JPS606420Y2 - 溶融金属用浸漬管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内側が焼成又は不焼成耐火煉瓦よりなり外側
がキャスタブル施工の不定形耐火物より形成されている
溶融金属用浸漬管の構造に係るものである。

たとえば、脱ガス処理容器に取付けて溶融金属の吸排を
行なう浸漬管は、芯金を介挿してその下端の内縁フラン
ジ状の支持金物に支保させて芯金内側は全面若しくは下
部を焼成若しくは不焼成耐火煉瓦にて施工し、又芯金外
側は不定形耐火物となされている。

そしてこのような浸漬管の外面の不定形耐火物を形成す
るには、キャスタブルを打設し、１０〜２４時間程度又
はそれ以上の時間経過後脱型し、自然乾燥しつつ約２瞬
間養生し更に加熱乾燥室に収容して乾燥させ、然る後自
然冷却してストックされており、実際使用時には脱ガス
処理容器の下部に取付は予め適宜手段で加熱昇温させて
から溶融金属を流通させるようにされている。

しかし、加熱乾燥又は脱ガス処理容器に取付けて予熱昇
温させている段階で、浸漬管の外面を形成する不定形耐
火物に微亀裂が発生し、これが誘因となって溶鋼浸入と
か不定形耐火物の剥落が生じ浸漬管の耐久性を著しく短
くしていたのである。

本考案は斯かる現況に鑑がみなされたもので、浸漬管の
不定形耐火物のキャスタブル打設後の自然乾燥の工程期
間を短縮すると共に該部に微亀裂が発生するのを防止し
、溶鋼浸入又は不定形耐火物の剥落が生じない長寿命の
浸漬管の提供を目的としている。

次に本考案の浸漬管の実施の一例を図面に基づき説明す
ると、下端部に内縁フランジ状の支持金具１２を備えた
芯金１１の内側にはこの支持金具１２に荷重を支持させ
るようにすると共に芯金１１との接面には充填材層を介
在させて耐火煉瓦１３を施工し、また、芯金１１の外側
には該芯金に適宜植設した文楽１４，１４に介助させて
キャスタブルを打設して不定形耐火物１を形成腰その外
周面及び下表面には、適当な小孔又は間隙等を配して内
部に占位する不定形耐火物１の露出部３を有する金属製
外套２を巻立てて浸漬管１０を構或するものである。

本考案のごとく不定形耐火物１に金属製外套２を被覆し
た構成となることにより、浸漬管１０を流通する溶融金
属より伝達される熱量による不定形耐火物１の外周面へ
の熱膨張応力を拘束して、不定形耐火物１を表層におけ
る微亀裂の発生を抑止し、さらにこれに起因する溶鋼浸
入又は剥落等を防止することができ、さらに、この金属
製外套により不定形耐火物を覆蓋するにあたって、金属
製外套の各部内面側には不定形耐火物に接して、これの
熱膨張を吸収する部材たとえば可燃性シート若しくはセ
ラミックファイバー等の取付は又は張付けを施すことに
より上記の効果を一層顕著に発揮させることができる。

この金属製外套２は、不定形耐火物１の熱膨張による応
力がもたらす変容等の組戊体の挙動を拘束し得る範囲ま
で薄い材質のものとなすことができ、場合によってはブ
リキ板等の廉価な材料を使用することも可能である。

さらに、浸漬管１０を、金属製外套２を備えたものとな
す有利さは、微亀裂発生の懸念をなくしたことにより乾
燥温度の選択範囲を拡大できることとなり乾燥期間の短
縮化が可能となる他、運搬時の荷扱いを容易とし梱包も
簡略化でき、施工上の取扱いも安全、迅速に行えるので
種々のコストを節減することができる。

浸漬管の外周部不定形耐火物を形成するキャスタブル打
ち施工時には、浸漬管外周面形を特定するような型枠の
中に半製品を定置してキャスタブルの流動施工若しくは
振動施工を行なっているが、本考案に係る構成にあって
は、外側の不定形耐火物を未施工の半製品に金属製外套
を被嵌し、この金属製外套に型枠を兼用しめつつキャス
タブル打ち施工を行なえば、製造工程も大幅に促進され
同時に不定形耐火物に整合密接した金属製外套を備えた
本考案の実体効果を格段に向上したものとして得られ本
考案の目的たる浸漬管の耐久性と取扱上の普遍性が高ま
るのである。

また、金属製外套の形態は芯金外側の不定形耐火物の外
側面、下表面に遍く接着して設ける場合のほか、適宜区
分して不定形耐火物を周回する広幅バンド状のものとな
すこともでき、この場合には露出部はバンド状の広幅金
属製外套の相互間隙及びこの外套部に穿設された小孔に
より形成される。

以上の説明により、芯金の外側に不定形耐火物を施工し
その表面に金属製外套を設けた本考案浸漬管の構成が示
されており、さらに本考案の趣旨に基づけばその技術的
思想は上記の実施例に限定されるものではなく、それか
ら導かれる変形又は応用等はすべて本考案の技術的範囲
に包含されるものであるとはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の縦断説明図、第２図は同じ
く他の実施例の縦断説明図である。 １・・・・・・不定形耐火物、２・・・・・・金属製外
套、３・・・・・・露出部、１０・・・・・・浸漬管、
１１・・・・・・芯金、１２・・・・・・支持金具、１
３・・・・・・耐火煉瓦。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 芯金の内側に耐火煉瓦等を、同じく外側に不定形耐
   火物を施工しその内部に溶融金属を流通させる浸漬管に
   おいて、外側の不定形耐火物を覆套する金属製外套を設
   けてなる構成を特徴とする溶融金属浸漬管。 ２ 不定形耐火物の外周面及び下表面を覆套すると共に
   小孔を穿設した金属製外套とした実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の溶融金属用浸漬管。 ３ 不定形耐火物を周回する広巾のバンド状のもので、
   不定形耐火物の露出部を形成する金属製外套とした実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の溶融金属浸漬管。