JPS6111036B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、針交換の可能な可動コイル型ピツ
クアツプカートリツジに関するものである。

針先の摩耗に伴なつて針アセンブリを交換でき
るようにした可動コイル型ピツクアツプカートリ
ツジに関する提案は、すでにいくつかなされてい
る。例えば、米国特許第3679843号に示されてい
るカートリツジにおいては、カートリツジ本体は
フラツトな底面をもち、その底面の一端には下方
に延びるターミナルプレートが形成されている。
ターミナルプレートには、該プレートを貫通し
て、その両側にそれぞれ端部が突出するところの
前記底面と平行な軸線を有する複数のターミナル
ピンが固定されている。針アセンブリはフラツト
な上面をもち、また、その側面には前記ターミナ
ルピンの各々と係合可能な複数のピンレシーバが
固定されている。したがつて、この針アセンブリ
の上面を本体の底面に沿つてスライドし、そのピ
ンレシーバを本体のターミナルピンの一端と係合
または離脱すると、それによつて針アセンブリは
本体に対して着脱自在となる。このような取はず
し自在構造を実現するため、本体内には、その底
面上に２つの磁極面を露出する永久磁石が固着さ
れ、針アセンブリは、本体の正常な取付位置にマ
ウントされたとき、前記磁極面とそれぞれ接触す
るように該アセンブリの上面に一方の端部を露出
する２つの磁極片またはヨークを有する。これら
のヨークの他方の端部は互いに間隔をもつて配置
され、その間に磁気ギヤツプを形成する。２つの
コイルを担持するアーマチユアを含む針アセンブ
リは、一方のヨークの他端に支持され、それらの
２つのコイルはアーマチユアとともに前記磁気ギ
ヤツプ内に配置される。しかしながら、この可動
コイル型ピツクアツプカートリツジにおいてもな
お未解決のいくつかの課題を含む。すなわち、針
アセンブリは、針先の磨耗に伴なつて交換されか
つ捨てられてしまうにもかかわらず、その中に比
較的高価な材料からなるヨークを含むため、これ
を安価に提供できないことである。また、本体の
永久磁石から針アセンブリのヨークを通る磁気回
路のチヤンネルが長いことによる磁気損失の増大
が問題とされる。残されたもう一つの課題は、本
体と針アセンブリとが互いにフラツトな表面で接
触し、それらの連結はターミナルピンとピンレシ
ーバとの係合にほとんど依存しているため、本体
に針アセンブリを強固にマウントすることができ
ないことである。

また、特開昭52−90903号においても針交換を
可能とした可動コイル型ピツクアツプカートリツ
ジが提案されている。しかしながら、このもの
は、支持部材に所定間隔を置いて互いに平行にマ
グネツトを配設し、着脱部材にコイルの巻回され
たアーマチユアおよびカンチレバーを含む振動系
を配設し、上記着脱部材を支持部材の所定開隔内
に嵌合させる構造であるため、上記着脱部材の厚
みとの関係においてマグネツト間の磁気ギヤツプ
を従来の例えばオルトフオンタイプのものより広
くしなければならず、発電効率の低下は否めな
い。

したがつて、この発明の目的は、カートリツジ
本体と針アセンブリとからなり、針アセンブリを
カートリツジ本体に対して取はずし可能に容易に
マウントすることができる可動コイル型ピツクア
ツプカートリツジであつて、針アセンブリがカー
トリツジ本体にマウントされたとき、その針アセ
ンブリに設けられた２つのコイルを担持するアー
マチユアは、カートリツジ本体内に設けられた磁
気ギヤツプ内に適正に配置されるようになつてい
るものを提供しようとするにある。

この発明によれば、カートリツジ本体側に永久
磁石と一対の磁極片（ヨーク）とこの磁極片の隣
接する部位に配置されたソケツト部材とがそれぞ
れ設けられ、そのソケツト部材に針アセンブリの
取付具である桂状部分を嵌着させることにより、
一対の磁極片の端部間に形成された磁気ギヤツプ
内に針アセンブリのアーマチユアが直接挿入され
るため、針アセンブリにヨークを設けることを必
要とせず、また、そのような構造によつて形成さ
れる磁気回路の磁気損失をきわめて小さくするこ
とができるとともに、磁気ギヤツプ自体を可及的
に狭くして発電効率を高めることができる。

以下、この発明の実施例を添付図面にもとずい
て説明する。

第１図および第２図を参照すると、このカート
リツジは、カートリツジ本体Ａと、このカートリ
ツジ本体Ａに交換可能に装着される針アセンブリ
Ｂとからなつている。カートリツジ本体Ａは、下
面が解放されたケーシング１をもち、このケーシ
ング１は、その前方部分に、板状のマグネツト３
と、このマグネツト２の両側に配置された１対の
ヨーク３，３を保持している。マグネツト２は板
厚方向に着磁されているため、ヨーク３，３間に
は磁気ギヤツプ４が形成される。ケーシング１の
後方寄りの下面には、針アセンブリＢを受け止め
るためのソケツト５が磁気ギヤツプ４に隣接する
ように形成されており、このソケツト５のガイド
壁６の遊端側には、針アセンブリＢをスナツプア
クシヨンで係止するための凸部７が形成されてい
る。ケーシング１の両側壁８内には、４本のＬ字
状に形成されたターミナルピン９，１０（第２図
では便宜上２本だけを示している。）が埋込まれ
ており、これらのターミナルピンの一方の端部９
ａ，１０ａはケーシング１の後壁１１から所定の
長さで突出しており、また他方の端部９ｂ，１０
ｂはケーシング１の下面側に所定の長さで突出し
ている。

針アセンブリＢは、底壁１２と２つの側壁１３
を備えたノブメンバ１４をもち、このノブメンバ
１４は、その底壁１２上にカートリツジ本体Ａに
対する取付具としての柱状部分１５を有してい
る。この柱状部分１５は、ソケツト５に密に嵌合
する形状にされている。この場合、柱状部分１５
は、スリツト１６により画成された弾性片１７を
備えている。この弾性片１７には、ガイド壁６に
設けられた凸部７と協働する凸部１８が設けられ
ている。したがつて、弾性片１７のバネ作用と、
前記凸部７と凸部１８との係止作用により、柱状
部分１５はソケツト５内に確実に嵌合することに
なる。柱状部分１５の前方に連なる底壁１２上に
は隆起部分１９が設けられている。この隆起部分
１９および柱状部分１５には、水平面に対して所
定の角度をもつ貫通孔２０が穿設されている。ま
た、隆起部分１９の下面には、孔２０に直角に交
叉するねじ孔２１が形成され、このねじ孔２１内
にセツトスクリユー２２が螺合している。柱状部
分１５と２つの側壁１３間の底壁１２には、前記
ターミナルピンの端部９ｂ，１０ｂと嵌合する４
つのターミナルチツプ２３が設けられている。こ
の場合、ターミナルチツプ２３の下端部２３ａは
底壁１２を貫通して底壁下面に突出している。底
壁１２の前記隆起部分１９の前方側には大きな開
口２４が設けられている。

ノブメンバー１４は、針アセンブリ２５を支持
しているが、この針アセンブリは公知の種々の形
式のものを使用することができる。図面に示され
た例では、先端に針先２６を有するカンチレバー
２７と、このカンチレバー２７の後端に取付けら
れた支持体２５であつて、例えば45−45方向に配
向された２つのアーマチユア２９を支持するもの
と、この支持体２８の背面から延出する支持線条
（図示せぬ）と、この支持線条の周囲に取付けら
れたスリーブ３０と、支持体２８の背面とノブメ
ンバ１４の前面との間に設けられたダンパ３１と
を備えている。この針アセンブリ２５は、スリー
ブ３０を前記孔２０内に挿入し、このスリーブ３
０をセツトスクリユー２２で孔２０内に緊締する
ことにより、隆起部分１９の前面に強固に装着さ
れる。前記アーマチユア２９は、支持体２８に植
設された柱状ブロツクと、この柱状ブロツク上に
巻回された可動コイル３２からなり、可動コイル
３２から引出されたリード線３３は、底壁１２の
下面に沿つて後方に導かれ、ターミナルチツプ２
３の端部２３ａにハンダ付けされる。この場合、
リード線３３の中間部は粘着テープなどのクラン
パ３４により底壁１２の下面に添設されることが
望ましい。なお、参照符号３５はノブメンバ１４
の底蓋を示す。

上記のように針アセンブリ２５を支持している
ノブメンバ１４は、柱状部分１５をソケツト５内
に強制嵌合させることにより、弾性片１７のバネ
作用および凸部７と１８の係合作用でケーシング
１に確実に取付けられるものであるが、この場
合、前記ソケツト５およびこれに嵌着される柱状
部分１５と前記ターミナルピン９，１０の他端部
９ａ，１０ａおよびこれに係合するコネクタ２
３，２３とは、カンチレバー２７の軸線と直角な
平面内に整合され、また、前記ギヤツプ４は前記
カンチレバー２７の軸線と直角な平面内に分布し
ているため、ターミナルピン９，１０の端部９
ｂ，１０ｂは、ノブメンバー１４のターミナルチ
ツプ２３に適正に挿嵌され、また、各アーマチユ
ア２９はヨーク３，３の間に正確に案内されるこ
とになる。

この発明によれば、ケーシング１に対して、可
動コイル３２を含む針アセンブリ２５を支持した
ノブメンバ１４を簡単な操作で着脱でき、かつ、
この操作に伴つてケーシング１のターミナルピン
９，１０と可動コイル３２のリード線３２とをタ
ーミナルチツプ２３を介して電気的に接続するこ
とができるので、針交換をきわめて容易に行なう
ことができる。また、この発明によると、針交換
の際、針アセンブリＢのアーマチユア２９がカー
トリツジ本体Ａ側に設けられている１対のヨーク
３，３間の磁気ギヤツプ４内に直接挿入されるた
め、針アセンブリＢ側にヨークを設けることを必
要とせず、したがつて、交換針を安価に提供する
ことができるとともに、磁気回路の損失をきわめ
て小さくすることができる。他方、特開昭52−
90903号に開示されているカートリツジとは異な
り、針アセンブリＢを受けるソケツト５が磁気ギ
ヤツプ４の隣接する部位に設けられているため、
針アセンブリＢを交換可能にしたことに伴なつて
磁気ギヤツプ４を殊更広くする必要は全くなく、
高い発電効率を保持することができる。また、金
型の精度は通常±0.01％位であるが、ソケツト５
と柱状部分１５とを可能な限り大きく設計するこ
とができるため、アーマチユア２９を磁気ギヤツ
プ４内に正確に導き入れることができる。

なお、この発明は、実公昭40−19879号公報や
特公昭52−4161号公報等に示された型の可動コイ
ルにも適用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は底蓋をはずした状態で示すこの発明に
よるピツクアツプカートリツジの底面図、第２図
は第１図の２−２線に沿つて採られた分解断面図
である。 図中、Ａはカートリツジ本体、Ｂは針アセンブ
リ、１はケーシング、２はマグネツト、３はヨー
ク、４は磁気ギヤツプ、５はソケツト、９，１０
はターミナルピン、１４はノブメンバ、１５は柱
状部分、２３はターミナルチツプ、２５は針アセ
ンブリ、２３は可動コイル、３３はリード線であ
る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ カートリツジ本体と、この本体に取はずし可
   能に装着される針アセンブリとからなる可動コイ
   ル型ピツクアツプカートリツジにおいて、 前記カートリツジ本体は、合成樹脂からなるケ
   ーシングと、該ケーシング内に保持された永久磁
   石と、該永久磁石の両側に連結された１対の板状
   ヨークであつて、各ヨークは前記ケーシング内に
   支持され、その一端は他方のヨーク片の一端との
   間に前記ケーシングの下面に開口する磁気ギヤツ
   プを形成するものと、前記ケーシングの前記磁気
   ギヤツプに隣接する部位において下面に向けて開
   口するように形成されたソケツト部と、該ソケツ
   ト部に関連して前記ケーシングに固定された複数
   の電気ターミナルピンであつて、その一方の端部
   は該ケーシングの側部から外方へ突出しかつ他方
   の端部は該ケーシングの下面から外方へ突出して
   いるものとを備え、 前記針アセンブリは、前記ソケツト部に着脱可
   能に嵌着される柱状部分を有するノブメンバー
   と、このノブメンバーに固定されかつ前記ターミ
   ナルピンの他方の端部と着脱自在に係合する複数
   の電気コネクタと、前記ノブメンバーに支持され
   た針サブアセンブリであつて、一端に針先を有す
   るカンチレバーアームと、該アームの他端に支持
   されかつＶ字状に配向された柱状ロツドの各々に
   巻回された２つのコイルを担持するアーマチユア
   とを、含むものと、前記コイルの各々の端部を前
   記コネクタに電気的に接続する手段とを備え、 前記ソケツト部およびこれに嵌着される前記柱
   状部分と前記ターミナルピンの他方の端部および
   これに係合する前記コネクタとは、前記カンチレ
   バーアームの軸線と直角な平面内に整合され、前
   記磁気ギヤツプは前記カンチレバーアームの軸線
   と直角な平面内に分布し、前記ソケツト部に前記
   柱状部分を嵌着することにより、前記ターミナル
   ピンと前記コネクタとが係合するとともに、前記
   各コイルが前記磁気ギヤツプ中に配置されること
   を特徴とする可動コイル型ピツクアツプカートリ
   ツジ。