキス0.3%、コンステイープリカー0.5%、食塩
0.3%(PH7.0)から成る培地130Lを内容200Lのス
テンレススチール製の醗酵タンクに仕込み、120
℃に於て20分間加圧殺菌した後30℃に冷却し、予
め培養したTC−13菌の種培養液5を無菌的に
接種した。内温を30℃に保ち無菌空気を通じ乍ら
(0.5vvm.)撹拌(180rpm.)して培養した。培養
開始後約70時間目に培養を止めて内容物を取り出
し、連続遠心分離機にて菌体を集めた。得られた
菌体を一度水洗して湿菌体(16.5)分離し、こ
れを水35に懸濁し撹拌し乍ら98℃に於て4時間
熱水抽出した。冷後連続遠心機にて分離し、抽出
液を集めて減圧下で外温約80℃に於て全容約2.3
まで濃縮した。この濃縮液に6N−HClを加えて
PHを2.0とし、生じた沈澱を除去した後6N−
NaOHで中和し、この液をセロフアンチユーブに
入れて流水中で一昼夜透析した。内液を取り出
し、これにセチルピリジニウムクロライドの10%
水溶液を再び沈澱が生じなくなる迄加えた。この
際生じた沈澱を遠心分離して除き、上澄液に0.26
モルのホウ酸ソーダ水溶液2800mlを加えてPHを10
に調節すると沈澱を生じた。沈澱を遠心分離にて
集め、少量の水で水洗後、1%HCl500mlに溶解
し、僅かな不溶物を除去した後溶液の約3倍容の
エタノールを加え生じた沈澱を集めた。得られた
沈澱を最初80%エタノールで、次いでエタノー
ル、アセトンの順で洗い、最後に少量のエーテル
で洗つて乾燥し、DH−6665の粗粉末6.5gを得
た。この粗粉末は本文中に記載の本体成分を主成
分とし、その外に若干の別の成分を含むが、その
抗腫瘍活性は満足すべきものであつた。 実施例 2 実施例1に於て得られた粗粉末140mgを0.1M
NaCl水 5mlに溶解し、セフアデツクスG100の
カラム(3×90cm、Vo=134ml、ブルーデキスト
ラン2000にて決定)に加え流速0.25ml/mmにて
0.1M NaCl水で展開した。流水液をフラクシヨン
コレクターでチユーブ1本当り10ml宛捕集し、各
チユーブからのサンプルについて糖質をフエノー
ル硫酸法(Anal.Chem.,28:350,1956)で測定
し、蛋白質については280nmに於ける吸収で測定
した。その結果は図1に示す通りであつたが、本
発明者等の目的とする物質はチユーブNo.11より27
迄の画分に含まれているので、この画分を集めて
セロフアンチユーブに入れ一昼夜流水透析を行つ
た後、内液を減圧下に濃縮して実施例1の場合と
同様にエタノールで沈澱させ、この沈澱を分離し
てエタノール、アセトン、エーテルで順次洗つて
後乾燥すれば白色粉末100mgを得た。この様にし
て得られたDH−6665の粉末は特許請求の範囲の
各項記載のすべてに適合するものであつた。
【図面の簡単な説明】
図1はゲル濾過のパターンを示し、図2は赤外
吸収スペクトルを示し、図3はDH−6665の水溶
液についての旋光分散測定図を示すものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 糖質部分の大部分がD−グルコース及びD−
    マンノースからなりその構成比率が約2:1であ
    り、蛋白部分の大部分がグリシン、アラニン、グ
    ルタミン酸及びジアミノピメリン酸からなり、水
    に易溶で、ホルムアミドに可溶、ジメチルスルホ
    キサイドに僅かに溶け、メタノール、エタノー
    ル、n−ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、
    アセトン、エチルエーテル、石油エーテル、n−
    ヘキサン、エチレングリコール、プロピレングリ
    コール及びピリジンに殆ど溶けず、元素分析にお
    いてC 35〜43%、H 4.8〜6.4%、N 0.5〜
    2.5%であり、ハロゲン及びイオウは存在せず、
    分子量分布が10000〜300000である抗腫瘍性蛋白
    多糖体DH−6665。 2 少数群放線菌の培養物の抽出精製物である特
    許請求の範囲第1項の抗腫瘍性蛋白多糖体DH−
    6665。 3 ミクロエロボスポリア属に属する菌の培養物
    の抽出精製物である特許請求の範囲第1項の抗腫
    瘍性蛋白多糖体DH−6665。 4 ミクロエロボスポリア属に属するDH−6665
    生産菌を培養し、その培養物からDH−6665を単
    離することを特徴とする抗腫瘍性蛋白多糖体DH
    −6665の製法。
JP12559678A 1978-10-12 1978-10-12 Antitumor protein polyglycoside Granted JPS5551096A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12559678A JPS5551096A (en) 1978-10-12 1978-10-12 Antitumor protein polyglycoside

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12559678A JPS5551096A (en) 1978-10-12 1978-10-12 Antitumor protein polyglycoside

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5551096A JPS5551096A (en) 1980-04-14
JPS6116280B2 true JPS6116280B2 (ja) 1986-04-28

Family

ID=14914054

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12559678A Granted JPS5551096A (en) 1978-10-12 1978-10-12 Antitumor protein polyglycoside

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5551096A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63272472A (ja) * 1987-04-28 1988-11-09 キユーピー株式会社 物品の引出し工具

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63272472A (ja) * 1987-04-28 1988-11-09 キユーピー株式会社 物品の引出し工具

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5551096A (en) 1980-04-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Fujii et al. Isolation and characterization of a new antitumor polysaccharide, KS-2, extracted from culture mycelia of Lentinus edodes
FI79024C (fi) Foerfarande foer framstaellning av haemophilus influenzae b-polysackaridexotoxoidkonjugatvaccin.
CN111961617B (zh) 一株高产免疫多糖和细菌素的多效枯草芽孢杆菌及应用
IL42545A (en) Water-soluble extracts of mycobacteria their preparation and pharmaceutical compositions containing them
JPS5896025A (ja) 新規生理活性物質ch−1およびその製造法
Darby et al. Isolation and analysis of the nucleic acids and polysaccharides from Clostridium welchii
Gmeiner The isolation of two different lipopolysaccharide fractions from various Proteus mirabilis strains
EP0333243A2 (en) Sulphated K5 antigen and sulphated K5 antigen fragments
US4210641A (en) Novel polysaccharide extracts and method of use
US4247541A (en) Ks-2-b
Seid et al. Unusual lipopolysaccharide antigens of a Salmonella typhi oral vaccine strain expressing the Shigella sonnei form I antigen.
US4663438A (en) Novel nucleic acid-containing glycoprotein
US3821193A (en) Antiviral complex of rna and polysaccharide
Okamoto et al. Further purification and characterization of heat-stable enterotoxin produced by Yersinia enterocolitica
US3600378A (en) Method for the purification of lipopolysaccharides
CA1282779C (en) Polysaccharide ron substance, production of the same and use of the same
White et al. An acidic polysaccharide from the cell wall of Chlorella pyrenoidosa
JPS6116280B2 (ja)
Männel et al. Serological and immunological properties of isolated enterobacterial common antigen
US3269913A (en) Staphylococcal-immunizing products and methods for their production
McDonald et al. Immunochemical analysis of a uronic acid polymer of Staphylococcus epidermidis, strain 53
Daoust et al. Specific capsular polysaccharide of type 45 Streptococcus pneumoniae (American type 72)
EP0084333B1 (en) Polysaccharide substance, process for the production of same, pharmaceutical compositions containing the same and their use as medicaments
CA1184864A (en) Substances having carcinostatic and immunostimulating activity, process for preparing the same and carcinostatic agent containing the same
KR890002256B1 (ko) 항암 물질 tf-2 제조 방법