JPS6054599B2 - 熱伝達装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は中空室内に作動媒体を所定量封入し、この
作動媒体の気相変化を利用して熱の輸送を行う熱伝達装
置に関する。

従来この種の装置として第１図および第２図に示すも
のがあつた。

図において、１は筒部材、２はこの筒部材１の内部に
形成される環状の中空室で、筒部材１とほぼ同心状に配
設されている。

３はこの中空室２内を真空減圧後所定量封入された例え
ばフロン、アンモニア等の作動液体、４はこの作動液体
３が気化した蒸気である。

次に動作について説明する。

たとえば、筒部材１の内壁側より加熱、加温した場合、
中空室２内の作動液体、３は気化してその際に内壁側よ
り蒸発潜熱を奪う。この作動液体３が気化した蒸気４
は図に示すように上部に移動し、温度の低い外壁側に接
触することにより凝縮して凝縮潜熱を外壁およびその周
囲の空気中に放出する。そして、凝縮液化した作動液体
３は重力により下方に落下して元の状態に戻る。この動
作を順次繰り返すことにより内壁側の熱量は外壁側に輸
送され冷却が行なわれる。この際に、内壁側の温度分布
が不均一な場合は、温度の高い部分の蒸発量がより多く
なつて奪いとる熱量も大きくなり、全体としての温度分
布は均一化される。以上のように従来のものは構成され
ていたので、作動液体３の蒸発量が多くなり蒸気圧が高
くなると中空室２内の圧力により壁が変形、歪を生じ破
壊される恐れがあり、又同様に外部より圧力、荷重等が
かかつた場合にも同じような不具合が生じるといつた欠
点を有していた。 この発明は上記のような従来のもの
の欠点を除去するために成されたもので、筒部材両端内
部にこれとほぼ同心状に形成される第１の溝およびこ、
の第１の溝間を上記筒部材軸方向に貫通する複数の第２
の溝から成る中空室と、上記両溝内に所定量封入される
作動液体とを備えたことにより冷却および温度の均一化
をより有効に図ると共に内外部からの圧力および荷重に
対して十分に耐え得る・熱伝達装置を提供することを目
的としている。

以下、この発明の一実施例における熱伝達装置を第３
図および第４図に基づいて説明する。図において、５は
内側リング、６は外側リングで内側リング５とは締代を
持たせて圧入することによソー体化され筒部材１を構成
している。７は筒部材１両端内部にこれとほぼ同心状に
形成される第１の溝、８はこの第１の溝７間を貫通する
複数の第２の溝で、これらの両溝７，８は中空室９を構
成している。

１０は第２の溝８間に形成される歯部である。

なお中空室９内には従来装置同様真空減圧後作動液体が
所定量封入されている。次に上記のように構成されるこ
の発明の一実施例における熱伝達装置の動作を説明する
。従来装置と同様に内側リング５側より加熱、加温した
場合、中空室９内の作動液体は気化して蒸気となり蒸発
潜熱を奪つてその蒸気は第１の溝７に沿つて上部に移動
し、外側リング６を介して外部の空気により冷却され凝
縮して、凝縮潜熱を周囲空気へ放出しつつ液体にもどる
。この液化した作動液体は第１の溝７内面側を重力によ
つて落下してもどる。このようにして作動液体の相変化
を利用して冷却をくり返す。この際に、内径側加熱部の
温度分布が不均一な場合、より温度の高い部分は他の部
分に比べ、蒸発量が多くなり蒸発潜熱を多く奪い温度分
布を均一化させるように動作するわけであるが、円周方
一向に温度分布が不均一な場合は、第１の溝７内でこの
ような作用が生じて温度分布は均一化され、軸方向すな
わち長手方向に温度分布が不均一な場合は、第２の溝８
により作動液体の流入、補充を円滑に行ない温度分布均
一化の促進を行なう。

一；方、作動液体の気化に伴う蒸気圧の増大に対しても
歯部１０が補強となり、変形、歪は防止され破壊等の事
故につながらない。又、外部よりの圧力、荷重に対して
も同様の効果を発揮する。さらに、内、外リング５，６
は締代を持たせて圧入さ！れているので充分な強度を確
保することも可能である。第５図はこの発明の他の実施
例を示すものて筒状部材をたとえば工作機械の主軸軸受
台に適用したものである。

図において、１１は主軸、１２は軸受、１３はこの軸受
台、１４はこれら１１〜１３を支持する枠、１５は軸受
台１３内部に形成される中空室、１６はこの中空室１５
の一端に連結する蒸気管、１７は中空室１５の他端に連
結する液管で、両管１６，１７は放熱器１８に接続され
ている。１９は放熱部１８に送風する冷却ファンｌであ
る。

上記のように構成されたこの発明の他の実施例によれば
蒸気となつた作動液体は自身の蒸気圧により蒸気管１６
を径由して放熱器１８に移動し、ここで冷却され凝縮す
る際に凝縮潜熱を周囲空気中に放出して液化し、液管１
８を径由して中空室１５の他端にもどる。

このように放熱器１８により強制的に冷却しているので
冷却効果は第３図および第４図に示した実施例と比較し
さらに向上される。以上のように、この発明によれば筒
部材両端内部にこれとほぼ同心状に形成される第１の溝
およびこの第１の溝間を上記筒部材軸方向に貫通する複
数の第２の溝から成る中空室と、上記両溝内に所定量封
入される作動液体とを備えたことにより冷却および温度
の均一化をより有効に図ると共に内外部からの圧力およ
び荷重に対して十分に耐え得る熱伝達装置を提供するこ
とが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置を示す断面図、第２図は第１図におけ
る線■−■に沿う断面図、第３図はこの発明の一実施例
における熱伝達装置を示す断面図、第４図は第３図にお
ける線■−■に沿う断面図、第５図はこの発明の他の実
施例における熱伝達装置を示す断面図である。 図中、１は鏑部材、７は第１の溝、８は第２の溝、９は
中空室である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 筒部材両端内部にこれとほぼ同心状に形成される第
   １の溝およびこの第１の溝間を上記筒部材軸方向に貫通
   する複数の第２の溝から成る中空室と、上記両溝内に所
   定量封入される作動液体とを備えたことを特徴とする熱
   伝達装置。 ２ 中空室は内側リングと外側リングとを締代を持たせ
   て圧入することにより形成していることを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載の熱伝達装置。