JPS6113289Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、木工機械の送材ベルトの内面に圧接
して該ベルトにより移送加工材料に対して任意の
送材圧を加えるようにした多数並列の押えロール
に対する圧力の付与及びその圧力の調整を簡易に
した送材ベルト装置に係るものである。

一対の案内ロールに無端の送材ベルトを緊張し
て掛け、案内ロール間の送材ベルトの内面に多数
の押えロールを並列に設け、その各押えロールを
回転勝手に支持する支持軸の両端に連結して直角
方向に突出した移動杆を、送材ベルトの内部に設
けた押えロールフレームによつて移動可能に支持
してなる木工機械の送材ベルト装置において、送
材ベルトの直線走行長に応じて多いときには40〜
50本も押えロールを装置する必要があり、それぞ
れの押えロールに対する圧力の付与には、各押え
ロール毎の移動杆に押圧ばねを付装していた。し
かしながら多数の押圧ばねのばね定数を一定にす
ることはほとんど困難であるため、各押えロール
毎のベルト押圧力に多少のバラ付を生ずる欠陥が
あり、また、多くの木工機械では加工材の材質に
応じて押えロールの押圧力を変更する必要があ
り、そのためには各押圧ばね毎に圧力調整装置を
設けなければならないのでその調整操作に長時間
を空費する欠点があり、また、圧力調整装置を欠
除する木工機械では、加工材の材質の範囲が限定
され、限定以外の加工材についての加工仕上がり
を不良にしていた。

本考案は、多数の押えロールに対して加圧空気
を圧送される空気袋により斉一な加圧力を付与
し、また前記の加圧空気の圧力を調整するだけ
で、一斉に圧力調整を施し得るようにして、多数
の押圧ばねを使用することによる前記の欠陥を除
いたものである。

本考案の一実施例を添付図面について説明す
る。

第１図は主として２mm厚以下の薄い木板を製造
する縦突きスライサーを例示したものであつて、
支持台１の一側に斜め向きのかんな刃３を取付け
た定盤２を固定すると共に、支持台１に設けられ
た一対のレール４上に送り装置５によつて定盤２
の方向への進退を制御される移動フレーム６を設
置し、その移動フレーム６に、定盤２に対応させ
た一対の案内ロール７，８を軸支して無端の送材
ベルト９を掛渡す。案内ロール７は公知のように
モータ１０により駆動される駆動ロールとし、案
内ロール８は第１図矢線方向への移動と固定とが
施されるテンシヨン用の従動ロールとする。

案内ロール７，８間には公知のように送材ベル
ト９の定盤２に対応する走行部の内面に多数の押
えロール１１を並列に設け、夫々の押えロール１
１を回転勝手に支持する支持軸１２の上下両端部
に、第３図によつて明確にした移動杆１３，１３
を直角方向に突出させて連結する。各移動杆１３
は前側の第１移動杆１４と、後側の第２移動杆１
５とに互に反対方向のねじを設け、夫々を連結ナ
ツト１６に螺合連結して実質長を調整した上でロ
ツクナツト１７，１８により固定してなり、第１
移動杆１４に形成した摺動軸１９を移動フレーム
６の一部をなす押えロールフレーム２２の前側部
分に摺動自由に通す。また、第２移動杆１５の後
端には押えロール１１の移動範囲を規制する鍔２
０，２１を夫々に設ける。

押えロールフレーム２２の後側壁２３には前記
の各移動杆１３の後端に対応させて細長い函状の
空気袋ケース２４を取付け、その内部に第２図に
示した送給嘴２６から加圧空気を送り込まれて該
ケース２４の内空全体に膨らむ空気袋２５を内蔵
させ、その空気袋２５の前側に薄いばね板等の柔
軟な保護板２７を当て、各移動杆１３の後端を空
気袋ケース２４の前側から移動自由に通して鍔２
０を保護板２７に接触し、鍔２１を空気袋ケース
２４の前側面に対応させる。

送材ベルト装置には第１図の太い一点鎖線で示
すように案内ロール７及び８に近い押えロール１
１の群，とその中間の群とに分け、中間の
群の押えロールを支持する押えロールフレーム
２２を、押えロール１１の群，を支持する押
えロールフレーム２２を案内にして第３図の上方
に昇動し、それによつて押えロール１１の群の
定盤２に対応する高さを可変にできる装置が開発
され、特願昭54−147390号により出願された。か
かる場合には、空気袋ケース２４及び空気袋２５
を各群〜毎に設けて前記した昇動に対応させ
る。

前記実施例においては、空気袋２５の圧力によ
つて移動杆１３が第２図の左方に示すもののよう
に鍔２０を空気袋ケース２４の内面に接するまで
前進して押えロール１１を送材ベルト９の内面に
圧接する加圧を加え、定盤２と送材ベルト９とに
接して該ベルト９により送られる加工材３１があ
ると、第２図右方及び第３図に示すように押えロ
ール１１が送材ベルト９の内面により押され、移
動杆１３は空気袋２５の圧力に抗して後退して加
工材３１に送材圧を加える。

本考案は前記実施例の説明により明らかにした
ように、多数の押えロール１１の夫々の移動杆１
３の各個の押圧ばねを付装しないで、空気袋２５
に送給される加圧空気の圧力により各押えロール
１１に圧力を付与するものであるから、移動杆毎
に圧力調整を施す必要はさらになく、空気袋２５
の内圧力を調整するだけで一斉に付与圧力を調整
することができるとともに、その圧力にバラ付き
を生じないようにできるから、調整操作が極く容
易になる。また加工材３１の材質に対応する圧力
変更の調整も同様に簡易になり、押えロール１１
の一本を加工材３１の先端若しくは後端通過を感
知する検出ロールとするときにも、例えば第１図
の右端と左端の移動杆１３によつて開閉を制御さ
れるスイツチを押えロールフレーム２２の内部に
取付けるだけでよいようになるから、構成並に圧
力調整操作を簡単にできる効果がある。

また、実用新案登録請求の範囲(2)に記載するよ
うに、多数の押えロールを数群に分け、夫々の移
動杆１３をロールフレームに移動可能に支持し、
数個の押えロールフレーム２２毎に空気袋ケース
２４を取付ける実施例とするときは、各個の空気
袋ケース２４の所属の移動杆１３と押えロール１
１に及ぼす空気圧力と、空気袋ケース２４の空気
袋２５の圧力を夫々に調整して前記送材圧を部分
的に施し得るものである効果をもつ。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の一実施例を示し、第１図は
概要平面図、第２図は要部の一部切欠拡大平面
図、第３図は第２図Ａ−Ａ線切断側面図である。 ４……レール、７，８……案内ロール、９……
送材ベルト、１１……押えロール、１２……支持
軸、１３……移動杆、２２……押えロールフレー
ム、２４……空気袋ケース、２５……空気袋。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 一対の案内ロールに無端の送材ベルトを緊張
   して掛け、案内ロール間の送材ベルトの内面に
   多数の押えロールを圧接して並列に設け、その
   各押えロールの支持軸の両端に連結して直角方
   向に突出した移動杆を押えロールフレームによ
   つて移動可能に支持してなる木工機械の送材ベ
   ルト装置において、前記した各押えロールの移
   動杆の各一端を押えロールフレーム内に取付け
   た空気袋ケースに内蔵させて加圧空気を送給す
   るようにした空気袋に圧接してなる木工機械の
   送材ベルト装置。 (2) 一部を送材ベルトの走行方向と直交する方向
   に移動できるようにした数個の押えロールフレ
   ームを設け、多数の押えロールを数群に分けて
   夫々の支持軸に連結した移動杆を何れかの押え
   ロールフレームに移動可能に支持し、数個の押
   えロールフレーム毎に空気袋ケースを取付けた
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲(1)記
   載の木工機械の送材ベルト装置。